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神子は大神殿に到着する
八話
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「っ!」
馬車が停止し、レオーレ様に手を引かれて馬車を降りると、目の前に現れた大神殿に息を飲む。
真っ白な大理石でできた白亜の巨大神殿。それが大神殿をこの目で目の当たりにした感想だった。
白い大理石で作られた大神殿は、おそらく三階建てくらいの作りだと思うが、高さは前世の五階建てくらいの高さがあり、長く細い窓が等間隔で並んでいる。窓と窓の間は離れており、そこには神話を元にしたのであろう巨大な壁画が掘られていた。
まさに、ド西洋ファンタジー。前世でも神殿遺跡の写真くらいしか見た事がないからあまりの圧倒的な存在感に言葉すら出ない。
「ルカ様。こちらに」
「ぁ……はい」
呆然としていた俺にレオーレ様が呼びかけ、ハッとしてその後に着いていく。降りた場所は正面入口?玄関?の前にある広場ような作りで人は居らず、風に揺れる庭木の葉擦れが聞こえるのみだ。警備の人とか居そうなのに、それすらもいないと言うのは不思議な感じがする。
きょろきょろと辺りを見回していると、正面入り口であろう大きな扉の前にたどり着く。
「中では、大神官様や神官、神殿騎士がルカ様のご到着をお待ちしております。圧倒されるかもしれませんが、私が側におりますのでご安心ください」
レオーレ様の横にぴたりと並ぶ俺の肩をレオーレ様はぽんぽんと叩き、微笑む。中で待っていると言われて、さっき馬車から見た光景を思い出して、体が強張りそうになったがそれだけで余分に力んでいた力が抜けていった。
「……開けてくれ」
俺から余分な力が抜けたのを見たレオーレ様が、馬車を護衛していた人達に扉を開けるように指示する。
2m以上ある大きな扉が音もなくゆっくりと開き、荘厳な広間と奥までずらっと並ぶ人々の姿が俺の視界に映った。
「っ……!」
大神殿にどれだけの人が所属しているかはわからないけど、視界いっぱいに広間を覆いつくすほどの人数がただ真っ直ぐ俺を見ているのはちょっと居心地が悪かった。
「出迎えご苦労。創造神様の愛おし子である神子様をお連れした」
レオーレ様のその一声で並んでいる人達が一斉に跪く。ひぇ……馬車でも思ったけど、ここまで敬われるのは怖いんだって!
「奥にて大神官様がお待ちです」
そう言ったレオーレ様の言葉に視線を奥に向ければ、祭壇の前に一人だけ立っている人がいた。
「行きましょう」
レオーレ様が俺の背中に手を当て、促す。さすがの光景に竦んでいた足をなんとか動かし、レオーレ様と共に両側に跪いた人がいる広間の中央に敷かれた絨毯に従い進んだ。
そして、進んだ先。俺を待っていた大神官様は豪華な神官服に身を包んだお爺さんだった。
細い目としわの多く刻まれた顔に頬から顎にかけて生えた豊かな白い髭……口元にも整った髭が生えていて、唇が見える程度に切り揃えられている。
なんというか、前世的にはサンタクロース的な優し気なおじいちゃんと言った感じの雰囲気だ。村にいたじーちゃん神官ともどこか似た雰囲気があるから、たぶんこの大神官様も優しそうな気がする。
祭壇に続く階段を上って、大神官様の前に立てば、大神官様は俺と視線を合わせ、柔らかい笑みを浮かべた。
「お待ちしておりました神子様。この神殿を任されているナザールと申します」
「る、ルカと申します」
柔らかな笑みと共に名乗り、お辞儀をする大神官様……ナザール様に俺も慌ててお辞儀して名乗り返す。
「ルカ様ですね。旅路では災難に見舞われたそうですが、ご無事で安心いたしました。アオレオーレ様も、よくぞ無事に帰ってきましたね」
「はっ」
ナザール様の言葉にレオーレ様が敬礼?的な礼を取る。その動きはどこか騎士っぽくも見えた。……超絶美形なレオーレ様がやると本当に絵になるな。
「ルカ様、長旅でお疲れかと思いますが……この場で大いなる父、創造神様へ祈りを捧げていただけるでしょうか」
「っ、は……はい!」
レオーレ様を眺めていたから、ナザール様の言葉に焦りながら返事をした。あー、危なかった。見惚れる所だった。だってかっこいいんだもん。
焦りを隠しながら、祭壇の前からそれたナザール様の代わりに一歩踏み出し、祭壇の前で両手を組んで祈りのポーズを取る。
村の神殿でも日々の祈りについては、教えてもらったから大丈夫だ。後は……ワイバーンに襲われても助かった事でも感謝しておこうかな。助けてくれたのはレオーレ様だけど、間に合わなければ死んでいただろうし……きっと創造神の巡り合わせのようなものだろうから。
「天におわす我らが大いなる父よ。日々我らを見守り、慈しんでいただけている事を感謝いたします。どうか、これからも我らの事を見守り続けてください……っ!?」
祈りの言葉を述べながら、心の中で命が助かった事を感謝していたら、祈りの言葉が終わると同時に広間の中に眩い光が放たれた。え、な……なに⁉なに⁉
突然の事に怯える俺に俺の斜め後ろで控えていたレオーレ様から声がかかる。
「大丈夫ですルカ様。ルカ様の祈りの言葉に照明に使われている水晶が反応しているだけですから。大神殿に使われている照明は神々の祝福を受けたものですのでルカ様の祈りが神々へも届いたのでしょう」
そうなの!?これから毎日お祈りするのに、毎日こうなるの!?大変じゃない!?
あまりの事におろおろしながら、後ろを振り返れば階段の下にいる人達のざわめきが聞こえてくる。本当に神子様だ。とか、このような祝福を見た事がない。だとか。
神子と証明できたのは、よかったのかもしれないけど、やっぱり落ち着かないよー!
「静粛に!この祝福によりルカ様が神子である事が神々によって肯定された!神々が我らに祝福の神子を遣わしてくださった事を皆で祈り、感謝を示すのだ!」
光が収まると同時にナザール様が穏やかな外見からは想像できない大きな声でざわめく人々に語り掛け、ざわめいた人々も皆跪いたまま両手を組み祈りを捧げる。もちろん、ナザール様もレオーレ様も。
な、なんか凄まじい光景なんだけど……俺、ここの生活馴染めるかな……。とりあえず、俺だけ祈ってないのは居心地悪いから俺も皆に合わせてもう一回祈っておこう。
馬車が停止し、レオーレ様に手を引かれて馬車を降りると、目の前に現れた大神殿に息を飲む。
真っ白な大理石でできた白亜の巨大神殿。それが大神殿をこの目で目の当たりにした感想だった。
白い大理石で作られた大神殿は、おそらく三階建てくらいの作りだと思うが、高さは前世の五階建てくらいの高さがあり、長く細い窓が等間隔で並んでいる。窓と窓の間は離れており、そこには神話を元にしたのであろう巨大な壁画が掘られていた。
まさに、ド西洋ファンタジー。前世でも神殿遺跡の写真くらいしか見た事がないからあまりの圧倒的な存在感に言葉すら出ない。
「ルカ様。こちらに」
「ぁ……はい」
呆然としていた俺にレオーレ様が呼びかけ、ハッとしてその後に着いていく。降りた場所は正面入口?玄関?の前にある広場ような作りで人は居らず、風に揺れる庭木の葉擦れが聞こえるのみだ。警備の人とか居そうなのに、それすらもいないと言うのは不思議な感じがする。
きょろきょろと辺りを見回していると、正面入り口であろう大きな扉の前にたどり着く。
「中では、大神官様や神官、神殿騎士がルカ様のご到着をお待ちしております。圧倒されるかもしれませんが、私が側におりますのでご安心ください」
レオーレ様の横にぴたりと並ぶ俺の肩をレオーレ様はぽんぽんと叩き、微笑む。中で待っていると言われて、さっき馬車から見た光景を思い出して、体が強張りそうになったがそれだけで余分に力んでいた力が抜けていった。
「……開けてくれ」
俺から余分な力が抜けたのを見たレオーレ様が、馬車を護衛していた人達に扉を開けるように指示する。
2m以上ある大きな扉が音もなくゆっくりと開き、荘厳な広間と奥までずらっと並ぶ人々の姿が俺の視界に映った。
「っ……!」
大神殿にどれだけの人が所属しているかはわからないけど、視界いっぱいに広間を覆いつくすほどの人数がただ真っ直ぐ俺を見ているのはちょっと居心地が悪かった。
「出迎えご苦労。創造神様の愛おし子である神子様をお連れした」
レオーレ様のその一声で並んでいる人達が一斉に跪く。ひぇ……馬車でも思ったけど、ここまで敬われるのは怖いんだって!
「奥にて大神官様がお待ちです」
そう言ったレオーレ様の言葉に視線を奥に向ければ、祭壇の前に一人だけ立っている人がいた。
「行きましょう」
レオーレ様が俺の背中に手を当て、促す。さすがの光景に竦んでいた足をなんとか動かし、レオーレ様と共に両側に跪いた人がいる広間の中央に敷かれた絨毯に従い進んだ。
そして、進んだ先。俺を待っていた大神官様は豪華な神官服に身を包んだお爺さんだった。
細い目としわの多く刻まれた顔に頬から顎にかけて生えた豊かな白い髭……口元にも整った髭が生えていて、唇が見える程度に切り揃えられている。
なんというか、前世的にはサンタクロース的な優し気なおじいちゃんと言った感じの雰囲気だ。村にいたじーちゃん神官ともどこか似た雰囲気があるから、たぶんこの大神官様も優しそうな気がする。
祭壇に続く階段を上って、大神官様の前に立てば、大神官様は俺と視線を合わせ、柔らかい笑みを浮かべた。
「お待ちしておりました神子様。この神殿を任されているナザールと申します」
「る、ルカと申します」
柔らかな笑みと共に名乗り、お辞儀をする大神官様……ナザール様に俺も慌ててお辞儀して名乗り返す。
「ルカ様ですね。旅路では災難に見舞われたそうですが、ご無事で安心いたしました。アオレオーレ様も、よくぞ無事に帰ってきましたね」
「はっ」
ナザール様の言葉にレオーレ様が敬礼?的な礼を取る。その動きはどこか騎士っぽくも見えた。……超絶美形なレオーレ様がやると本当に絵になるな。
「ルカ様、長旅でお疲れかと思いますが……この場で大いなる父、創造神様へ祈りを捧げていただけるでしょうか」
「っ、は……はい!」
レオーレ様を眺めていたから、ナザール様の言葉に焦りながら返事をした。あー、危なかった。見惚れる所だった。だってかっこいいんだもん。
焦りを隠しながら、祭壇の前からそれたナザール様の代わりに一歩踏み出し、祭壇の前で両手を組んで祈りのポーズを取る。
村の神殿でも日々の祈りについては、教えてもらったから大丈夫だ。後は……ワイバーンに襲われても助かった事でも感謝しておこうかな。助けてくれたのはレオーレ様だけど、間に合わなければ死んでいただろうし……きっと創造神の巡り合わせのようなものだろうから。
「天におわす我らが大いなる父よ。日々我らを見守り、慈しんでいただけている事を感謝いたします。どうか、これからも我らの事を見守り続けてください……っ!?」
祈りの言葉を述べながら、心の中で命が助かった事を感謝していたら、祈りの言葉が終わると同時に広間の中に眩い光が放たれた。え、な……なに⁉なに⁉
突然の事に怯える俺に俺の斜め後ろで控えていたレオーレ様から声がかかる。
「大丈夫ですルカ様。ルカ様の祈りの言葉に照明に使われている水晶が反応しているだけですから。大神殿に使われている照明は神々の祝福を受けたものですのでルカ様の祈りが神々へも届いたのでしょう」
そうなの!?これから毎日お祈りするのに、毎日こうなるの!?大変じゃない!?
あまりの事におろおろしながら、後ろを振り返れば階段の下にいる人達のざわめきが聞こえてくる。本当に神子様だ。とか、このような祝福を見た事がない。だとか。
神子と証明できたのは、よかったのかもしれないけど、やっぱり落ち着かないよー!
「静粛に!この祝福によりルカ様が神子である事が神々によって肯定された!神々が我らに祝福の神子を遣わしてくださった事を皆で祈り、感謝を示すのだ!」
光が収まると同時にナザール様が穏やかな外見からは想像できない大きな声でざわめく人々に語り掛け、ざわめいた人々も皆跪いたまま両手を組み祈りを捧げる。もちろん、ナザール様もレオーレ様も。
な、なんか凄まじい光景なんだけど……俺、ここの生活馴染めるかな……。とりあえず、俺だけ祈ってないのは居心地悪いから俺も皆に合わせてもう一回祈っておこう。
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