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神子の大神殿での日々
二十五話
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「……ルカが、アオレオーレ様を好きなのはわかった。でも、なんで僕に相談してきたのさ」
「周りは、大人ばっかりだし……それに俺に求められてる役目はわかってるんだよー!」
ため息を吐いたシオンに俺は叫びながらテーブルに突っ伏す。
「わかってるなら、尚更じゃないか。僕だってお前の婚約者候補だぞ?」
「うぅ……」
さらに呆れたようなシオンに呻く。それは……ホントにそうなんだけどさ。
「ま、いいけど。そこまで神子様に信頼されてるだけでもうちの父上は喜ぶだろうし。……本音は違うだろうけどね」
その言葉に顔を上げれば、シオンは嫌そうな顔をしている。
「……シオン?」
「ん?ああ……ルカは気にしなくていいよ。貴族が面倒臭いだけだから」
その表情の意味を語るつもりはないらしく、シオンは話を変える。
「それより、アオレオーレ様好きならさっさと想い告げたら?そしたら、王家も余計なちょっかい出してこないだろうし、学園にも行かなくていいじゃん」
「それは、やだー……レオーレ様の事は好きだけど……学園には行きたい」
シオンとも一緒に勉強したいし、他の推しもしっかりと目に焼き付けたいからね。
「神殿での生活嫌なの?」
「ううん、神殿での生活は楽しいよ。でも、外の世界の事なにも知らないのはどうかと思うし……というか、レオーレ様の事が好きだと気づかなくても、学園を卒業したら神殿に戻るつもりだったんだ」
「……神子として求められてる役割知ってるのに?」
「うん。平民の血が血筋に入るのは……好まれないでしょ?」
「まあ……普通ならね」
苦笑する俺にシオンもため息を吐く。
「でも、ルカは神子だ。欲しい貴族も、排除したい貴族も……どちらも多いよ。うちは、取り込みたい方だけどね」
シオンは、用意されていたお茶に手を伸ばし、口をつける。
「正直、神殿の生活を受け入れてるならこのまま神殿にいる方が幸せだとは思う」
お茶を飲んで一息ついたシオンの口から出てきた言葉は、俺を思っての事だろう。
「……学園諦めた方がいい?」
「別に諦めろって訳じゃないけどさ……面倒臭いと思うよ?別に僕と会うだけならこうやって神殿に呼ぶだけでもいいでしょ?」
また、お茶に口をつけたシオンにしょんぼりと肩を落とす。学園ダメか……ダメかぁ……。
「そんなに落ち込むなよ……僕が悪いみたいじゃないか」
今日何度目になるかわからないため息をシオンが吐きながら、カップをソーサーに戻す。
「学園で三年間自由に過ごしたいって気持ちもわからなくはないけどさー……って、恋愛相談受けてたのにずいぶんと脱線したな」
そう言ってシオンは、頬を掻く。
「えっと……纏めると、ルカはアオレオーレ様が好きで、神殿で暮らしたいではあるけど、学園には行きたいと」
「うん」
現状を確認するように改めて、言葉を纏める。
「学園に行くといろいろあると思う。主に上位貴族からのアプローチだね。嫌がらせも無くはないと思うけど……ルカを取り込みたい上位貴族……友好的な上位貴族が側に居ればある程度防げる」
「うん」
「だけど!ルカが神殿に戻るつもりだって知ったら、見放される。貴族ってそう言うものだからね」
俺に言い聞かせるように説明するシオンにちょっとへこむ。
取り込む為に好意的に振る舞って、見込みがなければ突き放す。貴族らしいっちゃ貴族らしいけど……実際そうなったら確実に落ち込むと思った。
って事は……シオンも?
不安になってシオンに視線を向ければ、シオンは不満そうな視線を俺へ向ける。
「……僕を見くびるなよ。お前の考え聞いても見限るほど浅はかじゃないぞ」
「シオン~!」
やっぱりシオンは優しい。コレだから最推しだったのだ。
主人公はレックスの好きなシオンにとって、恋敵だったはずなのに、面倒もよく見てくれるし、ルートに入ると貴族としては不向きな主人公を放っとけない気持ちが恋心に変わり、元々持っていたレックスへの恋心に葛藤する美味しいキャラ。
むしろ、主人公よりシオンがヒロイン……。そこが好き……。でも、友人としては、葛藤せずレックスと幸せになって欲しい……。なぜなら、俺とくっつくのは解釈違いだから。
「僕が居れば多少は、露払い出きるだろうけど……友人じゃちょっと弱い」
俺がシオンの優しさに内心震えていると、シオンは腕を組みながら呟く。
「これが、婚約者ってなったら立ち位置的には十分なんだけど……だからと言って、正式に契約すると確実なものになってしまう……」
そこまで言って、シオンが考え込む。いやいやいやいや、俺がシオンと婚約者って解釈違いもあるけど恐れ多い。
「……ルカ。今日から学園卒業までの時間、僕にくれる?」
「へ……え?」
シオンの意図が理解できなくて首を傾げる。
「表向きは、ルカが僕の事好きで僕も憎からずに思っているって感じにしたら、余計なちょっかい減ると思うんだよね」
「え、ちょ……待って?え?」
「子供同士の淡い想いくらいにしとけば、確約せずともいいし、他の貴族への言い訳にもなる。ああ、うちの父上はなんとか言いくるめるから気にしなくていいよ」
あ、ダメだ。シオンの中でなんか確定してる。
どうなるの?コレ……。
「周りは、大人ばっかりだし……それに俺に求められてる役目はわかってるんだよー!」
ため息を吐いたシオンに俺は叫びながらテーブルに突っ伏す。
「わかってるなら、尚更じゃないか。僕だってお前の婚約者候補だぞ?」
「うぅ……」
さらに呆れたようなシオンに呻く。それは……ホントにそうなんだけどさ。
「ま、いいけど。そこまで神子様に信頼されてるだけでもうちの父上は喜ぶだろうし。……本音は違うだろうけどね」
その言葉に顔を上げれば、シオンは嫌そうな顔をしている。
「……シオン?」
「ん?ああ……ルカは気にしなくていいよ。貴族が面倒臭いだけだから」
その表情の意味を語るつもりはないらしく、シオンは話を変える。
「それより、アオレオーレ様好きならさっさと想い告げたら?そしたら、王家も余計なちょっかい出してこないだろうし、学園にも行かなくていいじゃん」
「それは、やだー……レオーレ様の事は好きだけど……学園には行きたい」
シオンとも一緒に勉強したいし、他の推しもしっかりと目に焼き付けたいからね。
「神殿での生活嫌なの?」
「ううん、神殿での生活は楽しいよ。でも、外の世界の事なにも知らないのはどうかと思うし……というか、レオーレ様の事が好きだと気づかなくても、学園を卒業したら神殿に戻るつもりだったんだ」
「……神子として求められてる役割知ってるのに?」
「うん。平民の血が血筋に入るのは……好まれないでしょ?」
「まあ……普通ならね」
苦笑する俺にシオンもため息を吐く。
「でも、ルカは神子だ。欲しい貴族も、排除したい貴族も……どちらも多いよ。うちは、取り込みたい方だけどね」
シオンは、用意されていたお茶に手を伸ばし、口をつける。
「正直、神殿の生活を受け入れてるならこのまま神殿にいる方が幸せだとは思う」
お茶を飲んで一息ついたシオンの口から出てきた言葉は、俺を思っての事だろう。
「……学園諦めた方がいい?」
「別に諦めろって訳じゃないけどさ……面倒臭いと思うよ?別に僕と会うだけならこうやって神殿に呼ぶだけでもいいでしょ?」
また、お茶に口をつけたシオンにしょんぼりと肩を落とす。学園ダメか……ダメかぁ……。
「そんなに落ち込むなよ……僕が悪いみたいじゃないか」
今日何度目になるかわからないため息をシオンが吐きながら、カップをソーサーに戻す。
「学園で三年間自由に過ごしたいって気持ちもわからなくはないけどさー……って、恋愛相談受けてたのにずいぶんと脱線したな」
そう言ってシオンは、頬を掻く。
「えっと……纏めると、ルカはアオレオーレ様が好きで、神殿で暮らしたいではあるけど、学園には行きたいと」
「うん」
現状を確認するように改めて、言葉を纏める。
「学園に行くといろいろあると思う。主に上位貴族からのアプローチだね。嫌がらせも無くはないと思うけど……ルカを取り込みたい上位貴族……友好的な上位貴族が側に居ればある程度防げる」
「うん」
「だけど!ルカが神殿に戻るつもりだって知ったら、見放される。貴族ってそう言うものだからね」
俺に言い聞かせるように説明するシオンにちょっとへこむ。
取り込む為に好意的に振る舞って、見込みがなければ突き放す。貴族らしいっちゃ貴族らしいけど……実際そうなったら確実に落ち込むと思った。
って事は……シオンも?
不安になってシオンに視線を向ければ、シオンは不満そうな視線を俺へ向ける。
「……僕を見くびるなよ。お前の考え聞いても見限るほど浅はかじゃないぞ」
「シオン~!」
やっぱりシオンは優しい。コレだから最推しだったのだ。
主人公はレックスの好きなシオンにとって、恋敵だったはずなのに、面倒もよく見てくれるし、ルートに入ると貴族としては不向きな主人公を放っとけない気持ちが恋心に変わり、元々持っていたレックスへの恋心に葛藤する美味しいキャラ。
むしろ、主人公よりシオンがヒロイン……。そこが好き……。でも、友人としては、葛藤せずレックスと幸せになって欲しい……。なぜなら、俺とくっつくのは解釈違いだから。
「僕が居れば多少は、露払い出きるだろうけど……友人じゃちょっと弱い」
俺がシオンの優しさに内心震えていると、シオンは腕を組みながら呟く。
「これが、婚約者ってなったら立ち位置的には十分なんだけど……だからと言って、正式に契約すると確実なものになってしまう……」
そこまで言って、シオンが考え込む。いやいやいやいや、俺がシオンと婚約者って解釈違いもあるけど恐れ多い。
「……ルカ。今日から学園卒業までの時間、僕にくれる?」
「へ……え?」
シオンの意図が理解できなくて首を傾げる。
「表向きは、ルカが僕の事好きで僕も憎からずに思っているって感じにしたら、余計なちょっかい減ると思うんだよね」
「え、ちょ……待って?え?」
「子供同士の淡い想いくらいにしとけば、確約せずともいいし、他の貴族への言い訳にもなる。ああ、うちの父上はなんとか言いくるめるから気にしなくていいよ」
あ、ダメだ。シオンの中でなんか確定してる。
どうなるの?コレ……。
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