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三章:寝不足
39:神域内の通学路
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自分を抱えたまま、一眠りしそうな穂に渉は焦る。
「寝るな!起きろー!俺、一時限目から授業なんだよ今日!」
穂の背中をバシバシと叩き、叫ぶ渉に穂が渋々と腕を緩めた。
「昨日の今日なのだから、休めばいいものを」
「学費払ってもらってんだから、サボるわけにはいかねぇの!」
穂の腕から抜け出した渉は、一度止まったアラームのスヌーズを止め、まだ寝転がっている穂の体を乗り越える。
普段であれば、神使の穂を跨ぐような事をしようとは考えなかったであろう。しかし、穂が渉を助ける時以外、あまりにも普通にしていた為に無意識に普通の級友に振る舞うように振る舞っていた。
「真面目な事だ」
着替えをタンスから取り出していた渉の背中に穂のそんな言葉がかかる。
「不真面目よりはいいだろ?」
渉が不服そうに振り替えれば、ベッドに腰かけた穂が柔らかく微笑んでいた。
「……まあ、好ましくはあるな」
(っ!……?)
穂の言葉と笑みに渉の心が跳ねる。
(な、なに今の?)
自身の心に沸き上がった未知の感情に戸惑い首を傾げる渉。そんな渉を見ていた穂も不思議そうに首をかしげた。
「渉?」
「ん、ああ……なんでもない」
混乱する感情を誤魔化し、渉は着替えとバスタオルを腕に抱える。
神域で清められたといってもそれは魂だけの話。淫夢に囚われていた汗を流したかったのだ。
「俺風呂入ってくるけど……穂は、帰る?」
渉は、昨日の昼から世話になっている穂に帰るかどうかを尋ねる。
(少し寂しい気はするけど……俺のわがままで一泊までしてもらったのに、これ以上居てもらうのも悪いよな……)
まだ、一人で家で過ごす事に心細さはあれど、これ以上甘えるのも悪いと思ったからだった。
「いや、我も二時限から講義があるゆえ、共に行こう」
「へ……?穂、授業取ってるってか……大学通ってんの!?」
まさかの穂の発言に渉は手に持っていた着替えとバスタオルを床に落とした。
「数日前からな。人の世に紛れるのだ。最大限楽しまねば損だろう」
驚く渉に穂は楽しげに笑う。
(確かに、会ったの大学だけど、まさか通ってるって!?なんでもありだな神様!?)
人の世に混じっていることも驚いたのに、それ以上に馴染んでいる渉はただただ驚愕した。
「我の事は、後で話そう。一時限からなのだろう?急がねば間に合わぬぞ」
「あっ!?やべぇっ!」
穂の言葉に慌てた渉は落としたバスタオルと着替えを拾い早足に浴室へと向かうと、カラスの行水とも思える早さでシャワーを浴びる。
「……早いな」
「急いでたらこんなもんだって!」
まだ髪の湿気ったままバタバタと準備する渉に穂が苦笑した。
「さ、行こう!」
「わかったわかった」
準備を終えた渉に、穂も自身の鞄を肩にかけて立ち上がる。
家を出て、鍵を閉め……二人は大学までの道を話しながら歩いた。いつもの通学路でありながらも人のいない……穂の作った簡易神域を。
「へー、文化系の神道学科に通ってんだ?……お狐様なのに?すでに本職じゃね?」
「人の子から見た神道を学ぶのも面白いのではと思ったからな」
一般人も怪異も入る事の出来ない通り道だからか、現世では話せないような事を気にする事なく話す二人。
渉は、穂が神道学科に通ってる事に首を傾げながらも、穂の答えにそういうものなんだろうか?と、思いながらも納得した。
「寝るな!起きろー!俺、一時限目から授業なんだよ今日!」
穂の背中をバシバシと叩き、叫ぶ渉に穂が渋々と腕を緩めた。
「昨日の今日なのだから、休めばいいものを」
「学費払ってもらってんだから、サボるわけにはいかねぇの!」
穂の腕から抜け出した渉は、一度止まったアラームのスヌーズを止め、まだ寝転がっている穂の体を乗り越える。
普段であれば、神使の穂を跨ぐような事をしようとは考えなかったであろう。しかし、穂が渉を助ける時以外、あまりにも普通にしていた為に無意識に普通の級友に振る舞うように振る舞っていた。
「真面目な事だ」
着替えをタンスから取り出していた渉の背中に穂のそんな言葉がかかる。
「不真面目よりはいいだろ?」
渉が不服そうに振り替えれば、ベッドに腰かけた穂が柔らかく微笑んでいた。
「……まあ、好ましくはあるな」
(っ!……?)
穂の言葉と笑みに渉の心が跳ねる。
(な、なに今の?)
自身の心に沸き上がった未知の感情に戸惑い首を傾げる渉。そんな渉を見ていた穂も不思議そうに首をかしげた。
「渉?」
「ん、ああ……なんでもない」
混乱する感情を誤魔化し、渉は着替えとバスタオルを腕に抱える。
神域で清められたといってもそれは魂だけの話。淫夢に囚われていた汗を流したかったのだ。
「俺風呂入ってくるけど……穂は、帰る?」
渉は、昨日の昼から世話になっている穂に帰るかどうかを尋ねる。
(少し寂しい気はするけど……俺のわがままで一泊までしてもらったのに、これ以上居てもらうのも悪いよな……)
まだ、一人で家で過ごす事に心細さはあれど、これ以上甘えるのも悪いと思ったからだった。
「いや、我も二時限から講義があるゆえ、共に行こう」
「へ……?穂、授業取ってるってか……大学通ってんの!?」
まさかの穂の発言に渉は手に持っていた着替えとバスタオルを床に落とした。
「数日前からな。人の世に紛れるのだ。最大限楽しまねば損だろう」
驚く渉に穂は楽しげに笑う。
(確かに、会ったの大学だけど、まさか通ってるって!?なんでもありだな神様!?)
人の世に混じっていることも驚いたのに、それ以上に馴染んでいる渉はただただ驚愕した。
「我の事は、後で話そう。一時限からなのだろう?急がねば間に合わぬぞ」
「あっ!?やべぇっ!」
穂の言葉に慌てた渉は落としたバスタオルと着替えを拾い早足に浴室へと向かうと、カラスの行水とも思える早さでシャワーを浴びる。
「……早いな」
「急いでたらこんなもんだって!」
まだ髪の湿気ったままバタバタと準備する渉に穂が苦笑した。
「さ、行こう!」
「わかったわかった」
準備を終えた渉に、穂も自身の鞄を肩にかけて立ち上がる。
家を出て、鍵を閉め……二人は大学までの道を話しながら歩いた。いつもの通学路でありながらも人のいない……穂の作った簡易神域を。
「へー、文化系の神道学科に通ってんだ?……お狐様なのに?すでに本職じゃね?」
「人の子から見た神道を学ぶのも面白いのではと思ったからな」
一般人も怪異も入る事の出来ない通り道だからか、現世では話せないような事を気にする事なく話す二人。
渉は、穂が神道学科に通ってる事に首を傾げながらも、穂の答えにそういうものなんだろうか?と、思いながらも納得した。
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