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黎編
12話 兄貴はおれのヒーローだから
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「───と、いうわけで正先生に塩をふっかけたよ。」
「それは──どういう訳なんだ!?」
おれはまた、黎を呼び出した。これからのことを話すためだ。
黎は正先生という単語を聞いた瞬間にナイフを構えた。
「はいはい、ナイフはしまってよ。何もしてないし、されてないっ。」
「でも──あいつと話はしたんだよな?」
「うーん、まぁそうだけど。」
おれがそう答えると黎は何やらボトルを取り出した。
「これ…」
ボトルのふちを押すとしゅっと液体が飛び出た。
「…なにこれ?」
「あいつに近づいたのならしっかり除菌しないと…」
「…アルコール消毒…(ばい菌扱いかよ…)」
おれは黎に言われたとおり、アルコールで除菌した。(意味は特にはないと思うが)
「まぁ、話してみたけど特に変化は感じられなかったかな?」
「話したって…?」
「僕とクソムシが付き合ってるって。」
「!?」
おれがそういうと黎は驚いた表情をする。
「そんなに驚くこと?もう、結構な人数の子たちに話してるよ?」
「いや…、そうか。あいつに…話したのか…。」
黎はぶるっと身体を震わせていた。…怯えていた様子だった。
「そう。だから────動き出すよ。」
「え?」
「僕の予想だとこの1ヶ月の間に何かしら行動を起こすはず。黎を監禁、まではいかなくてもその全長のことを。だから───気をつけてね。」
「気をつけるといっても…。」
黎は体を震わせながらそう呟いた。
「大丈夫、僕が守るから。」
「え?」
「朝、昼、夜、と僕がそばにいてあげるからね。」
「え…、いや、遠慮する。」
「頭、かち割るぞ、てめぇ。」
黎の冷静な口調に苛立ちが走る。あら、いっけなぁーいっ☆
「一言言わせてもらうけど、僕だって、くっそいやなんだからね?それ、忘れないで?なに、被害者ぶってんの??」
「いや、そういう意味ではなくて…!ただ単に大変だろうっ…?」
黎は、そういうと慌てている様子だった。
「まぁ、大変だけど…それも監禁されないためだから。」
「…え?」
「これから、黎は絶対一人でいるな。朝も昼も夜もトイレも、誰かしらのそばにいろ。不意をつかれたら黎、監禁されるぞ。」
「え?」
黎は驚いた表情でおれを見ていた。
「おれがあれだけ挑発したんだ。今頃、怒り狂ってるだろぉよ。だから…今のうちにそのイライラを貯めてどっかーんっ!っと破裂させる。」
「破裂…。」
「証拠を掴めばこっちのもんなんだよ。」
はぁっと勇太はため息を吐きながら黎に説明した。
「…りょ、了解した。」
「それには──お兄ちゃんにも協力を頼んだ。」
「え!?亮にもか??」
「うん、違うクラスだと難しい部分があるからねっ!」
にこっと勇太は笑って見せた。けど、その顔の笑みは作った作り物のようだった。
「いつ、監禁されるかわかんねぇんだ。なら、先に監禁されにいけばいい。いつかもわからず監禁され、証拠も掴めないよりはずっとましだ。」
「そ、そうか。だが…亮も…巻き込まれることになる。」
黎はそのことを強く気にしているようだ。
「…確かに、兄貴のことは心配だ。巻きこまれたくはねぇ。」
「ならっ…!」
「けど、兄貴は────、必要だ。」
「え?」
そういうと勇太は笑みを浮かべた。深い深い笑みだった。
「兄貴は───おれのヒーローだから。」
勇太はそう言い残すとこれで話は終わりだと帰ろう年始めた。
おれはぼっーと勇太をみていた。
「クソムシは僕の恋人、なんだから、ちゃんとそばにいてよねっ!」
「あ、あぁ。」
そして─────おれたちの嘘&監視生活が始まった。
「それは──どういう訳なんだ!?」
おれはまた、黎を呼び出した。これからのことを話すためだ。
黎は正先生という単語を聞いた瞬間にナイフを構えた。
「はいはい、ナイフはしまってよ。何もしてないし、されてないっ。」
「でも──あいつと話はしたんだよな?」
「うーん、まぁそうだけど。」
おれがそう答えると黎は何やらボトルを取り出した。
「これ…」
ボトルのふちを押すとしゅっと液体が飛び出た。
「…なにこれ?」
「あいつに近づいたのならしっかり除菌しないと…」
「…アルコール消毒…(ばい菌扱いかよ…)」
おれは黎に言われたとおり、アルコールで除菌した。(意味は特にはないと思うが)
「まぁ、話してみたけど特に変化は感じられなかったかな?」
「話したって…?」
「僕とクソムシが付き合ってるって。」
「!?」
おれがそういうと黎は驚いた表情をする。
「そんなに驚くこと?もう、結構な人数の子たちに話してるよ?」
「いや…、そうか。あいつに…話したのか…。」
黎はぶるっと身体を震わせていた。…怯えていた様子だった。
「そう。だから────動き出すよ。」
「え?」
「僕の予想だとこの1ヶ月の間に何かしら行動を起こすはず。黎を監禁、まではいかなくてもその全長のことを。だから───気をつけてね。」
「気をつけるといっても…。」
黎は体を震わせながらそう呟いた。
「大丈夫、僕が守るから。」
「え?」
「朝、昼、夜、と僕がそばにいてあげるからね。」
「え…、いや、遠慮する。」
「頭、かち割るぞ、てめぇ。」
黎の冷静な口調に苛立ちが走る。あら、いっけなぁーいっ☆
「一言言わせてもらうけど、僕だって、くっそいやなんだからね?それ、忘れないで?なに、被害者ぶってんの??」
「いや、そういう意味ではなくて…!ただ単に大変だろうっ…?」
黎は、そういうと慌てている様子だった。
「まぁ、大変だけど…それも監禁されないためだから。」
「…え?」
「これから、黎は絶対一人でいるな。朝も昼も夜もトイレも、誰かしらのそばにいろ。不意をつかれたら黎、監禁されるぞ。」
「え?」
黎は驚いた表情でおれを見ていた。
「おれがあれだけ挑発したんだ。今頃、怒り狂ってるだろぉよ。だから…今のうちにそのイライラを貯めてどっかーんっ!っと破裂させる。」
「破裂…。」
「証拠を掴めばこっちのもんなんだよ。」
はぁっと勇太はため息を吐きながら黎に説明した。
「…りょ、了解した。」
「それには──お兄ちゃんにも協力を頼んだ。」
「え!?亮にもか??」
「うん、違うクラスだと難しい部分があるからねっ!」
にこっと勇太は笑って見せた。けど、その顔の笑みは作った作り物のようだった。
「いつ、監禁されるかわかんねぇんだ。なら、先に監禁されにいけばいい。いつかもわからず監禁され、証拠も掴めないよりはずっとましだ。」
「そ、そうか。だが…亮も…巻き込まれることになる。」
黎はそのことを強く気にしているようだ。
「…確かに、兄貴のことは心配だ。巻きこまれたくはねぇ。」
「ならっ…!」
「けど、兄貴は────、必要だ。」
「え?」
そういうと勇太は笑みを浮かべた。深い深い笑みだった。
「兄貴は───おれのヒーローだから。」
勇太はそう言い残すとこれで話は終わりだと帰ろう年始めた。
おれはぼっーと勇太をみていた。
「クソムシは僕の恋人、なんだから、ちゃんとそばにいてよねっ!」
「あ、あぁ。」
そして─────おれたちの嘘&監視生活が始まった。
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