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一章
告白とパラドックス
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僕は石波日南汰。
突然だけど、僕の世界はみんなの世界よりほんの少し暑いらしい。視覚的に。
僕はその事実を誰にも言うことなく、今まで生きてきた。今でも言う必要はないと思っているし、言う気もさらさらない。
つまり、嘘をついているというわけだ。
僕は昨日、嘘つきという言葉に反応してこの事実を思い出した。人とは違うということを。
「ねぇ、ねぇ嘘つきの石波くん?」
「・・・何かな、嘘つきの逢沢さん」
高2になって2日目の学校。今日は教科書の受け渡しと、2年生になるにあたっての先生からの話を聞くだけで終わりとなった。
ホームルームも終わりみんな三三五五に散っていく中、人が減ってから帰ろうと、待っていたところを話しかけられた。
「折り入ってお話があるのだけど」
椅子を反対向きに座ってこっちを向いている彼女は目をあちこちに泳がせていた。
「なに?」
「・・・付き合ってくれない?」
「ん、いいよ・・・・・・それでどこいくの?」
「えーとね、買い物に付き合ってもらおうかと・・・ってそうじゃなくてさ、その交際的な意味で、付き合って欲しいんだけど」
「え~と、ごめん、むり」
「なんで~~~~~~~~~~~~~~~~っ!」
いきなりの叫び声に教室に残っていた数人の人達はびっくりしていた。育ててた猫が大人になってみるとライオンになったくらいのびっくりの仕方だった。
「いや、だって君と会ってまだ2日だろ?そういう気になれないっていうか、ね」
「そうですか、そうですか。こんなにも可愛い女の子に告られたってのに断るなんて飛んだ馬鹿者だね君は」
「っていわれてもね」
「わかったよ。じゃあ何日過ごせばいいんだい?会ってまだ2日ってことは日が経てばいいんだよね。そうなんだよね。」
「んー100日くらい?」
適当に言っちゃったけど、100日ってだいたい3カ月だよな。以外と短くね?
「100日ね。言ったからね。もう聞いちゃったからね。これでバッチリ解決するわけだ。よし、もう帰ろう、今すぐ帰ろう。一緒に帰ろう。」
「わかった、わかった。」
何もかもが押し切られるようにして運ばれた。まだ2日。されど2日。もういいや諦めよう。
これまた引っ張られようにして学校出て、家路につく。
「ねぇねぇ明日って授業あったっけ?」
「うん。明日から授業だよ」
「そうだったっけ?」
「うん」
「時間割わからんからあとで教えて。ってことで連絡先交換しよ?」
「ほいほい」
ポケットから携帯を取り出し、最近のコミュニケーションツールであるRINEのIDをおしえる。
「ありがとさん」
裏のない素直な顔で笑った。
「僕の家すぐそこだから」
「わかった。じゃあまた明日だね、ひ・な・た」
「うんじゃあね、逢沢さん」
「じゃあね、ひ・な・た」
「じゃあね」
「ひ・な・た」
はあ。見えないため息を吐く。これは言わないと帰れないだろうな。もう・・・
「また明日ね、小香花」
「うん、明日」
手をふりこっちを見ながら帰っていく。その時の顔もまた屈託のない笑顔だった。
「普通にしてれば可愛いんだけどな」
ため息交じりの愚痴を吐き捨て、玄関のドアを開けた。
「明日からどうなるんだろ」
逢沢小香花との学校生活・・・
突然だけど、僕の世界はみんなの世界よりほんの少し暑いらしい。視覚的に。
僕はその事実を誰にも言うことなく、今まで生きてきた。今でも言う必要はないと思っているし、言う気もさらさらない。
つまり、嘘をついているというわけだ。
僕は昨日、嘘つきという言葉に反応してこの事実を思い出した。人とは違うということを。
「ねぇ、ねぇ嘘つきの石波くん?」
「・・・何かな、嘘つきの逢沢さん」
高2になって2日目の学校。今日は教科書の受け渡しと、2年生になるにあたっての先生からの話を聞くだけで終わりとなった。
ホームルームも終わりみんな三三五五に散っていく中、人が減ってから帰ろうと、待っていたところを話しかけられた。
「折り入ってお話があるのだけど」
椅子を反対向きに座ってこっちを向いている彼女は目をあちこちに泳がせていた。
「なに?」
「・・・付き合ってくれない?」
「ん、いいよ・・・・・・それでどこいくの?」
「えーとね、買い物に付き合ってもらおうかと・・・ってそうじゃなくてさ、その交際的な意味で、付き合って欲しいんだけど」
「え~と、ごめん、むり」
「なんで~~~~~~~~~~~~~~~~っ!」
いきなりの叫び声に教室に残っていた数人の人達はびっくりしていた。育ててた猫が大人になってみるとライオンになったくらいのびっくりの仕方だった。
「いや、だって君と会ってまだ2日だろ?そういう気になれないっていうか、ね」
「そうですか、そうですか。こんなにも可愛い女の子に告られたってのに断るなんて飛んだ馬鹿者だね君は」
「っていわれてもね」
「わかったよ。じゃあ何日過ごせばいいんだい?会ってまだ2日ってことは日が経てばいいんだよね。そうなんだよね。」
「んー100日くらい?」
適当に言っちゃったけど、100日ってだいたい3カ月だよな。以外と短くね?
「100日ね。言ったからね。もう聞いちゃったからね。これでバッチリ解決するわけだ。よし、もう帰ろう、今すぐ帰ろう。一緒に帰ろう。」
「わかった、わかった。」
何もかもが押し切られるようにして運ばれた。まだ2日。されど2日。もういいや諦めよう。
これまた引っ張られようにして学校出て、家路につく。
「ねぇねぇ明日って授業あったっけ?」
「うん。明日から授業だよ」
「そうだったっけ?」
「うん」
「時間割わからんからあとで教えて。ってことで連絡先交換しよ?」
「ほいほい」
ポケットから携帯を取り出し、最近のコミュニケーションツールであるRINEのIDをおしえる。
「ありがとさん」
裏のない素直な顔で笑った。
「僕の家すぐそこだから」
「わかった。じゃあまた明日だね、ひ・な・た」
「うんじゃあね、逢沢さん」
「じゃあね、ひ・な・た」
「じゃあね」
「ひ・な・た」
はあ。見えないため息を吐く。これは言わないと帰れないだろうな。もう・・・
「また明日ね、小香花」
「うん、明日」
手をふりこっちを見ながら帰っていく。その時の顔もまた屈託のない笑顔だった。
「普通にしてれば可愛いんだけどな」
ため息交じりの愚痴を吐き捨て、玄関のドアを開けた。
「明日からどうなるんだろ」
逢沢小香花との学校生活・・・
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