勇者さまは私の愚弟です。

ホタル

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私の彼は、愚弟でした

一花の逃亡日記4

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「まだ、一花は見つからないのか!」
ラヴィニスの目の下には誰が見ても分かるほどのクマがクッキリと刻んであった。
それに、頬はコケ無精ひげまで伸びています。一花が居なくなってから、ラヴィニスの生活は荒んでいった事を物語っています。

セドリックは、せめて食事でもと、軽めの食事を用意しても、ラヴィニスは食事は味がしないと言って、一切口にしていなかった。

そして、紅蓮からの情報をで、一花が消える直前まで、ジョルジュを探していた。このジョルジュを探して問い詰めたが、知らぬ存ぜぬの一点張りそれどころが、勝手に決められた婚約者のマリアンヌの保護を求めて来た。

保護なんてとんでも無いと思っていたが、一花もマリアンヌの事を気にしていた。一花の気持をくんで、仕方無く屋敷に呼び寄せた。

それだけだ。
マリアンヌには一度も顔を合わせていない。
一花の為だけに保護をしたのだから。


そんな憔悴している俺に、ジルが面白い事を言ってきた。

一花が駄目なら、悠馬を探せばいいのでは無いかと!
もう一度探索の魔法陣を作成して、今度は一花ではなく悠馬を探す事にした。

見事に悠馬の居所が分かって、俺は直ぐにも、森の奥にある少年騎士団の寮へと向かおうとして、セドリックに止められた。

「そのお姿では、奥様が怯えますよ旦那様、もう少し身なりを整えてから、いいえ、ギルタスを先に偵察として、送り込むのは如何でしょうか?何故、奥様がお逃げになった事もお調べ致します。」

「・・・ギルタスではなく俺が行く」
「お言葉ですが、旦那様では無理かと思われます」

「どうしてだセドリック」
「奥様を前にしますと旦那様は、冷静に進む事も進まなくなります!ですから無理だと判断致します。」

確かにそれは言えている。
「一目でも良いんだ、一花の姿が見たい!一花を見たらちゃんと食事もする!だから頼むセドリック」

「ただし旦那様、その場所には奥様が居ない場合もございます。それでもお食事と睡眠はとって頂きますがよろしいですか?」

「・・・分かった・・・・それでも自分の目で確かめる」

「それでは旦那様お支度を!ジル用意は出来たか?」

「はい、セドリック様、こちらにご用意できております。」
ジルは一礼をして、ラヴィニスの目の前に立ち呪文を唱え始めた。
見る見るうちにラヴィニスの姿は、少年と変わっていった。

「これで、旦那様とは、誰も気付きません」
ジルが答えると、ラヴィニスは頷いた。
「・・・この感覚は久しぶりだな」
ラヴィニスは小さくなった少年のような体を見た。

はやる気持ちは、抑えようも無かった。





※※



この森の中にも食べられる物は沢山ありました。
昔良くお父さんと一緒に山菜取りをしたな!と懐かしくなりいます。

でも、今日のターゲットは野イチゴですよ。甘酸っぱい野イチゴのジャムも良いですね~。
今晩のデザートに野イチゴのムースを作って出そうと思い。森に入って野イチゴの群生地を見つけて、無心に乱獲中です。

無心に野イチゴを取っていたせいか、隣にいつの間にか少年がいました。

「こんなトコで、サボってバレても知らないよ」
私は、野イチゴの真っ赤になった指で少年の鼻をツンと突っついたつもりでしたが・・・見事に私の指が少年の口に入り、しかも指を舐められてしまいました。

少年はニンマリと笑うと、「美味しかったよおねぇさん」と言って去って行きました。
不思議な子です。

寒気がします。

早めに切り上げて寮に帰ると、悠馬をおんぶしているダグラスさんから悠馬を引き取ります。
悠馬は、あの強面のダグラスさんにまで懐いているので、私の最近の心配は、悠馬が誘拐されるのではと心配です。

あの強面のダグラスさんまでメロメロにする、悠馬は可愛いです。

身内の欲目でも可愛いです。

早く、元の世界に戻って家族4人で過ごしたい。
きっと両親は心配してると思います。

「ジョルジュ様から、計画が遅れ気味で当分はこの寮近辺も警戒する様にと連絡が入りました。森の中には当分行かない様に」

考え事をしていたらダグラスさんに声をかけられてビクッとします。
真後ろから声をかけるなよ!驚くじゃ無いか!

「ハイハイ」
適当に返事をすると「ハイは一回」訂正されます。貴方は私の先生ですか?

「ハイ」
と言って、夕飯の支度にかかります。
今日のメニューは、トンカツです。この世界の人達は、肉を焼く事はあっても油で揚げる事はしないので物珍しく!これも好評です。
オリジナルの甘めのソースをかけ、野菜と一緒にパンに挟みカツサンド風に食べます。
あとは、さっぱりとした野菜沢山の具沢山スープです。
そして野イチゴのムース、これが今日の献立です。
お肉がメインの様に見えますが、実は野菜がふんだんに使っていますので結構ヘルシーですし、悠馬の離乳も簡単に出来る優れものです。

私っていい嫁になれるでしょう!ラヴィニス!!

「・・・・・」

自分の言葉に、落ち込みます。

ラヴィニスを忘れようと思えば思うほど、憎たらしさが増します。
ラヴィニスが居ないのに嫌がらせを受けているみたいです。

気を取りなおして、今日!森であった少年の子を思い出します。
「そういえば、ダグラスさん、今日は新しい子が入りました?夕食の数を確認したいんですが?」

「・・・?いいえ、今日は特にそんな話は聞いていませんが?」ダグラスさんは首をかしげます。


「それじゃぁ、あの子は一体・・・・・」

「少し用心した方がいいですね・・」ダグラスさんは顎に手を当てて、考え込みました。

「はい、そうします」

「それでは、悠馬君は私が面倒を見ましょう、貴女はささっと夕食を食べてきなさい」といって、悠馬を連れて、自分の部屋に行ってしまいました。
嬉しそうに顔をほころばせるダグラスさんを見ると、子供が本当に好きなんだと、実感します。

さてと、私も夕飯を食べますか!

広い食堂は少年たちが食べ終わって、広い食堂に私以外誰もいません。
さてと、カツサンドと野菜スープを取り分けてさあ食べようとしたら、いつの間にか隣に森で会った少年が座っていました。

ギョッとして、少年の足を見てしまします。

私は、少年が霊かと疑っています。
「足がある!OK!大丈夫!幽霊じゃない!」

「お姉さん?まさかとは思うけど、僕が幽霊だと思ってるの?」

「まっ、まさか、そっ、そんなことないわよ。ほほほほ」
笑って誤魔化すには苦しい。

「やっぱり、お姉さんは面白いね」
「おっ、大人をからかうんじゃありません」
厳しく言ったつもりですが、ビビった所を見られているので、迫力に欠けます。

「はい、はいお姉さん」
クスクスと笑われた後では、なんの説得力もない。

「ほっ、本当に怖くないんだから・・・・」

「分ったよ。お姉さん・・・分ったから・・・・お姉さんを気に入ったから・・・・心は壊さないでおいてあげるよ・・・あの男をおびき寄せるエサにだけなってもらうね!異世界のお嬢さん」

ニコリと笑った少年は、見る見る体を鳴らして、骨格を変形させていった。
私はその光景を、目の前で一部始終見つめた。
恐怖で体が動かなかった。

少年だったそれは異形の姿となり、真っ白い顔に真っ赤な目と、赤い唇、止めは、頭にはねじれた角が二本生えています。

「あっ、あっ、ああああああ、いやぁあああああああああああ」
言葉が出てきません。

私の口から出たのは叫び声だけでした。

異形が私の顔に手をかざすと、私は、一瞬にして意識が飛びました。



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