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第10章 レイコさんは自重しない
第10章第023話 ネイルコード物産展
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第10章第023話 ネイルコード物産展
正教国に来た最大の目的である鉄道説明会は、三日後ですが。
外務庁の人達やらアイズン伯爵らは、もう一月前から正教国に入っています。目的は当然外交のお仕事、各国への説明と根回しです。
この大陸には、赤竜教の元でまとまっている国が、正教国やネイルコードも含めて26国と、さらに貴族自治領23領、あることになってます。しかし。
南西の国の先にある森林地帯には、小規模の集落がぽつぽつある程度ですが。山脈沿いに西へずっと抜けると砂漠があって、その先の大陸の西岸と言えるところには、いくつか国があるそうです。彼らは、正教国からでは無く、東の帝国からの直接の移民だという説もあります。セイホウ王国と同じ、千年前の災害の生き残りかも…ということですね。
実のところ、私達が大陸と呼んでいる正教国を中心としたテリトリーは、実際の大陸の二割程度らしいです。砂漠にしても、独立した大陸と呼んだ方がいいのでは説も。海路を南に行けば、喜望峰よろしく大陸の西側に出られるではと言われていますが。砂漠には陸路で接触したという記録があるだけで詳細は不明です。
ネイルコードの東にしても、まだ未探索なところがありますし、ユルガルムへの海路が繋がっているのかの探査はこれからです。
本来ならそろそろ大航海時代となるところでしょうが。正教国がこの大陸に出来てまだ六百年。地球の同時期ほど人類の版図は広くなく、探査のリソースがまだまだ足りません。
根回しとネイルコードの説明の一環として、教会騎士団の訓練場を借りて、ネイルコード物産展みたいな物を開いています。認定式の参列が終わった人達がけっこう寄っているみたいです。
まぁ人目に付くのも何ですが、護衛の方々もいることですし、ネイルコードのお菓子も饗されているということで。マーリアちゃんとクラウヤート様達とで覗くことにしました。
私は黒い上に、着替えた服装も地味ですし。マーリアちゃんは髪を隠せるようなベールの帽子で。まぁなんとか目立たない程度には成ったかな。
屋内訓練場を借りた会場内には、ちょっと季節外れですがエアコンを実演している部屋が設置されています。日本の十月くらいの季節としては、ちょっと寒いくらいに冷やしていますが。これが夏場に有用なのはすぐに理解して貰えるでしょう。
さらに、冷蔵庫に冷蔵庫も展示して。そこで冷やした飲み物に、冷やしたスイーツ。まぁ今来ている人は王侯貴族か高官ですので、無料で振る舞われています。
「冷たい食べ物は、食べ過ぎるとお腹を壊しますのでっ。お一人様二種まででお願いいたしますっ」
今では知らない人のいないプリンと。さらに氷菓子やアイスクリームまで提供しています。
アイスクリームは凍らせながら攪拌しないといけないですからね。ネイルコードでは氷に塩で冷やして作ってます。それを冷凍庫で保存しているのでしょう。
氷室なんかは山国にあるそうですが、氷を食べるというよりは食べ物の保存に使っているそうで。夏場に氷なんて食べられないのが普通ですし、冬に氷なんて食べたくないものです。今日は、冷たいものを食べるにはまぁギリギリかも。
販売をしているわけではないですが。これらを食べた人達が、氷菓子の方をお土産に求めるということが頻発してるそうで。説明員がさすがに持ち帰りは無理だと説明しています。ドライアイスはまだ未開発です。
「残念だが、家族は明日にでも連れてこよう。私だけがなんてことになったら嫌われる。…にしても、この機械とレシピがあれば、これらが食べ放題というわけか…」
これを作るための機械がネイルコードで生産中と聞いて興味を示している人は多いです。一家に一台ならぬ、一王宮に一台ですか。それでも食べ放題はさすがに…
「お客様…ネイルコードで広まっている格言に、"美味しい物は身体に悪い"というのがありまして」
「んん?これだけ美味なのに、身体に悪いのかね?」
まぁ、冷たい物の取り過ぎは勧められる物でも無いですが。
「これらが冷たいというのもございますが。同じ物だけを食べつづけることも身体に良くないという意味だそうです。この菓子も、日々の食事のデザートの一品というのがよろしいかと思います」
係の人が、冊子を手渡します。
「よろしければ、こちらをどうぞ。簡単ではありますが、ネイルコードで広まっている食べ物と健康についての覚え書きとなります」
「食と健康」というタイトルの、ネイルコードで出回っている小冊子ですね。
三大栄養素にビタミンミネラル。栄養の種類と何かどう身体に必要なのか、食べ方のバランスについて等のことが八ページほどで簡単にまとめてあります。小学校の時に教室に貼って啓発ポスター、あれです。
最初は騎士団と軍隊の糧食部署へ。次に食堂や診療所。今では各所の学校で子供達に読み聞かせるように。そこそこの数が配られている本です。
まぁ突き詰めれば、好き嫌いせずにいろんなものを食べましょう…ってだけの内容なんですけどね。もちろんこれは、紙と印刷のデモンストレーションでもあります。
横で見ていた別のお客が聞きます。
「ずいぶん簡素な作りの本だが、ネイルコードでの本とはそのようなものなのかね?」
この世界、書物とは羊皮紙で過度な装飾がされているものがほとんどですし。紙自体も珍しいと思います。
「こちらは、庶民でも読めるよう、数を出すのが目的の啓発本ですので」
「庶民は字を読めないだろう?」
「庶民は本を買えないだろう?」
話を聞いていたギャラリーが声を上げます。
わら半紙みたいな紙に、銅板エッチング。本当に簡易な本ですが。安価な本が普及していることについて、なかなか目の付け所が良い人がいるようで。
「ネイルコードでは、子供には読み書きと簡単な計算を覚えさせるのが、国政となっております。そうですね、例えば今年成人した者で、この本を読めなかったり買えないという者はほとんどいないでしょう」
なによりはネイルコードの庶民の識字率ですね。アイズン伯爵はともかく子供の頃からの人材育成に気を配っている人ですから。スラムがあった頃の世代に字が読めない者がそこそこいるのは致し方ないことですが、今時の子は読み書きできて当たり前というところまでなっています。。
非貴族でも字が読める。これを労働力の質が上がるとみるか、貴族に対する脅威と取るか。この辺の意識改革も、ネイルコードを通じて変えていきたいところですね。
訓練場の建物の中には、エアコン部屋とは別にパーティションで隔離した区画が作られてまして。
こちらには、女性用下着をつけたマネキンが並んでいます。他にも、ドレスや普段着に子供服の陳列もありますが。普段はおおっぴらには売っていない下着が注目を集めています。
下着の共同開発したのも懐かしい話ですが。奉納元であるランドゥーク商会のアイリさんのお仕事もですが、貴族街近くや王都の店の製品も並んでいます。…うん、胸元を強調するようなデザインがそこそこあります。私には絶対に合いません。
ここは、男性禁止地区にしたいところですが、貴人の女性のみで入ってくださいとはいかないので、旦那さんや護衛騎士は容認していますが。…まぁ肩身が狭そうにしています。
氷菓子に並んで盛況なのがこのコーナーで、女性客がひきりっなしに訪れています。部屋着用やフリーサイズの下着も販売していますが。貴族が本番(パーティーですよ)で着ける下着なんかはオーダーメードになるのが当たり前ですので、そこは要相談です。リシャーフさんもネイルコードに来たときに作ってもらっているくらい好評です。…自分も付けることになるとは思っていませんでしたが。
そもそもボタンすら普及していなかった世界です。ボタンじめの楽な部屋着や、気楽に着れてそこそこおしゃれという服も人気が出ています。ここで用意されている販売分については、SMLの三サイズですが。少しゆったりするくらいが丁度良いので問題なし。子供服として人気があります。
…あ。私がこちらの世界に来たときの服が、レプリカが展示されています。まんま子供服なので気がつかなかった。リュックも懐かしいですね。その上がレッドさんの定位置でした。
え?これも売り物になってるんですか? …って、売り切れてるっ!
「御者より前の部分には、火傷するほど熱いところがありますから、彼より前には出ないでくださいっ」
屋外のグラウンドでは、いつぞやネイルコード王宮の庭で実演した小型の蒸気機関車、あれがデモンストレーションされています。一回当たり、露天の小型客車に十人ほど乗せて三周する経験乗車を実施中です。
三日に一日はメンテナンスでお休みだそうですが。実演日には、各国のお連れの子供達に大人気とか。…見たところ、大人も大喜びですね。皆さん王族貴族なのに、行列を作っています。
「これを大型にした蒸気機関車で、大陸中に人や荷物を運ぶという事業を計画しているわけです。すでにネイルコードでは、港から王都への輸送に運行されています」
グラウンドの脇には、数メートルほどの広軌のレールが展示されていて、そこに客車に使う台車が乗せてあります。
運用中の機関車と貨車客車をここに持ってくるのは大変でしょうが。走っている小型機関車とこの展示を比べれば、本物がどの程度の大きさかはわかりやすいでしょう。
「私はネイルコードで"本物"に乗ってきたが。たしかにあれば革命的な乗り物だった」
「まずはネイルコードから正教国まで結ばれるわけか… さらなる延長もされるそうだが、それに加われるかどうかは、国の利益に大きく関わるぞ」
「しかし、全部鉄だぞあれは。相当な費用が必要では?」
見学中の人達が話題にしています。
実は手動式の電信も展示してあるのですが。まぁ展示距離が短いので、ピンと来る人は余りいないようです。何人かか軍人らしい人がいろいろ聞いているようですが。
ネイルコードで飛んでいる飛行機の模型…構造検討のための四分の一の物だそうですが、それも持ち込まれて展示してあります。
「これに人が乗れるようにしたものをネイルコードでは開発中です」
「…いやいや、まさか人が飛べるようになるなんて」
「ネイルコードの列車に乗っているとき、軍学校の上を飛んでいるのを見たことがあるぞ。あれは一人乗りだったようだが…」
空を飛ぶと言うことの実証として、二十センチくらいの木製のグライダーなんかも販売しています。これまた専用の広場をキープして、買ってくれた子供達に、安全についての注意と飛ばし方を指導しています。
目をキラキラさせて飛行機を飛ばす子供達。もう心を鷲づかみですね。…掴まれたのは子供だけではないようですが。そこは子供優先でお願いします。
なんかテーマパークみたいに成りましたが。現在のネイルコードについての周知には成功しているようです。
鉄道と電信と飛行機については、鉄道説明会にて。冷蔵庫に冷房や下着等の注文はネイルコードからきている商会へ。氷菓子のレシピについては教会の奉納の係へ誘導して。こちらも繁盛しそうですね。
正教国に来た最大の目的である鉄道説明会は、三日後ですが。
外務庁の人達やらアイズン伯爵らは、もう一月前から正教国に入っています。目的は当然外交のお仕事、各国への説明と根回しです。
この大陸には、赤竜教の元でまとまっている国が、正教国やネイルコードも含めて26国と、さらに貴族自治領23領、あることになってます。しかし。
南西の国の先にある森林地帯には、小規模の集落がぽつぽつある程度ですが。山脈沿いに西へずっと抜けると砂漠があって、その先の大陸の西岸と言えるところには、いくつか国があるそうです。彼らは、正教国からでは無く、東の帝国からの直接の移民だという説もあります。セイホウ王国と同じ、千年前の災害の生き残りかも…ということですね。
実のところ、私達が大陸と呼んでいる正教国を中心としたテリトリーは、実際の大陸の二割程度らしいです。砂漠にしても、独立した大陸と呼んだ方がいいのでは説も。海路を南に行けば、喜望峰よろしく大陸の西側に出られるではと言われていますが。砂漠には陸路で接触したという記録があるだけで詳細は不明です。
ネイルコードの東にしても、まだ未探索なところがありますし、ユルガルムへの海路が繋がっているのかの探査はこれからです。
本来ならそろそろ大航海時代となるところでしょうが。正教国がこの大陸に出来てまだ六百年。地球の同時期ほど人類の版図は広くなく、探査のリソースがまだまだ足りません。
根回しとネイルコードの説明の一環として、教会騎士団の訓練場を借りて、ネイルコード物産展みたいな物を開いています。認定式の参列が終わった人達がけっこう寄っているみたいです。
まぁ人目に付くのも何ですが、護衛の方々もいることですし、ネイルコードのお菓子も饗されているということで。マーリアちゃんとクラウヤート様達とで覗くことにしました。
私は黒い上に、着替えた服装も地味ですし。マーリアちゃんは髪を隠せるようなベールの帽子で。まぁなんとか目立たない程度には成ったかな。
屋内訓練場を借りた会場内には、ちょっと季節外れですがエアコンを実演している部屋が設置されています。日本の十月くらいの季節としては、ちょっと寒いくらいに冷やしていますが。これが夏場に有用なのはすぐに理解して貰えるでしょう。
さらに、冷蔵庫に冷蔵庫も展示して。そこで冷やした飲み物に、冷やしたスイーツ。まぁ今来ている人は王侯貴族か高官ですので、無料で振る舞われています。
「冷たい食べ物は、食べ過ぎるとお腹を壊しますのでっ。お一人様二種まででお願いいたしますっ」
今では知らない人のいないプリンと。さらに氷菓子やアイスクリームまで提供しています。
アイスクリームは凍らせながら攪拌しないといけないですからね。ネイルコードでは氷に塩で冷やして作ってます。それを冷凍庫で保存しているのでしょう。
氷室なんかは山国にあるそうですが、氷を食べるというよりは食べ物の保存に使っているそうで。夏場に氷なんて食べられないのが普通ですし、冬に氷なんて食べたくないものです。今日は、冷たいものを食べるにはまぁギリギリかも。
販売をしているわけではないですが。これらを食べた人達が、氷菓子の方をお土産に求めるということが頻発してるそうで。説明員がさすがに持ち帰りは無理だと説明しています。ドライアイスはまだ未開発です。
「残念だが、家族は明日にでも連れてこよう。私だけがなんてことになったら嫌われる。…にしても、この機械とレシピがあれば、これらが食べ放題というわけか…」
これを作るための機械がネイルコードで生産中と聞いて興味を示している人は多いです。一家に一台ならぬ、一王宮に一台ですか。それでも食べ放題はさすがに…
「お客様…ネイルコードで広まっている格言に、"美味しい物は身体に悪い"というのがありまして」
「んん?これだけ美味なのに、身体に悪いのかね?」
まぁ、冷たい物の取り過ぎは勧められる物でも無いですが。
「これらが冷たいというのもございますが。同じ物だけを食べつづけることも身体に良くないという意味だそうです。この菓子も、日々の食事のデザートの一品というのがよろしいかと思います」
係の人が、冊子を手渡します。
「よろしければ、こちらをどうぞ。簡単ではありますが、ネイルコードで広まっている食べ物と健康についての覚え書きとなります」
「食と健康」というタイトルの、ネイルコードで出回っている小冊子ですね。
三大栄養素にビタミンミネラル。栄養の種類と何かどう身体に必要なのか、食べ方のバランスについて等のことが八ページほどで簡単にまとめてあります。小学校の時に教室に貼って啓発ポスター、あれです。
最初は騎士団と軍隊の糧食部署へ。次に食堂や診療所。今では各所の学校で子供達に読み聞かせるように。そこそこの数が配られている本です。
まぁ突き詰めれば、好き嫌いせずにいろんなものを食べましょう…ってだけの内容なんですけどね。もちろんこれは、紙と印刷のデモンストレーションでもあります。
横で見ていた別のお客が聞きます。
「ずいぶん簡素な作りの本だが、ネイルコードでの本とはそのようなものなのかね?」
この世界、書物とは羊皮紙で過度な装飾がされているものがほとんどですし。紙自体も珍しいと思います。
「こちらは、庶民でも読めるよう、数を出すのが目的の啓発本ですので」
「庶民は字を読めないだろう?」
「庶民は本を買えないだろう?」
話を聞いていたギャラリーが声を上げます。
わら半紙みたいな紙に、銅板エッチング。本当に簡易な本ですが。安価な本が普及していることについて、なかなか目の付け所が良い人がいるようで。
「ネイルコードでは、子供には読み書きと簡単な計算を覚えさせるのが、国政となっております。そうですね、例えば今年成人した者で、この本を読めなかったり買えないという者はほとんどいないでしょう」
なによりはネイルコードの庶民の識字率ですね。アイズン伯爵はともかく子供の頃からの人材育成に気を配っている人ですから。スラムがあった頃の世代に字が読めない者がそこそこいるのは致し方ないことですが、今時の子は読み書きできて当たり前というところまでなっています。。
非貴族でも字が読める。これを労働力の質が上がるとみるか、貴族に対する脅威と取るか。この辺の意識改革も、ネイルコードを通じて変えていきたいところですね。
訓練場の建物の中には、エアコン部屋とは別にパーティションで隔離した区画が作られてまして。
こちらには、女性用下着をつけたマネキンが並んでいます。他にも、ドレスや普段着に子供服の陳列もありますが。普段はおおっぴらには売っていない下着が注目を集めています。
下着の共同開発したのも懐かしい話ですが。奉納元であるランドゥーク商会のアイリさんのお仕事もですが、貴族街近くや王都の店の製品も並んでいます。…うん、胸元を強調するようなデザインがそこそこあります。私には絶対に合いません。
ここは、男性禁止地区にしたいところですが、貴人の女性のみで入ってくださいとはいかないので、旦那さんや護衛騎士は容認していますが。…まぁ肩身が狭そうにしています。
氷菓子に並んで盛況なのがこのコーナーで、女性客がひきりっなしに訪れています。部屋着用やフリーサイズの下着も販売していますが。貴族が本番(パーティーですよ)で着ける下着なんかはオーダーメードになるのが当たり前ですので、そこは要相談です。リシャーフさんもネイルコードに来たときに作ってもらっているくらい好評です。…自分も付けることになるとは思っていませんでしたが。
そもそもボタンすら普及していなかった世界です。ボタンじめの楽な部屋着や、気楽に着れてそこそこおしゃれという服も人気が出ています。ここで用意されている販売分については、SMLの三サイズですが。少しゆったりするくらいが丁度良いので問題なし。子供服として人気があります。
…あ。私がこちらの世界に来たときの服が、レプリカが展示されています。まんま子供服なので気がつかなかった。リュックも懐かしいですね。その上がレッドさんの定位置でした。
え?これも売り物になってるんですか? …って、売り切れてるっ!
「御者より前の部分には、火傷するほど熱いところがありますから、彼より前には出ないでくださいっ」
屋外のグラウンドでは、いつぞやネイルコード王宮の庭で実演した小型の蒸気機関車、あれがデモンストレーションされています。一回当たり、露天の小型客車に十人ほど乗せて三周する経験乗車を実施中です。
三日に一日はメンテナンスでお休みだそうですが。実演日には、各国のお連れの子供達に大人気とか。…見たところ、大人も大喜びですね。皆さん王族貴族なのに、行列を作っています。
「これを大型にした蒸気機関車で、大陸中に人や荷物を運ぶという事業を計画しているわけです。すでにネイルコードでは、港から王都への輸送に運行されています」
グラウンドの脇には、数メートルほどの広軌のレールが展示されていて、そこに客車に使う台車が乗せてあります。
運用中の機関車と貨車客車をここに持ってくるのは大変でしょうが。走っている小型機関車とこの展示を比べれば、本物がどの程度の大きさかはわかりやすいでしょう。
「私はネイルコードで"本物"に乗ってきたが。たしかにあれば革命的な乗り物だった」
「まずはネイルコードから正教国まで結ばれるわけか… さらなる延長もされるそうだが、それに加われるかどうかは、国の利益に大きく関わるぞ」
「しかし、全部鉄だぞあれは。相当な費用が必要では?」
見学中の人達が話題にしています。
実は手動式の電信も展示してあるのですが。まぁ展示距離が短いので、ピンと来る人は余りいないようです。何人かか軍人らしい人がいろいろ聞いているようですが。
ネイルコードで飛んでいる飛行機の模型…構造検討のための四分の一の物だそうですが、それも持ち込まれて展示してあります。
「これに人が乗れるようにしたものをネイルコードでは開発中です」
「…いやいや、まさか人が飛べるようになるなんて」
「ネイルコードの列車に乗っているとき、軍学校の上を飛んでいるのを見たことがあるぞ。あれは一人乗りだったようだが…」
空を飛ぶと言うことの実証として、二十センチくらいの木製のグライダーなんかも販売しています。これまた専用の広場をキープして、買ってくれた子供達に、安全についての注意と飛ばし方を指導しています。
目をキラキラさせて飛行機を飛ばす子供達。もう心を鷲づかみですね。…掴まれたのは子供だけではないようですが。そこは子供優先でお願いします。
なんかテーマパークみたいに成りましたが。現在のネイルコードについての周知には成功しているようです。
鉄道と電信と飛行機については、鉄道説明会にて。冷蔵庫に冷房や下着等の注文はネイルコードからきている商会へ。氷菓子のレシピについては教会の奉納の係へ誘導して。こちらも繁盛しそうですね。
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