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1章
2人の想い
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護りたいモノが出来た・・・
冬山で、倒れていた少女・・・
どうしても、少女を手離したくなくて、言葉巧みに、連れて帰って来た。
働き者で、面倒見が良くて、料理が上手くて、怒りっぽくて、気が強くて、ジャジャ馬で、どうしようも無いくらい、愛しい少女。
彼女を知れば知るほど、元の世界に帰したくなくなる。
ミズキが、家にやって来てから、この家が、いこごちが良く、心が潤って、満たされるのが分かる。
ずっとこのままなら良いのに。
ミズキは、俺の、俺だけの宝物・・・!
ダリルは、ミズキの部屋の前で立ち尽くしていた。
ーーーどうして、こうなった。
頭が凍った様に働かない。
ーーーーミズキが倒れた。
ダンジョンから、帰ってすぐにミズキは、ダリルとジェリドを、赤い顔で迎えに来た。
「お帰りなさい」と言ってダリルにもたれかかる様にーーーーーー笑顔のまま、崩れ落ちる様に倒れた。
ダリルは、とっさにミズキを抱え込んだ。
崩れ落ちる様にダリルの腕の中に倒れこんでいくミズキを、ジェリドは、手を伸ばし、ダリルから、ミズキを奪いそうになった!
俺は一体何をしようとしているんだ?
ミズキなら、ダリルに任せればいいじゃないか!
ジェリドは呆然として、ダリルを見つめて、すぐに視線を外した。
ダリルがミズキを大事そうに抱きしめているのを見ていられ無っかった。
ーーー見ているのが辛い。
ダリルが、気が動転して、ミズキを抱きしめているだけで、何もでき無いでいた。
見かねた、ジェリドが薬師やその他諸々を全て手配をした。
ジェリドが手配した薬師は、風邪!と判断したが、異世界の人間がどんな病気になるのか?ダリルは知ら無い。
ーーー本当に風邪何か?もっと悪い病気なのでは無いか?
ーーー心配が尽き無い。
ダリルの心が悲鳴を上げる。
「できるだけ・・早く・・・ミズキを元の世界に戻そう」
手遅れになってからでは、遅過ぎる。
ダリルは、遠くを見つめながら、呟いた。
側に居なくても、生きていてくれれば、それで良い。
ーーーそれだけで、十分だ。
ジェリドは、ダリルの言葉に絶句する。
そんな勝手は許さ無い!
ダリルから、ミズキを奪って、異世界なんかに帰すものか!
手放したくないのは、ダリルではなく、ジェリドの方だった。
ミズキを初めてみた時、体の中心が、燃えたぎる様に熱くなった・・・。そして、「俺の嫁さんにならねえ」と思わず口走っていた。
もうその時には、ミズキに心を奪われていた事に、ジェリドは認めたく無いだけだったのかもしれ無い。
ダリルの側で、笑っているミズキを、見ているのが辛かった。だから、つまらない嫉妬で、ミズキを困らせて、ジェリドは思春期のガキの様に、ミズキが泣くまで追い詰めていった。
ミズキの涙は、どんな酒より甘美だった!そして、毒だった。
泣いたミズキを見て、初めて見る表情に歓喜し!そして、その涙に、自分の愚かさに絶望した!
ジェリドは今更ながら、思い知ったーーーミズキ無しでは、生きていけ無い、彼女は、自分の半身なのだと。
「帰す必要は無いだろう・・・」
ジェリドはダリルに向かって呟いていた。
冬山で、倒れていた少女・・・
どうしても、少女を手離したくなくて、言葉巧みに、連れて帰って来た。
働き者で、面倒見が良くて、料理が上手くて、怒りっぽくて、気が強くて、ジャジャ馬で、どうしようも無いくらい、愛しい少女。
彼女を知れば知るほど、元の世界に帰したくなくなる。
ミズキが、家にやって来てから、この家が、いこごちが良く、心が潤って、満たされるのが分かる。
ずっとこのままなら良いのに。
ミズキは、俺の、俺だけの宝物・・・!
ダリルは、ミズキの部屋の前で立ち尽くしていた。
ーーーどうして、こうなった。
頭が凍った様に働かない。
ーーーーミズキが倒れた。
ダンジョンから、帰ってすぐにミズキは、ダリルとジェリドを、赤い顔で迎えに来た。
「お帰りなさい」と言ってダリルにもたれかかる様にーーーーーー笑顔のまま、崩れ落ちる様に倒れた。
ダリルは、とっさにミズキを抱え込んだ。
崩れ落ちる様にダリルの腕の中に倒れこんでいくミズキを、ジェリドは、手を伸ばし、ダリルから、ミズキを奪いそうになった!
俺は一体何をしようとしているんだ?
ミズキなら、ダリルに任せればいいじゃないか!
ジェリドは呆然として、ダリルを見つめて、すぐに視線を外した。
ダリルがミズキを大事そうに抱きしめているのを見ていられ無っかった。
ーーー見ているのが辛い。
ダリルが、気が動転して、ミズキを抱きしめているだけで、何もでき無いでいた。
見かねた、ジェリドが薬師やその他諸々を全て手配をした。
ジェリドが手配した薬師は、風邪!と判断したが、異世界の人間がどんな病気になるのか?ダリルは知ら無い。
ーーー本当に風邪何か?もっと悪い病気なのでは無いか?
ーーー心配が尽き無い。
ダリルの心が悲鳴を上げる。
「できるだけ・・早く・・・ミズキを元の世界に戻そう」
手遅れになってからでは、遅過ぎる。
ダリルは、遠くを見つめながら、呟いた。
側に居なくても、生きていてくれれば、それで良い。
ーーーそれだけで、十分だ。
ジェリドは、ダリルの言葉に絶句する。
そんな勝手は許さ無い!
ダリルから、ミズキを奪って、異世界なんかに帰すものか!
手放したくないのは、ダリルではなく、ジェリドの方だった。
ミズキを初めてみた時、体の中心が、燃えたぎる様に熱くなった・・・。そして、「俺の嫁さんにならねえ」と思わず口走っていた。
もうその時には、ミズキに心を奪われていた事に、ジェリドは認めたく無いだけだったのかもしれ無い。
ダリルの側で、笑っているミズキを、見ているのが辛かった。だから、つまらない嫉妬で、ミズキを困らせて、ジェリドは思春期のガキの様に、ミズキが泣くまで追い詰めていった。
ミズキの涙は、どんな酒より甘美だった!そして、毒だった。
泣いたミズキを見て、初めて見る表情に歓喜し!そして、その涙に、自分の愚かさに絶望した!
ジェリドは今更ながら、思い知ったーーーミズキ無しでは、生きていけ無い、彼女は、自分の半身なのだと。
「帰す必要は無いだろう・・・」
ジェリドはダリルに向かって呟いていた。
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