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本編
5:供給過多
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魔王の声が響き終わると共に魔方陣が一際眩しく輝き、二人の姿が玉座の間から消える。
「……消えた」
魔王が二人に言葉を残したから、死んではいないと思うけど……利用されていたとはいえ、二年ほど一緒に旅した相手だ。
思うことはあれど、多少なりの情はある。消えた二人の行き先がどこか気になった。
「魔女の転移陣だ。今頃、王宮ににでも着いているだろう」
ポツリと溢した俺の言葉に魔王が説明してくれる。
王宮と言うことは、安全と言えば、安全なのかもしれない。魔王討伐を果たせなかった二人がどんな扱いになるかは、俺に想像もつかないけど。
「それよりも……あの聖女の行いに心を痛めてはいないか? 人の身ごと爆ぜさせようとするとは……聖職者の片隅にも置けぬ行いだ」
二人の安否について考えていたら魔王にそんな事を言われる。
無傷とはいえ、自分も巻き込まれた。というか、庇ってくれたのに俺の事を心配してくれるとか、ホント優しい!
魔王って言われてるのに善人すぎる! 好き!
「だ、大丈夫! 魔王が庇ってくれたから怪我もないし!」
体を触手で包まれた事を思い出して、ボッ……! と、頬が熱くなる。
膝に乗っている今でもめちゃくちゃ接触してると思うのに……全身を包まれていた。包まれていた……。
……ものすごいセンシティブでは!? えっちでは!?
友人からよろしくお願いします。って、言ったのに……すっごい不健全だったりしない!?
「どうした?」
「うぁ……あの……その……」
挙動不審な俺を覗き込んでくる魔王に、いっぱいいっぱいになる。
優しい! 好き! でも、ちょっと恥ずかしい!
限界が近づいてきて思わず顔を両手で隠した。
「勇者?」
不思議そうな魔王の声が耳に届く。子供のような幼い響きに聞こえてダメだ。可愛い。
それなのに視覚を塞いだせいで、それ以外の感覚が研ぎ澄まされ、触手で編まれた体のたくましさや絶えず流動するような触手の鼓動をより感じる。
ダメだ。ダメすぎる。
「好きすぎて無理ぃ……」
トキメキが止まらない。俺の好きになった人かっこよすぎるぅ……。
トキメキの許容量が限界に達し、ふっ……と、意識が遠のく感覚を感じる。
「勇者!? 勇者!?」
焦る声もかっこいいし、可愛いと感じながら俺は意識を手放したのだった。
「……消えた」
魔王が二人に言葉を残したから、死んではいないと思うけど……利用されていたとはいえ、二年ほど一緒に旅した相手だ。
思うことはあれど、多少なりの情はある。消えた二人の行き先がどこか気になった。
「魔女の転移陣だ。今頃、王宮ににでも着いているだろう」
ポツリと溢した俺の言葉に魔王が説明してくれる。
王宮と言うことは、安全と言えば、安全なのかもしれない。魔王討伐を果たせなかった二人がどんな扱いになるかは、俺に想像もつかないけど。
「それよりも……あの聖女の行いに心を痛めてはいないか? 人の身ごと爆ぜさせようとするとは……聖職者の片隅にも置けぬ行いだ」
二人の安否について考えていたら魔王にそんな事を言われる。
無傷とはいえ、自分も巻き込まれた。というか、庇ってくれたのに俺の事を心配してくれるとか、ホント優しい!
魔王って言われてるのに善人すぎる! 好き!
「だ、大丈夫! 魔王が庇ってくれたから怪我もないし!」
体を触手で包まれた事を思い出して、ボッ……! と、頬が熱くなる。
膝に乗っている今でもめちゃくちゃ接触してると思うのに……全身を包まれていた。包まれていた……。
……ものすごいセンシティブでは!? えっちでは!?
友人からよろしくお願いします。って、言ったのに……すっごい不健全だったりしない!?
「どうした?」
「うぁ……あの……その……」
挙動不審な俺を覗き込んでくる魔王に、いっぱいいっぱいになる。
優しい! 好き! でも、ちょっと恥ずかしい!
限界が近づいてきて思わず顔を両手で隠した。
「勇者?」
不思議そうな魔王の声が耳に届く。子供のような幼い響きに聞こえてダメだ。可愛い。
それなのに視覚を塞いだせいで、それ以外の感覚が研ぎ澄まされ、触手で編まれた体のたくましさや絶えず流動するような触手の鼓動をより感じる。
ダメだ。ダメすぎる。
「好きすぎて無理ぃ……」
トキメキが止まらない。俺の好きになった人かっこよすぎるぅ……。
トキメキの許容量が限界に達し、ふっ……と、意識が遠のく感覚を感じる。
「勇者!? 勇者!?」
焦る声もかっこいいし、可愛いと感じながら俺は意識を手放したのだった。
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