ガンストライク・オンライン

撫でたココ

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あれなんか違うな

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 二回戦突破。
 僕の心はだいぶ疲れていた。他人の悪口しかり、宵風さんに対するやり場のない怒りしかり。
 三回戦もどっと疲れるんだろうなと思っていた。しかし、予想は裏切られ、一、二回戦とは違った疲れを味わうことになる。
『二回戦も終わりを告げた。勝利した諸君、おめでとう引き続き優勝目指して頑張るように。敗北した諸君は適当に過ごしてくれ給え。これより三回戦を開始する。』
 ゲームマスターの言葉を聴き、大勢の人がトーナメント表の前に群がる。その中に埋もれながらも一応次の対戦相手のチーム名を確認する。 
 チーム神風連。どんな意味かは知らないがなんとなくかっこいい気がする。
「今回も走ればいいんですかね」
 心の中では語尾に怒りマークをつけて返信を待つ。
「次の相手は確実に勝ちたいから違う作戦にするよ」
 予想とは違う返事に驚いた。驚きで、走り回らなくていい喜びなんてこれっぽっちも浮かばなかった。 
「次の相手、強いんですか?」
「そうだね、手強くはないけど確実に行きたいからね」
「は、はあ~。んで何をすれば?」 
「ちょっとまってね。二回戦の神風連の戦闘ぶりから、どうすればいいか考えるから。」
 ふざけた人かと思ってたけど、いろんなことを考えながらプレイしているらしい。もしかしたら、一、二回戦でひたすらに走ったのも意味があったのかも知れないな。もしかしたらだけど。
「一つ聞きたいんだけど、僕がさっきの戦闘で走り回ってたのって理由があったりするの?」
「………ないね~。しいていうなら、人の注目を集めたかったくらいかな~。」
「ないのか」
 訂正。やっぱりふざけた人だったわ。強いことには変わりないけど。
「よーし終わった。これより今回の作戦を発表します。今回の作戦は、堂々と不意打ち作戦。です。」
「?」
「次の相手の神風連は 防御が高いくて、攻撃が重いからヒットアンドアウェイでいきます。」
「はい」
「細かいこと説明するとヒットアンドアウェイだけど、攻撃は絶やさないようにするから、君が攻撃するタイミングと私が攻撃するタイミングをずらす。理想は一人目を攻撃して逃げると同時に二人目を攻撃。それを交互に繰り返すって感じかな。」
「難易度高いっすね」
「多少はね。だけど見る限り君はそれができそうだしね。」
「そうですかね」
「うん。それぞれの動きは慣れたもんだったし、走り回るっていう単純な動きからも地味に上手い感じが見て取れたよ。」
「ありがとうございます」
 やばい。めちゃくちゃうれしい。下げてから上げるとか手練れだなおい。宵風さんのことバカにしてたけど本当はいいやつだったんだな。
「じゃあ、頼んだよ相棒っ」
「はい!」

 こうして僕は今までとは違う心持ちで戦闘に挑むことになる。
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