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一章
そのあと
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彼女は僕にキスをした。
彼女のくちびるから、流れ込む得体の知れないエネルギー。体に溶け込むようにして、駆け巡っていく。
僕はとっさに触れていた小香花のくちびるを引き離した。
すると巡っていたという感覚はすぐに消えた。
「なんで、なんで、、それでいいの、、小香花、」
「いいなんてこと、あるわけ、ないじゃん!」
「わたしだって、わたしだってこわい。でも日向汰も怖かったんだって思ったら、こうするしかなくて、、、」
「でもそれじゃあ小香花は、、、」
「そんなこといったら日向汰だって、、、」
「「・・・・」」
二人して顔を上げた瞬間、僕の目に写っていたものは、寒々とした極寒の地みたいな風景だった。
目がここは冷たい場所なんだと認識した途端、手先は少し温度を失い、無風なのに冷たい風に吹かれているような感覚がした。
一方の小香花は目をパチパチとさせていて、顔はなんだか少し火照っているような気がした。
「なんか寒い」
「少し暑い気がする」
言葉を発したのはほぼ同時だった。
直前の状況を吹き飛ばすほどの驚愕。何が起こったのかを確認するのには少し時間がかかった。
「ねぇ、小香花。1つ質問してもいい?」
「私も聞きたいことあるかもしれない」
「「今、何色?」」
他にも聞き方はあったかもしれないのに、偶然にも二人の声は揃った。
そして、二人してこの意味のわからない状況を目の前にして赤い目を細めて笑いあった。
しばらく笑いあった後、長いのか短いのかもわからない時間を開けて、
ゆっくりとお互いをカバーし合うように、彼女は暖かい体で、僕は冷たい体で自然と身を寄せ合った。
「これからはもう少し考えて行こうか」
「そうだね。なんとかなるよね」
少し冷たい風を感じながら僕は、これから来るであろう、困難なことをほんのちょっと前向きに考えていた。
彼女のくちびるから、流れ込む得体の知れないエネルギー。体に溶け込むようにして、駆け巡っていく。
僕はとっさに触れていた小香花のくちびるを引き離した。
すると巡っていたという感覚はすぐに消えた。
「なんで、なんで、、それでいいの、、小香花、」
「いいなんてこと、あるわけ、ないじゃん!」
「わたしだって、わたしだってこわい。でも日向汰も怖かったんだって思ったら、こうするしかなくて、、、」
「でもそれじゃあ小香花は、、、」
「そんなこといったら日向汰だって、、、」
「「・・・・」」
二人して顔を上げた瞬間、僕の目に写っていたものは、寒々とした極寒の地みたいな風景だった。
目がここは冷たい場所なんだと認識した途端、手先は少し温度を失い、無風なのに冷たい風に吹かれているような感覚がした。
一方の小香花は目をパチパチとさせていて、顔はなんだか少し火照っているような気がした。
「なんか寒い」
「少し暑い気がする」
言葉を発したのはほぼ同時だった。
直前の状況を吹き飛ばすほどの驚愕。何が起こったのかを確認するのには少し時間がかかった。
「ねぇ、小香花。1つ質問してもいい?」
「私も聞きたいことあるかもしれない」
「「今、何色?」」
他にも聞き方はあったかもしれないのに、偶然にも二人の声は揃った。
そして、二人してこの意味のわからない状況を目の前にして赤い目を細めて笑いあった。
しばらく笑いあった後、長いのか短いのかもわからない時間を開けて、
ゆっくりとお互いをカバーし合うように、彼女は暖かい体で、僕は冷たい体で自然と身を寄せ合った。
「これからはもう少し考えて行こうか」
「そうだね。なんとかなるよね」
少し冷たい風を感じながら僕は、これから来るであろう、困難なことをほんのちょっと前向きに考えていた。
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