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撫でたココ

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二刀流の雑魚

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『バトルスタート』
 ついに4回戦が幕を開けた。
 今の僕はというと、剣を2本持たされ、無理難題な指令を押し付けられていた。
 一つ目、剣が2本もあるんだから一人一本で二人ともあいてしてねww
 二つ目、無傷でゲームをクリアしようww
 うん。両方無理だよね。いきなり2本持たされて無傷で敵を二人引き受けるとか無理難題なんだけど。
 とはいえ、今回も敵への対処と戦術は緻密で正確だった。敵の長所、短所を見極めたことの運び方に、僕たちの相性。戦闘までの運びは申し分ない。ただ、本当に戦闘に関してのあれは勘弁してほしいわけなんだけど。
 現状へと元に戻そう。
 僕は今壊れかけたビルの中腹部分、3階にいる。この狭い範囲で向かい撃てばなんとかなるとかならないとか。宵風さんは一つ上の階で待機しているらしい。
「二刀流ね~」
 まさに両手に華。宝の持ち腐れとならないように両手を機能させなければいけないのがやや不安ではあるが…
 カタカタ、カタカタ、カタカタ
 階段を静かに登ってくる音。足音は2人分。
 ドックン、ドックン
 鼓動が少しずつ早くなっていく。それでも問題はない。これくらいの緊張はちょうどいいはずだ。
 奇襲をかけるつもりもない。会話も楽しむくらいの余裕を見せてなければやっていけない。
 カタカタ、カタカタ
 ついに足音の犯人は姿を見せる。
「いたぞ」
「一人みたいだ、一気に畳み掛けてやるか」
 ドクンドクン、ドクンドクン
 おい、聞こえてるっつーの。心臓に悪いな。でも来ると分かってる以上。構えておかないとな。
「こい」
「おっしゃーーー」
 2体1の戦闘が始まる。
 開始早々2方向からの剣撃を片方ずつで抑え込む。意外とできるんじゃね?
「まじか」
 敵より先に驚いてしまった。自分が避けずに受け止めたという事実に。
 ザッ、スッ、カン、
 2人の攻撃を避け、受け止め、躱す。次々と繰り出される剣撃。少しずつかすり傷が増える。もちろんあの指令は果たさない。それでも、自在に操れているという感覚が自分のテンションを底上げする。
 グサッ
「痛っ」
 受けきれなかった敵の剣撃が左肩をぐさりと突き刺す。調子が上がったのもつかの間。逆に調子に乗りすぎて深手を食らってしまった。
「あと一押し」
 そう聞こえた気がした。その声と同時に2人が同時に攻撃を繰り出す。
 その剣を間一髪のところで受け止め、なんとか跳ね返す。
 バスッ
「いけ~」
 片われに銃弾が撃ち込まれ戦闘不能になる。あと1人。
 僕は地面を蹴り出し、剣を振り抜く。
 見よう見まねの荒ぶれた剣撃。二対の刃が敵の胸をえぐる。
 バタッ
 その場に倒れ、動きが止まる。
『フィニッシュ、勝者チーム風車』
 四回戦は無事?に終わった。

「お疲れ~」
「お疲れ様です」
「そこそこ見事だったよう」
「そこそこですか」
「そりゃそこそこさね。やっぱり筋はなかなかいいんだよね」
「そうですかね、そんなことないと思いますけど」
「いや、初めてにしては剣の扱いぶりはよかったよ。剣筋も悪くなかったし、立ち回りもよかった。なにか足りないんのは確かなんだけどね」
「ありがとうございます」

 「あと三回戦で終わりだけど決勝までにぎこちない動きのないように!」

 残りあと3つ。それだけで終わるのかと思うと寂しくもあるが、もうちょい付き合ってやるか。
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