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- 12章 -
- 本番と本心 -
しおりを挟む2人が決意を固めている最中、その舞台裏控え場所にて、みんなのアイドル安積は……
「あー…ぁああ゛ーぁぁぁあああーっ!∋´□`。」
↑※小声※↑
「なに奇声あげてるんですか;;」
「だって、だってがっくん達の発表終わっちゃったんだもん即ち本番なんだもんっ!」
「…どうすれば貴方の緊張をほぐす事ができるんですかね…」
「大丈夫大丈夫、お前1人はずしたってばれないって」
「そうそう、そんなに緊張するならクチパクだって良いし」
「だそうですけど?」
「皆優しいんだか優しいのか優しくないんだかわかんないよっ!!」
皆のマスコットと化していた。
マスコットの緊張はほぐれていないようだが、その存在は皆の緊張をほぐしているようだった。
そうこうしている内に、舞台から退場していく音が聞こえてくる。
ついに
本当に
本当の本番がきた。
安積は大きく深呼吸をする。
「…がんばらなきゃ」
「安積?」
「ずっと付き合ってくれたんだもん。がっくんも、あっきーも、綾も。上手く歌えなくたって頑張って歌って、皆に聞いて欲しい」
胸の前でこぶしを作って、真剣な顔をしている。
『気持ちは凄く嬉しいですけど…合唱際でここまで真剣になれるのって安積くらいですよね…』
と、心中で思いつつも、そこまで非道ではないので本人にはけしていわない。
何も言わず、舞台へと動き出した列にあわせて安積の背中を優しく押した。
「あっきー…」
「行きましょ?」
「ーうん!」
こうして、一世一代の(安積に限り)発表が始まった。
真上にあるライトのあまりの眩しさに安積は目を細めた。
斜め後ろにはその灯りを無視するかのように、真っ直ぐ指揮者を見つめる班乃が居る。
安積は声を出さないように大きく息を吸って、そのぶんだけの息を吐いた。
今は発表に集中しよう。
色々考えるのは後にしよう。
この発表が終わったら……
この発表が終わったら………
アップテンポに流れ出す前奏。
クラス全員が大きく息を吸った。
合唱祭の時間割は、
1限目、各クラスで最終練習。
2限目~4限半分まで本番。
残りクラスで打ち上げ?
その後は一応お昼休みがあり、部活となっている。
そして今は、合唱祭にしては華やかな閉会式を終えて、大袈裟に感動している担任の話を聞いている最中である。
「皆本当によく頑張ったな!」
「………」
「…………」
「練習中は正直駄目だな家のクラスって思ったが」
「……………」
「………………」
「賞は取れなかったけど、皆の歌に感動した」
「………………」
「………安積?」
「あんなに練習中バラバラだったのに、確り合唱になってたし」
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