ブラコン兄さんと〇〇しょたくん。

あまみや。旧

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いち

8 おにごっことか隠れんぼとか

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「じゃあまずはおにごっこしよ!」
「…あの、遊びを教えてくださるのは嬉しいんですけど、俺本当に……おにごっこや隠れんぼくらいしか知らなくて……それに、やったこともなくて……」
「うわ、筋金入りのぼっちだ……」
「おれ、2年生の時クラス全員でおにごっこしたことならあるよー!」
「僕も、1年の最初の頃に少しだけ。」

(……筋金入りのぼっち、だ。)


「ってわけで、おにごっこ!!」
「おにごっこ、ですか…?すみません、やったことがないのでどうすればいいか……」

本当に、この3年間ずっと俺は1人で本を読みながら休み時間を過ごしていた。
体育もよく休むから、本当に……体を動かすことが苦手で。

(……でも、頑張って、みよう。)


胸の前で組んだ手を、ぎゅっと握った。








「………はぁっ、は…ぁ…ん…」

まずい。


「あ、葵大丈夫?息切れすごいけど……」
「へぁ、だいじょぶ…で、うぅぅ……」
「あ、葵が倒れた!」

じゃんけんで負けてしまい鬼になってしまった。
しかも足が遅いわ体力がないわで怜のことすら捕まえることが出来ず……当然陽太なんかは滑り台の上でお昼寝なんてしていた。

「すぅ、すぅ………はっ!あ、あれ?鬼だれー!?」

「まだ葵だよ、でももう流石に辛そうだし……隠れんぼにしよっか。」
「は、はひ……ありがと、…、ござぃ…ます」

こんなに心臓がばくばくいってるの……初めてかも。
喉も冷たくて乾いてるし、息できない……


滑り台から滑り降りてきた陽太が、「じゃあ今度はおれが鬼やる!」と言って、怜と俺で賛成した。


「じゃあトイレのところの壁にいるねっ!20数えたら探しに行く!」
「分かった、じゃ、隠れよ、葵。」
「は、はい……!」





「いーーちっ、にーーぃ!さぁぁーーんっ!!!」

(陽太は本当に声が大きくて羨ましいな……俺も、あれくらいハキハキできたら……)

って、今はそれどころじゃない!
怜は木陰に隠れちゃったし、俺も早く隠れないと……


(にしても……どこに隠れれば……)

遊具に隠れてもすぐに見つかるのは分かる。
それに、ブランコやジャングルジムという、見えやすい遊具ばっかりだから隠れようにも隠れられないし………



「……あっ」



そうだ………!





ーーー


「じーゅーーきゅ、にじゅーぅっ!!よーーしっ!!」

とりあえず、これなら気配さえ消せば見つからないはず。
リスクは高いけど、なかなか考えたと思う。
それに……俺の影の薄さならきっと……いけるはず!





ぽてぽてぽてぽて。

てくてくてくてく。






「んーー、いないなぁーー…?」

陽太はジャングルジムをくまなく探したが見つからなかったらしく、(当たり前)また別の場所を探していた。


「んーー木のそばとか?」




このまま怜を見つけてくれれば、俺の勝ち……ッ!




「あ!怜見つけたーーっ!!」
「っ、わぁ…!びっくりしたぁ……」

……!
怜が見つかった、つまり……俺の勝ち!!


(嬉しい……っ)






「…!陽太……」
「……あ、気付いちゃった?怜。」

2人が小声で何か話している。
小声だから聞こえなかったけど……まぁ、他愛もないことだろう。






「き、気付いてたんだ、後ろに葵がいること………」
「まぁな……でも、気を使って気付かないふりしてた………」



「…?」



ちなみに俺は、ずっと陽太の後ろで気配を消して陽太をストーキングしてました。


(もしかしたら俺、隠れんぼの天才なんじゃないか…っ?)





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