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アイゼンハルト公爵邸。
それは王都から馬車で半日ほどの距離にある、広大な領地の中心に聳え立っていた。
歴史ある石造りの外壁、天を突くような尖塔、そして視界の端から端まで広がる幾何学模様の庭園。
門をくぐり、馬車が砂利道を進む中、私は窓に張り付いてその光景を凝視していた。
「どうだ? 我が家の自慢の庭園だ。代々の当主が手を入れてきたものでね」
ジェラルド公爵が誇らしげに言う。
しかし、私の感想は違った。
「……信じられません」
「ほう? 言葉を失うほど美しいか」
「いいえ。維持費の計算をして気絶しそうです」
私はこめかみを押さえた。
「あのバラの品種、『王妃の微笑み』ですよね? 病害虫に弱くて肥料食いの金食い虫ですわ。それにあの噴水! ポンプの動力は何ですの? 魔石? あんな垂れ流し状態で、一日にどれだけの魔石を消費しているんですか!?」
私の目は、美しさよりも「コスト」を捉えていた。
広すぎる芝生(草むしりの人件費)、複雑すぎる植栽(剪定師の技術料)、無駄に多い彫像(清掃の手間)。
この庭だけで、小国の国家予算並みの維持費がかかっているはずだ。
「美しい=金がかかる。それは否定しません。ですが、費用対効果が悪すぎます。私なら、あのバラ園を全て薬草園に作り変えて、その利益で噴水を金メッキにしますわ」
「薬草園……夢がないな」
「夢で腹は膨れませんが、薬草は売れば腹が膨れます」
私がきっぱりと言うと、ジェラルドは「やれやれ」と肩をすくめつつも、やはり楽しそうだ。
やがて馬車は、巨大な正面玄関の前で停止した。
扉が開くと、そこには圧巻の光景が広がっていた。
ずらり。
黒服の執事たちと、白いエプロンのメイドたちが、整然と二列に並んで出迎えていたのだ。
その数、およそ五十名。
「お帰りなさいませ、旦那様」
一糸乱れぬ動きで頭を下げる使用人たち。
その最前列に、一人の初老の女性が立っていた。
背筋を定規で測ったように伸ばし、銀色の髪をきっちりと結い上げた、厳格そうな女性。
彼女が、ジェラルドの言っていた「筆頭メイド長・マーガレット」に違いない。
ジェラルドが馬車を降り、続いて私の手を取ってエスコートする。
私が地面に足を下ろした瞬間、場の空気がピリッと張り詰めたのが分かった。
使用人たちの視線が、一斉に私に突き刺さる。
好奇心、警戒、そして……「悪役令嬢」という噂に対する恐怖。
しかし、マーガレットだけは違った。
彼女は冷ややかな目で私を値踏みするように見下ろすと、恭しく、しかし氷点下の声で言った。
「……お帰りなさいませ、ジェラルド様。して、そちらにいらっしゃるのが、噂の?」
「ああ。キャンディ・ヴァイオレット嬢だ。今日からこの屋敷で暮らすことになる」
ジェラルドが紹介すると、マーガレットはわずかに眉をひそめた。
「暮らす、でございますか? お客様として? それとも……」
「雇用だ。経理全般を見てもらう」
「経理……?」
マーガレットの目が点になった。
「伯爵令嬢が、使用人の真似事ですか? それに、ヴァイオレット嬢といえば、先日王城で婚約破棄騒動を起こしたばかりと聞き及んでおりますが」
彼女の言葉には、あからさまな棘があった。
『傷モノの令嬢に、由緒ある公爵家の敷居は跨がせない』という無言の圧力が伝わってくる。
普通の令嬢なら、ここで泣き出すか、怒って帰るところだろう。
だが、あいにく私は普通ではない。
私はスタスタとマーガレットの前に歩み寄った。
そして、至近距離で彼女の顔を覗き込んだ。
「……な、何でございますか?」
マーガレットが気圧されたように後ずさる。
私はポケットから懐中時計を取り出し、パチンと蓋を開けた。
「挨拶の口上、長すぎますわ」
「は……?」
「今、馬車が到着してからここでの会話まで、約三分かかりました。五十人の使用人が三分間、何もせずに突っ立っていたことになります。五十人×三分=百五十分。つまり、二時間半分の労働力が、この無意味な儀式のために消失したのです」
「む、無意味とは何事ですか! これは公爵家の品格を示すための重要な……」
「品格? 全員並ばせる必要などありません。当番の執事とメイド、計二名で十分です。残りの四十八名は、今すぐ持ち場に戻って窓の一枚でも拭いた方が、よほど屋敷の美観(=資産価値)に貢献しますわ」
私は言い放ち、唖然とする使用人たちに向かって手を叩いた。
パンパン!
「はい、解散! 見世物ではありませんよ! 給料分働きなさい!」
シーン……。
誰も動かない。
全員が、ポカンと口を開けて私とマーガレットを見比べている。
マーガレットの顔が、みるみるうちに赤く染まっていった。
「……ぶ、無礼な! 雇われの身分で、メイド長の私に指図するおつもりですか!?」
「指図ではありません。業務改善提案です」
私はニッコリと笑った。
「それに、あなた。そのエプロンの刺繍、ほつれていますよ?」
「えっ」
マーガレットが慌ててエプロンの裾を見る。
確かに、小さなほつれがあった。
「公爵家の品格を説く方が、身だしなみのチェック漏れとは感心しませんね。修繕費の無駄を省くためにも、早めに直すことをお勧めします」
「ぐっ……!」
言葉に詰まるマーガレット。
その様子を見ていたジェラルドが、またしても噴き出した。
「くっ、ははは! マーガレットが言い負かされるとは! これは傑作だ!」
「旦那様! 笑い事ではありません! このような……このような礼儀知らずな娘を、屋敷に入れるのですか!?」
「礼儀より利益だ。彼女の言う通りだろう? 全員、解散して業務に戻れ」
主人の命令が出ては、従わざるを得ない。
使用人たちは慌てて散り散りになったが、その背中には「とんでもない人が来た」という動揺がありありと見えた。
「……覚えてらっしゃいませ」
マーガレットは私を睨みつけ、捨て台詞を残して去っていった。
どうやら、初日で完全に敵対認定されたようだ。
「やったな、キャンディ。初手から最強の敵を挑発するとは」
ジェラルドが愉快そうに私の肩を叩く。
「挑発したつもりはありません。事実を述べただけです」
「それが一番の挑発なんだよ」
彼は笑いながら、屋敷の扉を開けてくれた。
「さあ、入ってくれ。ここが君の新しい職場であり、家だ」
一歩足を踏み入れる。
エントランスホールは、外観以上に豪華絢爛だった。
高さ十メートルはある吹き抜けの天井、壁一面に飾られた高価そうな絵画、床に敷き詰められた深紅の絨毯。
そして、無数に灯されたキャンドルシャンデリア。
「……眩しい」
私は思わず目を細めた。
「昼間だというのに、なんでこんなにキャンドルを灯しているんですか? 採光窓だけで十分明るいでしょう?」
「ああ、それは代々の慣習でな。『常に闇を払う』という家訓が……」
「家訓で蝋代は払えません」
私は即座に近くの執事を捕まえた。
「梯子を持ってきてください。あのシャンデリア、間引きします」
「えっ? ま、間引き……?」
「三分の一に減らしても生活に支障はありません。浮いた経費でお茶菓子でも買った方がマシです。さあ、急いで!」
「は、はいぃぃ!」
到着して五分。
私は早くも、ドレスの裾をまくり上げて脚立に登ろうとしていた。
「おいおい、初日から飛ばすなぁ」
下から見上げるジェラルドの声には、呆れよりも期待の色が混じっている。
こうして。
私の「公爵邸・大改革」は、挨拶代わりの「シャンデリア間引き事件」から幕を開けたのだった。
それは王都から馬車で半日ほどの距離にある、広大な領地の中心に聳え立っていた。
歴史ある石造りの外壁、天を突くような尖塔、そして視界の端から端まで広がる幾何学模様の庭園。
門をくぐり、馬車が砂利道を進む中、私は窓に張り付いてその光景を凝視していた。
「どうだ? 我が家の自慢の庭園だ。代々の当主が手を入れてきたものでね」
ジェラルド公爵が誇らしげに言う。
しかし、私の感想は違った。
「……信じられません」
「ほう? 言葉を失うほど美しいか」
「いいえ。維持費の計算をして気絶しそうです」
私はこめかみを押さえた。
「あのバラの品種、『王妃の微笑み』ですよね? 病害虫に弱くて肥料食いの金食い虫ですわ。それにあの噴水! ポンプの動力は何ですの? 魔石? あんな垂れ流し状態で、一日にどれだけの魔石を消費しているんですか!?」
私の目は、美しさよりも「コスト」を捉えていた。
広すぎる芝生(草むしりの人件費)、複雑すぎる植栽(剪定師の技術料)、無駄に多い彫像(清掃の手間)。
この庭だけで、小国の国家予算並みの維持費がかかっているはずだ。
「美しい=金がかかる。それは否定しません。ですが、費用対効果が悪すぎます。私なら、あのバラ園を全て薬草園に作り変えて、その利益で噴水を金メッキにしますわ」
「薬草園……夢がないな」
「夢で腹は膨れませんが、薬草は売れば腹が膨れます」
私がきっぱりと言うと、ジェラルドは「やれやれ」と肩をすくめつつも、やはり楽しそうだ。
やがて馬車は、巨大な正面玄関の前で停止した。
扉が開くと、そこには圧巻の光景が広がっていた。
ずらり。
黒服の執事たちと、白いエプロンのメイドたちが、整然と二列に並んで出迎えていたのだ。
その数、およそ五十名。
「お帰りなさいませ、旦那様」
一糸乱れぬ動きで頭を下げる使用人たち。
その最前列に、一人の初老の女性が立っていた。
背筋を定規で測ったように伸ばし、銀色の髪をきっちりと結い上げた、厳格そうな女性。
彼女が、ジェラルドの言っていた「筆頭メイド長・マーガレット」に違いない。
ジェラルドが馬車を降り、続いて私の手を取ってエスコートする。
私が地面に足を下ろした瞬間、場の空気がピリッと張り詰めたのが分かった。
使用人たちの視線が、一斉に私に突き刺さる。
好奇心、警戒、そして……「悪役令嬢」という噂に対する恐怖。
しかし、マーガレットだけは違った。
彼女は冷ややかな目で私を値踏みするように見下ろすと、恭しく、しかし氷点下の声で言った。
「……お帰りなさいませ、ジェラルド様。して、そちらにいらっしゃるのが、噂の?」
「ああ。キャンディ・ヴァイオレット嬢だ。今日からこの屋敷で暮らすことになる」
ジェラルドが紹介すると、マーガレットはわずかに眉をひそめた。
「暮らす、でございますか? お客様として? それとも……」
「雇用だ。経理全般を見てもらう」
「経理……?」
マーガレットの目が点になった。
「伯爵令嬢が、使用人の真似事ですか? それに、ヴァイオレット嬢といえば、先日王城で婚約破棄騒動を起こしたばかりと聞き及んでおりますが」
彼女の言葉には、あからさまな棘があった。
『傷モノの令嬢に、由緒ある公爵家の敷居は跨がせない』という無言の圧力が伝わってくる。
普通の令嬢なら、ここで泣き出すか、怒って帰るところだろう。
だが、あいにく私は普通ではない。
私はスタスタとマーガレットの前に歩み寄った。
そして、至近距離で彼女の顔を覗き込んだ。
「……な、何でございますか?」
マーガレットが気圧されたように後ずさる。
私はポケットから懐中時計を取り出し、パチンと蓋を開けた。
「挨拶の口上、長すぎますわ」
「は……?」
「今、馬車が到着してからここでの会話まで、約三分かかりました。五十人の使用人が三分間、何もせずに突っ立っていたことになります。五十人×三分=百五十分。つまり、二時間半分の労働力が、この無意味な儀式のために消失したのです」
「む、無意味とは何事ですか! これは公爵家の品格を示すための重要な……」
「品格? 全員並ばせる必要などありません。当番の執事とメイド、計二名で十分です。残りの四十八名は、今すぐ持ち場に戻って窓の一枚でも拭いた方が、よほど屋敷の美観(=資産価値)に貢献しますわ」
私は言い放ち、唖然とする使用人たちに向かって手を叩いた。
パンパン!
「はい、解散! 見世物ではありませんよ! 給料分働きなさい!」
シーン……。
誰も動かない。
全員が、ポカンと口を開けて私とマーガレットを見比べている。
マーガレットの顔が、みるみるうちに赤く染まっていった。
「……ぶ、無礼な! 雇われの身分で、メイド長の私に指図するおつもりですか!?」
「指図ではありません。業務改善提案です」
私はニッコリと笑った。
「それに、あなた。そのエプロンの刺繍、ほつれていますよ?」
「えっ」
マーガレットが慌ててエプロンの裾を見る。
確かに、小さなほつれがあった。
「公爵家の品格を説く方が、身だしなみのチェック漏れとは感心しませんね。修繕費の無駄を省くためにも、早めに直すことをお勧めします」
「ぐっ……!」
言葉に詰まるマーガレット。
その様子を見ていたジェラルドが、またしても噴き出した。
「くっ、ははは! マーガレットが言い負かされるとは! これは傑作だ!」
「旦那様! 笑い事ではありません! このような……このような礼儀知らずな娘を、屋敷に入れるのですか!?」
「礼儀より利益だ。彼女の言う通りだろう? 全員、解散して業務に戻れ」
主人の命令が出ては、従わざるを得ない。
使用人たちは慌てて散り散りになったが、その背中には「とんでもない人が来た」という動揺がありありと見えた。
「……覚えてらっしゃいませ」
マーガレットは私を睨みつけ、捨て台詞を残して去っていった。
どうやら、初日で完全に敵対認定されたようだ。
「やったな、キャンディ。初手から最強の敵を挑発するとは」
ジェラルドが愉快そうに私の肩を叩く。
「挑発したつもりはありません。事実を述べただけです」
「それが一番の挑発なんだよ」
彼は笑いながら、屋敷の扉を開けてくれた。
「さあ、入ってくれ。ここが君の新しい職場であり、家だ」
一歩足を踏み入れる。
エントランスホールは、外観以上に豪華絢爛だった。
高さ十メートルはある吹き抜けの天井、壁一面に飾られた高価そうな絵画、床に敷き詰められた深紅の絨毯。
そして、無数に灯されたキャンドルシャンデリア。
「……眩しい」
私は思わず目を細めた。
「昼間だというのに、なんでこんなにキャンドルを灯しているんですか? 採光窓だけで十分明るいでしょう?」
「ああ、それは代々の慣習でな。『常に闇を払う』という家訓が……」
「家訓で蝋代は払えません」
私は即座に近くの執事を捕まえた。
「梯子を持ってきてください。あのシャンデリア、間引きします」
「えっ? ま、間引き……?」
「三分の一に減らしても生活に支障はありません。浮いた経費でお茶菓子でも買った方がマシです。さあ、急いで!」
「は、はいぃぃ!」
到着して五分。
私は早くも、ドレスの裾をまくり上げて脚立に登ろうとしていた。
「おいおい、初日から飛ばすなぁ」
下から見上げるジェラルドの声には、呆れよりも期待の色が混じっている。
こうして。
私の「公爵邸・大改革」は、挨拶代わりの「シャンデリア間引き事件」から幕を開けたのだった。
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