12 / 14
倉中一夜3
しおりを挟む
俺を通したドアが勝手に閉まる。
それはいつものことだったが、俺はここで思考を止める。
部屋の中に、テーブルは無かった。
そのかわり目の前に、ほぼ壁のように存在する急な上り坂があった。その坂は俺の身長よりも高い。ジャンプして手を伸ばしても上には届きそうにない。
そして坂の真ん中には、ロープが坂の上からたれさがっている。
「要するにのぼれってことかよ。わかりやすいなーおい!」
俺は覚悟を決めて、カメラを置いた。
「俺が両手を使うとどうなるか知ってるか。それはつまり、本気を出すということだ!」
何回か両肩を回してから、ロープに近づく。
「絶対、のぼってやる!」
そう言ってから、ロープを両手で握る。そして、足を坂につけてロープをのぼり始める。
「よし、のぼれる。のぼれるぞ!」
右手、左手、少しずつ、上がっていく!
「坂は急だが、これならいける。何も問題なんてねえ。のぼればいいだけなんて簡単じゃねえか!」
右手、左手、右手、左手!
どんどんのぼれる、どんどん上がれるぜ。やったー!
「楽勝、圧勝、全勝、完勝。良い部屋選んだぜ、俺!」
そして、その時。
なぜかロープが、ヌルッとした。
「へ?」
ロープをつかんだ手が、ズルズルとすべっていく。そこから先へは、のぼれない。
これは、まさか、油?
「なんで、なんで油なんて、ぬってあんだあ!」
つかめない、つかめない、つかめない!
坂はまだ途中。半分ほどだ。それなのに、これ以上上にはロープでのぼれない!
「っだー!」
意を決して、ロープを手放した。
そして、坂を這ってのぼろうとする。
けど。
「だあああああ!」
体はそのまま坂を滑って、一番下まで戻ってしまった。
「こんなのありかよ、ロープが使えないのかよお!」
そこで、あの音楽が聞こえる。
ふと、ここで一夢と俊二と季目の顔を思い出す。
そうすると、自然と俺の心に闘志の炎が燃え上がった。
「絶対負けない、絶対負けないからな、俺はこんなところで、負けたりしない!」
そして、すぐに坂のいたるところをベタベタ手で触って、何かないか探し始めた。
「助けてやる、皆。俺は助かる、必ず。ここから出るんだ、出るんだ!」
そしてとうとう右端で、坂の一部が押すと凹み、手や足が入るくぼみになるしかけを発見した。
ここで頭にのぼっていた血が、いくらか下がる。
「ふっ、そんなことだろうと思ったぜ。ここからのぼる!」
押したら現れるくぼみを手探り足探りで見つけていきながら、坂の右端をのぼっていく。
すると、かなり簡単にロープでのぼった地点をこえた。
「よし、このまま。このままいく!」
上へ。上へ。ひたすら上へ。
すると、あともう少しで坂の頂上に届くというところまでこれた!
「やったぞ、ゴールだ!」
そして、とうとう坂の頂上に指をかけた時。
ガコン。
なぜか、坂の頂上が大きく傾き、次の瞬間、今指と足先をひっかけているくぼみが無くなり、全部つるっつるな坂になった。
「な、あっ」
くぼみに入れておけなくなった片手と両足が、坂を滑り、体が下へとおりてしまう。
「なああああ」
これはまさか、罠。坂の頂上が、くぼみを消すスイッチになってる?
つまり、端をのぼるのも間違いだっていうのか!
「いいやっ。いいや、まだだ。いいところまで行けたんだ。きっと何かある!」
とは思いつつも、一応左端の坂も調べる。
すると、左端にもところどころくぼみになるしかけがあった。
「左からでもいいのか?」
半信半疑ながらも、坂をのぼる。
くぼみに手を入れ、足先を入れ、手を入れ、足先を入れ、順調にのぼっていく。
そして、やっと手が坂の頂上に届くというところで、俺は一度止まった。
「もしかしたら、こっちにもあのスイッチがあるかもしれない。ここから一気にとび上がって、滑り落ちないところまで行くんだ」
体を上下にゆらして、最高に高くジャンプできるタイミングを作る。
1、2、3!
「うおおお!」
とんで、そして、肘まで坂の上に届かせる!
そこで、坂の上がかたむいて、スイッチが作動する!
そして、何もつかめず、体を支えられない俺は、またもや体を坂の下へとすべらせてしまう!
「くっそおおお!」
思わず坂を両手で叩く。何が簡単だ。何が楽勝だ。想像以上にヤバいぞ、この部屋は!
「もう一度だ。もしかしたら、坂の途中に何かあるかも!」
俺は諦めず、また左端をのぼる。既に見つけた以外のくぼみも探しつつ、9割がたのぼりきる。
そして、坂の上に手が届くというところで、必死に右側を探ると、とうとう見つけた。今の位置から右側に、新しいくぼみがあった。
「よっしゃあ、これでいける!」
俺は右に移動する。そして更に上へ、あるいは右へ行くくぼみを探す。
けれど、喜べたのはここまでだった。
「ただ右に移動できる、だけ?」
なんだそれ。なんだそれは。なんなんだよそんなのありかよ!
「こ、ここだけスイッチになってないとか」
か細い糸をたぐりよせるように、上へと手を伸ばす。
しかし。
また坂の上はスイッチになっていて、くぼみが消え、俺の体はすべりおちた。
「ちっくしょう、ちっくしょうう!」
まだあきらめる時間じゃない。次は右だ。右のくぼみを使ってまたのぼるんだ!
右端をのぼり、頂上付近で、左へ行くくぼみを探す。それから上へ、または右へ、もしかしたらと思い下に新しいくぼみがないかも探る。
けど、それ以上は何も見つからず、結局坂の上のスイッチを起動させ、すべり落ちてしまう。
「こんなの、こんな」
無理だ。不可能だ。
そこまで考えてしまった時、ぐっと口を閉じる。
その言葉だけは、決して口にしてはいけない!
この館に行こうって言いだしたのは俺で。
あいつらは、一緒に来てくれて、特に季目は怖がっていたのに、がんばってくれて。そして、なぜかわけのわからないものにさらわれて。
そして俺は、役立たず。
そんなの、そんなの許せるかよ。誰も許さねえよ!
「絶対、皆と家に帰って。明日からは、普通の日常があって、今日の記憶は、だんだんうすれて忘れていく。そうなるんだ。そうなってほしいんだ。だから、だから!」
ここで、音楽が止まった。
「みいつけた」
なぞの少女の声が、聞こえた。
「だから、皆家に帰らせてくれよ!」
熱くなる思考のまま、ドアの方を見る。
俺はまだ、イスに座れていない。
だから、俺はこれからあの何かにやられるだろう。
すっごくくやしい。すっごく悔いる。けど。
けど、希望だけは、捨てない!
ドアが開く。
大量の髪の毛が部屋に入ってくる。
「清美、お前が皆を救うんだ!」
力の限り、精一杯叫ぶ。
絶対、最後には皆で笑ってやるんだ!
だから、だから、だからー!
そして、髪の毛が俺の体にまきついて、まきついてきて!
うわあああああ!
この部屋のしかけですが。
この部屋の右壁には、坂と同じ、押せばくぼみが現れるしかけがありました。
そこをのぼって、壁づたいに坂の上に行き、玉を手に入れるというのがこの部屋の攻略法でした。
それでは、話の続きをお楽しみください。
それはいつものことだったが、俺はここで思考を止める。
部屋の中に、テーブルは無かった。
そのかわり目の前に、ほぼ壁のように存在する急な上り坂があった。その坂は俺の身長よりも高い。ジャンプして手を伸ばしても上には届きそうにない。
そして坂の真ん中には、ロープが坂の上からたれさがっている。
「要するにのぼれってことかよ。わかりやすいなーおい!」
俺は覚悟を決めて、カメラを置いた。
「俺が両手を使うとどうなるか知ってるか。それはつまり、本気を出すということだ!」
何回か両肩を回してから、ロープに近づく。
「絶対、のぼってやる!」
そう言ってから、ロープを両手で握る。そして、足を坂につけてロープをのぼり始める。
「よし、のぼれる。のぼれるぞ!」
右手、左手、少しずつ、上がっていく!
「坂は急だが、これならいける。何も問題なんてねえ。のぼればいいだけなんて簡単じゃねえか!」
右手、左手、右手、左手!
どんどんのぼれる、どんどん上がれるぜ。やったー!
「楽勝、圧勝、全勝、完勝。良い部屋選んだぜ、俺!」
そして、その時。
なぜかロープが、ヌルッとした。
「へ?」
ロープをつかんだ手が、ズルズルとすべっていく。そこから先へは、のぼれない。
これは、まさか、油?
「なんで、なんで油なんて、ぬってあんだあ!」
つかめない、つかめない、つかめない!
坂はまだ途中。半分ほどだ。それなのに、これ以上上にはロープでのぼれない!
「っだー!」
意を決して、ロープを手放した。
そして、坂を這ってのぼろうとする。
けど。
「だあああああ!」
体はそのまま坂を滑って、一番下まで戻ってしまった。
「こんなのありかよ、ロープが使えないのかよお!」
そこで、あの音楽が聞こえる。
ふと、ここで一夢と俊二と季目の顔を思い出す。
そうすると、自然と俺の心に闘志の炎が燃え上がった。
「絶対負けない、絶対負けないからな、俺はこんなところで、負けたりしない!」
そして、すぐに坂のいたるところをベタベタ手で触って、何かないか探し始めた。
「助けてやる、皆。俺は助かる、必ず。ここから出るんだ、出るんだ!」
そしてとうとう右端で、坂の一部が押すと凹み、手や足が入るくぼみになるしかけを発見した。
ここで頭にのぼっていた血が、いくらか下がる。
「ふっ、そんなことだろうと思ったぜ。ここからのぼる!」
押したら現れるくぼみを手探り足探りで見つけていきながら、坂の右端をのぼっていく。
すると、かなり簡単にロープでのぼった地点をこえた。
「よし、このまま。このままいく!」
上へ。上へ。ひたすら上へ。
すると、あともう少しで坂の頂上に届くというところまでこれた!
「やったぞ、ゴールだ!」
そして、とうとう坂の頂上に指をかけた時。
ガコン。
なぜか、坂の頂上が大きく傾き、次の瞬間、今指と足先をひっかけているくぼみが無くなり、全部つるっつるな坂になった。
「な、あっ」
くぼみに入れておけなくなった片手と両足が、坂を滑り、体が下へとおりてしまう。
「なああああ」
これはまさか、罠。坂の頂上が、くぼみを消すスイッチになってる?
つまり、端をのぼるのも間違いだっていうのか!
「いいやっ。いいや、まだだ。いいところまで行けたんだ。きっと何かある!」
とは思いつつも、一応左端の坂も調べる。
すると、左端にもところどころくぼみになるしかけがあった。
「左からでもいいのか?」
半信半疑ながらも、坂をのぼる。
くぼみに手を入れ、足先を入れ、手を入れ、足先を入れ、順調にのぼっていく。
そして、やっと手が坂の頂上に届くというところで、俺は一度止まった。
「もしかしたら、こっちにもあのスイッチがあるかもしれない。ここから一気にとび上がって、滑り落ちないところまで行くんだ」
体を上下にゆらして、最高に高くジャンプできるタイミングを作る。
1、2、3!
「うおおお!」
とんで、そして、肘まで坂の上に届かせる!
そこで、坂の上がかたむいて、スイッチが作動する!
そして、何もつかめず、体を支えられない俺は、またもや体を坂の下へとすべらせてしまう!
「くっそおおお!」
思わず坂を両手で叩く。何が簡単だ。何が楽勝だ。想像以上にヤバいぞ、この部屋は!
「もう一度だ。もしかしたら、坂の途中に何かあるかも!」
俺は諦めず、また左端をのぼる。既に見つけた以外のくぼみも探しつつ、9割がたのぼりきる。
そして、坂の上に手が届くというところで、必死に右側を探ると、とうとう見つけた。今の位置から右側に、新しいくぼみがあった。
「よっしゃあ、これでいける!」
俺は右に移動する。そして更に上へ、あるいは右へ行くくぼみを探す。
けれど、喜べたのはここまでだった。
「ただ右に移動できる、だけ?」
なんだそれ。なんだそれは。なんなんだよそんなのありかよ!
「こ、ここだけスイッチになってないとか」
か細い糸をたぐりよせるように、上へと手を伸ばす。
しかし。
また坂の上はスイッチになっていて、くぼみが消え、俺の体はすべりおちた。
「ちっくしょう、ちっくしょうう!」
まだあきらめる時間じゃない。次は右だ。右のくぼみを使ってまたのぼるんだ!
右端をのぼり、頂上付近で、左へ行くくぼみを探す。それから上へ、または右へ、もしかしたらと思い下に新しいくぼみがないかも探る。
けど、それ以上は何も見つからず、結局坂の上のスイッチを起動させ、すべり落ちてしまう。
「こんなの、こんな」
無理だ。不可能だ。
そこまで考えてしまった時、ぐっと口を閉じる。
その言葉だけは、決して口にしてはいけない!
この館に行こうって言いだしたのは俺で。
あいつらは、一緒に来てくれて、特に季目は怖がっていたのに、がんばってくれて。そして、なぜかわけのわからないものにさらわれて。
そして俺は、役立たず。
そんなの、そんなの許せるかよ。誰も許さねえよ!
「絶対、皆と家に帰って。明日からは、普通の日常があって、今日の記憶は、だんだんうすれて忘れていく。そうなるんだ。そうなってほしいんだ。だから、だから!」
ここで、音楽が止まった。
「みいつけた」
なぞの少女の声が、聞こえた。
「だから、皆家に帰らせてくれよ!」
熱くなる思考のまま、ドアの方を見る。
俺はまだ、イスに座れていない。
だから、俺はこれからあの何かにやられるだろう。
すっごくくやしい。すっごく悔いる。けど。
けど、希望だけは、捨てない!
ドアが開く。
大量の髪の毛が部屋に入ってくる。
「清美、お前が皆を救うんだ!」
力の限り、精一杯叫ぶ。
絶対、最後には皆で笑ってやるんだ!
だから、だから、だからー!
そして、髪の毛が俺の体にまきついて、まきついてきて!
うわあああああ!
この部屋のしかけですが。
この部屋の右壁には、坂と同じ、押せばくぼみが現れるしかけがありました。
そこをのぼって、壁づたいに坂の上に行き、玉を手に入れるというのがこの部屋の攻略法でした。
それでは、話の続きをお楽しみください。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
女子切腹同好会
しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。
はたして、彼女の行き着く先は・・・。
この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。
また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。
マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。
世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる