119 / 182
獣人の街グオルク ~創立祭~
旅立ち
しおりを挟む
『青の館』でシュウベルさんに防御魔法を習い始めてから、三年の月日が流れ、オルガは十六歳になっていた。
少し身長も伸びて、ヒナキさんと変わらないくらいの身長になった。
ヒナキさんは『まだ僕の方が背が高い!』と、叫んでいるけど、もうすぐ追い越してしまうかも…。
『青の館』で習い始めた防御魔法、『風の盾』と『水の壁』も使いこなせるようになり、『クルーラ』の外に出ることも増えた。
熊族の町ベイエルにも、一人で行っても良い許可が出て、近隣の狼族の町や、中間の集落までなら、買い物に出掛けることも有る。
とは言え、獣馬車を使わない場合は、絶対に誰かと一緒に行くのが決まりだけれど…。
オルガの行動範囲が広がり、同世代の友達も増え、『クルーラ』では習わなかった知識や遊びを知り、もう、『迷い人』ではなく、『クルーラ』の『人族』として認識されていた。
最近は、仲良くなった狼族の灰銀色のフェイと、熊族のアレイの三人で、近くの町や村へ出掛けたり、町の外の安全地帯で夜営をしたりもしている。
まだ二人とも『クルーラ』には来れないけれど、どちらかの町で待ち合わせをして、一緒に小さな冒険を楽しんでいるのだ。
そして、僕の身体が『クルーラ』から離れて、魔素の濃度の変化に順応して、魔法を使っても倒れなくなったころ、獣人の街グオルクに行っても良いと許しが出た。
やった!
獣人の街グオルクは、多くの種族が集まって出来た大きな街。
街を統治しているのは、豹族。
リーンさんの義兄弟の豹族の人が、街を管理しているそうだ。
最近は忙しくて、『クルーラ』には来ていないそうだから、僕は会ったことがない。
どんな人だろう…。
獣人の街グオルクへ行くには、朝一番の獣馬車に乗り『クルーラ』を出発して、夕方日の入りくらいに『グオルク』にたどり着くのが一番早い便だ。
『クルーラ』に買い付けや注文に来る人達は、『グオルク』を朝一番に出て、夕方の日の入り前に『クルーラ』にたどり着く獣馬車に乗ってくるのが一般的だ。
ただ、一日中、獣馬車に乗りっぱなしなので、身体は痛くなるしお尻も痛いと言っていた。
それに魔素の濃度が濃くなるので、耐えられずに途中で降りる人達も居ると言う…。
なので、途中の町で休憩しながら、町を散策して、三日くらいかけて行き来するのがお薦めだと言われている。
僕達は『グオルク』に半分遊びに…半分お勉強に行くことになった。
「良いか!『グオルク』は魔素が薄い。身体がなれるまでは、魔法を使うなよ!」
「分かってるよ…」
オルガは『クルーラ』の入り口で、ヒナキさんに念を押される。
始めて『グオルク』に向かうこともあって、心配してくれるのは分かっている。
僕だって、倒れたくないから、むやみに魔法を使わないよ…。
オルガはいつもの『折り魔紙』を入れたポーチを腰に着け、斜めかけの鞄に着替えを入れていた。
いつものお出かけの格好だ。
今日は、兎族の町ラビリスまで行って、熊族のアレイと狼族のフェイと合流して、一泊泊まる。
そして翌日、猫族の町ミルーシャまで行って、一泊泊まり、体調が悪くなければ、翌日、グオルクに向かう予定だ。
『グオルク』から一番遠いのが、狼族の町に居るフェイなので、フェイは、数日前にアレイの家に泊まって、二人は一緒に兎族の町ラビリスに来る。
昼頃には合流予定なので、オルガは『グオルク』行きの朝一の獣馬車に乗って、兎族の町ラビリスで降りるのだ。
「そろそろ行くよ」
『グオルク』行きの獣馬車が出発してしまう…。
「ああ。気を付けてな…」
ヒナキさんが心配そうに僕を見る。
ヒナキさんは『クルーラ』からは出られない…。
だから、獣馬車の乗り場まで見送ることは出来ない…。
僕は微笑んでヒナキさんに言う。
「行ってきます!」
いつものごとく、アレクさんに獣馬車乗り場にまで送ってもらって、獣馬車に乗る。
「アレイにあんまり、はしゃぎすぎるなと言っといてくれ」
アレクさんは苦笑いして言う。
アレイの事を心配しても、会えるわけではないからね…。
「うん。行ってきます」
動き出した獣馬車に揺られて、オルガは兎族の町ラビリスに向かった。
少し身長も伸びて、ヒナキさんと変わらないくらいの身長になった。
ヒナキさんは『まだ僕の方が背が高い!』と、叫んでいるけど、もうすぐ追い越してしまうかも…。
『青の館』で習い始めた防御魔法、『風の盾』と『水の壁』も使いこなせるようになり、『クルーラ』の外に出ることも増えた。
熊族の町ベイエルにも、一人で行っても良い許可が出て、近隣の狼族の町や、中間の集落までなら、買い物に出掛けることも有る。
とは言え、獣馬車を使わない場合は、絶対に誰かと一緒に行くのが決まりだけれど…。
オルガの行動範囲が広がり、同世代の友達も増え、『クルーラ』では習わなかった知識や遊びを知り、もう、『迷い人』ではなく、『クルーラ』の『人族』として認識されていた。
最近は、仲良くなった狼族の灰銀色のフェイと、熊族のアレイの三人で、近くの町や村へ出掛けたり、町の外の安全地帯で夜営をしたりもしている。
まだ二人とも『クルーラ』には来れないけれど、どちらかの町で待ち合わせをして、一緒に小さな冒険を楽しんでいるのだ。
そして、僕の身体が『クルーラ』から離れて、魔素の濃度の変化に順応して、魔法を使っても倒れなくなったころ、獣人の街グオルクに行っても良いと許しが出た。
やった!
獣人の街グオルクは、多くの種族が集まって出来た大きな街。
街を統治しているのは、豹族。
リーンさんの義兄弟の豹族の人が、街を管理しているそうだ。
最近は忙しくて、『クルーラ』には来ていないそうだから、僕は会ったことがない。
どんな人だろう…。
獣人の街グオルクへ行くには、朝一番の獣馬車に乗り『クルーラ』を出発して、夕方日の入りくらいに『グオルク』にたどり着くのが一番早い便だ。
『クルーラ』に買い付けや注文に来る人達は、『グオルク』を朝一番に出て、夕方の日の入り前に『クルーラ』にたどり着く獣馬車に乗ってくるのが一般的だ。
ただ、一日中、獣馬車に乗りっぱなしなので、身体は痛くなるしお尻も痛いと言っていた。
それに魔素の濃度が濃くなるので、耐えられずに途中で降りる人達も居ると言う…。
なので、途中の町で休憩しながら、町を散策して、三日くらいかけて行き来するのがお薦めだと言われている。
僕達は『グオルク』に半分遊びに…半分お勉強に行くことになった。
「良いか!『グオルク』は魔素が薄い。身体がなれるまでは、魔法を使うなよ!」
「分かってるよ…」
オルガは『クルーラ』の入り口で、ヒナキさんに念を押される。
始めて『グオルク』に向かうこともあって、心配してくれるのは分かっている。
僕だって、倒れたくないから、むやみに魔法を使わないよ…。
オルガはいつもの『折り魔紙』を入れたポーチを腰に着け、斜めかけの鞄に着替えを入れていた。
いつものお出かけの格好だ。
今日は、兎族の町ラビリスまで行って、熊族のアレイと狼族のフェイと合流して、一泊泊まる。
そして翌日、猫族の町ミルーシャまで行って、一泊泊まり、体調が悪くなければ、翌日、グオルクに向かう予定だ。
『グオルク』から一番遠いのが、狼族の町に居るフェイなので、フェイは、数日前にアレイの家に泊まって、二人は一緒に兎族の町ラビリスに来る。
昼頃には合流予定なので、オルガは『グオルク』行きの朝一の獣馬車に乗って、兎族の町ラビリスで降りるのだ。
「そろそろ行くよ」
『グオルク』行きの獣馬車が出発してしまう…。
「ああ。気を付けてな…」
ヒナキさんが心配そうに僕を見る。
ヒナキさんは『クルーラ』からは出られない…。
だから、獣馬車の乗り場まで見送ることは出来ない…。
僕は微笑んでヒナキさんに言う。
「行ってきます!」
いつものごとく、アレクさんに獣馬車乗り場にまで送ってもらって、獣馬車に乗る。
「アレイにあんまり、はしゃぎすぎるなと言っといてくれ」
アレクさんは苦笑いして言う。
アレイの事を心配しても、会えるわけではないからね…。
「うん。行ってきます」
動き出した獣馬車に揺られて、オルガは兎族の町ラビリスに向かった。
23
あなたにおすすめの小説
屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです(完結)
わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。
対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。
剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。
よろしくお願いします!
(7/15追記
一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!
(9/9追記
三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン
(11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。
追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
捨てられた貴族六男、ハズレギフト『家電量販店』で僻地を悠々開拓する。~魔改造し放題の家電を使って、廃れた土地で建国目指します~
荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
ある日、主人公は前世の記憶を思いだし、自分が転生者であることに気がつく。転生先は、悪役貴族と名高いアストロメア家の六男だった。しかし、メビウスは前世でアニメやラノベに触れていたので、悪役転生した場合の身の振り方を知っていた。『悪役転生ものということは、死ぬ気で努力すれば最強になれるパターンだ!』そう考えて死ぬ気で努力をするが、チート級の力を身につけることができなかった。
それどころか、授かったギフトが『家電量販店』という理解されないギフトだったせいで、一族から追放されてしまい『死地』と呼ばれる場所に捨てられてしまう。
「……普通、十歳の子供をこんな場所に捨てるか?」
『死地』と呼ばれる何もない場所で、メビウスは『家電量販店』のスキルを使って生き延びることを決意する。
しかし、そこでメビウスは自分のギフトが『死地』で生きていくのに適していたことに気がつく。
家電を自在に魔改造して『家電量販店』で過ごしていくうちに、メビウスは周りから天才発明家として扱われ、やがて小国の長として建国を目指すことになるのだった。
メビウスは知るはずがなかった。いずれ、自分が『機械仕掛けの大魔導士』と呼ばれ存在になるなんて。
努力しても最強になれず、追放先に師範も元冒険者メイドもついてこず、領地どころかどの国も管理していない僻地に捨てられる……そんな踏んだり蹴ったりから始まる領地(国家)経営物語。
『ノベマ! 異世界ファンタジー:8位(2025/04/22)』
※別サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる