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いち

7 ブラコンで変態

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「そっか、そうだよね、よかった。安心したよ。」
「……」

あんまり、この人と話していたくない。
だって、この人は………




「行ってきます。」
「うん、行ってらっしゃい。」


とりあえず同じ空間にいるのすら嫌になって、家を出た。



……バタン。


「はあ……」

扉越しに聞こえる。






「っ…!」


「はぁはぁ……ッ、葵と会話しちゃった…!!葵の声聞いちゃった、葵と目、合っちゃった……やばい、やばいやばいやばいやばいやばいっ!!!!発情する……ッ!!!hshshshshshshshs」

(うあああああっっっっっ!!!!)


興奮気味で叫び倒す実の兄。
それは、ドア越しにまで聞こえてくる。


そう……兄は、ブラコンでド変態です。

(不憫すぎて反抗も出来ない……)


もう手遅れなので、手の施しようもない。


一応、隠してるみたいだけど……バレバレだし。


けどまあ……その執着がストレスで友達も出来なければ、こんな性格になってしまったのも確か。


とりあえずまだはすはすって聞こえるから、早くこの場から去ろう。







ーーー


「あっ、葵!」
「葵、遅いよ?」
「すみません……」

すでに2人とも公園にいて、ベンチに座りながらジュースをのんでいた。

「はいこれ、葵のぶんだよ!」
「陽太…えっと、ありがとうございます……えっと、120円ですか……?」
「お、お金なんていいよ!おかあさんからもらったお金だし!」

そう言って渡されたりんごジュース。
「…あ、ありがとうございます!」
嬉しいけど、他人のお金で飲むジュースって、なんか申し訳ないな……。

ましてや今日仲良くなった人なのに。



「さて、じゃあ何して遊ぶ?」
特に予定は決まってないけど集まる、それが男子小学生。

「はいはーいっ!おにごっこ!」
小学生らしいな。

「陽太ってたまに幼いよね……隠れんぼにしようよ。」
怜も大概だった。

「まあ、3年生だからそんなものですよねー……」
「そういう葵はなんかあるの?」



「………あ、俺はそもそもぼっちだったんで、遊びなんて知らないです。」


「……ごめん。」
「おれも、ごめんな…?」
「いえ、全然。」



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