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9俺達は無敵の三人組
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空は暗雲たちこめ、大地は草木一つない荒野。
そして俺達の周囲には、円を形作るように群れる、大量のモンスター達。
俺はその光景を見て、ニヤリと不敵に笑った。
「さあ。パーティーを始めようじゃないか」
金髪、長身、筋骨隆々な男。ポット。
緑髪、細身、少女のような容姿をした少年、カップ。
金髪、杖を装備した、大人の女性リシェス。
俺達三人に向かって、周囲にいるモンスター達が全方位から殺到する。
「グアー!」
「ギシャアー!」
数の差は圧倒的。だが、俺達は無敵の三人組。
こんなことぐらいでは、負けはしない。そう、決して。
「エレキ射出」
俺が手を伸ばし、手の先から電気の球を発射する。
その電気の球は、一発だけではない。即座に二発、十発、百発と、まるでマシンガンのように発射され、それが一撃でモンスターを倒す。
「バリアー!」
更にリシェスが魔法を使えば、敵モンスター達はこれ以上こちらに近づけなくなった。
見えないバリアーで前方を防がれてしまったのだ。ただし、俺の攻撃と、そしてカップは、リシェスのバリアーをすり抜けられる。
「イーモイモイモイモ、イモー!」
カップが高速で走りながら、持っている剣でモンスターを斬り、倒しまくる。
「はあああああ!」
俺も、片手から両手へと攻撃手段を変え、一度に二発のエレキ射出を発射しながら、敵を掃討する。
こうして俺達は無双し、やがて敵を全滅させた。
すると今度は、俺達の前に巨人が一体現れる。
俺はその敵の顔を見上げ、更に笑った。
「ふっ。面白い。やってやろうじゃねえか。いくぞ、カップ、リシェス!」
「イモ!」
「ええ!」
俺達は一片の躊躇もなく、巨人に向かって走る。
「うおー!」
「イモー!」
「はあー!」
そして、そこで。
俺の目が覚めた。
「(ん)エレ」
目の前には、寝ているリシェス。他の皆も寝ているようだ。
「(あー)キュー」
俺は寝ぼけながらも、自分の手、いや、前足を見てみる。
そこには相変わらずの、黄色い前足。いや、今はまだ真夜中のようだから暗くてよく見えないけど、まず可愛らしい前足があるだろう。俺は今まで、何度もその前足を見てきたのだから、流石にわかる。
そう。俺は人ではない。エレキュウだ。今はモンスターだ。
「(あー。久しぶりの、人間の姿だったなあ)」
見ていた夢は憶えている。まあ、憶えていてもしょうがないが。
けど、夢の中でだとしても人だった状態は、気分が良かった。それ以上に俺達が強すぎていたけど、まあ夢だし別にいいだろう。少なくとも、悪い夢ではなかったな。
それにしても、人型のカップと、大人の女性、リシェスかあ。
「すう、すう」
カップはともかく、リシェスはこれ以上大人になるのかなあ?
まあ、どんなに成長してもリシェスはリシェスか。もっと成長してもいいから、まっすぐ育ってくれよ。
「(うん。それじゃあ、二度寝だな)エレ、エーレキュー」
ちょっと早く目が覚めすぎたな。もうちょっと眠ろう。
俺はゆっくりと、目を閉じるのだった。
朝は決まって皆一緒に目覚める。なんとなくずっと布団の中にいたくなるから、自然とそうなるんだよな。
「ねえ、ポット、カップ。私、今日は冒険者ギルドでモンスターテイマーの初級参考書を買って、新魔法を覚えたいの。その間、ポットとカップはヒマになっちゃうと思うんだけど、どうする、一緒にいてくれる? それとも、どこかで遊んでる?」
朝ごはんを食べた後すぐに、リシェスにそう言われた。
ほうほう、なるほど。モンスターテイマーの魔法か。そういえばリシェスは、モンスターテイマーになりたてで、テイマーらしい知識はあまり身につけられていないんだよな。今はお金もたくさんあるはずだから、確かにそういうことをするのがベストかもしれない。
となると俺も、少し試したいことがあるな。リシェスが本を読んでいる間に、実験できたらそれが良いか。
「(わかった。それじゃあリシェス。俺は今ちょっと試したいことがあるから、それを森で試してくる。カップも、俺に付き合ってくれるか?)エレキュウ、エレキュー?」
「(うん。ボク、ポットと森で試すー!)イモー!」
よし。カップもついてきてくれるようだ。じゃあ、早く森に行くか!
「(リシェス、すぐに帰ってくるから、心配するなよー!)エレキュレキュー!」
俺はまず、南の森へ向かう。あそこなら現れるモンスターもヨワイモくらいだし、安全なはずだ。
「(待ってーポットー!)イモー!」
「二人共ー、お昼ごはんには帰ってくるんだよー!」
「(わかったー!)エレキュー!」
俺はリシェスを見ずに返事をして、全力ダッシュを試みた。
「(おはようさん!)エレッキュ!」
「(おはようさん!)イモー!」
俺とカップは門番さんに挨拶して、すぐ再ダッシュする。
「ん、あれはたしか、冒険者のテイムモンスターか?」
門番さんにちゃんとアピールしておけば、帰ってくる時もスムーズだろう。テイムモンスターの証である、首輪もしているし、ちゃんと通してくれるはずだ。
でも、リシェスがいない時に村から森に行くのは初めてだ。ちょっとドキドキした。
それから少し走って村からちょっと離れたところで、俺達はようやく立ち止まる。
「(よし、ここら辺でいいか。カップ、試したいことがあるんだ。協力、頼むぞ)エレレキュー」
「(何、何やるの、大丈夫、任せて!)イモイモー!」
カップはやる気満々だ。俺はうなずいた。
「(よし。それじゃあまずは俺から離れて、俺の技の様子を見てくれ。俺の技、エレキ拡散は、あんまり使ったことがないから、技の性能を確認しておきたいんだ)エレッキュエレエレ、エッレッキュー」
「(わかった。離れる。そして見るー!)イモモー!」
カップはスイーッと俺から離れて、そして俺を睨みつける。よし、これで不注意でカップに当たることはないな。それではいざ、エレキ拡散だ!
「(はあーっ、エレキ拡散!)エッレッキュウー!」
バチバチバチッ!
俺の視界いっぱいに、上から黄色い電気の線がいくつも降り注いだ。その電気は俺の背中から放たれていて、俺を囲うドーム状に出現している気がする。
「(見たっ。ポットの新しい技、ちゃんと見たよ!)イモー!」
エレキ拡散が終わって消えてから、カップがそう言った。
「(ああ、俺もしっかり見た。どうやら、エレキ拡散は全方位に攻撃できるけど、そのかわり飛距離が驚く程短いみたいだな)」
「(きれいだった。でも、短い距離しか光ってなかったから、あんまり強そうじゃない!)イモー!」
「(確かに、エレキ射出よりも当てるのが難しそうだな。よし、もう一回やってみる。今度はなるべく遠くへとばすよう意識して使うから、カップ、もう一度、今度は注意しながらよく見ててくれ)エレエレエレッキュ」
「(わかった!)イモ!」
「(よし、エレキ拡散!)エーレーッキュー!」
もう一度エレキ拡散を行う。けど、最初のエレキ拡散と大して変わらないな。
「(うーん。やっぱりあんまり遠くまでは攻撃できないな)エレッキュウー」
「(もっと長く使えないの?)イモ?」
「(ああ。使えてー、三秒くらいかな。ううん、使いどころとしては、とっさの迎撃用って感じか。やっぱり、基本攻撃はエレキアタックかエレキ射出だな)エレー、エレエレッキュ」
「(でも、ポット凄い、電気凄い、光っててきれい!)イモモモー!」
「(そういえばカップは、遠距離攻撃技が無かったな。カップも何か、便利な技を覚えられればいいんだが)」
「(どうやったら覚えられるの?)イモ?」
「(レベルアップか、技の練習だな。技の練習も、何かイメージがあったらしやすいんだろうが。俺みたいなエレキ射出か、ミステリーフの木の葉旋風なんかのイメージで、何かできるようにならないか?)エレレレッキュー?」
「(エレキ射出、木の葉旋風。ボク、やってみたい、イメージしてみる!)イモモ、イモ、イモモー!」
「(あ、ああ。でもカップ、技の練習はほどほどにな。それで出来るようになるかどうかも、まだわかってないんだし)エレキュー」
「(んーっ、はあああ! んーっ、でろおー!)イーッモー! イーッモー!」
ああ、カップのやる気スイッチを押してしまった。成果が出なくて後で落ち込んだりしなければいいんだけど。
まあ、カップが真剣になってるから、今水はささないでおこう。それより俺も、もう一つの気になることを確かめておかなければ。
使う技は、たいあたりでいいか。よし、ちょっと体を動かすぞ。
「(よし、たいあたり、たいあたり!)エレッキュ、エレッキュー!」
三分後。
「(できない。飽きた!)イモ、イモ!」
カップが技の練習を終えた。
「(俺も、ちょっと休憩)エレッキュー」
俺の方も、実験は失敗に終わる。
「(ポットはたいあたりの練習をしてたの?)」
「(正確には、連続技の練習だ。ほら、昨日カタガメが連続で三回も水射出を使っただろ。あれを、俺もできないかと思ってな)」
立て続けに使われた攻撃技で、昨日ガナイは致命傷を負い、命を奪われた。
幸い、ガナイの蘇生はなんとかできたが、俺はあの時のカタガメの、連続攻撃ができないかと試していたのだ。
だが今のところ、俺の連続攻撃は上手くいっていない。たいあたりは全然連発できないし、エレキ射出も少し試してみた結果、見事な単発撃ちで終わってしまった。
カタガメが出来ていたから、きっと俺にも出来るはずだと思うんだが。俺とカタガメじゃ才能か何かの違いがあるのか?
種族の違い、属性の違い。あと思い浮かぶのは、レベルと変態後か変態前かの違いか。
「(連続技って、素早く技を二回使えばいいってこと?)イモー?」
「(ああ。これができれば、絶対に攻撃力が増すはずなんだが。俺じゃダメなのかなあ)エレエレエレッキュ」
「(ボクもやってみるー!)イッモモー!」
おお、再びやる気になったカップ。うん、カップが連続技を出来るようになるのも、ありだな。
「(それ、たいあたり、たいあたりー!)イモ、イモ、モー!」
カップが勢いよく移動すると、なんか予想以上に長い距離を素早く飛んでいった。
「(ポットー、ボクたいあたり連続でできたよー!)イモモイモー!」
「(え、カップ、本当か!)エレッキュー!」
驚く俺。俺は何回やってもできなかったのに。でも確かに今カップは、たいあたりを二連続でできていたような?
「(でもこれ、すごくつかれる。それに、二回使ったらその反動でちょっと動けなくなるよ)イモモ、イモモ、イモッモ」
「(なるほど。連続技にも、デメリットはあるんだな)エレレッキュー」
強いかわりに、弱点もあるってことか。それでも、連続技が強力であることに変わりはないが。
「(なあ、カップ。今度はスタンプを二連続でやってみてくれ)エレレッキュー」
「(わかった。スタンプ、スタンプ!)イモ、イモ、イモー!」
カップは元気よく、その場でスタンプを二回行った。おお、できてる。成功だ。
「(やったなカップ!)エッレッキュー!」
「(うん、ボク、うれしい!)イモモ、モー!」
こうしてカップは、完全に連続技を体得したのだった。
カップにできて、俺にできない、か。やっぱり、変態が関係しているのだろうか?
気を取り直す。
「(なあ、カップ。折角森まで来たんだし、たまには俺達で戦ってみないか?)エレキュー?」
「(へ、ポットと戦う?)イモ?」
このまま村に戻るのも、なんだかもったいない。これは良い機会だと思うんだが。
「(ポットとなんて、戦えないよ!)イモ、イモモ!」
「(そうか。たまにはこういうのも良いと思ったんだが。もちろんとことん全力でなんて思ってないぞ。そうだな、どちらかが先に一度でも攻撃をあてられたら、そいつの勝ち。ってのはどうだ。それくらいなら、軽く勝負できるんじゃないか?)エレッキュ、エレエレエレッキュ?」
「(先に一度でも攻撃をあてたら、勝ち。うん。それならやってもいいよ!)イモ!」
お、カップもやる気になったか。
「(やるか。よし、それじゃあやろう。先に言っておくが、俺が今回使う技は痺れエレキ、エレキ拡散、たいあたりだ。エレキ射出と痺れエレキは、似ているからな。まあダメージが無い技の方が良いだろう。それとも、俺だけ遠距離攻撃できるのはずるいか?)エレエレッキュ?」
「(ううん、それでいいよ。手加減されて勝っても、うれしくないから!)イモモー!」
「(お、言ったな。それじゃあ、十数えたらスタートだ。いくぞ。十、九、八、七、六、五、四、三、二、一。スタート!)エレッキュー!」
こうして、俺とカップの勝負が始まった。
「(うおおお!)イモー!」
カップは俺に向かって一直線に飛んでくる。ふふ、遠慮はいらないと言ったな、カップ。それじゃあお言葉通りいくぜ!
「(でえい、痺れエレキ!)エレッキュー!」
「(おおっとー!)イモオー!」
うおっ。カップのやつ、痺れエレキを紙一重で避けやがった!
「(飛んでくるとわかってたから、避けられる!)イモー!」
「(なるほど。じゃあ、来い。カップ!)エレ、エレキュー!」
「(うおー、スタンプー!)イモー!」
カップが下半身を前にして俺につっこんでくる。かなり速いが、俺だって来るとわかってる攻撃くらい避けてやる!
「(よおっと!)エレッキュ!」
ひらりと横へジャンプし、なんとかカップの攻撃をかわす。危ない、本当にギリギリだったぞ!
「(むう、次こそあてるー!)イモモー!」
カップはUターンして、すぐにまた迫ってくる。く、俺よりカップの方が速い。このまま攻められたら、いずれやられる!
そうなる前に、痺れエレキ、は、さっき避けられたからあ!
「(エレキ拡散!)エレッキュー!」
この電気の檻に、ぶつかれカップ。待ち受け作戦だ!
「(うおおっとー!)イモー!」
だがカップは、俺のエレキ拡散すらかわす。いや、今ちょっと端の方があたったけど、これは、どうだ。セーフか?
「(ポット、まだまだいくよ!)イモイモー!」
「(そうか。来るか。なら来い!)エレッキュー!」
「(後ろをとったから、後ろアタックー!)」
エレキ拡散が終わった瞬間、カップが再び迫るのを感じた。けど振り返る暇はないと感じて、一か八か横に跳びはねる。
しかし。
どーん!
「(うわあー!)エレー!」
俺はカップの攻撃を避けきれず、かなりのダメージを負ってしまった。
「(ポット、大丈夫?)イモー?」
ごろごろ地面を転がってから止まる俺を、カップが心配する。
俺は、右前足を一度上げてから立ち上がった。
「(ああ、大丈夫だ。結構効いたけどな。流石、カップだ。強いな)エレッキュー」
「(うん。でも、ポットも強かった!)イモー!」
「(ああ。もう少し引き付けてからエレキ拡散を使えていれば、勝ったのは俺の方だったかもしれない。とにかく、今回は完敗だ。強かったぞ、カップ)エレッキュ、エレッキュ」
「(うん。レベルも上がったし、良かった!)イモー!」
そうか。レベルも上がったか。なら良かった。
ん、レベルが上がった?
「(カップ、本当にレベルが上がったのか?」エレッキュ?」
「(うん。今一上がったよ。今16レベル)イモ」
え、え?
「(じゃ、じゃあ、経験値って、敵を倒さなくても上がるの?)エレレッキュー?」
「(うん。上がるよ。あれ、ポット、知らなかったの?)イモ?」
知りませんでした。ああ、そういえば最初の頃アオガメを見逃した時も、確かに殺さなくてもレベルは上がっていたけど、でもあれは完全に戦闘不能にしてたしなあ。対して今の軽い戦闘は、ただ一撃いいのがあっただけ。経験値って、本当はそれだけでも手に入るものなのか。
これは、貴重な情報だ。ぜひ有効活用しなければ。
「(な、なあ、カップ)エレッキュ」
「(ん、何ポット?)イモモ?」
「(これから毎日、二人で戦おうぜ)エレッキュー」
「(うん、いいよ。次も勝つ!)イモモイモ!」
というわけで。今日から、敵と会わずに経験値を上げていこう。
それはきっと、とても安全で安心な道だ。
「(ボクは逃げている内にレベルが上がっていったんだ)イモイモモモー」
「(なんだって。逃げるだけで経験値が手に入るのか!)エレッキュ!」
「(うん。でも、戦って勝った方が、レベルが上がるのは早いよ。それで、ボクが勝てたのは全部ポット達のおかげだから、ボク、ポット達と出会えてよかった!)」
「(ああ。それは俺もだ。俺も、もう何度もカップに助けてもらったからな。カップとの出会いに感謝だ)エレッキュエレエレッキュ」
カップと話をしながら、リシェスの家へ帰る。すると、リシェスはもう先に帰っていた。何やらそれなりに分厚い本を、真剣に読んでいる。
「ううーん。チェックは、相手のことを知ろうとする気持ちが大事。相手によりそうというよりは、相手の状態、具合を確認するように意識すること、かあ」
「(ただいまー)エレッキュー」
「(ただいまー)イモッモー」
「あ、お帰りーポット、カップ。どこに行ってたのー?」
リシェスが俺達に気づくと、本を置いて近づいて来た。
「(ちょっと戦いの訓練をしてた)エレッキュー」
「(リシェス、ボク、ポットに勝ったんだよ!)イモイモー!」
「あ、ちょっと待ってね、二人共。これから、新しい魔法を試すから。これが使えた方が、ずっとずっと皆と仲良くなれるからね。絶対習得するよ!」
そう言うとリシェスは、両手を俺達に向けて、何やらやる気になった。
「魔法、テレパシー!」
しーん。
「テレパシー、できたかな?」
「(いや、どうだろう?)エレッキュ」
「(テレパシーって何?)イモイモー?」
「(要するに、話ができる魔法ってやつだ)エレレレッキュ」
「(え、それすごーい!)イモー!」
「(でもカップ、俺達の間での話は、もう出来てるぞ。まあ、リシェスだけは俺達の言葉が通じないみたいだが)エレキュー」
「わあーん、全然二人の言ってることがわからないよー!」
リシェスは勝手にガックリ肩をおとした。ふむ、テレパシーか。確かにそれが使えたら便利だな。
ていうかテレパシーって魔法だったのか。超能力って魔法に分類されるのか。
「いいや、諦めちゃダメだ、私。だってこれが使えないと、二人の言っていることがわからないから。私は、もっともっとポットとカップと仲良くなりたい!」
リシェスはすぐ立ち直った。うん、その心意気はありがたいけど、別にリシェスの言葉は俺達が解るから、そんなに必死にならなくてもいいとは思うぞ。
「(まあ、リシェス。適度にがんばれ)エレッキュエレ」
「(リシェス、頑張れ、リシェス、頑張れ!)イモイモモー!」
「ええい、テレパシー!」
その後もリシェスは、うんともすんとも言わないテレパシーをやり続けた。
2分後。
「ダメだ、全然できないー」
リシェスはへたりこんだ。
「(リシェスはよくやった。ただ、ちょっと成果がでなかっただけだ)エレレッキュー」
「(おつかれ、リシェス!)イモイモー!」
俺とカップがなぐさめる。するとリシェスは、俺達の頭をなでた。
「ごめんね、ポット、カップー。本には、テレパシーが使えないとモンスターテイマーとして一人前にはなれない。って書いてあったけど、これじゃあ先行き不安だよー」
「(本や常識にとらわれるな。俺達は今までも上手くやってきただろ。言葉がわからなくても、思いは伝わる)エレッキュー、エレッキュー」
「(大丈夫。ボク、リシェスの言っていることわかるよ!)イモモ!」
「ううー。二人の言ってることがわからないー」
リシェスはおちこんだ。ふむ。今言葉をかけるのは逆効果だったか。
「でも、いつまでもおちこんでちゃいられない。努力しないと、結果はよくならないから、私、頑張る!」
けれど、すぐに復活した!
「よし、ポット、カップ。私次は、チェックを試すよ。これで、ポットやカップの体力や状態がわかるようになったら、適切なタイミングで回復魔法を使えるからね。私、頑張るよ!」
「(リシェス、その意気だ!)エレッキュ!」
「(頑張れ、頑張れリシェス!)イモ!」
どうやら次は、相手の状態を確かめるチェックという魔法を覚えたいらしい。頑張れリシェス。俺達はずっと目の前で応援しているぞ!
「よーし、ポットに、チェック!」
その後、リシェスはずっと俺達に、チェック、チェックと言い続けた。
3分後。
「ダメだー、全然できないー」
またしてもリシェスはしょげていた。
「(俺、魔法のことはよくわからないけど、そんなにすぐ使えるようになるわけじゃないだろ。まずは続けること。まだ習得への道は終わりじゃないぞ)エレエレッキュ、エレッキュ」
「(リシェスはなんで落ち込んでるの?)イモー?」
そう言って、俺もカップもリシェスに近づく。するとリシェスは、また俺達の頭をなでた。
「ありがとうポット、カップ。なぐさめてくれるの?」
「(まあそうだ。あんまり気落ちするな。顔はうつむいているより、前を向いている方が大体良いぞ)エレッキュー」
「(ボク、リシェスに触られるの大好き!)イモ!」
「うん、きっとなぐさめてくれてるのよね。わかったわ、二人共。私、諦めない。絶対二人に恥じないモンスターテイマーになるんだから!」
おお、リシェスのやる気が再燃した。頼もしいな、俺達の主人は。
「よし。皆、まずはお昼ごはんにしよう。そしたら午後は、一度依頼をこなそう。新魔法の練習の続きは、その後にする!」
「(おお、その意気だ!)エレッキュ!」
「(え、ごはん、わーい、やったー!)イモッモー!」
「さあ、ポット、カップ。夜ご飯の分も買いに、八百屋に行くよ!」
「(いいだろう)エレッキュー」
「(ごはん、ごはんー!)イモー!」
俺達は元気よく八百屋へと向かう。うん、リシェスにもカップにも、元気な姿が一番似合う。
昼ごはんを食べ終えたら、すぐに冒険者ギルドに行き、採取クエストを受けた。
手に入れるべきはファイト花8つ。行き先は北の森。こっちは結構強いモンスターが出るからな。気は抜けない。
と思っていると、ファイト花2つを手に入れた直後、青い亀のモンスターが現れた。ただし、今回の亀は初めて見る姿をしていて、甲羅にトゲトゲがついていた。
「(おっ、敵だ敵だー!)チクガー!」
「ポット、カップ、あれはチクガメ。気をつけて、あの甲羅のチクチクしたトゲはとんでくるわ!」
「(トゲがとんでくるとか、ロボットみたいだな!)エレッキュー!」
「(ポット、いつも通り、挟み撃ちでいくよ!)イモイモー!」
カップはすぐに敵の後ろへ回り込む。よし、俺も動くぞ。まずは鳴き声だ!
「(鳴き声!)エレキュー!」
「(へっ。なめてんのかてめえ、水射出!)チクガー!」
俺は敵の攻撃をくらってしまう。くっ、相変わらず速くてかわしにくい。しかも威力が今まで以上に高いぞ!
「ポット、小回復!」
リシェスから回復魔法をもらう。サンキュー、これがなかったら、逃げ出すことも考えなければならないくらい強力だった!
「(はあー、後ろアタックー!)イモモー!」
「(お前を見逃すわけねえだろ!)チクガー!」
カップの後ろアタックを、チクガメは振り返って腕をクロスさせ、ガードする。だがその隙、もらったー!
「(はああっ、エレキ射出!)エーレー、キュー!」
「(ぎゃー!)チクー!」
よし、後ろ姿に命中。効いてるぞ。このまま倒す!
「(お前らよくも、トゲミサイル!)チクガーガー!」
次の瞬間、チクガメの甲羅についているいくつものトゲが発射され、俺達全員を狙ってとんできた。
「(よっ、ほっ!)エレ、キュー!」
「(くらわないー!)イモー!」
俺とカップは、なんとかトゲミサイルを回避しきる。
「きゃー!」
けど、リシェスに向かったトゲミサイルは命中し、リシェスが傷ついてしまった!
当然、俺とカップは怒る。
「(この、よくもリシェスをやったなー!)エレッキュー!」
「(リシェスを傷つけちゃ、ダメー!)イモイモー!」
俺とカップが、同時にチクガメに突っ込む!
「(お前らなんかにやられるかー!)チクチクガー!」
チクガメはカップの方を見ている。なら、ここは俺がチャンスだ!
「(エレキアタックー!)エレー、キュー!」
「(たいあたりー!)イモー!」
「(ぎゃー!)ガー!」
チクガメはカップのたいあたりだけ防ぐが、俺のエレキアタックをもろに頭部に受ける。
ふらつくチクガメ。その隙、もらったー!
「(エレキ射出ー!)エレキュー!」
「(スタンプ、スタンプー!)イモー!」
「(ぎゃああー!)チクガー!」
俺のエレキ射出を受けた後、カップの二連続スタンプを脳天に受けるチクガメ。
それでチクガメは倒れ、目を回した。
「(も、もうダメー)チクガー」
よし、なんとか勝利した。
けど、それより。リシェスは無事か?
そして俺達の周囲には、円を形作るように群れる、大量のモンスター達。
俺はその光景を見て、ニヤリと不敵に笑った。
「さあ。パーティーを始めようじゃないか」
金髪、長身、筋骨隆々な男。ポット。
緑髪、細身、少女のような容姿をした少年、カップ。
金髪、杖を装備した、大人の女性リシェス。
俺達三人に向かって、周囲にいるモンスター達が全方位から殺到する。
「グアー!」
「ギシャアー!」
数の差は圧倒的。だが、俺達は無敵の三人組。
こんなことぐらいでは、負けはしない。そう、決して。
「エレキ射出」
俺が手を伸ばし、手の先から電気の球を発射する。
その電気の球は、一発だけではない。即座に二発、十発、百発と、まるでマシンガンのように発射され、それが一撃でモンスターを倒す。
「バリアー!」
更にリシェスが魔法を使えば、敵モンスター達はこれ以上こちらに近づけなくなった。
見えないバリアーで前方を防がれてしまったのだ。ただし、俺の攻撃と、そしてカップは、リシェスのバリアーをすり抜けられる。
「イーモイモイモイモ、イモー!」
カップが高速で走りながら、持っている剣でモンスターを斬り、倒しまくる。
「はあああああ!」
俺も、片手から両手へと攻撃手段を変え、一度に二発のエレキ射出を発射しながら、敵を掃討する。
こうして俺達は無双し、やがて敵を全滅させた。
すると今度は、俺達の前に巨人が一体現れる。
俺はその敵の顔を見上げ、更に笑った。
「ふっ。面白い。やってやろうじゃねえか。いくぞ、カップ、リシェス!」
「イモ!」
「ええ!」
俺達は一片の躊躇もなく、巨人に向かって走る。
「うおー!」
「イモー!」
「はあー!」
そして、そこで。
俺の目が覚めた。
「(ん)エレ」
目の前には、寝ているリシェス。他の皆も寝ているようだ。
「(あー)キュー」
俺は寝ぼけながらも、自分の手、いや、前足を見てみる。
そこには相変わらずの、黄色い前足。いや、今はまだ真夜中のようだから暗くてよく見えないけど、まず可愛らしい前足があるだろう。俺は今まで、何度もその前足を見てきたのだから、流石にわかる。
そう。俺は人ではない。エレキュウだ。今はモンスターだ。
「(あー。久しぶりの、人間の姿だったなあ)」
見ていた夢は憶えている。まあ、憶えていてもしょうがないが。
けど、夢の中でだとしても人だった状態は、気分が良かった。それ以上に俺達が強すぎていたけど、まあ夢だし別にいいだろう。少なくとも、悪い夢ではなかったな。
それにしても、人型のカップと、大人の女性、リシェスかあ。
「すう、すう」
カップはともかく、リシェスはこれ以上大人になるのかなあ?
まあ、どんなに成長してもリシェスはリシェスか。もっと成長してもいいから、まっすぐ育ってくれよ。
「(うん。それじゃあ、二度寝だな)エレ、エーレキュー」
ちょっと早く目が覚めすぎたな。もうちょっと眠ろう。
俺はゆっくりと、目を閉じるのだった。
朝は決まって皆一緒に目覚める。なんとなくずっと布団の中にいたくなるから、自然とそうなるんだよな。
「ねえ、ポット、カップ。私、今日は冒険者ギルドでモンスターテイマーの初級参考書を買って、新魔法を覚えたいの。その間、ポットとカップはヒマになっちゃうと思うんだけど、どうする、一緒にいてくれる? それとも、どこかで遊んでる?」
朝ごはんを食べた後すぐに、リシェスにそう言われた。
ほうほう、なるほど。モンスターテイマーの魔法か。そういえばリシェスは、モンスターテイマーになりたてで、テイマーらしい知識はあまり身につけられていないんだよな。今はお金もたくさんあるはずだから、確かにそういうことをするのがベストかもしれない。
となると俺も、少し試したいことがあるな。リシェスが本を読んでいる間に、実験できたらそれが良いか。
「(わかった。それじゃあリシェス。俺は今ちょっと試したいことがあるから、それを森で試してくる。カップも、俺に付き合ってくれるか?)エレキュウ、エレキュー?」
「(うん。ボク、ポットと森で試すー!)イモー!」
よし。カップもついてきてくれるようだ。じゃあ、早く森に行くか!
「(リシェス、すぐに帰ってくるから、心配するなよー!)エレキュレキュー!」
俺はまず、南の森へ向かう。あそこなら現れるモンスターもヨワイモくらいだし、安全なはずだ。
「(待ってーポットー!)イモー!」
「二人共ー、お昼ごはんには帰ってくるんだよー!」
「(わかったー!)エレキュー!」
俺はリシェスを見ずに返事をして、全力ダッシュを試みた。
「(おはようさん!)エレッキュ!」
「(おはようさん!)イモー!」
俺とカップは門番さんに挨拶して、すぐ再ダッシュする。
「ん、あれはたしか、冒険者のテイムモンスターか?」
門番さんにちゃんとアピールしておけば、帰ってくる時もスムーズだろう。テイムモンスターの証である、首輪もしているし、ちゃんと通してくれるはずだ。
でも、リシェスがいない時に村から森に行くのは初めてだ。ちょっとドキドキした。
それから少し走って村からちょっと離れたところで、俺達はようやく立ち止まる。
「(よし、ここら辺でいいか。カップ、試したいことがあるんだ。協力、頼むぞ)エレレキュー」
「(何、何やるの、大丈夫、任せて!)イモイモー!」
カップはやる気満々だ。俺はうなずいた。
「(よし。それじゃあまずは俺から離れて、俺の技の様子を見てくれ。俺の技、エレキ拡散は、あんまり使ったことがないから、技の性能を確認しておきたいんだ)エレッキュエレエレ、エッレッキュー」
「(わかった。離れる。そして見るー!)イモモー!」
カップはスイーッと俺から離れて、そして俺を睨みつける。よし、これで不注意でカップに当たることはないな。それではいざ、エレキ拡散だ!
「(はあーっ、エレキ拡散!)エッレッキュウー!」
バチバチバチッ!
俺の視界いっぱいに、上から黄色い電気の線がいくつも降り注いだ。その電気は俺の背中から放たれていて、俺を囲うドーム状に出現している気がする。
「(見たっ。ポットの新しい技、ちゃんと見たよ!)イモー!」
エレキ拡散が終わって消えてから、カップがそう言った。
「(ああ、俺もしっかり見た。どうやら、エレキ拡散は全方位に攻撃できるけど、そのかわり飛距離が驚く程短いみたいだな)」
「(きれいだった。でも、短い距離しか光ってなかったから、あんまり強そうじゃない!)イモー!」
「(確かに、エレキ射出よりも当てるのが難しそうだな。よし、もう一回やってみる。今度はなるべく遠くへとばすよう意識して使うから、カップ、もう一度、今度は注意しながらよく見ててくれ)エレエレエレッキュ」
「(わかった!)イモ!」
「(よし、エレキ拡散!)エーレーッキュー!」
もう一度エレキ拡散を行う。けど、最初のエレキ拡散と大して変わらないな。
「(うーん。やっぱりあんまり遠くまでは攻撃できないな)エレッキュウー」
「(もっと長く使えないの?)イモ?」
「(ああ。使えてー、三秒くらいかな。ううん、使いどころとしては、とっさの迎撃用って感じか。やっぱり、基本攻撃はエレキアタックかエレキ射出だな)エレー、エレエレッキュ」
「(でも、ポット凄い、電気凄い、光っててきれい!)イモモモー!」
「(そういえばカップは、遠距離攻撃技が無かったな。カップも何か、便利な技を覚えられればいいんだが)」
「(どうやったら覚えられるの?)イモ?」
「(レベルアップか、技の練習だな。技の練習も、何かイメージがあったらしやすいんだろうが。俺みたいなエレキ射出か、ミステリーフの木の葉旋風なんかのイメージで、何かできるようにならないか?)エレレレッキュー?」
「(エレキ射出、木の葉旋風。ボク、やってみたい、イメージしてみる!)イモモ、イモ、イモモー!」
「(あ、ああ。でもカップ、技の練習はほどほどにな。それで出来るようになるかどうかも、まだわかってないんだし)エレキュー」
「(んーっ、はあああ! んーっ、でろおー!)イーッモー! イーッモー!」
ああ、カップのやる気スイッチを押してしまった。成果が出なくて後で落ち込んだりしなければいいんだけど。
まあ、カップが真剣になってるから、今水はささないでおこう。それより俺も、もう一つの気になることを確かめておかなければ。
使う技は、たいあたりでいいか。よし、ちょっと体を動かすぞ。
「(よし、たいあたり、たいあたり!)エレッキュ、エレッキュー!」
三分後。
「(できない。飽きた!)イモ、イモ!」
カップが技の練習を終えた。
「(俺も、ちょっと休憩)エレッキュー」
俺の方も、実験は失敗に終わる。
「(ポットはたいあたりの練習をしてたの?)」
「(正確には、連続技の練習だ。ほら、昨日カタガメが連続で三回も水射出を使っただろ。あれを、俺もできないかと思ってな)」
立て続けに使われた攻撃技で、昨日ガナイは致命傷を負い、命を奪われた。
幸い、ガナイの蘇生はなんとかできたが、俺はあの時のカタガメの、連続攻撃ができないかと試していたのだ。
だが今のところ、俺の連続攻撃は上手くいっていない。たいあたりは全然連発できないし、エレキ射出も少し試してみた結果、見事な単発撃ちで終わってしまった。
カタガメが出来ていたから、きっと俺にも出来るはずだと思うんだが。俺とカタガメじゃ才能か何かの違いがあるのか?
種族の違い、属性の違い。あと思い浮かぶのは、レベルと変態後か変態前かの違いか。
「(連続技って、素早く技を二回使えばいいってこと?)イモー?」
「(ああ。これができれば、絶対に攻撃力が増すはずなんだが。俺じゃダメなのかなあ)エレエレエレッキュ」
「(ボクもやってみるー!)イッモモー!」
おお、再びやる気になったカップ。うん、カップが連続技を出来るようになるのも、ありだな。
「(それ、たいあたり、たいあたりー!)イモ、イモ、モー!」
カップが勢いよく移動すると、なんか予想以上に長い距離を素早く飛んでいった。
「(ポットー、ボクたいあたり連続でできたよー!)イモモイモー!」
「(え、カップ、本当か!)エレッキュー!」
驚く俺。俺は何回やってもできなかったのに。でも確かに今カップは、たいあたりを二連続でできていたような?
「(でもこれ、すごくつかれる。それに、二回使ったらその反動でちょっと動けなくなるよ)イモモ、イモモ、イモッモ」
「(なるほど。連続技にも、デメリットはあるんだな)エレレッキュー」
強いかわりに、弱点もあるってことか。それでも、連続技が強力であることに変わりはないが。
「(なあ、カップ。今度はスタンプを二連続でやってみてくれ)エレレッキュー」
「(わかった。スタンプ、スタンプ!)イモ、イモ、イモー!」
カップは元気よく、その場でスタンプを二回行った。おお、できてる。成功だ。
「(やったなカップ!)エッレッキュー!」
「(うん、ボク、うれしい!)イモモ、モー!」
こうしてカップは、完全に連続技を体得したのだった。
カップにできて、俺にできない、か。やっぱり、変態が関係しているのだろうか?
気を取り直す。
「(なあ、カップ。折角森まで来たんだし、たまには俺達で戦ってみないか?)エレキュー?」
「(へ、ポットと戦う?)イモ?」
このまま村に戻るのも、なんだかもったいない。これは良い機会だと思うんだが。
「(ポットとなんて、戦えないよ!)イモ、イモモ!」
「(そうか。たまにはこういうのも良いと思ったんだが。もちろんとことん全力でなんて思ってないぞ。そうだな、どちらかが先に一度でも攻撃をあてられたら、そいつの勝ち。ってのはどうだ。それくらいなら、軽く勝負できるんじゃないか?)エレッキュ、エレエレエレッキュ?」
「(先に一度でも攻撃をあてたら、勝ち。うん。それならやってもいいよ!)イモ!」
お、カップもやる気になったか。
「(やるか。よし、それじゃあやろう。先に言っておくが、俺が今回使う技は痺れエレキ、エレキ拡散、たいあたりだ。エレキ射出と痺れエレキは、似ているからな。まあダメージが無い技の方が良いだろう。それとも、俺だけ遠距離攻撃できるのはずるいか?)エレエレッキュ?」
「(ううん、それでいいよ。手加減されて勝っても、うれしくないから!)イモモー!」
「(お、言ったな。それじゃあ、十数えたらスタートだ。いくぞ。十、九、八、七、六、五、四、三、二、一。スタート!)エレッキュー!」
こうして、俺とカップの勝負が始まった。
「(うおおお!)イモー!」
カップは俺に向かって一直線に飛んでくる。ふふ、遠慮はいらないと言ったな、カップ。それじゃあお言葉通りいくぜ!
「(でえい、痺れエレキ!)エレッキュー!」
「(おおっとー!)イモオー!」
うおっ。カップのやつ、痺れエレキを紙一重で避けやがった!
「(飛んでくるとわかってたから、避けられる!)イモー!」
「(なるほど。じゃあ、来い。カップ!)エレ、エレキュー!」
「(うおー、スタンプー!)イモー!」
カップが下半身を前にして俺につっこんでくる。かなり速いが、俺だって来るとわかってる攻撃くらい避けてやる!
「(よおっと!)エレッキュ!」
ひらりと横へジャンプし、なんとかカップの攻撃をかわす。危ない、本当にギリギリだったぞ!
「(むう、次こそあてるー!)イモモー!」
カップはUターンして、すぐにまた迫ってくる。く、俺よりカップの方が速い。このまま攻められたら、いずれやられる!
そうなる前に、痺れエレキ、は、さっき避けられたからあ!
「(エレキ拡散!)エレッキュー!」
この電気の檻に、ぶつかれカップ。待ち受け作戦だ!
「(うおおっとー!)イモー!」
だがカップは、俺のエレキ拡散すらかわす。いや、今ちょっと端の方があたったけど、これは、どうだ。セーフか?
「(ポット、まだまだいくよ!)イモイモー!」
「(そうか。来るか。なら来い!)エレッキュー!」
「(後ろをとったから、後ろアタックー!)」
エレキ拡散が終わった瞬間、カップが再び迫るのを感じた。けど振り返る暇はないと感じて、一か八か横に跳びはねる。
しかし。
どーん!
「(うわあー!)エレー!」
俺はカップの攻撃を避けきれず、かなりのダメージを負ってしまった。
「(ポット、大丈夫?)イモー?」
ごろごろ地面を転がってから止まる俺を、カップが心配する。
俺は、右前足を一度上げてから立ち上がった。
「(ああ、大丈夫だ。結構効いたけどな。流石、カップだ。強いな)エレッキュー」
「(うん。でも、ポットも強かった!)イモー!」
「(ああ。もう少し引き付けてからエレキ拡散を使えていれば、勝ったのは俺の方だったかもしれない。とにかく、今回は完敗だ。強かったぞ、カップ)エレッキュ、エレッキュ」
「(うん。レベルも上がったし、良かった!)イモー!」
そうか。レベルも上がったか。なら良かった。
ん、レベルが上がった?
「(カップ、本当にレベルが上がったのか?」エレッキュ?」
「(うん。今一上がったよ。今16レベル)イモ」
え、え?
「(じゃ、じゃあ、経験値って、敵を倒さなくても上がるの?)エレレッキュー?」
「(うん。上がるよ。あれ、ポット、知らなかったの?)イモ?」
知りませんでした。ああ、そういえば最初の頃アオガメを見逃した時も、確かに殺さなくてもレベルは上がっていたけど、でもあれは完全に戦闘不能にしてたしなあ。対して今の軽い戦闘は、ただ一撃いいのがあっただけ。経験値って、本当はそれだけでも手に入るものなのか。
これは、貴重な情報だ。ぜひ有効活用しなければ。
「(な、なあ、カップ)エレッキュ」
「(ん、何ポット?)イモモ?」
「(これから毎日、二人で戦おうぜ)エレッキュー」
「(うん、いいよ。次も勝つ!)イモモイモ!」
というわけで。今日から、敵と会わずに経験値を上げていこう。
それはきっと、とても安全で安心な道だ。
「(ボクは逃げている内にレベルが上がっていったんだ)イモイモモモー」
「(なんだって。逃げるだけで経験値が手に入るのか!)エレッキュ!」
「(うん。でも、戦って勝った方が、レベルが上がるのは早いよ。それで、ボクが勝てたのは全部ポット達のおかげだから、ボク、ポット達と出会えてよかった!)」
「(ああ。それは俺もだ。俺も、もう何度もカップに助けてもらったからな。カップとの出会いに感謝だ)エレッキュエレエレッキュ」
カップと話をしながら、リシェスの家へ帰る。すると、リシェスはもう先に帰っていた。何やらそれなりに分厚い本を、真剣に読んでいる。
「ううーん。チェックは、相手のことを知ろうとする気持ちが大事。相手によりそうというよりは、相手の状態、具合を確認するように意識すること、かあ」
「(ただいまー)エレッキュー」
「(ただいまー)イモッモー」
「あ、お帰りーポット、カップ。どこに行ってたのー?」
リシェスが俺達に気づくと、本を置いて近づいて来た。
「(ちょっと戦いの訓練をしてた)エレッキュー」
「(リシェス、ボク、ポットに勝ったんだよ!)イモイモー!」
「あ、ちょっと待ってね、二人共。これから、新しい魔法を試すから。これが使えた方が、ずっとずっと皆と仲良くなれるからね。絶対習得するよ!」
そう言うとリシェスは、両手を俺達に向けて、何やらやる気になった。
「魔法、テレパシー!」
しーん。
「テレパシー、できたかな?」
「(いや、どうだろう?)エレッキュ」
「(テレパシーって何?)イモイモー?」
「(要するに、話ができる魔法ってやつだ)エレレレッキュ」
「(え、それすごーい!)イモー!」
「(でもカップ、俺達の間での話は、もう出来てるぞ。まあ、リシェスだけは俺達の言葉が通じないみたいだが)エレキュー」
「わあーん、全然二人の言ってることがわからないよー!」
リシェスは勝手にガックリ肩をおとした。ふむ、テレパシーか。確かにそれが使えたら便利だな。
ていうかテレパシーって魔法だったのか。超能力って魔法に分類されるのか。
「いいや、諦めちゃダメだ、私。だってこれが使えないと、二人の言っていることがわからないから。私は、もっともっとポットとカップと仲良くなりたい!」
リシェスはすぐ立ち直った。うん、その心意気はありがたいけど、別にリシェスの言葉は俺達が解るから、そんなに必死にならなくてもいいとは思うぞ。
「(まあ、リシェス。適度にがんばれ)エレッキュエレ」
「(リシェス、頑張れ、リシェス、頑張れ!)イモイモモー!」
「ええい、テレパシー!」
その後もリシェスは、うんともすんとも言わないテレパシーをやり続けた。
2分後。
「ダメだ、全然できないー」
リシェスはへたりこんだ。
「(リシェスはよくやった。ただ、ちょっと成果がでなかっただけだ)エレレッキュー」
「(おつかれ、リシェス!)イモイモー!」
俺とカップがなぐさめる。するとリシェスは、俺達の頭をなでた。
「ごめんね、ポット、カップー。本には、テレパシーが使えないとモンスターテイマーとして一人前にはなれない。って書いてあったけど、これじゃあ先行き不安だよー」
「(本や常識にとらわれるな。俺達は今までも上手くやってきただろ。言葉がわからなくても、思いは伝わる)エレッキュー、エレッキュー」
「(大丈夫。ボク、リシェスの言っていることわかるよ!)イモモ!」
「ううー。二人の言ってることがわからないー」
リシェスはおちこんだ。ふむ。今言葉をかけるのは逆効果だったか。
「でも、いつまでもおちこんでちゃいられない。努力しないと、結果はよくならないから、私、頑張る!」
けれど、すぐに復活した!
「よし、ポット、カップ。私次は、チェックを試すよ。これで、ポットやカップの体力や状態がわかるようになったら、適切なタイミングで回復魔法を使えるからね。私、頑張るよ!」
「(リシェス、その意気だ!)エレッキュ!」
「(頑張れ、頑張れリシェス!)イモ!」
どうやら次は、相手の状態を確かめるチェックという魔法を覚えたいらしい。頑張れリシェス。俺達はずっと目の前で応援しているぞ!
「よーし、ポットに、チェック!」
その後、リシェスはずっと俺達に、チェック、チェックと言い続けた。
3分後。
「ダメだー、全然できないー」
またしてもリシェスはしょげていた。
「(俺、魔法のことはよくわからないけど、そんなにすぐ使えるようになるわけじゃないだろ。まずは続けること。まだ習得への道は終わりじゃないぞ)エレエレッキュ、エレッキュ」
「(リシェスはなんで落ち込んでるの?)イモー?」
そう言って、俺もカップもリシェスに近づく。するとリシェスは、また俺達の頭をなでた。
「ありがとうポット、カップ。なぐさめてくれるの?」
「(まあそうだ。あんまり気落ちするな。顔はうつむいているより、前を向いている方が大体良いぞ)エレッキュー」
「(ボク、リシェスに触られるの大好き!)イモ!」
「うん、きっとなぐさめてくれてるのよね。わかったわ、二人共。私、諦めない。絶対二人に恥じないモンスターテイマーになるんだから!」
おお、リシェスのやる気が再燃した。頼もしいな、俺達の主人は。
「よし。皆、まずはお昼ごはんにしよう。そしたら午後は、一度依頼をこなそう。新魔法の練習の続きは、その後にする!」
「(おお、その意気だ!)エレッキュ!」
「(え、ごはん、わーい、やったー!)イモッモー!」
「さあ、ポット、カップ。夜ご飯の分も買いに、八百屋に行くよ!」
「(いいだろう)エレッキュー」
「(ごはん、ごはんー!)イモー!」
俺達は元気よく八百屋へと向かう。うん、リシェスにもカップにも、元気な姿が一番似合う。
昼ごはんを食べ終えたら、すぐに冒険者ギルドに行き、採取クエストを受けた。
手に入れるべきはファイト花8つ。行き先は北の森。こっちは結構強いモンスターが出るからな。気は抜けない。
と思っていると、ファイト花2つを手に入れた直後、青い亀のモンスターが現れた。ただし、今回の亀は初めて見る姿をしていて、甲羅にトゲトゲがついていた。
「(おっ、敵だ敵だー!)チクガー!」
「ポット、カップ、あれはチクガメ。気をつけて、あの甲羅のチクチクしたトゲはとんでくるわ!」
「(トゲがとんでくるとか、ロボットみたいだな!)エレッキュー!」
「(ポット、いつも通り、挟み撃ちでいくよ!)イモイモー!」
カップはすぐに敵の後ろへ回り込む。よし、俺も動くぞ。まずは鳴き声だ!
「(鳴き声!)エレキュー!」
「(へっ。なめてんのかてめえ、水射出!)チクガー!」
俺は敵の攻撃をくらってしまう。くっ、相変わらず速くてかわしにくい。しかも威力が今まで以上に高いぞ!
「ポット、小回復!」
リシェスから回復魔法をもらう。サンキュー、これがなかったら、逃げ出すことも考えなければならないくらい強力だった!
「(はあー、後ろアタックー!)イモモー!」
「(お前を見逃すわけねえだろ!)チクガー!」
カップの後ろアタックを、チクガメは振り返って腕をクロスさせ、ガードする。だがその隙、もらったー!
「(はああっ、エレキ射出!)エーレー、キュー!」
「(ぎゃー!)チクー!」
よし、後ろ姿に命中。効いてるぞ。このまま倒す!
「(お前らよくも、トゲミサイル!)チクガーガー!」
次の瞬間、チクガメの甲羅についているいくつものトゲが発射され、俺達全員を狙ってとんできた。
「(よっ、ほっ!)エレ、キュー!」
「(くらわないー!)イモー!」
俺とカップは、なんとかトゲミサイルを回避しきる。
「きゃー!」
けど、リシェスに向かったトゲミサイルは命中し、リシェスが傷ついてしまった!
当然、俺とカップは怒る。
「(この、よくもリシェスをやったなー!)エレッキュー!」
「(リシェスを傷つけちゃ、ダメー!)イモイモー!」
俺とカップが、同時にチクガメに突っ込む!
「(お前らなんかにやられるかー!)チクチクガー!」
チクガメはカップの方を見ている。なら、ここは俺がチャンスだ!
「(エレキアタックー!)エレー、キュー!」
「(たいあたりー!)イモー!」
「(ぎゃー!)ガー!」
チクガメはカップのたいあたりだけ防ぐが、俺のエレキアタックをもろに頭部に受ける。
ふらつくチクガメ。その隙、もらったー!
「(エレキ射出ー!)エレキュー!」
「(スタンプ、スタンプー!)イモー!」
「(ぎゃああー!)チクガー!」
俺のエレキ射出を受けた後、カップの二連続スタンプを脳天に受けるチクガメ。
それでチクガメは倒れ、目を回した。
「(も、もうダメー)チクガー」
よし、なんとか勝利した。
けど、それより。リシェスは無事か?
0
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この度ついに完結しました。
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途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
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