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私の彼は、愚弟でした
やっぱり、一花は一花だった。
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どんなに魔法陣を見つめても一花の姿が見えなかった。
当然だろう、愛想を尽かされたんだ。
一花を構いたくなる。
嫌われるのが分かっているのに、感情をコントロール出来ずに一花の嫌がる事をする。
どうでも良い女には歯の浮く様なセリフをスラスラと言えるのに、一花には一度も好きだと言った事が無い。
本気過ぎて言えない。
こんなに不器用だとは思わなかった。
おかげでこの始末!一花に愛想を尽かされて酒を煽っている。
一花が消えてから、何もかもがどうでも良くなった。
喉が焼ける様な強い酒で、この苦しみから逃れたい!
屋敷にある酒を浴びる様に飲んでいった。起きている間はずっと飲んでいる。おかげで、喉がかすれて、話すたびに痛みを伴う。
セドリックが何度も止めるが・・・そんな事はどうでも良い
息をするのもどうでも良い!
息が止まればきっと楽になれる、だが、もしかして、一花がこの世界に戻って来るんじゃ無いかと思うと、命を絶つのも出来なくなる。
一花は残酷だ。
苦しくて、苦しくて、早く楽になりたい。
そしてまた一気に強い酒を煽る。
早くこの痛みから解放されたい。
「・・一・・花・・・」
「・・・はい・・・」一花の声だ。
とうとう幻聴が聞こえるようになったか・・・・。
ふと、声のした方へ視線が行った。
幻覚まで見える様になったか、でも幸せだ・・・目の前に一花が居るそして一花の腕の中に悠馬も居る。
強い酒を飲んでいるせいか?
息が荒くなっていく!一花が側に居てくれるだけで良い・・・。
・・・・ムリ!やっぱり触れたい。
「一花」
「・・・だから何!」
「・・・本当に一花のようだ」
「本当に一花のようだって、どういう意味?私が偽物だとでも?」
「えっ!本当に一花なの?」
「だから、さっきから何なのよ!ラヴィニス」
「えっ、ど、どうしてここに、いいや、そんな事はどうでもいい・・」
急いで一花に触れたくて急に立ち上げると足がもつれて一花の前で無様に転んだ。
確かに一花だ!夢の中の理想の一花は必ず俺を助けるだろう?
俺の希望どうりに!
だが、こっちの一花は、クズを見る目で見下ろしている。
・・・本物だ、本物の一花だ!
「・・・ラヴィニス!今・・・私の悪口!考えたでしょう?」
一花の頬がヒクヒクしている。
悠馬を抱いている一花は貫禄が有る。
貫禄と言うか、一花が、正直怖い。
まずい一花にバレている。
「・・・そんな事は、無い」
喉が裂けるように痛い。
だが、楽しくてしょうがない。
いろんな一花を見たい!
「どうだか?」
更に俺を見下ろす。
相変わらず一花は冷たいが、俺はこのやり取りをどれだけ望んでいたか?
一花が居ない人生は考えられない。
「一花、おかえり・・・」
嬉しくて、嬉しくて!転んだままの体勢で言った。
「ラヴィニス!おかえりじゃない!お酒臭い、昼間っから飲んでいたの?」
呆れながら言う一花が可笑しい。
「・・・ああ、飲んでいた」
部屋の中は、空になった酒瓶が転がっており、酒の臭いも部屋中充満していた。
一花は俺の目の前に悠馬を置いて、薄暗かった部屋のカーテンを開き、バルコニーの戸を開けて新鮮な空気を入れた。
「これで、お酒臭いのは消えるでしょう?」
逆光が一花の後ろで輝き、一花を神々しく見える。
あまりの美しさに息が止まる。
このまま死ねたらいいのにとさえ思えてくる。
「・・・帰りそびれちゃったから・・その・・また、お世話になるわね。」
恥ずかしいのだろう!そっぽを向いて俺の目は一切見ない一花。
少し寂しいが、それでもいい!帰ってきたのだから!
「ああ、ずっといていいよ一花」
「あっ、ありがとう!ラヴィニス!」
一花が「ありがとう」と言っている。
ヤッパリコレは夢か?
「・・・また、私の悪口考えたでしょう?」
一花の冷たい目が俺に突き刺さる。
当然だろう、愛想を尽かされたんだ。
一花を構いたくなる。
嫌われるのが分かっているのに、感情をコントロール出来ずに一花の嫌がる事をする。
どうでも良い女には歯の浮く様なセリフをスラスラと言えるのに、一花には一度も好きだと言った事が無い。
本気過ぎて言えない。
こんなに不器用だとは思わなかった。
おかげでこの始末!一花に愛想を尽かされて酒を煽っている。
一花が消えてから、何もかもがどうでも良くなった。
喉が焼ける様な強い酒で、この苦しみから逃れたい!
屋敷にある酒を浴びる様に飲んでいった。起きている間はずっと飲んでいる。おかげで、喉がかすれて、話すたびに痛みを伴う。
セドリックが何度も止めるが・・・そんな事はどうでも良い
息をするのもどうでも良い!
息が止まればきっと楽になれる、だが、もしかして、一花がこの世界に戻って来るんじゃ無いかと思うと、命を絶つのも出来なくなる。
一花は残酷だ。
苦しくて、苦しくて、早く楽になりたい。
そしてまた一気に強い酒を煽る。
早くこの痛みから解放されたい。
「・・一・・花・・・」
「・・・はい・・・」一花の声だ。
とうとう幻聴が聞こえるようになったか・・・・。
ふと、声のした方へ視線が行った。
幻覚まで見える様になったか、でも幸せだ・・・目の前に一花が居るそして一花の腕の中に悠馬も居る。
強い酒を飲んでいるせいか?
息が荒くなっていく!一花が側に居てくれるだけで良い・・・。
・・・・ムリ!やっぱり触れたい。
「一花」
「・・・だから何!」
「・・・本当に一花のようだ」
「本当に一花のようだって、どういう意味?私が偽物だとでも?」
「えっ!本当に一花なの?」
「だから、さっきから何なのよ!ラヴィニス」
「えっ、ど、どうしてここに、いいや、そんな事はどうでもいい・・」
急いで一花に触れたくて急に立ち上げると足がもつれて一花の前で無様に転んだ。
確かに一花だ!夢の中の理想の一花は必ず俺を助けるだろう?
俺の希望どうりに!
だが、こっちの一花は、クズを見る目で見下ろしている。
・・・本物だ、本物の一花だ!
「・・・ラヴィニス!今・・・私の悪口!考えたでしょう?」
一花の頬がヒクヒクしている。
悠馬を抱いている一花は貫禄が有る。
貫禄と言うか、一花が、正直怖い。
まずい一花にバレている。
「・・・そんな事は、無い」
喉が裂けるように痛い。
だが、楽しくてしょうがない。
いろんな一花を見たい!
「どうだか?」
更に俺を見下ろす。
相変わらず一花は冷たいが、俺はこのやり取りをどれだけ望んでいたか?
一花が居ない人生は考えられない。
「一花、おかえり・・・」
嬉しくて、嬉しくて!転んだままの体勢で言った。
「ラヴィニス!おかえりじゃない!お酒臭い、昼間っから飲んでいたの?」
呆れながら言う一花が可笑しい。
「・・・ああ、飲んでいた」
部屋の中は、空になった酒瓶が転がっており、酒の臭いも部屋中充満していた。
一花は俺の目の前に悠馬を置いて、薄暗かった部屋のカーテンを開き、バルコニーの戸を開けて新鮮な空気を入れた。
「これで、お酒臭いのは消えるでしょう?」
逆光が一花の後ろで輝き、一花を神々しく見える。
あまりの美しさに息が止まる。
このまま死ねたらいいのにとさえ思えてくる。
「・・・帰りそびれちゃったから・・その・・また、お世話になるわね。」
恥ずかしいのだろう!そっぽを向いて俺の目は一切見ない一花。
少し寂しいが、それでもいい!帰ってきたのだから!
「ああ、ずっといていいよ一花」
「あっ、ありがとう!ラヴィニス!」
一花が「ありがとう」と言っている。
ヤッパリコレは夢か?
「・・・また、私の悪口考えたでしょう?」
一花の冷たい目が俺に突き刺さる。
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