転生腐男子、BLゲー主人公となり解釈違いだと叫ぶ。

海野璃音

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神子の大神殿での日々

二十六話

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 シオンの思いついた案を聞いてから半年。

 変化らしい変化というのは、前より手紙のやり取りが増えた事と月一でシオンが会いに来るようになった事。

 元々、王家の方針としては、これくらいを接触頻度の目標としてたらしいので、今のところは大人達の考えている通りに進んでいる感じに見えているのだと思う。

 ただ、俺とシオンの仲が想像より仲良くなっているのは大人達もわかっているようで、シオンの方には親や王家から色々言われているらしい。

 対して、俺の方はというと、大神殿としては俺の心のままにという方針らしいので、詳しく聞かれたりと言うことはない。

 ないんだけど……。

「レオーレ様が……あんまり触ってくれなくなった……」

 月一のお茶会で顔を出したシオンに机に突っ伏したまま呟く。

 部屋の中にいるお付きはリアンだけで、シオンの護衛は外に行ってもらってる。

「ま、こうやってリアン様以外を外に出してお茶してたら、そうなるよね」

 俺の泣き言にシオンは悪びれる事なくお茶を飲む。

「まだ、撫でてはくれるけど……抱きついたら、節度を持ちましょうって言われるし、膝にも乗っけてくれなくなったし……」
「え、そんな事されてたの?幼児扱いじゃん」

 してもらえなくなった事を嘆いたら、シオンから出てきた言葉に目を見開く。

「幼児……扱い……?」
「抱き上げたり、抱きついたりって、僕は乳母くらいにしかしなかった覚えがあるけど……四歳くらいには、控えるように言われたし、されなかったよ」

 なんて事ないように言うシオンだけど、貴族の世界ってそうなの!?って、戦慄する。

 四歳ってまだ甘えたい盛りじゃん?それなのにそう言われてしつけられるの!?

「リ、リアン……貴族ってそうなの……?」
「まあ、ほとんどは」

 俺の問いに頷いたリアンに更に落ち込む。

 今まで甘やかしてもらってると思ったの全部幼児扱いだったの!?そりゃあ、甘やかされてるなと思うわけだ!

「ただ……ルカ様は、大人びいた所がありますけど、背伸びしているようにも見えましたし……大神殿に来る前の事もありましたから、レオーレ様としては甘やかしたかったとは思いますよ」

 追加されたリアンからの言葉にちょっと気分が上向く。でも、もう甘やかしてもらえないんだけど……。

「結構、重症だね」
「私やシオン様の前でだけですけどね」

 しょぼくれた俺にシオンとリアンが肩をすくめた気配がする。

 二人は、もう共犯者?みたいなものだから繕わなくてもいいんだ……だから思う存分いじけるんだ。

「もう、そんなになるならさ。僕の案乗らないで告白でもしたら?」
「そんな事したら俺、死んじゃうぅううう……」

 レオーレ様に告白?無理無理無理無理!振られるたり、受け入れてもらえたとしても、どちらにしろ死ぬし、告白しようとするだけでも絶対に死ぬ!

「神子が不吉なこと言わないでよ」
「そうですよ。ルカ様のお役目は健やかに末永く幸せに過ごしていただく事なのですから」

 俺の言葉にシオンが呆れ、リアンからお叱りの言葉が飛ぶ。

 わかってる。わかってるけど……神子としての役目ぇ……。

 前世、気軽に尊死するとか、言ってた時代の腐男子だから、死を禁じられると表現がしづらい……アイデンティティを奪われると言うべきか……。

 注意されたから控えるけどさ。

「……シオンは、レックス様となんかないの?」

 俺ばっかり、ダメージくらってるからシオンにもなんかないかと思って問えば、シオンはため息を吐く。

「何も変わらない……と、言いたいところだけど、親の方針でルカと会うのを優先するように言われてるから、前より会う回数は減った」
「……シオンは、それでいいの?」
「僕から提案したんだし、これぐらいは覚悟してたよ」

 何て言うけど、シオンの表情はちょっと寂しそうだ。

「なんか、ままならないなー……」
「そんなもんだよ。人生も貴族も」

 達観しすぎているシオンに、俺はそうはなれないし、貴族にも向いてないなぁ……と、思う。

「……貴族、大変だな」
「そりゃね。でも、ルカも学校でヘマしたら大神殿に戻れなくなるんだからね」
「わかってるってー……」

 俺が平民出身でも神子は神子。自分家に取り込みたい貴族はいっぱいいるのだ。

 さすがに無理矢理はないと思いたいけど……絶対にないとは言いきれないから気をつけないとなぁ……。

 今の作戦もあるからシオンがゲームのようについててくれると思うけど……自分でも対処頑張ろ。

 まだまだ、先の話だけどね。
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