人食い熊、襲来!

Mr.ビギニング

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スキー場封鎖

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スキー場のスタッフと警備員の2名が殺害された事件を受けて、
M村の役場はスキー場封鎖を決定した。
猟友会の猟師たちが村を巡回し、村人たちの間にはジワジワと恐怖が
広がっている。

その夜、役場の村長室で対策会議が開かれ、剛田猟友会会長と久瀬村長、
消防団長と警察代表で俺が出席した。
「だから言ったでしょうが。人食い熊はまだ退治されてないって」
と剛田会長が怒りを露わにして言った。
「俺の見立てじゃ、人食い熊はこの前の奴よりもっとデカい。
実際そうだっただろ、田島巡査」
「はい、今朝スキー場でスタッフと警備員を殺したあのクマは、恐らく
3m近くありました」
久瀬村長と消防団長が息を呑んだ。
「本当にそんなに巨大だったのかね、見間違いということは?」
消防団長が懐疑的に訪ねてくる。
「自分は目の前でそのクマが警備員の頭を食い潰すところを見ました。
間違いありません」
「しかし、討伐隊の捜索でなぜそんなに巨大なクマが見つからなかったんだ」
久瀬村長が呟くと、剛田会長が
「きっと奴は頭がいい。大人数の討伐隊が相手じゃ敵わないと知ってて、
身を隠してたんだろう。奴が姿を現すのは一人、または少人数の時だ」
と答えた。そしてこう続けた。
「だから少人数で山に入ってカタをつけるしかない」

シンと村長室が静まり返った。
「何を言ってるんだ? 3m近い人食い熊を相手に、少人数で挑むだって? 
自殺行為だぞ」
消防団長が真っ先に反対した。
「そう討伐を急ぐことはない、入山を禁止して、春を待てばいいだろう」
と久瀬村長がなだめると、
「事態はあんたたちの想像以上に悪くなってるんだぞ!」
と剛田会長が怒鳴った。普段は飄々としている剛田さんの怒声に、
思わずビクッとしてしまう。
「まだわからないのか! 今日クマはどこに現れた? スキー場だぞ!
普通の野生動物は滅多に降りてこない人里だ。
いずれ奴は村まで降りてくる。絶対にだ。奴は人の味を覚えちまってる。
だから人ばかり狙って襲う。もう奴は人間なんて恐れてない。
奴の目に映ってる俺たちは、ただのエサだ」

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