眠っていた魔力紙を折紙みたいに折ったら、新しい魔法の使い方が出来たので、役立てます。

ゆう

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獣人の街グオルク ~創立祭~

猫族の町ミルーシャ 4 ~混雑~

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 猫族の町ミルーシャから馬車に乗って約二時間、昼過ぎにグオルクの街に到着した。


 本当はもう少し早くたどり着く予定だったが、朝のミルーシャの乗り合い馬車の人の多さに、負けてしまったからだ。
 どこにこれだけの人が居たのだろうかと思うくらい、乗り合い馬車は混雑していて、馬車に定員数より多いくらいの人を乗せると、グオルクに向かって出発していた。
 次々と出発していく馬車は、常に満員で、荷物押し潰されそうな、あの状態のまま二時間…。
 グオルクにたどり着くまでだと思ったら、乗る気が失せた…。
 なので、のんびりと早朝の屋台で朝食を食べ、人が減るのを待った。
 とは言え、次から次ぎと人が集まって来て、当分乗れそうに無い…。
 そんな僕達の様子を見ていた、近くの果物のジュースの屋台の猫族のおじさんが、見かねて声をかけてきた。
「お前達、グオルクに行くのか?」
「はい。…でも乗り合い馬車の人混みがすごくて…」
 ハハッとおじさんが笑う。
「朝の今の時間は毎日混んでるぞ」
「そうなんだ…」
 三人は顔を見合わせて大きなタメ息をつく。
 すると猫族のおじさんが、手招きしたのでおじさんの屋台の方に行く。
「ほら、ココに座って」
 屋台裏の木箱が積み上げられている一角の、並んだ木箱を指差す。
 僕達が木箱に座ると、りんごジュースを手渡してくれ、戸惑った。
「子供は遠慮せずに飲め」
「「「ありがとうございます!」」」
 オルガ達は冷たいりんごジュースを飲んで一息付いた。
 そんなオルガ達の様子を見て、おじさんが言う。
「朝は、ミルーシャの近くの夜営場で、野宿していた者達もこの時間の馬車に乗るから、いつも混んでるぞ」
 そうなんだ。
 だからこんなにも人が多いんだ…。
「それにもうすぐ、『グオルク創立祭』が有るから、特に人の流れが多いんだ。行商の馬車も多いだろ」
 言われてみれば、乗り合い馬車も有るが、荷物を積んだ馬車もチラホラ見える。
 まあ、僕達の目的の一つが、『グオルク創立祭』の手伝いなので、目的は一緒なんだけどね…。


 『グオルク』は、豹族の獣人達が、自然災害や人災によって村や集落で住めなくなった獣人達を保護し、一緒に村に住むようになったのが始まりだと言われている。
 次第に人が増え、村は町になり、いつしか多くの種族が住む、最大の街になっていた。
 村から町なるときに、ある程度、区画整備され、街の中心には、各種族のまとめ役として役所と交流の場として広場が作られ、それを中心に、外へ外へと街は広がっていった。
 広場では、月末に市場が開かれ、それぞれの種族の特産物を持ちより販売される。
 その中でも最大なのが、『グオルク創立祭』。
 『グオルク』の街だけでなく、その周辺の町や村から、いろいろなモノが集まり、五日間続く…。
 グオルクの街をあげてのお祭りだ。

「どの時間だと混んでませんか?」
 アレイが、おじさんに聞く。
 うん。混んでない時間帯を知りたい。
「そうだな。一番混んでないのは、夕方の『クルーラ』から来る獣馬車だな」
 えっ…。
 そうなんだ…。
「獣馬車だから、速くて揺れが少ないとは聞いている。だが乗車の値段は高いがな…」
 アレイとフェイの視線が僕の方を向く。
 『クルーラ』からだと、朝一に乗って夕方に『グオルク』に着くって言っていた。
 けれど、僕達は途中で降りて買い物をしているから…。
 それに、夕方の獣馬車まで待つつもりもない…。
「それ以外では?」
「そうだな、昼前と夕方だな…。日中はココからグオルクに、仕事に行っている連中も居るし、夕方は少ないぞ」
 そうなんだ…。
 もう少し待って、混雑が収まったら出発にしよう…。
 おじさんは、果物のジュースを販売しながら、僕達と雑談して、時間を紛らわせてくれた。


「グオルクには、いろんな人がいるから、人族の君は、一人で行動するんじゃないぞ」
 ぼ、僕?
 急にオルガの方に話が向いて、オルガは驚き、おじさんの方を見ると、真剣な眼差しで言う。
「グオルクに初めて行くのなら、魔素の濃い奥の村から来たんだろ。グオルクでは、人族の子供は珍しいから、気を付けるんだぞ」
「…はい」
 猫族の町ミルーシャを通ると言うことは、魔素の濃い奥の村から来たと分かるだろうが、グオルクに入ってしまえば、それは分からない。
 グオルクにも人族が増えて居るとは言え、魔素に順応できない子供は来れないだろう。
 人族の住む場所は魔素が薄いと言われているからだ。
 ココの魔素に順応出来る子供だと、魔力も多いから、特に狙われやすいと言うことだ。
「護衛も居ることだし、大丈夫だろうが、街中を歩くときはフードをかぶっていた方がいい」
「はい。気を付けます」
 いくら魔法が少し使えるとはいえ、まだ子供だからな…。
 気を付けよう…。

 
 乗り合い馬車の乗る人が減ってきたので、おじさんにお礼を言って、僕達は乗り合い馬車に乗った。
 乗り合い馬車の座席に座れるくらいの人数なので、少しホッとして、ガタガタと揺れながら、グオルクに向かっていった。
 

 そして、猫族の町ミルーシャから馬車に乗って約二時間、昼過ぎにグオルクの街に到着した。


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