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二重世界と彼女(下)
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気づけば何事もない毎日になっていた。
あの告白から10日が過ぎた日。その日にさらなる衝撃をもって終幕を迎えた。
その日は1日休みで彼女とのくだらない会話に華を、いや雑草程度を咲かせていた。
「今日どっか行く?」
「どっかに行くの?それってどこよ~」
「行きたいとこないの?」
「無視かよっ。今日はね家にいたい気分なんだよね~」
そういうもんか。いつもならぎゃ~ぎゃ~騒いであちこち振り回されるところなのに。いつもなら。
「じゃあゆったりしてますかね」
「そーしよー」
テレビの前に2人並んで寄り添い時間を過ごした。
これが終わりになるなんて知らずに。
「もうそろそろ夜ご飯の支度しなきゃな。なにが食べたいものあるか?」
結局、家事担当は変わらずじまい。暇を持て余している今日はリクエストでも聞いてやるかと食べたいものの確認を取る。
「いつも、ありがとね」
それが答えらしい。なんか今日は雰囲気違うな。
「お、おう。で、今日のメニューはなにがいい?」
「じゃあ、カレーライス」
「小学生男子か君は」
「いいでしょ?簡単なんだし」
「まぁね」
なにか凝ったものでも作ろうかと思っていたんだけど、カレーライスをご所望らしいので簡単にカレーライスを作る。
「そういえば、こっちに来た日にもカレーライスだったな」
「あんときはびっくりしたよ。まさか家に変態がいるとは思わなかった」
「結局俺の家だってことで解決しただろ?」
「そうだったね。変態さん」
「そんなわけないだろ異世界人」
「「あははは」」
こうしてる間に、カレーは出来上がった。もちろん喋りながら料理をしていた俺のおかげで。
「出来たよ」
「ほーい」
「「では、いただきます」」
こうして2人で食べるようになって、寂しかった食卓は明るくなった。つまらなかった食事が楽しくなった。
「「ごちそうさまでした」」
残りわずか。
夜ご飯を食べ終え、再び2人でテレビの前で座っていた。流れているテレビを眺め時間を潰す。
ふと、彼女が立ち上がった。
それと同時に目の前に・・・
夜空が広がった。
「終わりみたいだね」
「うそ。なんで・・・」
「こんな気はしてたんだ。女の勘ってやつ?」
「いや、だよ・・・」
「ひとつ君に教えてあげよう。世界には運命ってのものがあるんだよ。奇跡ってものがあるんだよ。だから、だから・・・」
彼女の目には涙が。
「だから、永遠の別れなんてないんだよ。またいつか・・・会えるから・・・」
もうそこには、なにも残っていなかった。
「うっ・・・・あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
ずっと終わることのないと思っていた日々。突如始まったものは突如終わりを告げる。世界には不条理が広がっていて、神様を前には抗うことさえ叶わない。
それでも前を向かなければいけない。でなければ人は生きていくことができないから。
いつか会えますように
消えていく夜空を前にそう願った
あの告白から10日が過ぎた日。その日にさらなる衝撃をもって終幕を迎えた。
その日は1日休みで彼女とのくだらない会話に華を、いや雑草程度を咲かせていた。
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「行きたいとこないの?」
「無視かよっ。今日はね家にいたい気分なんだよね~」
そういうもんか。いつもならぎゃ~ぎゃ~騒いであちこち振り回されるところなのに。いつもなら。
「じゃあゆったりしてますかね」
「そーしよー」
テレビの前に2人並んで寄り添い時間を過ごした。
これが終わりになるなんて知らずに。
「もうそろそろ夜ご飯の支度しなきゃな。なにが食べたいものあるか?」
結局、家事担当は変わらずじまい。暇を持て余している今日はリクエストでも聞いてやるかと食べたいものの確認を取る。
「いつも、ありがとね」
それが答えらしい。なんか今日は雰囲気違うな。
「お、おう。で、今日のメニューはなにがいい?」
「じゃあ、カレーライス」
「小学生男子か君は」
「いいでしょ?簡単なんだし」
「まぁね」
なにか凝ったものでも作ろうかと思っていたんだけど、カレーライスをご所望らしいので簡単にカレーライスを作る。
「そういえば、こっちに来た日にもカレーライスだったな」
「あんときはびっくりしたよ。まさか家に変態がいるとは思わなかった」
「結局俺の家だってことで解決しただろ?」
「そうだったね。変態さん」
「そんなわけないだろ異世界人」
「「あははは」」
こうしてる間に、カレーは出来上がった。もちろん喋りながら料理をしていた俺のおかげで。
「出来たよ」
「ほーい」
「「では、いただきます」」
こうして2人で食べるようになって、寂しかった食卓は明るくなった。つまらなかった食事が楽しくなった。
「「ごちそうさまでした」」
残りわずか。
夜ご飯を食べ終え、再び2人でテレビの前で座っていた。流れているテレビを眺め時間を潰す。
ふと、彼女が立ち上がった。
それと同時に目の前に・・・
夜空が広がった。
「終わりみたいだね」
「うそ。なんで・・・」
「こんな気はしてたんだ。女の勘ってやつ?」
「いや、だよ・・・」
「ひとつ君に教えてあげよう。世界には運命ってのものがあるんだよ。奇跡ってものがあるんだよ。だから、だから・・・」
彼女の目には涙が。
「だから、永遠の別れなんてないんだよ。またいつか・・・会えるから・・・」
もうそこには、なにも残っていなかった。
「うっ・・・・あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
ずっと終わることのないと思っていた日々。突如始まったものは突如終わりを告げる。世界には不条理が広がっていて、神様を前には抗うことさえ叶わない。
それでも前を向かなければいけない。でなければ人は生きていくことができないから。
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