勇者さまは私の愚弟です。

ホタル

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私の彼は、愚弟でした

god damn you!

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まあ?なんて素敵な夜なのかしら・・・・。
雷光が轟き、雲がどす黒く渦を巻いているではありませんか?まるで私の心の様~~~~。
・・・・ふふふふふふふふ、うふ!

あら?いやだ、顔がにやけてきます。
人間、本気で人を憎むと、笑いが出て来るんですね。
知りません出したし、知りたくもありませんでした。
あのまま、ラヴィニスと一緒にずっと、過ごしていけると本気で思っていました。

ラヴィニス・・・・乙女の純情を弄びやがって!

まさか、たかだか似ているだけで・・・・似ているだけで・・・・ふつう告白しましか?
私が・・・・・私が、勘違いするのも当たり前です。
あの男は何処まで、私をバカにすれば気がすむのでしょうか?


ーーーーーーー私、出て行きます。ラヴィニスの居ない世界に行きます。
丁度ジョルジュが元の世界に悠馬と一緒に帰してくれると言ってました。渡りに船です。

ラヴィニスの、性格は十分知っています。
異世界まで『一目見た少女』を探し求めて来た、ラヴィニスならきっと血眼にになって私を探すでしょう!
そして私が逃げ出す事を知ったら、ラヴィニスは何処かに閉じ込めるでしょう。妙な自信があります。私の本能が教えてくれます。そういう事なので黙っています。


そういう事なので、私は今日も宮殿の6賢者のジョルジュを捜しています。

あの男、人が合いたくない時はゴキ○リのように出てきて嫌味を言ってくるくせに、肝心な時は見つからない。

つかえねぇ~~~~~!

一花は、ぶちぶち文句を言いながら歩いていたら、いつの間にか、また、あの重厚な扉の前に立っていました。

まだ、ここには用が無いのだけれどと思いながら扉を開けた。と言っても私が近寄っただけで扉が勝手に開きます。
初めて見た時は驚きましたが、今では自動ドア?感覚です。

ステンドガラスのが日の光を吸って輝くここは、やはり神秘的と言うか、幻想的と言うか、相変わらず見惚れてしまいます。

この部屋は相変わらず厳粛な雰囲気で、私は魔法陣の中に居ます。魔法陣の中心がこの部屋の中心、計算されつくした作りだと素人の私でも分ります。

ユックリと魔法陣の中心で幻想的な部屋を見上げると。

「小娘何をしている、ここは神聖な場所だぞ!」
突然の怒鳴り声に私はビックリしてしまい、ハトが豆鉄砲を食らった様な顔になっていた事は言うまでもありません。
驚かせるなよ!!ジョルジュ!ってジョルジュ探してましたよ。ここで会ったのがお前の運の尽き!では無かった。天の思し召し!です。

嬉々とした顔で私はジョルジュに襲い!いいえ、ジョルジュの側まで駆け寄り、誠心誠意の異世界へのと扉を開くように説得を始めました。
ジョルジュのながぁ~~~い白い髭を片手で掴み下げ、ジョルジュの顔の一を私の目線まで下げて、血走った私が顔を近づけるだけで、ジョルジュは小刻みに震え、「なっ何が欲しいんだ?かっ金か、いっ今はコレしか持ってい無いが」と言って金貨の袋を懐から出しました。くれるのか?と問えばジョルジュは、うんうんと頷き袋を震える手で差し出しました。もちろん断る理由が有りませんので、ありがたく頂きます。

結構いい奴ですね!ジョルジュ。見直しました。

さあ!説得の開始です。

更に髭を引っ張り、私はお願いを続けた。
「ジョルジュあなたは、私がラヴィニスから消えれば嬉しいわよね?」
「そッそんな事も有りましたが今では心を入れ替えます、ハイ!」
「自分の意見をコロコロ変えんじゃない!」
更に髭を引っ張るとジョルジュは、涙と鼻水を流して、「はい!おっしゃる通りです」と言う返事が返って来た。
「良し!それで良いんだよ!それで」
私は当然という態度で、さらにたたみかけました。

「悠馬と一緒に元の世界に!私帰りたいのよ。貴方なら、返してくれるのでしょう?ジョルジュ」
「帰れますが・・・・何分、魔力が足りませんので、最低でも後、一か月は無理かと・・・」

「チッ!使えねえな]
「それじゃ、質問を変えるわ、その一か月を待つのに、ラヴィニスに合わないで生活をする事は可能かしら?」
「・・・・はい、可能です」

「それはどんな手?」
「少年騎士団のまかないを募集が有ります。小娘、ではなく一花様が1ヵ月間、少年騎士団の賄い婦をして、姿を消せば宜しいのでは、ちょうど少年騎士団の寮はこの建物の隣ですし、用意が出来次第、異世界へと送る事が出来ます。ただ、ラヴィニス様も一花様をお探しにらると思いますので、身代りのペンダントを用意します。ぜっていに外す手はいけませんよ。あの方が本気で怒ると、世界の半分は消えます。これは脅しでは有りませんからね!」

悠馬を連れて、少年騎士団の賄い婦をして、絶対に元の世界に戻ります。

「おっ先が見えてきた!いいぞジョルジュでかした」
「もちろんです。」
チョットばかり、余裕が出てきたジョルジュでした。

私は思いました。
これで、ラヴィニスに対する嫌がらせも出来て一石二鳥?いいえ三鳥です。
第一に、ラヴィニスの探し求めている『一目ぼれの少女』に似ている私が居なくなる事。
第二に、私と悠馬が元の世界に帰れる事。
第三に、ジョルジュの一花追い出し作戦が成就する。
以上で、三鳥です。


・・・・ふふふふふふふふ、うふ!

私は、直ぐに帰って、ラヴィニスの部屋に手紙を描いて置いてきました。

         god damn you!

            とね!
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