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一学期
始業式の日(1)
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朝だ! 外は良いお天気ー!!
わたしはベッドから起き上がって、う~んと背伸びをした。
カーテンの隙間から差し込む光で晴天を確信し、ジャッとカーテンを開け、気合いを入れる。
だって、今日は始業式。
新学年で新学期の始まりの日。
ポカポカの春の日差しを身体いっぱいに浴びて、何となく心が浮き立つ。
もちろん、新しいクラスに対する不安もあるけど、期待も大きい。
こんな暖かな日は、何か良いことありそう~!
窓の外をニコニコしながら見つめていると、何か黒いものが視界を横切った。
アレ? 何だろうと見直しても、先程気になった黒いものは、何も見当たらない。
思わず、目をコシコシとこすると、わたしが起きたことに気がついたお母さんから声がかかる。
新しいお家は3LDKでキッチンの近くがわたしのお部屋。だから、すぐ分かっちゃうんだよね。
「莉子ちゃーん、おはよう! 今日から学校でしょ? 早く支度しなさい」
「はーい!」
わたしは通学のために、慌てていつもの朝の支度へと取りかかった。
「今日は始業式だったよね、莉子ちゃん。早く帰って来られるね、きっと」
「うん!」
「今度の新しいクラスに、仲の良くなったお友達がいると良いわね。……でも、きっと大丈夫よね。行ってらっしゃい!」
「うん! 行ってきまーす!」
わたしは元気にあいさつして、お家を飛び出した。
今度の新しいお家は、駅からも小学校からも徒歩5分くらい。
ちなみに駅と小学校は逆方向で、両方の間にお家がある感じなの。
でも、前と違って、あっという間に学校へ着いちゃう。
だから、1人でササッと登下校出来てホントに楽なの。
ただ小学校に面している、大通りを渡るための信号は、引っかかるととっても長いんだけどね。
今朝もやっぱり赤信号だ。
けれども、何となく信号待ちの間、横断歩道の向こうの小学校を見ているうちに、わたしの心には不安がこみ上げてきた。
大丈夫。きっと大丈夫ってお母さんもさっき言ってたし……。
普通は、転校生だったら少しは考慮してくれるハズだって、昨日も言ってたし。
だって、前の小学校は、明らかに考慮されていたもの。
少なくとも、2年目だと仲の良いお友達1人は、同じクラスにしてくれていた感じ。
でも、……大原木小学校はマンモス校で、去年は転入生ばかり会議室に集めて、説明があったなぁ。
ソレは、初めてのことだった。
全部で何人くらいいたっけ? たぶん、1年生から6年生まで合わせて、30名くらい居た気がする。
わたしは真剣に考え始めた。
今さらジタバタしても、仕方がないって分かっていたけど。
ええと、新6年生のクラスは5クラスで、1クラス大体35名だって、誰か言ってたな。
転校生配慮なしでも、35名の5分の1――つまり、7名は5年生の時と同じクラスメイトのハズ。
男女で分けるとその半分。
3、4名はいるハズだから、きっときっと大丈夫!
考えているうちに、わたしはだんだん落ち着いてきた。
去年のクラスで、すごく仲良くなったお友達は3名。
立木咲良ちゃん、正木あやちゃん、高橋陽菜ちゃん――転入したわたしに優しく色々教えてくれたお友達。
みんなとってもしっかりしていて、話も合う。
その3名が一緒のクラスなら、サイコーだ!
そうでなくても、それ以外でクラス内でよくお話するようになった女の子は、7、8人もいる。
だから、きっとそのうちの誰かは――――
祈るように、横断歩道を青信号で渡る。
そして、そのまま校門をくぐり、廊下に張り出されたクラス名簿をチェックしたわたしは、奈落の底に突き落とされた気分でうなだれた。
わたしはベッドから起き上がって、う~んと背伸びをした。
カーテンの隙間から差し込む光で晴天を確信し、ジャッとカーテンを開け、気合いを入れる。
だって、今日は始業式。
新学年で新学期の始まりの日。
ポカポカの春の日差しを身体いっぱいに浴びて、何となく心が浮き立つ。
もちろん、新しいクラスに対する不安もあるけど、期待も大きい。
こんな暖かな日は、何か良いことありそう~!
窓の外をニコニコしながら見つめていると、何か黒いものが視界を横切った。
アレ? 何だろうと見直しても、先程気になった黒いものは、何も見当たらない。
思わず、目をコシコシとこすると、わたしが起きたことに気がついたお母さんから声がかかる。
新しいお家は3LDKでキッチンの近くがわたしのお部屋。だから、すぐ分かっちゃうんだよね。
「莉子ちゃーん、おはよう! 今日から学校でしょ? 早く支度しなさい」
「はーい!」
わたしは通学のために、慌てていつもの朝の支度へと取りかかった。
「今日は始業式だったよね、莉子ちゃん。早く帰って来られるね、きっと」
「うん!」
「今度の新しいクラスに、仲の良くなったお友達がいると良いわね。……でも、きっと大丈夫よね。行ってらっしゃい!」
「うん! 行ってきまーす!」
わたしは元気にあいさつして、お家を飛び出した。
今度の新しいお家は、駅からも小学校からも徒歩5分くらい。
ちなみに駅と小学校は逆方向で、両方の間にお家がある感じなの。
でも、前と違って、あっという間に学校へ着いちゃう。
だから、1人でササッと登下校出来てホントに楽なの。
ただ小学校に面している、大通りを渡るための信号は、引っかかるととっても長いんだけどね。
今朝もやっぱり赤信号だ。
けれども、何となく信号待ちの間、横断歩道の向こうの小学校を見ているうちに、わたしの心には不安がこみ上げてきた。
大丈夫。きっと大丈夫ってお母さんもさっき言ってたし……。
普通は、転校生だったら少しは考慮してくれるハズだって、昨日も言ってたし。
だって、前の小学校は、明らかに考慮されていたもの。
少なくとも、2年目だと仲の良いお友達1人は、同じクラスにしてくれていた感じ。
でも、……大原木小学校はマンモス校で、去年は転入生ばかり会議室に集めて、説明があったなぁ。
ソレは、初めてのことだった。
全部で何人くらいいたっけ? たぶん、1年生から6年生まで合わせて、30名くらい居た気がする。
わたしは真剣に考え始めた。
今さらジタバタしても、仕方がないって分かっていたけど。
ええと、新6年生のクラスは5クラスで、1クラス大体35名だって、誰か言ってたな。
転校生配慮なしでも、35名の5分の1――つまり、7名は5年生の時と同じクラスメイトのハズ。
男女で分けるとその半分。
3、4名はいるハズだから、きっときっと大丈夫!
考えているうちに、わたしはだんだん落ち着いてきた。
去年のクラスで、すごく仲良くなったお友達は3名。
立木咲良ちゃん、正木あやちゃん、高橋陽菜ちゃん――転入したわたしに優しく色々教えてくれたお友達。
みんなとってもしっかりしていて、話も合う。
その3名が一緒のクラスなら、サイコーだ!
そうでなくても、それ以外でクラス内でよくお話するようになった女の子は、7、8人もいる。
だから、きっとそのうちの誰かは――――
祈るように、横断歩道を青信号で渡る。
そして、そのまま校門をくぐり、廊下に張り出されたクラス名簿をチェックしたわたしは、奈落の底に突き落とされた気分でうなだれた。
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