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心弾む入学式の日 1
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雲一つない晴天に舞う、美しい桃色の桜の花びら。
美月の心の中も桃色一色――憧れの五月雨学園の新しい制服、靴、そして、今日は待ちに待った入学式。
美月は小柄な身体の背筋を精一杯伸ばし、学園の門を通り過ぎた。
「みっづきちゃ~ん!」
「翠ちゃん?!わっ、久しぶり。元気だった?」
学園内に一歩をふみだせば、同じ中学出身の相沢 翠に呼びかけられ、美月のテンションは上がる。
あの暗黒?の高校受験勉強を励まし合いながら乗り越えた同志だ、いや、師匠様だ……。
独学で超難関の五月雨学園を目指した美月に対し、翠は合格をもぎ取るためにありとあらゆる進学塾を使い倒した勇者だ。
これからの時代、情報を制する者が勝つのよ!と握りこぶしを振り上げ、各塾の方針をリサーチしつつ最も効果的な受験攻略方法を編み上げ実践し、かつ美月の面倒まで見てくれた天使様。
「元気、元気~!あ~本当に久しぶりの美月の側。癒されるわ~」
猫のような眼を細め、翠は柔らかな茶色のポニーテールにした毛を揺らしながら美月に抱きつき、肩口に頭をぐりぐりと押し付けてくる。
「み、翠ちゃん、眼鏡がずれちゃう」
美月は中学においてトレードマークとなっていた眼鏡を、慌てて両手で押さえた。
「いいじゃない。どうせ度、入ってないんでしょ?」
翠の言葉に美月は首を振る。
「駄目駄目。わたしは眼鏡をしてないと」
幼い頃から、眼鏡を外すと碌なことがない。
……どうせ、わたしはたぬき顔だもん。
くりっとした大きな目。その目元は優しく少したれている――美月の頬はぷっくりとふくれた。
そのまま、翠の抱擁をするりと躱し、距離を取ってずれた眼鏡を直している。
「ほら見て!こうするとわたし、きりっとして見えるでしょ?」
150㎝に満たない身長なのに胸を張り、お守りのように眼鏡に手を当てこちらを見上げる美月に対し、翠は込み上げてきた笑いをかみ砕いた。
これこれ、これよね~流石は美月。
癒されるし、面白い。天然って貴重よね?
そんなことしても、愛らしいだけなのに。
「はいはい、見える見える。きりっと美少女!」
「何そのテキトー」
不満そうな美月に意も介さず、翠はさらっと話を変えながら、式場へと足を向けた。
「ほら、式に遅れたら、大変!一緒に行こう?」
戯れる美少女達の微笑ましいやり取りを、眼福とばかりに注目する周り。
けれども、そういった気配に美月は全く気付かず、察した翠は苦笑を漏らし、そうして二人は軽やかにその場から去って行った。
美月の心の中も桃色一色――憧れの五月雨学園の新しい制服、靴、そして、今日は待ちに待った入学式。
美月は小柄な身体の背筋を精一杯伸ばし、学園の門を通り過ぎた。
「みっづきちゃ~ん!」
「翠ちゃん?!わっ、久しぶり。元気だった?」
学園内に一歩をふみだせば、同じ中学出身の相沢 翠に呼びかけられ、美月のテンションは上がる。
あの暗黒?の高校受験勉強を励まし合いながら乗り越えた同志だ、いや、師匠様だ……。
独学で超難関の五月雨学園を目指した美月に対し、翠は合格をもぎ取るためにありとあらゆる進学塾を使い倒した勇者だ。
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「元気、元気~!あ~本当に久しぶりの美月の側。癒されるわ~」
猫のような眼を細め、翠は柔らかな茶色のポニーテールにした毛を揺らしながら美月に抱きつき、肩口に頭をぐりぐりと押し付けてくる。
「み、翠ちゃん、眼鏡がずれちゃう」
美月は中学においてトレードマークとなっていた眼鏡を、慌てて両手で押さえた。
「いいじゃない。どうせ度、入ってないんでしょ?」
翠の言葉に美月は首を振る。
「駄目駄目。わたしは眼鏡をしてないと」
幼い頃から、眼鏡を外すと碌なことがない。
……どうせ、わたしはたぬき顔だもん。
くりっとした大きな目。その目元は優しく少したれている――美月の頬はぷっくりとふくれた。
そのまま、翠の抱擁をするりと躱し、距離を取ってずれた眼鏡を直している。
「ほら見て!こうするとわたし、きりっとして見えるでしょ?」
150㎝に満たない身長なのに胸を張り、お守りのように眼鏡に手を当てこちらを見上げる美月に対し、翠は込み上げてきた笑いをかみ砕いた。
これこれ、これよね~流石は美月。
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そんなことしても、愛らしいだけなのに。
「はいはい、見える見える。きりっと美少女!」
「何そのテキトー」
不満そうな美月に意も介さず、翠はさらっと話を変えながら、式場へと足を向けた。
「ほら、式に遅れたら、大変!一緒に行こう?」
戯れる美少女達の微笑ましいやり取りを、眼福とばかりに注目する周り。
けれども、そういった気配に美月は全く気付かず、察した翠は苦笑を漏らし、そうして二人は軽やかにその場から去って行った。
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