ガンストライク・オンライン

ファイナルマッチ

　決勝戦。
　見知らぬ人と組みバトルを行うという、なかなか奇抜なイベントも終わりを迎える。
『諸君。ついに決勝となるこのイベント。ここまで勝ち上がってきた2ペアを紹介しよう。1ペア目はまさにチーム名そのもの、チーム風車。そして2組目はその名前にふさわしい振る舞い、チーム伝説。』
　ワァー、キャー、オォー、ワァー
　たくさんの歓声やらなんやらが聞こえる。
　次の相手はチーム伝説。名前からしてだいぶやばいチームなんだが。悪意があるようにしか思いないなこれ。
　それに対して僕たちは風車。絶対適当につけた名前がなんか勝ち上がってるんだけど、的な感じで思ってるよ。
「強そうですね、宵風さん」
「決勝だからね。しかもギリギリな私たちと違って余裕ありありだったぽいし？」
「相当なチーム力ですね」
「即席チームなのか疑うほどらしいよ」
「辛いっすね。ちなみに今回の作戦は？」
「それ聞いちゃう？多分思ってる通りだよ」
「デスヨネ」
　ということで今回も作戦はなし。どうせ作戦あっても役にたたなさそうだしね。
「緊張してるかい？」
「いえ、どうせ出来ることなんてたかがしれてますし」
「いいふっ切り方じゃないか。その調子で頼むよ。テンパったりしたら話になんないからな」
「うっす」
　いつもの軽いやりとり。これも最後なのかなと思うとなんだか寂しくもなるけど、とりあえず決勝で勝つことを考えないと。
「宵風さん」
「なんだい？」
「とうとうこれで終わりですね」
「そうだね～～～～～～～って、しめっぽくするのはよしてくれよ相棒っ」
「そっすね、スンマセン」
「いいかい相棒。最後は勝って終わるんだ、何が何でも。積もる話はそれからだよ」
「りょうかいです。なんとしても。」
「それじゃ出発しますかね」
　気持ちを引き締め戦場へと向かう。何が何でも必死で悪足掻きを。体の水分が吹っ飛ぶまで闘い続ける。

『それでは両者の準備が整った。』
『バトルスタート』
　険しい戦いが始まる。