玲子さんは自重しない~これもある種の異世界転生~

やみのよからす

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第5章 クラーレスカ正教国の聖女

第5章第034話 ネイルコード国の葛藤

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第5章第034話 ネイルコード国の葛藤

・Side:アインコール・バルト・ネイルコード(ネイルコード国王太子)

 カリッシュへの報復とばかりに、レイコ殿がエイゼル市から正教国へ向けて発ったその次の日。私はネイルコード国海軍の帆船クイーン・ローザリンテの船上にいる。
 アイズン伯爵とネタリア外相にも同行して貰っている。この2人には、ダーコラ国に引き続き、苦労をかけるな。

 私が出ることについては、御前会議でも反対は出たが。ダーコラ国では母上が赴いたし。仮にこのままネイルコード国が正教国の破門を受ければ、いろいろ波及した結果、大陸が戦乱に陥る可能性も高い…と御前会議では判断された。そうなったとしたらむしろ王太子には弟であり軍相のカステラードの方が向いているだろうと、私は思う。
 ネイルコード国の王太子、すなわち次期国王、その肩書きを持つ私自身のここが使い処って事だ。

 レイコ殿は、権威にすれ寄られたり利用されることを極端に嫌がる。自分では小市民とは言っているが、要はそういうことだ。
 もう少し解釈すれば、特定の人間や組織の利益のみに協力することを嫌う。利が市井に広まるようなことなら喜んで協力しているからな。

 正教国が正教国の利益のためだけにレイコ殿を欲するのなら、対立は不可避だ。ただ、そのへんを正教国は理解せずにレイコ殿の周囲に手を出してしまった。我々がレイコ殿との距離感にどれだけ気を使って居るのか理解していないのだろう。
 衝突は不可避…というより、正教国の教都がなくなるのか、首脳部が揃って再起不能にされるのか。どのみち正教国の中央が今のままというのはあり得ないだろう。

 まぁ、正教国がどうなろうが、心情的にはあまり関心は無い。いままで宗教的権威を盾に細かい嫌がらせをしてきたからな。
 しかし、この大陸の最大宗教勢力に敵対を続けることにメリットは少ないし、正教国の混乱は確実にネイルコード国にも影響を及ぼす。
 いわば我々は人間の盾として正教国に赴く。レイコ殿がやり過ぎないようにするための盾だ。
 ネイルコード国に都合の良い段階で事態を止める。これもまたレイコ殿を利用することになる感じがして心苦しくもあるが。大陸が混乱して戦乱の時代になることは、レイコ殿も望むまい。

 私が正教国に赴くのは、正教国に起きる混乱を最小限に治めるためと、必要なら現地で即時的な対応をするためだ。
 今、レイコ殿にエルセニム国のマーリア姫と、正教国の聖女であるリシャーフ殿とその侍従が同行しているというのは幸運だ。聞くところによるとレイコ殿は、馬を遙かに超える速度で一晩中でも走り続けられるそうだ。もしレイコ殿だけなら、とっくに教都に到着しているだろう。
 馬に騎乗しているリシャーフ殿達、彼女の移動速度がそのまま時間稼ぎになる。聖女らの同行に反対しなかったアイズン伯爵は、本当に良い判断をしてくれた。



 母上のダーコラ国行きでは、船団を組んでの移動だったが。今回は我が海軍の誇る高速帆船の最高速度を発揮し、兵員輸送艦随伴時の三分の二の時間で正教国の港に着いた。そこからカッターを降ろし、運河としても試用されている河を遡上して教都に至る。正教国側の港の役人はごねたが、複数のカッターで護衛も乗せられるだけ連れて行く。

 教都の中には水路が巡らされている。この辺はネイルコード国の王都も似たような感じだ。教都中央の教会へは、直接カッターで乗り付けられるようになっている。
 要人が乗り付ける前提だろう豪華な船着場にカッターが着けられる。護衛騎士達が先に上陸して整列し警戒する中を私が上陸する。
 正面に、正教国の祭司が出迎えている。側近が耳打ちして教えてくれる。ケルマン・クラーレスカ・バーハル祭司総長と、サラダーン・ニズワ・ザランド祭司長。国で言えば、国王と宰相に当たる人物だ。まぁ他国の王太子の出迎えとしては最上級と言って良いだろう。

 「ネイルコード王国王太子アインコール・バルト・ネイルコード殿下。赤竜神の導きにより、この良き日に正教国教都にお迎えできたこと、まさに僥倖。私、ケルマン・クラーレスカ・バーハル祭司総長と申します。正教国上げて殿下の行幸、歓迎いたしまする」

 「ネイルコード王国王太子アインコールだ。ケルマン・クラーレスカ・バーハル猊下御自らの歓迎、痛み入る」

 ここまでは、得に敵対する雰囲気もなく、応接室に通された。特に上座も無く、二列で向かい合う形の会議室然とした部屋だが。こちらも急な来訪であるが故に、礼拝堂で式典という案件でもないので、特に非礼では無い。まぁ些か事務的ではあるがな。

 「さて。今回私が正教国を訪問した要件だが。正教国から我が国へ派遣されたカリッシュ・オストラーバ祭司、彼の所業については正教国の方々は正確に把握されているのか?」

 「…信仰心に逸った結果、いささか強硬な態度に過ぎた面もあるでしょうが…」

 こいつがカリッシュを派遣したサラダーン祭司長か。

 「把握されているのか?と伺っている」

 「…」

 「何故言えぬのか私には理解できぬが。まぁ説明させていただこう。カリッシュ殿がネイルコード国に着いたとき、レイコ殿はこちらのアイズン伯爵の孫誕生に合わせて辺境領への訪問に護衛として同行されていて、エイゼル市には不在でな」

 「赤竜神の巫女様を護衛とは不敬な…」

 「うん? それはレイコ殿ご自身が不敬だと言われたという意味かな? 貴殿はレイコ殿と話されたこともなかろう?」

 「いえ…しかし畏れ多くも赤竜神の巫女様を護衛として連れ回すとは…しかも、殿下も先ほどからレイコ殿という呼び方もいかがな物かと」

 「ほう。レイコ殿という呼称はレイコ殿の要請でこうお呼び致している。もちろん我々も最初にお会いしたときには最敬礼をしたものだがな。しかしレイコ殿はそれを固辞された。レイコ殿はそこまで格式張った対応はお望みではないそうだ。また、伯爵の護衛の仕事も、ご自身が選んだ仕事として受領されている」

 「しかし!」

 「実際に対面している我々に対して、レイコ殿が直に良いとされていることを、会ったことも無い貴殿が勝手に不敬だとする。それこそレイコ殿に対する不敬ではないのかね? 何の権利があってレイコ殿が良しとされていることを否定されるのか?」

 「ぐ…承知しました…」

 「まぁ、当のカリッシュ殿も、何が不敬かどうかをレイコ殿に確認することなく自分で勝手に決めていたようでな。挙げ句の果てにレイコ殿が定宿としていた宿屋に火を付けた。直後、レイコ殿がエイゼル市で懇意にしていた教会までも焼こうとした。荒野の一軒家ならともかく街中の宿では、下手をすれば大勢の民が犠牲になる可能性もあった。もしそうなっていたら、こうして穏やかな喋り方は出来なかっただろうな。この辺の経緯は最初の抗議で詳細に書き留めたはずだが。知らぬと言うことはないであろう?」

 「…」

 「何でも、レイコ殿がエイゼル市に執着する理由を消し去るために焼こうとしたと言うことだが。理由はどうあれ街中での放火、これが死罪に当たらない国という物が存在するのかね? さて、この辺を踏まえて貴国からの返答の最初の項目、カリッシュの返還要請の真意についてご説明いただきたい」

 ふん。破門という言葉をちらつかせれば、何も言えないとでも踏んだのか? 嘗められたものだな。

 「その件については誠に遺憾に思いますが。一応正教国の祭司でありまして、処分をするのなら正教国の法に則り捌きたいと…」

 「確かに大使協定では、犯罪行為について処断する権利は元国に帰属するとありますが。その場で捕らえられ疑いようのない犯罪については適用外のはずです。カリッシュは教会に放火したところで取り押さえられましたからな。大使協定の適応外となりますが」

 「くっ…」

 「それでもまぁ、正教国側で適切な処罰が下されるのなら返還も吝かでは無いのですが。さて。町中での放火は正教国ではどのような処罰に? まさかとは思いますが、ネイルコード国で行なった放火だから功績として賞賛する…なんてことはないでしょうな?」

 「いや…確かに我が国でも厳罰ではありますが…その辺は詳細な調査をした上で…」

 もし無罪放免ともなれば、ネイルコード国に対する宣戦布告に等しい。我が国としても何もしないという選択肢は無くなる。では、ネイルコード国の要請に従って処罰するか。それはそれで正教国の面子が潰れるのだろう。
 …まぁ、処分が確定する前に自死したことにして、事件を有耶無耶にするというあたりが一番あり得るか。引き渡したところでカリッシュが生きていられるかどうか妖しいところだな。

 「では先に調査をしていただきたい。とは言っても、引き渡しただけでは本人の自供以外に調べられることがありませんからな。調査官をネイルコード国に送っていただいても構いませんぞ。さて、次の文言ですが。レイコ殿と小竜様の引き渡し要請ですな。…先ほどのやり取り後でも、まだ要求されますか?」

 「しかし!赤竜教の総本山である正教国でお祭り奉らず、一体どこがふさわしいと?」

 「先ほども似たようなやり取りをしましたが、レイコ殿がそれを望んだのですか? 私には、彼女が相当嫌がる姿しか想像できませんが」

 「いやしかし…赤竜神の巫女様には、それにあった格というものを…」

 「レイコ殿は、そういう格とやらを勝手に押しつけられることをホントに嫌がるのです。遠慮するとかでは無く、毛嫌いされているのです。…そういう報告は、そちらには届いていないのですか? 特に伏せている話でもありませんし、それなりに我が国内でも調査はさせているのでしょう?」

 「く…」

 巫女と祭り上げて、綺麗な服を着せて豪華な食事でも出せば喜ぶと、その程度しか考えていないのだろうな。

 「つぎに。ダーコラ国マラウェイ・セーメイ陛下の正当性はこれを認めない…でしたか。ダーコラ国での戴冠式にも不満があるようですな」

 「そもそも戴冠式は正教国の祭司で行なうべきこと。それを勝手に執り行われては…」

 「勝手にですか。レイコ殿が勝手に行なったから正教国は認めないと? あなた達は赤竜神の巫女様の格は認めませんか?」

 「…」

 さっきからだんまりが多いな。

 「先ほどから聞いていてよく分らないのですが。赤竜神の巫女様であるレイコ殿が実際に降臨された現状、今後正教国は教会とレイコ殿、どちらのご意向を優先されるおつもりなのですかな? 指針をはっきりさせていただきたい。あの方は見た目は十歳程度の子供ではありますが。あの体になる前は二十五歳だそうです。教会の思い通りに操れる子供だと思って侮るべき方ではないですよ」

 「な…まさか本当に前世が? 本当に巫女様は前世を持って復活された方なのか?」

 今までサラダーンだけが喋っていたが。ここに来てケルマン祭司総長が食いついてきた。しかもそこに?
 レイコ殿の直言を信じていなかったのか?こいつら。

 「レイコ殿のお父上や、人だったころの赤竜神様と共に、人の記憶や意識を保存するという研究をされていたと。レイコ殿は仰っておりましたな。保存したものをマナに移したものが、赤竜神様や今の巫女様…だそうです」

 「そ…それでは、やはり! 赤竜神様はマナを使って死者蘇生が出来るのですな?!」

 「…いえ。レイコ殿が言うには、複製されたのは魂では無く、元の自分はしっかり亡くなっているとのことです。まぁ私も明確に違いを理解しているわけではないのですが。レイコ殿に聞けばいくらでも話してくださいますよ。こちらが理解できるかは別な話ですが」

 「私の方には、復活に関わることは一切知らされていなかった…」

 「…死者蘇生など馬鹿げたことが出来るはずは無いと思いまして。せめて探求院で精査してからと思っておりました」

 サラダーン祭司長が弁解しているが。どうも報告書はこいつのところでかなり止っていたらしいな。

 「…まぁそちらの内情は置いておきましょう。最後に、正教国の要求を飲まない場合にはネイルコード国を破門…でしたな。…まぁこのようなことになってしまいましたが、実は私は正教国のことを心配しているのですよ」

 「…どういうことですかな?」

 「今回のカリッシュの所業について、レイコ殿は大層お怒りです。それこそこの教都を地図から消しても不思議ではないくらいでしてね」

 「…また大げさな」

 「我が国で、重要な街道が崖崩れで通れなくなったのを、レイコ殿が岩を砕いてくださった…という話は届いておりますかな?」

 「たかが岩程度で…」

 「ふむ…この教会、さすが赤竜教の総本山、大層立派な建物ですな。特に中央の礼拝堂の偉容は見事なものです。…ただ、レイコ殿が具砕いた岩は、あの礼拝堂の塔のさらに三倍ほどの高さがありましてな。岩山から剥がれて滑ってきたときに妙な偶然で岩が立ってしまって、そのままでは周囲が危険で近づくこともできないという状態になりまして。いかにしようかと案じていたところ、レイコ殿がレイコ・バスターというマナ術で一撃で粉砕して下さったのですよ。しかも、そのときに使ったマナ術は、まだ全力ではないそうです。さて、本気を出したらどの程度の範囲を一撃で破壊できるのやら…」

 実際にタシニでの岩山破壊を見てきたアイズン伯爵が説明するが。
 …ここは、知らせずに済むような情報では無いだろ? 何のために見物人を集めて示威したと思ってるんだ。

 「ま…まさか…あり得るのか、そんなマナ術が…」

 「報告にはあったけど信じていなかった…というところですかな? レイコ殿は、基本的に殺さずで対処しておりますが、寛容なわけではありません。実際彼女に手を出そうとした輩は…というより弱者に手を出そうとする不心得者には、大抵は手足を砕くなどして"二度と出来ないよう"に再起不能としてますからな。私もレイコ殿が教都を吹き飛ばすなんてことはそうそうないとは思っていますが、正教国が"二度と出来ないよう"にするにはどこを壊せば良いのか、今でも考えているでしょうね。その手段の一つとして、正教国の上層部の人間がまとめて再起不能にされるくらいは十分あり得ると思っています。…あなた方のことですよ?」

 「そんな…」

 「そんな怒り心頭のレイコ殿が、あなた方が招喚したという返事にかこつけて、現在陸路でこちらに向かっております。正教国の聖女殿が同行しておりますが、赤竜神の巫女様が教都に来られると喜んでいる場合ではないですぞ。レイコ殿の目的は報復なのですから」

 「報復…なんで…正教国は赤竜教の…」

 同列している祭司が、絶望に呟く。赤竜神の巫女様から明確に敵意を持たれているという事実は、祭司にはきつかろう。
 …正教国側のトップであるケルマン祭司総長は、なにか恍惚としているが。

 「正教国が大陸の安定に寄与している事はネイルコード国でも一応認めているところですからな。我々の今回の正教国訪問の目的は、レイコ殿の報復を最小限に留めてもらうことなのです」

 まぁレイコ殿の要望を正教国に呑ませるのは難しくは無いだろう。あとは、いかに暴走を防ぐかだ。…正教国側の暴走と自滅を。



・Side:サラダーン・ニズワ・ザランド(クラーレスカ正教国祭司長)

 ネイルコード国アインコール殿下一行には、とりあえずこちらにも状況の分析と検討をする時間をということで、貴賓館へと移ってもらった。

 「巫女様が正教国に報復しにくるだと…」

 カリッシュがネイルコードで騒ぎを起こしたという報告は上がってきていたが。たかが安宿とスラムの教会一軒。正教国の威からすれば大した問題では無いだろうと高を括っていた。

 今までの赤竜神の巫女に関する報告を、部下と共に再精査する。今まで眉唾だと思って無視していたことも含めてだ。

 レイコ・バスター。巨大な岩を一撃で粉砕。ユルガルム領に放った蟻の巣をまとめて爆破。ダーコラ国との国境紛争で、ダーコラ国側が築いた河の関を破壊。
 ネイルコード国の貴族の端くれが斬りかかったこともあるそうだが、服は着れたものの本人は無傷。アイズン伯爵の毒味役として実際に毒の入った菓子を小竜様と共に食べてしまったことも。勿体ないと捨てることを拒まれたとか。
 蟻の巣のときには自身のマナ術に巻き込まれて全身火傷状態となったが、五日ほどで髪の毛以外は回復。巫女が負傷した唯一の事例だが、参考にもならない。

 基本的に、自分や周囲の者に危害を加えようとした者以外に手を出したことは無いが。手を出した者は手足の関節を砕かれる等、兵や騎士としては再起不能とされている。一番酷いのは元ダーコラ国王太子か。女の奴隷を侍らせていたのみならず、その中にネイルコード国から拉致した女がいたことが逆鱗に触れたようで。両手足と腰に顎まで砕かれ、現在は完全に寝たきりで幽閉されている。

 巫女の普段の生活についても、再度精査する。
 エイゼル市端の安宿を定宿とし、そこの食堂の給仕までたまに手伝っているとか。街道工事の伐採に強力したり。アイズン伯爵やネイルコード国王妃の護衛。料理のレシピの開発に、職人街の協力を得ての新製品開発。 これらも言われてやらされているわけではなく、率先して"楽しそう"に行なっているとのことだ。

 エイゼル市のスラムの教会の祭司とは懇意にしているようだ。正教国に対する反応との違いはいまいちよく分らないが。
 王侯貴族に囲まれた豪華な生活よりは、下々の民との関係を大事にしているように思える。…まるで先代の聖女のようだな。
 これで、カリッシュが宿を燃やした事に激怒しているという心理はだいたい分った。その抗議に対する正教国からの回答があれでは、確かに激怒するだろう。
 今更カリッシュの件は教都のあずかり知らぬ事と言ったところで、すでに一度彼の行為を肯定してしまった形になっている。

 …ネイルコード国の王太子を人質にするか? その場合、巫女のみならず、ネイルコード国とも全面対立だ。先ほど彼らも言っていたでは無いか、報復を最小限に留めるために来たと。

 報復を逸らすためにこちらから差し出せる物は…我らの首だけか?
 それともネイルコード国に大幅な譲歩をして、王太子に巫女を諫めてもらうしか無いのか。


 「赤竜神の巫女様は現在、セネバルに逗留されているそうです。本日昼には教都に到着される見込みとのこと」

 明け方、早馬による連絡が来た。
 隣町に巫女が現れたそうだ。あそこは商人の勢力が強く、赤竜騎士団の人間も配置できなかった街だが。特にそこの教会とは問題も無く一泊しているらしい。
 しかし、ダーコラ国との国教の関と次の街ナズランでは、赤竜騎士団と派遣されていた祭司がやらかしたそうだ。巫女とリシャーフ様に処断され、その後の扱いについての問い合わせが、政務を引き継いだ祭司から早馬で届いている。
 現聖女リシャーフも、他の街での腐敗っぷりに立腹どころではないようだ。

 ケルマン祭司総長は、巫女の接近の報を聞いてなにやら楽しみにしているように見受けられる。事態を正確に理解されているのか? それとも怒りの矛先を逸らす何か良い案でもあるのか。
 ともかく、教会の象徴たる聖女リシャーフが未だ巫女の側にて排除されていないと言うことは、そりなりに誼が出来たと考えるべきか。ネイルコード国王太子らも交えて…いや巻き込んで、巫女と交渉するしか無いか。

 「教都の門兵には、巫女様ご到着の暁には丁重に教会までお連れするように命を出しなさい」

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