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被害者発見 その4
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雪の下に埋められていたのは、貪り食われて肉塊と化した人間だった。
胃の中身をほとんどぶちまけてから、俺は自分の職務を思い出した。
俺は警察官だ。事件が起きたら、冷静に対処しなければ。
動揺する脳内を落ち着かせ、冷静にするべきことを考える。
まずは消防、警察に連絡し、状況を伝えなければ。それから猟友会にも。
俺は現場保存のためにここに残り、下塚にジープでケータイの電波が届く
ところまで下山してもらい、応援を呼んでもらおう。
「おい下塚、警察と消防、それから猟友会に連絡頼む」
と下塚に呼び掛けたが、下塚は呆然としたまま、うつろな目でどこかを見ている。
ショックを受けているのだろう。
「おい、下塚、しっかりしろ。」と言って下塚の肩をつかみ、揺さぶると、
下塚は恐ろしいものを見たような目でこっちを見た。
「俺は現場保存するからここに残る。お前はジープで助けを呼んでくれ」
ともう一度繰り返すと、下塚はこくりとうなずき、来た道を戻り始めた。
俺も下塚に続く。
道路に戻ってくると、下塚はすぐさまジープに乗って走り去って行った。
俺はポツンとひとり残された。
待てよ、田村さんによると、宿泊予定だった客は若い男女だったはずだ。
被害者の4WDを調べると、やはり男物のスキーブーツと女物のスキーブーツ、
スキーの板も二組、ストックも二組あった。
この4WDには、やはり2人乗っていたようだ。
ということは、どこかにもう一人いるのか。
何か被害者の手掛かりは無いかと思い、ダッシュボードを開けてみると、
この車の持ち主らしい人物の運転免許証が入っていた。
氏名は「森山・英太(モリヤマ・エイタ)」。
免許証の写真には、人相の悪い、俺と同年代の若い男の顔が写っていた。
車の周囲を調べると、先ほど死体を見つけたのと反対方向の森の中に向かって
走っていった足跡が雪に残っていた。
この先にもう一人いる。
そこで気づいた。この足跡を追うように、巨大な獣の足跡も続いていることに。
どうする。戻ってきている足跡がないので、もう一人がまだこの先にいるのは
確実だが、クマもいるかもしれない。
だが、まだもう一人が生きている可能性だってある。
行くか。
拳銃だけでは心細いので、落ちていた長さ1m程の太い木の棒を拾い、
それを構えながら慎重に森へ入って行った。
この木の棒には棘の様な尖った枝が数本くっついているので、釘バットの
ような感じで振り回せば、武器になるだろう。
乱立する木々の陰にクマがいないか、注意しながら、足跡をたどってさらに
森の奥へ。
と、数十メートル先の木の幹に寄りかかるようにして、青いジャンパーを着た
男が座っているのが見えた。ケガをしているのか、青いジャンパーの
右袖だけが赤く染まっている。
俺は急いで男に駆け寄った。
その数十分後に、下塚の知らせを聞いた消防団と警察が現場に到着した。
俺が発見した男は、その後森山英太と確認された。
森山は死亡していた。右腕の肉を食われ、頭を潰されていた。
ぐしゃぐしゃに潰された頭の残骸から流れ出た血で、彼のジャンパーは、
一見それが青いジャンパーではなく赤いジャンパーに見えるくらい、
真っ赤に染まっていた。
最初に下塚と発見した埋められていた死体は、森山と共に田村さんの民宿に
泊まるはずだった金田マリという若い女だと確認された。
胃の中身をほとんどぶちまけてから、俺は自分の職務を思い出した。
俺は警察官だ。事件が起きたら、冷静に対処しなければ。
動揺する脳内を落ち着かせ、冷静にするべきことを考える。
まずは消防、警察に連絡し、状況を伝えなければ。それから猟友会にも。
俺は現場保存のためにここに残り、下塚にジープでケータイの電波が届く
ところまで下山してもらい、応援を呼んでもらおう。
「おい下塚、警察と消防、それから猟友会に連絡頼む」
と下塚に呼び掛けたが、下塚は呆然としたまま、うつろな目でどこかを見ている。
ショックを受けているのだろう。
「おい、下塚、しっかりしろ。」と言って下塚の肩をつかみ、揺さぶると、
下塚は恐ろしいものを見たような目でこっちを見た。
「俺は現場保存するからここに残る。お前はジープで助けを呼んでくれ」
ともう一度繰り返すと、下塚はこくりとうなずき、来た道を戻り始めた。
俺も下塚に続く。
道路に戻ってくると、下塚はすぐさまジープに乗って走り去って行った。
俺はポツンとひとり残された。
待てよ、田村さんによると、宿泊予定だった客は若い男女だったはずだ。
被害者の4WDを調べると、やはり男物のスキーブーツと女物のスキーブーツ、
スキーの板も二組、ストックも二組あった。
この4WDには、やはり2人乗っていたようだ。
ということは、どこかにもう一人いるのか。
何か被害者の手掛かりは無いかと思い、ダッシュボードを開けてみると、
この車の持ち主らしい人物の運転免許証が入っていた。
氏名は「森山・英太(モリヤマ・エイタ)」。
免許証の写真には、人相の悪い、俺と同年代の若い男の顔が写っていた。
車の周囲を調べると、先ほど死体を見つけたのと反対方向の森の中に向かって
走っていった足跡が雪に残っていた。
この先にもう一人いる。
そこで気づいた。この足跡を追うように、巨大な獣の足跡も続いていることに。
どうする。戻ってきている足跡がないので、もう一人がまだこの先にいるのは
確実だが、クマもいるかもしれない。
だが、まだもう一人が生きている可能性だってある。
行くか。
拳銃だけでは心細いので、落ちていた長さ1m程の太い木の棒を拾い、
それを構えながら慎重に森へ入って行った。
この木の棒には棘の様な尖った枝が数本くっついているので、釘バットの
ような感じで振り回せば、武器になるだろう。
乱立する木々の陰にクマがいないか、注意しながら、足跡をたどってさらに
森の奥へ。
と、数十メートル先の木の幹に寄りかかるようにして、青いジャンパーを着た
男が座っているのが見えた。ケガをしているのか、青いジャンパーの
右袖だけが赤く染まっている。
俺は急いで男に駆け寄った。
その数十分後に、下塚の知らせを聞いた消防団と警察が現場に到着した。
俺が発見した男は、その後森山英太と確認された。
森山は死亡していた。右腕の肉を食われ、頭を潰されていた。
ぐしゃぐしゃに潰された頭の残骸から流れ出た血で、彼のジャンパーは、
一見それが青いジャンパーではなく赤いジャンパーに見えるくらい、
真っ赤に染まっていた。
最初に下塚と発見した埋められていた死体は、森山と共に田村さんの民宿に
泊まるはずだった金田マリという若い女だと確認された。
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