眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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熊族の町ベイエル

ただいま!

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 身体を揺り動かされ、眠っていたオルガの意識が浮上した。
 ぼんやりと目を開けると、シュウベルさんが僕の顔を覗き込んでいた。
「起きたか…」
「うん…。おはよう…」
 オルガは身体を起こし、ボーッと回りを見る。
 あれ…ココどこだ?
 木の壁に挟まれて…。
 …そうだ。
 ベイエルから『クルーラ』に帰る獣馬車の中で、眠っていたんだ…。
「『クルーラ』には着いてるぞ。よく眠っていたから、獣馬車の小屋まで乗せてきた。が、そろそろ降りようか」
「…獣馬車の小屋…」
 オルガは驚いた。
 ココまで一度も目を覚まさなかったからだ。
 途中の集落で、何度か止まっただろうし、『クルーラ』の入口前でも、止まって乗客を下ろしたはずなのに…。
 その後、獣馬車を『クルーラ』の中に入れる獣馬車用の入口から小屋の方に来たのに、気がつかなかったなんて…。
 前方を見れば、獣馬は馬車から離され、すでにいない…。
 周囲に有った木の箱の荷物も、ほとんど下ろされ、後はオルガの回りに有る木箱と、ベッド代わりにしていた木箱だけになっていた。
 そして、お腹がグ~ッと鳴る。
 お腹…空いた…。
「もう、昼過ぎだからな…」
 そう言って、シュウベルさんが布に包まれた物を差し出してくる。
「馬車を降りて、少し食べろ。フラフラのままだと、みんな心配するだろ」
「うん。ありがとう」
 オルガは、お昼ごはんを受け取り、荷物を持って馬車を降りた。
 馬車は、屋根付きの建物の中に停まっていて、いくつもの荷台が並べられ、いろんな荷物が乗せられていた。
 オルガは荷物の積み降ろしの邪魔にならない、建物の端の方に座ると、布で包まれたお弁当を広げる。
 本来、獣馬車の中で食べる予定の、簡単なお昼ごはんだ。
 小さいパンが二つに、唐揚げ、ベーコンが入った卵焼き。
 オルガはそれらを食べ、一息着く頃には、荷物はすべて下ろされ、各家、館、店行きの荷台に仕分けられていた。
 そろそろ行かないと…。
 オルガが立ち上がると、シュウベルさんが近づいてきた。
「俺の今日の仕事はココまでだ。ほら、帰ってきた報告を待ってるヤツらが居るから行くぞ」
 そう言ってシュウベルさんが歩き出す。
 オルガが荷物を持って付いていこうとしたら、シュウベルさんが、思い出したかのように急に足を止めた。
「その荷物、今なら『白の館』へ運んでもらえるぞ。どうする」
 えっ!運んでくれるの!
 『白の館』まで持っていってもらえるなら、もちろんお願いしたいです。
「お願いしたい!」
「こっちだ」
 シュウベルさんが方向を変え、後を付いて行って、並べられた荷台の『白の館』と書かれた荷台の側に行くと、僕がベイエルで買って、送って欲しいと頼んだ本が入った、包みが置いてあった。
 見れば、その包みには『クルーラ』『白の館』『オルガ』と書かれている。
 なのでその側に荷物を置いて、シュウベルさんからもらった紙に『白の館』『オルガ』と書いて、紐で持ち手に結び付けた。
 獣馬車に乗ったお客さんの荷物は、配達してくれるようだ。
 いつもは『クルーラ』の入口で降りて、一緒にベイエルに行ったアレクさんが、僕の荷物も持ってくれて、『白の館』まで持って帰っていた…。
 一人の時は、今度からお願いしておこう。


 身軽になったオルガは、シュウベルと一緒に、獣馬車の小屋を出て、『クルーラ』の石畳の道を歩いた。
 昼過ぎだからか、それほど人は歩いていない…。
 ほんの数日離れていただけなのに、久しぶりに帰ってきた気がする。
 石畳の道の一番奥…。
 ヒナキさんのお店が見えてきて、思わず駆け足になってしまった。
 いつもはアレクさんと一緒だけど、今回、一人でベイエルに行ってきたからか、なんとなく…。
 そして店の扉を開けると、右奥のソファーに座るヒナキさんと目が合った。
「ただいま!」
 
 ベイエルは楽しかったけれど、やっぱり僕が帰ってくる場所は、ココ…。
 帰る場所だと思える所…。
「お帰り」
 ヒナキさんがニコニコと微笑む。
 その笑顔を見て、帰ってきた…そう思えるほどに…。




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