捨て子の幼女は闇の精霊王に愛でられる

9

ミアside


んぅ？ここは…………シャドウのお家？見慣れた天井が見える。相変わらず、塵１つない綺麗な家ね。って、あれ？私、さっきまでラクス様と遊んでて、それで…………。


あ、そっか、眠っちゃったのか。まだ子供だから、早く疲れて寝ちゃうのかな？うーーん、また会いたいなぁ。そうだ！シャドウにお願いしてみるか～♪


シャドウは………まあ、寝てますよね知ってた。


「しゃ～ど～う～、お～き～て～」


「ん。どしたの。も、おきたの？」


「うん！ねえねえしゃどう！つぎはどこにつれてってくれるの？ラクスさまのとこ？」期待しながら返答を待つ。


「そんなにあいつが気に入った？」ボソッ


ん？なんて言ったの？小さすぎて聞こえなかった。「なあに？」


「ううん。ミアは知らなくていい。あと、今日はあいつには会わないよ。人間の王宮から招かれてる。ミアは行く？きっと、気持ちのいいとこじゃ、ない。」


「シャドウは、どうしてそんなところにいくの？まねかれたらいかなきゃいけないの？」


「別に行かなくても良いんだけど。精霊が力を貸さないと人間は生きる事も出来ないんだ。だから精霊王の中でも力を持った僕を度々呼び出そうとするんだろうね。毎回行くなんてことはあり得ないけど、せめてもの慈悲として行こうかなって。まああいつらが滅んだとしてもどーでも良いけどね。僕はミアの事にしか興味ない」


「ふうん。わたし、いってみたい。もっといろんなことたくさんしりたい！」


「ふふ。いいよ。ただし、ミアが傷ついたら、直ぐに僕に言うんだよ？知らない人にもついて行っちゃダメ。出来れば僕の腕から出ないで欲しいけど、それは我慢する。とにかく、嫌な気持ちになったり、気持ち悪くなったら、直ぐ言って。約束。ね？」


「うん！みあはしゃどうとやくそくした！」嬉しくってニコニコした。


「かわいい…」


だからその顔の方が可愛いってば！


「さ、行くよ。しっかり僕に掴まって。」………そうは言っても、シャドウがぎゅうってし過ぎてて落ちる可能性なんて皆無だよ………………納得しないまま、辺りの景色が変わっていった。