転生腐男子、BLゲー主人公となり解釈違いだと叫ぶ。

海野璃音

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神子は大神殿に到着する

九話

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 正式に神子と認められた俺は、レオーレ様とナザール様へと案内され神殿の移住区に足を踏み入れる。

 移住区は相変わらず白い大理石でできているが彫刻などが少なく、シンプルで落ち着いた作りのようでちょっとホッとした。移住区まで荘厳だったら落ち着かないし。

 きょろきょろあたりを見回す俺に、俺の隣にいるナザール様が移住区について説明してくれる。

「大神殿の移住区には区画がありまして、神殿兵、下位神官、上位神官と区画が分けられています」

 説明を聞いた感じ、大神殿の移住区は、三つの円を重ねた感じになっており、一番外の円が神殿兵。二番目の円が下位神官。最も内にある円が上位神官の区画らしい。

 区画ごとに生活に必要な施設は揃っており、上位神官の世話に下位神官や神殿兵が上位神官の区画に通う事はあれど、上位神官が下位神官や神殿兵の区画に立ち入る事は少ないらしい。

 また、各区画にも祈りの場である聖堂が設けられており、俺が迎え入れられたあそこは、王族などが訪れる大切な儀式や民衆に向けて広く行われる儀式でしか使われない場所らしい。

 あとは、市民の普段の参拝にも解放されているらしく、管理や対応は下位神官が担当しているそうだ。

「神子であらせられるルカ様は上位神官の区画にお住みいただきます。窮屈かとおもいますが、成人まではそのお姿を民衆には秘匿させていただく事になっておりますのでご了承ください」
「……わかりました」

 軟禁といった感じだが、神子としての価値からしたら仕方のないことだ。

 二人の間に挟まれて、ちらりと後ろを確認すれば、後ろから護衛がついてくる状況。これがデフォルトの配置になるんだろうなぁ……。

 ゲームでは、主人公君一人で学園に入学してたけど、これを見るとよく一人で寮のある学園に入学させたよなぁと思う。

「また、生活については一人世話役をお付けいたしますので、何かありましたらその者に言いつけてください」
「世話役……レオーレ様ではないのですか?」

 付き合いは浅いけど、命を助けられただけにレオーレ様に対する俺の信頼は重い。迷惑だとは思うけど、側にいてくれる人が違う人になるというのは不安が大きかった。

「私もお傍にいて差し上げたいのですが、常にお傍に入れるほど自由のある身分ではないので……ですがご安心ください。ルカ様の世話役にお付けするのは私が誰より信頼するものですので」

 不安げに見上げた俺にレオーレ様が輝かんばかりの顔で柔らかく微笑む。眩しさ百倍だ。不安だけど……レオーレ様が信頼する人というのであれば我慢するしかないのかもしれない。

「随分と懐かれたようだなアオレオーレ」

 俺とレオーレ様の様子を見ていたナザール様が朗らかに笑う。

「私としても、アオレオーレほど信頼できる人間をルカ様にお付けしたいのですが、彼にしかできない仕事がありましてな。ですが、ご安心ください。世話役として常に付ける事は叶いませんが、教育係としてお付けすることは可能です」
「本当ですか!」

 常にとは言わずとも、定期的にレオーレ様と会えるのであれば嬉しい。

「もちろんです。アオレオーレもそれでいいな」
「お言葉の通りに……感謝いたしますナザール様」

 ナザール様の言葉にレオーレ様が頭を下げる。これって、俺が望んだから今決まった感じだよな?わ、わがままだったりする……?

 二人のやり取りにおろおろする俺にナザール様が俺の頭を撫でる。

「ご安心ください。我々は、神々に、そしてあなたにお仕えするための存在。神子として道を違える時は戒めることもありましょうが、ささやかな願いであれば叶えるのも務めです」

 柔らかく微笑むナザール様の手は優しく、前世の祖父を思い起こさせた。

「アオレオーレ、部屋への案内と世話役の紹介は任せた。それでは、ルカ様。本日はゆっくりとお休みください」

 俺へとお辞儀をして、ナザール様は俺達を見送りながら一つの扉へと入っていった。あそこがナザール様の部屋なのかな?

「ルカ様、こちらです」

 ナザール様の入っていった扉を見つめていたら、レオーレ様から促され、足を進める。

 俺の部屋へ向かいながら、さっきの扉について聞いてみれば、あそこは大神官の執務室でその隣が私室らしい。

「ここでの生活に慣れたらたまに顔を出して差し上げると喜ぶと思いますよ。ナザール様は子供がお好きなので……私も幼い頃はよく面倒を見てもらいました」

 幼い頃を思い出しているのか穏やかに笑うレオーレ様の顔は何とも言い難いほどに尊い表情をしている。レオーレ様にとってもナザール様は優しいおじいちゃんポジションのようだ。

 美少年と優しいおじいちゃんのセットは、腐的な考えすら及ばないほどに美しく尊い存在……。浄化されそう。

 二人の尊い関係によろめきそうになりながらも何とか耐えたのだった。
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