9 / 16
二刀流の雑魚
しおりを挟む
『バトルスタート』
ついに4回戦が幕を開けた。
今の僕はというと、剣を2本持たされ、無理難題な指令を押し付けられていた。
一つ目、剣が2本もあるんだから一人一本で二人ともあいてしてねww
二つ目、無傷でゲームをクリアしようww
うん。両方無理だよね。いきなり2本持たされて無傷で敵を二人引き受けるとか無理難題なんだけど。
とはいえ、今回も敵への対処と戦術は緻密で正確だった。敵の長所、短所を見極めたことの運び方に、僕たちの相性。戦闘までの運びは申し分ない。ただ、本当に戦闘に関してのあれは勘弁してほしいわけなんだけど。
現状へと元に戻そう。
僕は今壊れかけたビルの中腹部分、3階にいる。この狭い範囲で向かい撃てばなんとかなるとかならないとか。宵風さんは一つ上の階で待機しているらしい。
「二刀流ね~」
まさに両手に華。宝の持ち腐れとならないように両手を機能させなければいけないのがやや不安ではあるが…
カタカタ、カタカタ、カタカタ
階段を静かに登ってくる音。足音は2人分。
ドックン、ドックン
鼓動が少しずつ早くなっていく。それでも問題はない。これくらいの緊張はちょうどいいはずだ。
奇襲をかけるつもりもない。会話も楽しむくらいの余裕を見せてなければやっていけない。
カタカタ、カタカタ
ついに足音の犯人は姿を見せる。
「いたぞ」
「一人みたいだ、一気に畳み掛けてやるか」
ドクンドクン、ドクンドクン
おい、聞こえてるっつーの。心臓に悪いな。でも来ると分かってる以上。構えておかないとな。
「こい」
「おっしゃーーー」
2体1の戦闘が始まる。
開始早々2方向からの剣撃を片方ずつで抑え込む。意外とできるんじゃね?
「まじか」
敵より先に驚いてしまった。自分が避けずに受け止めたという事実に。
ザッ、スッ、カン、
2人の攻撃を避け、受け止め、躱す。次々と繰り出される剣撃。少しずつかすり傷が増える。もちろんあの指令は果たさない。それでも、自在に操れているという感覚が自分のテンションを底上げする。
グサッ
「痛っ」
受けきれなかった敵の剣撃が左肩をぐさりと突き刺す。調子が上がったのもつかの間。逆に調子に乗りすぎて深手を食らってしまった。
「あと一押し」
そう聞こえた気がした。その声と同時に2人が同時に攻撃を繰り出す。
その剣を間一髪のところで受け止め、なんとか跳ね返す。
バスッ
「いけ~」
片われに銃弾が撃ち込まれ戦闘不能になる。あと1人。
僕は地面を蹴り出し、剣を振り抜く。
見よう見まねの荒ぶれた剣撃。二対の刃が敵の胸をえぐる。
バタッ
その場に倒れ、動きが止まる。
『フィニッシュ、勝者チーム風車』
四回戦は無事?に終わった。
「お疲れ~」
「お疲れ様です」
「そこそこ見事だったよう」
「そこそこですか」
「そりゃそこそこさね。やっぱり筋はなかなかいいんだよね」
「そうですかね、そんなことないと思いますけど」
「いや、初めてにしては剣の扱いぶりはよかったよ。剣筋も悪くなかったし、立ち回りもよかった。なにか足りないんのは確かなんだけどね」
「ありがとうございます」
「あと三回戦で終わりだけど決勝までにぎこちない動きのないように!」
残りあと3つ。それだけで終わるのかと思うと寂しくもあるが、もうちょい付き合ってやるか。
ついに4回戦が幕を開けた。
今の僕はというと、剣を2本持たされ、無理難題な指令を押し付けられていた。
一つ目、剣が2本もあるんだから一人一本で二人ともあいてしてねww
二つ目、無傷でゲームをクリアしようww
うん。両方無理だよね。いきなり2本持たされて無傷で敵を二人引き受けるとか無理難題なんだけど。
とはいえ、今回も敵への対処と戦術は緻密で正確だった。敵の長所、短所を見極めたことの運び方に、僕たちの相性。戦闘までの運びは申し分ない。ただ、本当に戦闘に関してのあれは勘弁してほしいわけなんだけど。
現状へと元に戻そう。
僕は今壊れかけたビルの中腹部分、3階にいる。この狭い範囲で向かい撃てばなんとかなるとかならないとか。宵風さんは一つ上の階で待機しているらしい。
「二刀流ね~」
まさに両手に華。宝の持ち腐れとならないように両手を機能させなければいけないのがやや不安ではあるが…
カタカタ、カタカタ、カタカタ
階段を静かに登ってくる音。足音は2人分。
ドックン、ドックン
鼓動が少しずつ早くなっていく。それでも問題はない。これくらいの緊張はちょうどいいはずだ。
奇襲をかけるつもりもない。会話も楽しむくらいの余裕を見せてなければやっていけない。
カタカタ、カタカタ
ついに足音の犯人は姿を見せる。
「いたぞ」
「一人みたいだ、一気に畳み掛けてやるか」
ドクンドクン、ドクンドクン
おい、聞こえてるっつーの。心臓に悪いな。でも来ると分かってる以上。構えておかないとな。
「こい」
「おっしゃーーー」
2体1の戦闘が始まる。
開始早々2方向からの剣撃を片方ずつで抑え込む。意外とできるんじゃね?
「まじか」
敵より先に驚いてしまった。自分が避けずに受け止めたという事実に。
ザッ、スッ、カン、
2人の攻撃を避け、受け止め、躱す。次々と繰り出される剣撃。少しずつかすり傷が増える。もちろんあの指令は果たさない。それでも、自在に操れているという感覚が自分のテンションを底上げする。
グサッ
「痛っ」
受けきれなかった敵の剣撃が左肩をぐさりと突き刺す。調子が上がったのもつかの間。逆に調子に乗りすぎて深手を食らってしまった。
「あと一押し」
そう聞こえた気がした。その声と同時に2人が同時に攻撃を繰り出す。
その剣を間一髪のところで受け止め、なんとか跳ね返す。
バスッ
「いけ~」
片われに銃弾が撃ち込まれ戦闘不能になる。あと1人。
僕は地面を蹴り出し、剣を振り抜く。
見よう見まねの荒ぶれた剣撃。二対の刃が敵の胸をえぐる。
バタッ
その場に倒れ、動きが止まる。
『フィニッシュ、勝者チーム風車』
四回戦は無事?に終わった。
「お疲れ~」
「お疲れ様です」
「そこそこ見事だったよう」
「そこそこですか」
「そりゃそこそこさね。やっぱり筋はなかなかいいんだよね」
「そうですかね、そんなことないと思いますけど」
「いや、初めてにしては剣の扱いぶりはよかったよ。剣筋も悪くなかったし、立ち回りもよかった。なにか足りないんのは確かなんだけどね」
「ありがとうございます」
「あと三回戦で終わりだけど決勝までにぎこちない動きのないように!」
残りあと3つ。それだけで終わるのかと思うと寂しくもあるが、もうちょい付き合ってやるか。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる