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季節は巡り、夏。
王都の社交界では、ある「甘い噂」が持ちきりだった。
「ねえ、もう試した? アイゼンハルト公爵領の新作コンフィチュール」
「ええ! 『恋のシビレジャム』でしょう? 入手困難で、予約三ヶ月待ちですって!」
「なんでも、一口食べると舌がピリッとして、その後に甘酸っぱい恋の味が広がるとか……」
「しかも美容効果が凄いのよ! 肌がツヤツヤになるって評判だわ!」
貴婦人たちが集まるサロンでは、その話題で持ちきりだった。
そんな平和なサロンに、場違いな殺気を纏った人物が現れた。
「……皆様、騙されてはいけませんわ!!」
ピンク色のドレスを着た、リリィ・ホワイト男爵令嬢だ。
彼女は涙目で、貴婦人たちのテーブルに割り込んだ。
「そのジャムは『毒』です! あの悪女、キャンディ・ヴァイオレットが作った呪いのアイテムなんです!」
「あら、リリィ様?」
貴婦人たちがキョトンとする。
「聞いてください! キャンディはお姉様……いえ、あの女は、私とロナルド様を妬んで、黒魔術に手を染めたんです! 王宮を追い出された腹いせに、国民全員を毒殺しようとしているに違いありません!」
リリィは必死に訴えた。
隣国での「ガラス玉事件」以来、ロナルド王子の評判は地に落ち、リリィも肩身の狭い思いをしていた。
ここらでキャンディを悪者に仕立て上げ、自分こそが被害者だと印象操作(プロパガンダ)を行うつもりなのだ。
「毒殺だなんて……でも、このジャム、とっても美味しいですわよ?」
一人の夫人が、スプーンで琥珀色のジャムをすくいながら言った。
「そうよ。それに見て、私の肌。これを食べてから、シミが消えたのよ?」
「それは罠です! 最初は美味しく感じさせて、徐々に体を蝕んでいくんです! ああ、恐ろしい……!」
リリィがわざとらしく震えて見せる。
その演技力は相変わらずだが、周囲の反応は冷ややかだった。
「……ねえ、リリィ様。貴女、キャンディ様が開発した商品だからといって、適当なことを仰っていません?」
「そ、そんなことは……!」
「このジャムの瓶のラベル、ご覧になった?」
夫人が空き瓶をリリィに見せた。
そこには、美しい金色の文字でこう書かれていた。
『製造責任者:キャンディ・ヴァイオレット(アイゼンハルト公爵夫人予定)』
『成分:愛と真心とクエン酸』
『効能:疲労回復、美肌効果、アンチエイジング』
『※ロナルド殿下のような浮気性の方には刺激が強すぎる場合があります』
「……ぶっ」
リリィが吹き出しそうになった。
「な、なによこれ! 『浮気性には刺激が強い』って! 完全に当てつけじゃない!」
「ユーモアがあって素敵じゃありませんか。それに、アイゼンハルト公爵家が保証している商品ですもの。毒なんて入っているはずがありませんわ」
「そうそう。むしろ、リリィ様の方が怪しいわよ? 隣国で偽ダイヤを見せびらかしたって噂、本当かしら?」
「うっ……!」
形成逆転。
リリィは顔を赤くして後ずさった。
「み、皆様、洗脳されていますわ! あの女は魔女なんです! いつかきっと後悔しますからね!」
リリィは捨て台詞を吐いて、サロンから逃げ出した。
しかし、彼女が去った後、夫人たちは顔を見合わせて笑った。
「あらあら、必死ねえ」
「でもおかげで、もっとジャムが欲しくなったわ」
「追加注文しましょう。キャンディ様にお手紙を書かなきゃ」
リリィのネガティブ・キャンペーンは、皮肉にも「話題作り」に貢献しただけで終わったのだった。
◇
一方、その頃。
アイゼンハルト公爵領の執務室。
「……ふふふ。売れに売れていますね」
私は送られてきた売上報告書を見て、ニヤリと笑った。
「『恋のシビレジャム』、今月の売上は先月の三倍です。特に王都からの追加注文が止まりません」
「お嬢様、この『浮気性への注意書き』、本当に効果あったんですか?」
アンナが呆れ顔で聞いてくる。
「当然よ。これを書くことで、『これを食べられる夫は浮気をしていない誠実な人』というブランド価値が生まれるの。奥様方が旦那様の朝食に出す踏み絵(テスト)として大人気なのよ」
「……性格が悪……いえ、商魂たくましいですね」
「褒め言葉として受け取っておくわ」
私は電卓を叩いた。
原料の「シビレ苺」は、これまで雑草として駆除されていたものだ。原価はタダ同然。
瓶詰めの人件費と輸送費を引いても、利益率は驚異の八〇%を超える。
「笑いが止まらないとはこのことね。ああ、リリィ様にも一瓶送って差し上げればよかったかしら? 『嘘つきには舌が痺れる毒』として」
「やめてください、本当に毒殺未遂で訴えられますよ」
そこへ、ジェラルドが入ってきた。
彼もまた、上機嫌だ。
「キャンディ、聞いたぞ。王都で君のジャムが大ブームだそうだ」
「ええ。ジェラルド様のおかげです。あなたが『シビレ苺』の場所を教えてくださったから」
「私は何もしていない。君の錬金術の成果だ」
ジェラルドは私の隣に立ち、売上グラフを覗き込んだ。
「……すごい数字だな。これなら、領内の道路整備を前倒しで行えそうだ」
「はい。ついでに、従業員のボーナスも増額しましょう。お金は回してこそ増えるものですから」
「君は本当に、金を使うことに関しても天才的だな」
ジェラルドは感心したように頷き、ふと真面目な顔になった。
「そういえば、王都からもう一つ、妙な噂が入ってきている」
「噂?」
「ロナルド殿下とリリィ嬢についてだ。……かなり金に困っているらしい」
「あら」
私はペンを回した。
「隣国での偽ダイヤ事件で信用を失い、さらに無駄遣いがたたって、借金取りに追われているとか。国王陛下も匙を投げて、王籍剥奪(勘当)も時間の問題だという話だ」
「……自業自得ですね」
「ああ。だが、追い詰められた鼠は猫を噛むという。……用心しておけよ」
ジェラルドの警告に、私は肩をすくめた。
「ご心配なく。噛み付いてきたら、その歯を抜いて金歯にして売ってやりますから」
「……君なら本当にやりそうだから怖い」
ジェラルドは苦笑して、私の頭をポンと撫でた。
「まあ、何かあれば私が守る。君という貴重な『錬金術師』を失うわけにはいかないからな」
「頼りにしています、旦那様(スポンサー様)」
私たちは顔を見合わせて笑った。
窓の外では、蝉時雨に混じって、ジャム工場の蒸気が元気に上がっているのが見えた。
平和だ。
そして、儲かっている。
リリィが王都でわめき散らしていることなど、今の私にとっては「羽虫の羽音」ほどの騒音でしかなかった。
だが、ジェラルドの懸念通り、追い詰められた「元カップル」が最後の賭けに出ようとしていることに、私はまだ気づいていなかった。
もっとも、気づいたところで返り討ちにする未来しか見えないのだが。
(待ってらっしゃい、次の決算! 最高益を更新して見せますわ!)
私は再び電卓を叩き始めた。
その指先は、まるでピアノを奏でるように軽やかだった。
王都の社交界では、ある「甘い噂」が持ちきりだった。
「ねえ、もう試した? アイゼンハルト公爵領の新作コンフィチュール」
「ええ! 『恋のシビレジャム』でしょう? 入手困難で、予約三ヶ月待ちですって!」
「なんでも、一口食べると舌がピリッとして、その後に甘酸っぱい恋の味が広がるとか……」
「しかも美容効果が凄いのよ! 肌がツヤツヤになるって評判だわ!」
貴婦人たちが集まるサロンでは、その話題で持ちきりだった。
そんな平和なサロンに、場違いな殺気を纏った人物が現れた。
「……皆様、騙されてはいけませんわ!!」
ピンク色のドレスを着た、リリィ・ホワイト男爵令嬢だ。
彼女は涙目で、貴婦人たちのテーブルに割り込んだ。
「そのジャムは『毒』です! あの悪女、キャンディ・ヴァイオレットが作った呪いのアイテムなんです!」
「あら、リリィ様?」
貴婦人たちがキョトンとする。
「聞いてください! キャンディはお姉様……いえ、あの女は、私とロナルド様を妬んで、黒魔術に手を染めたんです! 王宮を追い出された腹いせに、国民全員を毒殺しようとしているに違いありません!」
リリィは必死に訴えた。
隣国での「ガラス玉事件」以来、ロナルド王子の評判は地に落ち、リリィも肩身の狭い思いをしていた。
ここらでキャンディを悪者に仕立て上げ、自分こそが被害者だと印象操作(プロパガンダ)を行うつもりなのだ。
「毒殺だなんて……でも、このジャム、とっても美味しいですわよ?」
一人の夫人が、スプーンで琥珀色のジャムをすくいながら言った。
「そうよ。それに見て、私の肌。これを食べてから、シミが消えたのよ?」
「それは罠です! 最初は美味しく感じさせて、徐々に体を蝕んでいくんです! ああ、恐ろしい……!」
リリィがわざとらしく震えて見せる。
その演技力は相変わらずだが、周囲の反応は冷ややかだった。
「……ねえ、リリィ様。貴女、キャンディ様が開発した商品だからといって、適当なことを仰っていません?」
「そ、そんなことは……!」
「このジャムの瓶のラベル、ご覧になった?」
夫人が空き瓶をリリィに見せた。
そこには、美しい金色の文字でこう書かれていた。
『製造責任者:キャンディ・ヴァイオレット(アイゼンハルト公爵夫人予定)』
『成分:愛と真心とクエン酸』
『効能:疲労回復、美肌効果、アンチエイジング』
『※ロナルド殿下のような浮気性の方には刺激が強すぎる場合があります』
「……ぶっ」
リリィが吹き出しそうになった。
「な、なによこれ! 『浮気性には刺激が強い』って! 完全に当てつけじゃない!」
「ユーモアがあって素敵じゃありませんか。それに、アイゼンハルト公爵家が保証している商品ですもの。毒なんて入っているはずがありませんわ」
「そうそう。むしろ、リリィ様の方が怪しいわよ? 隣国で偽ダイヤを見せびらかしたって噂、本当かしら?」
「うっ……!」
形成逆転。
リリィは顔を赤くして後ずさった。
「み、皆様、洗脳されていますわ! あの女は魔女なんです! いつかきっと後悔しますからね!」
リリィは捨て台詞を吐いて、サロンから逃げ出した。
しかし、彼女が去った後、夫人たちは顔を見合わせて笑った。
「あらあら、必死ねえ」
「でもおかげで、もっとジャムが欲しくなったわ」
「追加注文しましょう。キャンディ様にお手紙を書かなきゃ」
リリィのネガティブ・キャンペーンは、皮肉にも「話題作り」に貢献しただけで終わったのだった。
◇
一方、その頃。
アイゼンハルト公爵領の執務室。
「……ふふふ。売れに売れていますね」
私は送られてきた売上報告書を見て、ニヤリと笑った。
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アンナが呆れ顔で聞いてくる。
「当然よ。これを書くことで、『これを食べられる夫は浮気をしていない誠実な人』というブランド価値が生まれるの。奥様方が旦那様の朝食に出す踏み絵(テスト)として大人気なのよ」
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「やめてください、本当に毒殺未遂で訴えられますよ」
そこへ、ジェラルドが入ってきた。
彼もまた、上機嫌だ。
「キャンディ、聞いたぞ。王都で君のジャムが大ブームだそうだ」
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「私は何もしていない。君の錬金術の成果だ」
ジェラルドは私の隣に立ち、売上グラフを覗き込んだ。
「……すごい数字だな。これなら、領内の道路整備を前倒しで行えそうだ」
「はい。ついでに、従業員のボーナスも増額しましょう。お金は回してこそ増えるものですから」
「君は本当に、金を使うことに関しても天才的だな」
ジェラルドは感心したように頷き、ふと真面目な顔になった。
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「噂?」
「ロナルド殿下とリリィ嬢についてだ。……かなり金に困っているらしい」
「あら」
私はペンを回した。
「隣国での偽ダイヤ事件で信用を失い、さらに無駄遣いがたたって、借金取りに追われているとか。国王陛下も匙を投げて、王籍剥奪(勘当)も時間の問題だという話だ」
「……自業自得ですね」
「ああ。だが、追い詰められた鼠は猫を噛むという。……用心しておけよ」
ジェラルドの警告に、私は肩をすくめた。
「ご心配なく。噛み付いてきたら、その歯を抜いて金歯にして売ってやりますから」
「……君なら本当にやりそうだから怖い」
ジェラルドは苦笑して、私の頭をポンと撫でた。
「まあ、何かあれば私が守る。君という貴重な『錬金術師』を失うわけにはいかないからな」
「頼りにしています、旦那様(スポンサー様)」
私たちは顔を見合わせて笑った。
窓の外では、蝉時雨に混じって、ジャム工場の蒸気が元気に上がっているのが見えた。
平和だ。
そして、儲かっている。
リリィが王都でわめき散らしていることなど、今の私にとっては「羽虫の羽音」ほどの騒音でしかなかった。
だが、ジェラルドの懸念通り、追い詰められた「元カップル」が最後の賭けに出ようとしていることに、私はまだ気づいていなかった。
もっとも、気づいたところで返り討ちにする未来しか見えないのだが。
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