君と猫の。

ひなた

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#03

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「ちょっと、いいかな」
斜め後ろの席で声が聞こえた。
美羽の影からこっそり顔を覗かせる。あくまでも別に興味ないですけど、を装う。馬鹿だなーって自分にツッコミを入れながらも見ずにはいられない。
目の先には莉菜の横から声をかけてる神永くんがいた。…って、莉菜??
「…なんですか?」
格式張った敬語。機械のように抑揚ないハスキーボイス。そればかりか、神永くんの方を向こうともしない。そればかりか、朝から何か書いているノートを未だに書き続けている…。
周りのざわつきは収まるところを知らないようにどんどん大きくなっていた。中には王子に話しかけられておきながら、あの態度は…と嫌味を言ってる女子もいる。クラスの中心核…とまではいかないけど、そこそこ目立ってる女子。その周りで発言はしないものの、相槌を打ちながらコソコソしてる女子も数人。
「クラスの角田(カクタ)から聞いたんだ。…その……君だよね?アニ格(アニカク)のチャンピオン」
………は??
一瞬、周りの騒いでいた空気が止まった。釣られるように私も固まってしまう。キャーキャー言っていたはずの美羽まで、莉菜を見る、神永くんを見つめたまま表情を固まらせている。周りみんな「なんのことを言っているのか」と言いたそうだ。それもそのはず。神永くんの言う「アニ格」とはルールがわかりやすくプレイしやすいと、今、小学生から高校生あたりまで幅広く人気のあるオンラインゲーム「アニマル格闘大戦」の略称。どうして急にその名前が神永くんから出てきたのか…。そしてそんなことより気になるのは「チャンピオン」と言われた莉菜の方。
「そうだけど。それがどうかしましたか?」
その問に周りの反応を気にしていない莉菜は抑揚のない敬語を崩そうとしない。まあ、1年の時にクラスが一緒だったわけでも無さそうだし他人にいきなりタメ口をきくような子ではないもんな。ノートの手すら止めてない。
「俺、兄貴と昨日ずっとアニ格トーナメントの決勝見てたんだ。わからない技がいろいろ出てきて…どうやったのかなって……」
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