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10俺達はこれから、一緒に生きるんだ
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「やった。チクガメを倒した。ナイス、二人共!」
良かった。リシェスが元気よくこちらへと走り寄る。そして更にカップは、ここで虹色の光に包まれて、次の瞬間、青白い色をした芋の姿に生まれ変わった。しかもカップの背中には、純白の翼がある。
これはまさか、変態か?
「(ボク、変わった。強くなった!)イモ!」
「凄い、初めて見る。きれい。きっと、速度特化第二変態、ハヤイモだ」
リシェスがカップを見て言う。へえ。今のカップの姿はハヤイモって言うのか。確かに翼がある分、速そうだ。
それに、青白い芋天使となったカップには、艶がある。ある種の芸術性があるような気もするので、カップがきれいになったと感じるのは俺も同じだ。
ていうか、カップはもう二回も変態して、一方俺はまだなのか。まさか、俺だけ変態しないモンスターなのか?
まあ何はともあれ、めでたいことに変わりはないか!
「カップ。変態、おめでとう!」
「(よくやったな、カップ!)エレーキュー!」
リシェスがカップを抱き寄せる。俺もカップに近づく。するとカップは、喜んだ。
「(リシェス、ポット。ボク、これからもっと活躍するよ!)イモイモモ!」
「えへへ。くうー、こんな時テレパシーが使えればなあ」
「(カップ、形はあまり変わらないけど、随分変わったな。前よりも強く見えるぞ)エレッキュー」
「(やったあ!)イモー!」
その後、ひとしきり勝利とカップの変態を喜んだリシェスは、相変わらず倒したチクガメにナイフを入れて、サクッと息の根を止めたのだった。そして、バッグ魔法で死体を収納。
「ポット、カップ。昨日倒したカタガメは、青タートルが防御特化変態した姿だったけど、今回のチクガメは攻撃特化変態をとげた姿だったの。とにかく、倒せて良かった」
「(そうだったのか。ともかく、この前みたいに毒を使われなくて良かったぜ)エッレッキュー」
毒をくらうのは、とっても嫌だからな。そう考えると、いつもの正攻法でくる敵達がある程度楽に感じられる。
「(ボク達なら、またこいつが現れてもちゃんと倒せるよ!)イモモー!」
「(ああ、そうだな)エッレッキュー」
「さあ、それじゃあポット、カップ。続けてファイト花を探そう!」
「(おー!)エレキュー!」
「(おー!)イモー!」
カップが進化して皆のテンションが上がったまま、ファイト花の採取に戻る。
「(ガオー!)ガオー!」
更に森を歩いていると、一体のクマザルとも出くわした。だがしかし、クマザルとの戦いは今に始まったことではないので危険は少なく、加えて変態直後のカップが大活躍した。
「(激突ー!)イモー!」
「(うわー!)ガオー!」
カップが新技でクマザルに大ダメージを負わせ、その隙をついて俺がエレキアタックを決める。それでクマザルは倒れた。
俺達は、もうクマザルを難なく倒せる程にまで成長したのだ。ひょっとしたら、一対一でも倒せるかもしれない。
更に、ここで俺がレベルアップ。18レベルだ。ちょっとうれしい。
そんなこんなで、俺達は順調に、ファイト花を6つまで集める。残り2つ、頑張って探そう。
ちょっと残りのファイト花が見つけづらいので、結構奥の方まで行ってみる。
するとそこで、初めて見るモンスターと出会った。数は一体。
空中に、一本の剣が浮いていた。しかも刃には、目と口がついていた。全身傷だらけで、見るからに危険な雰囲気だ。
「(敵、へへ、新しい敵だー!)フユーバー!」
しかも、俺達を見た途端、やけに元気な声を出してきた!
「二人共、あれはフユーバ。金属性のモンスターよ。物理攻撃は効きづらいけど、電気属性も効かないから気をつけて!」
アドバイスサンキューリシェス。電気攻撃が効かないなら、俺はたいあたりだけで攻めるしかない。けど、敵は手負いっぽいし、やってやる!
「(まずは鳴き声!)エレキュー!」
「(後ろに回り込むー!)イモイモー!」
俺達が動くと、敵、フユーバはカップに目をつけた。
「(斬撃!)フユーバ!」
「(おおっと!)イモ!」
カップはかろうじて敵の攻撃をかわす。間一髪だったけど、どうやら相手よりもカップの方が速いようだ。
「(激突ー!)イモオー!」
カップはお返しとばかりに反撃する。しかしフユーバはそれに、クルリと刃の先を向けるだけで対応した。
「危ないカップ!」
「(カップ、よけろー!)エレキュー!」
俺とリシェスが叫ぶ。それでカップはギリギリのところで、進行方向を変更する。
しかし、カップはフユーバを避けきれなかった。
カップの体とフユーバの先がぶつかって、カップの体が大きな傷を負う。やっぱり、包丁でイモを切るように、サックリ切れたぞ!
「(ぎゃー!)イモー!」
「(ちっ、しとめきれなかったか)フユーバ」
「(くそ、たいあたりー!)エレキュー!」
俺はフユーバの持ち手部分に向かって、たいあたりする。相手がカップに集中していた今を、逃す手はない!
すると、俺のたいあたりは命中し、フユーバが少しばかりふっとんだ!
「(ぐうう、忘れてたぜ。敵は一体じゃなかったな)フユーバッバ」
「カップ、小回復!」
「(ありがとうリシェス。大分痛くなくなった!)イモオー!」
俺はフユーバを注意しつつ、カップの様子を見た。すると、カップの傷は大分回復していた。流石リシェスだ。頼りになる。
「(何。あいつ、傷を治せるのか。厄介な)フユーバ」
ここで、フユーバがリシェスにも目をつけた。これはまずい。リシェスがケガをしたら大変だ!
「(カップ、敵がリシェスに近づこうとしたら、全力で止めるぞ!)エレキュ、エッレキュ!」
「(うん、わかった!)イモ!」
「(でも、敵の刃の部分には、十分注意しろよ!)エレッキュー!」
「(もう絶対気をつけるー!)」
俺は右から、カップは左から回り込む。
そんな俺達を交互に見たフユーバは、すぐに俺へと狙いを定めた。
「(ええい、まずは黄色いやつからだー!)フユーバー!」
「(来るなら来い!)エレキュー!」
「(斬撃!)フユーバー!」
フユーバが俺に突撃してきた。ならば俺は、回避に専念!
「(おらあ!)レッキュー!」
よし、なんとか回避に成功したぞ!
するとフユーバは、そのまま俺の横を通り越した。
「(ふん。もう二体以上の相手とは、何度も戦って倒してきたんだよ。だから、こうすれば勝てる!)フユーバババババー!」
フユーバが再び俺の方を向く。ん、ちょっと待て。今俺とカップは、どっちもフユーバに睨まれてないか?
「(十の針!)フユウーバッ!」
次の瞬間、フユーバが自身を一振りすると、その刃から光の針をいくつもとばしてきた。あれ、十もあるのか。避けきれるか自信がない!
「(く、うわあー!)エレキュー!」
「(い、痛いー!)イモー!」
「ポット、カップー!」
少しはかわしたが、いくつかの針に当たってしまった。これはなかなかのダメージだ。
だが、重傷ではない。それも、敵の攻撃が俺とカップ、二方向に分かれていたからだ。
しかし、これでまた位置関係は元に戻った。しかもこちらはダメージを負っている。これは、相手の方が有利か?
「(ふははーっ、お前達は俺に、負けるんだよー!)フユーバーン!」
相手は既に勝ち誇っている。
オーケー。なら、その余裕俺が砕いてやる!
「(どうしようポット。また挟み撃ちをしても、同じように動かれたら、こっちが危ないよ!)イモイモ、イモー!」
「(カップ。ここは俺に任せろ。俺が相手の隙を作る。カップはそこを突く準備をしていてくれ)エレッキュ、エレッキュ」
「(うん、わかった!)イモモ!」
頼りになる仲間だ。ならここは、俺が勝利への道を切り開く!
「(どうしたお前ら。もう打つ手なしか?)フユーバー?」
「(フユーバ。俺が奥の手を見せてやる。耐えられるものなら、耐えてみろ!)エレッキュー!」
俺はそう言って、フユーバに突っ込んだ。
「(うおー!)レキュー!」
「(ふんっ。真正面から来るだけなら、楽に返り討ちにできるぜ)フユーバ」
フユーバは俺に刃の先を向ける。確かに、前が刃になっているフユーバに正面からの攻撃は危険だ。だから、ここは敵の近くを通り過ぎる!
「(うおおー!)エレキュー!」
「(なんだ、結局何もしねえのか?)フユーバ?」
よし、ここだ!
「(くらえ、エレキ射出ー!)エーレー、キュー!」
全力でエレキ射出を、相手にぶつける!
「(ふん。こんなの全然効かないぜ)フユーバ」
フユーバは余裕そうだ。それはそうだろう。フユーバには電気攻撃が効かないって、リシェスから説明を受けたばかりだからな。
だから、俺の目的は、一瞬でも長く俺に注意を向けさせることだ!
「(うおーっ、たいあたりー!)エレキュー!」
「(ふん。だからそんなの、簡単に返り討ちに)フユーバ」
「(後ろアタックー!)イモー!」
この隙に、カップが高速で相手との距離を詰め、攻撃を当ててくれる!
「(な、何ー!)フユバー!」
作戦通り、フユーバはカップにやられてふきとんだ。
「(し、しまった。黄色いのに意識をとられていて、その隙に白いのを見逃し)フユーバ」
「(連続、後ろアタックー!)イモー!」
「(うわー!)バー!」
決まった、カップの連続攻撃だ!
けど、カップは連続攻撃をした後、自分に隙ができると言っていた。ならここは、俺が更に追撃してフユーバにダメージを与えるべきだ。
というか、これで倒れてくれ、フユーバ。頼む!
「(たいあたりー!)エレキュー!」
全力ダッシュで、フユーバに迫る。次の瞬間。
「(ここまで、か)フユー、バ」
フユーバは、目を閉じて、眠るように動かなくなった。
「!」
俺は慌ててジャンプ。フユーバの上をとびこえる。
「(ポット、今がチャンスだよ。倒さないと!)イモ、イモモモ!」
カップがそう言うが、俺にはその気が起きなかった。
いや、正確には、フユーバの動きを見て戸惑ったというべきか。
「(なぜ、とどめをささない?)フユーバ?」
フユーバが目を開けて、俺に訊いた。
だから俺は、答えた。
「(それは、お前が戦いをやめたからだ)エレッキュエレーキュー」
「(何言ってんだ? 戦いは、どちらかが勝って、どちらかが負けたやつにとどめをさす。そういうものだ。なぜ決着をつけない必要がある? 早く俺を殺すといい)フユーバ、フユーバッバ」
「(だったら、どうしてお前は今目をつぶったんだ。自分が負けるってわかったからか? ふざけんな。俺は絶対あきらめたりしないぞ。今まで戦ったやつらだってそうだった。最後まであがいて、限界まで力を振り絞って、最後まで敵に牙をむく。俺が経験してきた戦いっていうのは、全部そういうものだった)エレッキュ、エレエーキュ、エレッキュッキュ」
だから。ふと俺は、思ってしまったんだ。戦いの途中で戦いをやめたこいつは。ひょっとしたら戦いなんて求めてなかったんじゃないのかって、そんなことを。
それは俺の気の迷いかもしれないけど、それを確かめるため、言葉をかける。
「(お前も、生きて、戦って、今まで生き続けてきたのなら、ここで止まるなよ。諦めるなよ。生きるか死ぬかの土壇場で立ち止まるようなやつを、俺は倒せない!)エレキュ、エレッキュ、エレキュー!」
「(生きるって、なんだ?)フユーバ?」
フユーバのその問いに、俺は真剣に、叫ぶように答える。
「(生きるっていうのはっ、喜んだり、悲しんだり、幸せになったり、つまづいたりしながら、それでも進み続け、自分が生まれた意味を、感じ続けることだ!)エレッキュ、エレエレエレッキュ、キュー!」
しかしフユーバは、体を横に振る。
「(そんなの、俺は知らない。俺はただ、戦い続けるだけだ。戦って、敵を倒して、そのくり返し。それができなくなった時が、俺の終わりだ。つまり俺は、敵にやられて、お前達にやられて、終わるんだ)フユーバ、フユフユ、フユーバ」
「(それは違う。誰もがそうやって死ぬ必要はない。俺達は違う道を知っている。お前はまだそれを、知らないだけだ!)エレッキュー!」
俺とフユーバの目が合う。
今なら、彼とも心を通わせられるかもしれない。そう思った。
「(フユーバ、一緒にこないか? 俺達と共に、喜んだり、悲しんだり、頑張ったり、そんな、戦い以外のことをしてみないか?)エレッキュ、エレキュー?」
「(俺は、俺は)フユ、フユーバ」
フユーバは一度目を瞑った後、もう一度俺を見て、言った。
「(俺は、戦うことしか知らない。けどお前達は、それ以外のことを知っているのか?)フユーバ?」
「(ああ。そうだとも。そしてそれは、戦いなんかよりもずっと素晴らしいものだ。一人じゃないから、得られるものだ。フユーバ。これから俺達と一緒にきて、一緒に生きないか。仲間として)エレッキュー」
そう訊ねると、フユーバは黙った。
そこで、カップが言った。
「(ボクは、ポットもリシェスも、大切だ。大切な仲間だ。フユーバ、お前はポットも、リシェスも、そしてボクも、大切にできるか!)イモーイモ、イモモ!」
カップ。
お前も、フユーバを受け入れようとしてくれるのか?
ありがとう。お前が仲間で良かった。
「(俺は、俺は)フユーバ」
フユーバが動き出し、俺を見る。
「(俺に勝ったのはお前達だ。そんなお前達が言うんだから、お前達の言っていることは正しいんだろう)フユーバ、フユーバ」
「(フユーバ)エレキュー」
「(俺は、勝ったやつに従う。好きなようにしてくれ)フユーバ」
「(ああ、わかった。それじゃあこれから、フユーバは俺達の仲間だ。これから、一緒についてきてくれ)エレッキュ」
「(ああ、わかった)フユーバ」
フユーバがうなずく。こうして、フユーバが仲間になった。
「フユーバ。あなた、ポットやカップと、打ち解けたの?」
リシェスがおそるおそるといった感じで、こちらに近づいて来た。
「(そういうお前は、誰だ?)フユーバ?」
「(フユーバ。彼女はリシェス。人間で、俺達の仲間、モンスターテイマーだ)エレキュー」
「(モンスター、テイマー)フユーバ」
フユーバがリシェスを見る。リシェスもフユーバを見た。
「(リシェス。今からフユーバは、俺達の仲間だ!)エレッキュ!」
「(仲間、増えた。強いし、頼もしい!)イモモ!」
「ポット、カップ。そう、このフユーバも、悪い子じゃないのね。わかったわ。あなた達が認めたのなら、私も認める。フユーバ。一緒に来て。今日から私達は、仲間よ」
良かった。リシェスもフユーバを認めてくれた。
「(お前達が、仲間)フユーバ」
「さあ、フユーバ。まずはそのケガを治してあげる。小回復」
リシェスが何度か魔法をかけると、フユーバのケガはきれいさっぱり無くなった。
「(もう、体が痛くない。これが、リシェスの力)フユーバ」
フユーバもリシェスの力に驚いているようだ。
「(フユーバ。俺達はこれから、一緒に生きるんだ)エレキュー」
「(一緒にがんばろうね、フユーバ!)イモモー!」
「(一緒に、生きる。頑張る。俺は、それをやる!)フユー、バババババー!」
フユーバが空中でクルリと回った。凄く頼もしいぞ、フユーバ!
「ポットも、カップも。小回復、小回復」
ここで俺達のダメージも、完全回復する。ありがとう、リシェス。やっぱり傷が治せる仲間がいると心強いな。
「(リシェス、凄いな)フユーバ」
「(うん。リシェスは凄い!)イモー!」
「これでよし。けど、困ったなあ。私まだ、テイムモンスターを二人までしか従えられないんだけど。三人目は、ギルドでダメって言われるかも」
「(えっ)エレッ」
ん、あ、そうだ。なんかギルドの教官から、そんなことを言われてた気がする。
「(そういえば、テイムモンスターを三人にするには、ランク2モンスターテイマー試験を受ける必要があるんだったか)エレ、エレッキュー」
「(な、なんだってー!)イモー!」
「(ん。俺達四人だろ。三人じゃないぜ)フユーバッバ」
フユーバは今まで野良モンスターだったもんな。人間との違いがあまりわからなくても仕方ない。
「(フユーバ。リシェスは人間なんだ。そして俺達モンスターを従える、つまりテイムモンスターを仲間にするから、モンスターテイマーと呼ばれている。でも、テイムモンスターを三人にする試験を、リシェスはまだ突破してないんだ。だから、少なくとも今は、フユーバをリシェスの仲間にはできないってわけだ)エレッキュッキュ」
「(な、なんだってーっ、ガガーン!)フユーバー!」
フユーバはショックを受けてしまった。
「(それじゃあ俺は、仲間じゃないのか)フユーバ」
「き、気にしないで、フユーバ。大丈夫。私、すぐにランクアップ試験を受けるから!」
ショックを受けているフユーバに、リシェスが力強く言った。
「それまで、えーと。スフィンにお世話になってて。私が2ランクになったら、すぐ仲間として迎えに来るから。だから、お願い!」
リシェスはフユーバに拝んだ。
そうか。リシェスがテイムモンスターを増やせないなら、スフィンに頼めばいいのか。考えたな。
「(スフィンって誰だ?)フユーバ?」
「(リシェスの仲間だ。元仲間だけど、今も仲間だ)エレッキュー」
「(その仲間と一緒だったら、俺はお前達とは一緒にいられないんじゃないのか?)フユーバ?」
「(そ、そうかも!)イモ!」
「(でも今の場合だと、どうしてもスフィンにお世話にならないといけないんだ。だから、どうだフユーバ。しばらくの間、スフィンのテイムモンスターになってくれるか?)エレッキュ、エレキュー?」
「(わかった。それが必要なら、俺はそうする)フユーバ」
フユーバがうなずいてくれた。
「(だってよ、リシェス。ひとまず、スフィンを頼ろう!)エレッキュー!」
「(頼ろう!)イモ!」
俺達の反応を見て、リシェスは笑顔になった。
「フユーバ、納得してくれるの、ありがとう。そうだ。後は、フユーバの名前を決めないと」
リシェスとフユーバが、見つめ合う。
「あなたの名前は、トルクヤ。今日からよろしくね、トルクヤ」
「(ん?)ユ?」
トルクヤかあ。食器、じゃないな。
リシェスのネーミングセンスは、はっきり言って不明だ。でも、そう悪い名前じゃない気がする。トルクヤ。
こうしてトルクヤは、俺達の仲間になった。
ファイト花の採取も無事に終え、俺達は村に戻る。
そして村の入り口で、見張りの人に驚かれた。
「うおっ。フユーバか。とても危険なモンスターだが、大人しい?」
「はい。この子はトルクヤです。私の、三人目の仲間なんです!」
「(こいつは、仲間なのか?)フユーバ?」
「(トルクヤ。彼はこの村の見張りだ。ここで敵が来ないか見張ってくれているんだ。敵じゃないから、安心していいぞ)エレキュー」
「(見張り。ここから先は、こいつの縄張りなのか)フユーバ」
「(ちょっと違うな。人間達皆の縄張りだ。ここから先には、人間がいっぱいいるぞ。くれぐれも、敵と勘違いしないようにな)エレッキュー」
「(ごはんをくれる人もいるから、絶対攻撃しないでね!)イモ!」
「(ああ、わかった。ごはん。くれる人なんているのか)フユーバ」
「(フユーバは、今までごはんはどうしていたんだ?)エレッキュー?」
「(倒したやつを食べていた)フユーバ」
俺達はにぎやかに話しながら、トルクヤに村を案内した。
そして、ファイト花を納品し終えたリシェスは、次に今まで行かなかった方向へと歩いて行く。
やがてたどり着いた一軒の建物は、ギルドよりは小さいが、民家よりは大きいところだった。
「スフィン。力になってくれたらいいんだけど。外にいるかな?」
リシェスはそう言って、建物の裏へ行く。
するとその先には柵があり、かなりの大きさの広場と、いくつかの大きな岩。そして岩の近くで精神を集中しているスフィンの姿があった。
「はあああっ、ファイアボール!」
スフィンは呪文を唱えるが、上手くいっていない。どうやら魔法の練習中だったようだ。
「スフィーン、ちょっといいー?」
リシェスが柵の外から声をかける。するとスフィンはこちらに気づいて、近づいて来た。
「もう、恥ずかしいところを見せちゃったわね。ようこそ、魔法ギルドへ。どうしたの、リシェス?」
そうか、ここは魔法ギルドだったのか。道理で建物がなかなか大きいわけだ。
「うん。それなんだけど、でもその前に、どうしたの、スフィン。ファイアボールはもう覚えている魔法じゃなかったっけ?」
「今、空気中にある魔力を使って、魔法を行使しようと訓練していたのよ。私は魔力切れ状態の戦闘力の低下がトラウマだから、自身の魔力に頼らない戦い方を身につけようとしていたの」
「凄いスフィン。そんなことができたら一流じゃない!」
「できたらね。今のところ、成功したことは一度もない。これじゃあ冒険に出るのは当分先ね」
「あ、そのことなんだけどさ、スフィン。実はお願いしたいことがあるの。まずは話を聞いてほしいな?」
「その話っていうのは、ひょっとしてその新しいテイムモンスター絡み?」
スフィンがトルクヤを見る。
「(こいつも仲間、なのか?)フユーバ?」
「(ああ。彼女がスフィン。リシェスのかつての仲間だ。今も仲間みたいなものだ)エレキュウ」
「えへへ、あたり。スフィン、よくわかったね」
「まさか、あたっちゃうとはね。見たところフユーバみたいだけど、この存在自体が凶器のモンスターを手なずけるとは。リシェスったら、いつの間にか凄くなったわね」
「ううん、凄いのは私じゃなくてポット達だよ。このトルクヤが仲間になる時だって、私はただ、見てるだけだったんだから。それでさ、スフィン。実は、なりたてのモンスターテイマーはテイムモンスターを二人までしか所有できないの。だから、トルクヤは今私のテイムモンスターにできないんだけど。かわりに、スフィンがトルクヤのモンスターテイマーになってくれないかな?」
「私が、フユーバのモンスターテイマーに?」
「(それで、いいのか?)フユーバ?」
ここで、リシェスがスフィンに手を合わせて拝んだ。
「お願い、私が2ランクに上がるまででいいから。できるだけすぐに、ランクアップ試験を受けるために、大きな町まで行くから。だからそれまで、私のかわりにトルクヤの面倒を見てほしいの!」
「(俺からも頼む、スフィン!)エレッキュー!」
「(ポットも頼むなら、ボクもー!)イモー!」
俺とカップも、リシェスと一緒に真剣に頼む。スフィンはどこか困惑げな表情だけど、どうだ?
「ね、お願い。スフィン。私達を助けると思って、同意して?」
このリシェスの言葉に、スフィンは。
「そうねえ」
悩んだ。
ちょっとドキドキする。ここで断られたら、トルクヤをどうするべきかわからない。まだテイムモンスターではないトルクヤは、きっとただのモンスター扱いになってしまうだろうから。それはいずれ、問題になりかねない。
「(俺は、こいつといなきゃならないのか?)フユーバ?」
「(そう。それで、いいんだよね?)イモ?」
「(何、今のところだけだ。ちゃんとトルクヤを迎える準備ができたら、すぐに正式な俺達のパーティに加えられる。それまでの間、スフィンに身元保証人になってもらおうってだけだ。もう俺達は、仲間だからな)エレキュー、エッレキューエレキュー」
「(ふうん、難しいな)フユーバ」
よし、フユーバは大丈夫そうだ。
後はスフィンの方だけど。
「お、お願いスフィン。報酬が欲しかったら、少しは出せるから」
「報酬か。いいわね」
お、スフィンがお金で動いた!
「そういうことなら、引き受けてあげるわ。ただし、その報酬はただの金銭じゃない。私も一緒に町まで、つれていってほしいの」
「え?」
今度はリシェスが驚いた。
「もしかしてスフィン、この村を出るの?」
「さあ、引っ越すかどうかはまだ決めてないわ。でも、折角大きな町まで行ける機会、見逃したくないの。この村では魔法の修行に限界もある。ここから遠い場所にある、新しい知識と刺激が、私の力を伸ばしてくれるようなこともあるかもしれない。今は冒険者として動けないけど、それでも魔法使いはやめられないの。お願い、リシェス。あなたが私を頼るというのなら、私もあなたを頼らせて。もちろん、旅費はあなた持ちで。あまりにも多くかかりすぎたら、後で出世払いで払うから」
「スフィン」
リシェスはまっすぐな目をしているスフィンに、うなずいた。
「ありがとう、スフィン。また一緒に、旅をしよう」
「交渉成立ね」
良かった。テイムモンスター枠の問題は、これでどうにかなった。
それにしても、この村を出るのか。なら旅の護衛は、当然俺達だな。
今まで以上に、気を引き締めるとしよう。
良かった。リシェスが元気よくこちらへと走り寄る。そして更にカップは、ここで虹色の光に包まれて、次の瞬間、青白い色をした芋の姿に生まれ変わった。しかもカップの背中には、純白の翼がある。
これはまさか、変態か?
「(ボク、変わった。強くなった!)イモ!」
「凄い、初めて見る。きれい。きっと、速度特化第二変態、ハヤイモだ」
リシェスがカップを見て言う。へえ。今のカップの姿はハヤイモって言うのか。確かに翼がある分、速そうだ。
それに、青白い芋天使となったカップには、艶がある。ある種の芸術性があるような気もするので、カップがきれいになったと感じるのは俺も同じだ。
ていうか、カップはもう二回も変態して、一方俺はまだなのか。まさか、俺だけ変態しないモンスターなのか?
まあ何はともあれ、めでたいことに変わりはないか!
「カップ。変態、おめでとう!」
「(よくやったな、カップ!)エレーキュー!」
リシェスがカップを抱き寄せる。俺もカップに近づく。するとカップは、喜んだ。
「(リシェス、ポット。ボク、これからもっと活躍するよ!)イモイモモ!」
「えへへ。くうー、こんな時テレパシーが使えればなあ」
「(カップ、形はあまり変わらないけど、随分変わったな。前よりも強く見えるぞ)エレッキュー」
「(やったあ!)イモー!」
その後、ひとしきり勝利とカップの変態を喜んだリシェスは、相変わらず倒したチクガメにナイフを入れて、サクッと息の根を止めたのだった。そして、バッグ魔法で死体を収納。
「ポット、カップ。昨日倒したカタガメは、青タートルが防御特化変態した姿だったけど、今回のチクガメは攻撃特化変態をとげた姿だったの。とにかく、倒せて良かった」
「(そうだったのか。ともかく、この前みたいに毒を使われなくて良かったぜ)エッレッキュー」
毒をくらうのは、とっても嫌だからな。そう考えると、いつもの正攻法でくる敵達がある程度楽に感じられる。
「(ボク達なら、またこいつが現れてもちゃんと倒せるよ!)イモモー!」
「(ああ、そうだな)エッレッキュー」
「さあ、それじゃあポット、カップ。続けてファイト花を探そう!」
「(おー!)エレキュー!」
「(おー!)イモー!」
カップが進化して皆のテンションが上がったまま、ファイト花の採取に戻る。
「(ガオー!)ガオー!」
更に森を歩いていると、一体のクマザルとも出くわした。だがしかし、クマザルとの戦いは今に始まったことではないので危険は少なく、加えて変態直後のカップが大活躍した。
「(激突ー!)イモー!」
「(うわー!)ガオー!」
カップが新技でクマザルに大ダメージを負わせ、その隙をついて俺がエレキアタックを決める。それでクマザルは倒れた。
俺達は、もうクマザルを難なく倒せる程にまで成長したのだ。ひょっとしたら、一対一でも倒せるかもしれない。
更に、ここで俺がレベルアップ。18レベルだ。ちょっとうれしい。
そんなこんなで、俺達は順調に、ファイト花を6つまで集める。残り2つ、頑張って探そう。
ちょっと残りのファイト花が見つけづらいので、結構奥の方まで行ってみる。
するとそこで、初めて見るモンスターと出会った。数は一体。
空中に、一本の剣が浮いていた。しかも刃には、目と口がついていた。全身傷だらけで、見るからに危険な雰囲気だ。
「(敵、へへ、新しい敵だー!)フユーバー!」
しかも、俺達を見た途端、やけに元気な声を出してきた!
「二人共、あれはフユーバ。金属性のモンスターよ。物理攻撃は効きづらいけど、電気属性も効かないから気をつけて!」
アドバイスサンキューリシェス。電気攻撃が効かないなら、俺はたいあたりだけで攻めるしかない。けど、敵は手負いっぽいし、やってやる!
「(まずは鳴き声!)エレキュー!」
「(後ろに回り込むー!)イモイモー!」
俺達が動くと、敵、フユーバはカップに目をつけた。
「(斬撃!)フユーバ!」
「(おおっと!)イモ!」
カップはかろうじて敵の攻撃をかわす。間一髪だったけど、どうやら相手よりもカップの方が速いようだ。
「(激突ー!)イモオー!」
カップはお返しとばかりに反撃する。しかしフユーバはそれに、クルリと刃の先を向けるだけで対応した。
「危ないカップ!」
「(カップ、よけろー!)エレキュー!」
俺とリシェスが叫ぶ。それでカップはギリギリのところで、進行方向を変更する。
しかし、カップはフユーバを避けきれなかった。
カップの体とフユーバの先がぶつかって、カップの体が大きな傷を負う。やっぱり、包丁でイモを切るように、サックリ切れたぞ!
「(ぎゃー!)イモー!」
「(ちっ、しとめきれなかったか)フユーバ」
「(くそ、たいあたりー!)エレキュー!」
俺はフユーバの持ち手部分に向かって、たいあたりする。相手がカップに集中していた今を、逃す手はない!
すると、俺のたいあたりは命中し、フユーバが少しばかりふっとんだ!
「(ぐうう、忘れてたぜ。敵は一体じゃなかったな)フユーバッバ」
「カップ、小回復!」
「(ありがとうリシェス。大分痛くなくなった!)イモオー!」
俺はフユーバを注意しつつ、カップの様子を見た。すると、カップの傷は大分回復していた。流石リシェスだ。頼りになる。
「(何。あいつ、傷を治せるのか。厄介な)フユーバ」
ここで、フユーバがリシェスにも目をつけた。これはまずい。リシェスがケガをしたら大変だ!
「(カップ、敵がリシェスに近づこうとしたら、全力で止めるぞ!)エレキュ、エッレキュ!」
「(うん、わかった!)イモ!」
「(でも、敵の刃の部分には、十分注意しろよ!)エレッキュー!」
「(もう絶対気をつけるー!)」
俺は右から、カップは左から回り込む。
そんな俺達を交互に見たフユーバは、すぐに俺へと狙いを定めた。
「(ええい、まずは黄色いやつからだー!)フユーバー!」
「(来るなら来い!)エレキュー!」
「(斬撃!)フユーバー!」
フユーバが俺に突撃してきた。ならば俺は、回避に専念!
「(おらあ!)レッキュー!」
よし、なんとか回避に成功したぞ!
するとフユーバは、そのまま俺の横を通り越した。
「(ふん。もう二体以上の相手とは、何度も戦って倒してきたんだよ。だから、こうすれば勝てる!)フユーバババババー!」
フユーバが再び俺の方を向く。ん、ちょっと待て。今俺とカップは、どっちもフユーバに睨まれてないか?
「(十の針!)フユウーバッ!」
次の瞬間、フユーバが自身を一振りすると、その刃から光の針をいくつもとばしてきた。あれ、十もあるのか。避けきれるか自信がない!
「(く、うわあー!)エレキュー!」
「(い、痛いー!)イモー!」
「ポット、カップー!」
少しはかわしたが、いくつかの針に当たってしまった。これはなかなかのダメージだ。
だが、重傷ではない。それも、敵の攻撃が俺とカップ、二方向に分かれていたからだ。
しかし、これでまた位置関係は元に戻った。しかもこちらはダメージを負っている。これは、相手の方が有利か?
「(ふははーっ、お前達は俺に、負けるんだよー!)フユーバーン!」
相手は既に勝ち誇っている。
オーケー。なら、その余裕俺が砕いてやる!
「(どうしようポット。また挟み撃ちをしても、同じように動かれたら、こっちが危ないよ!)イモイモ、イモー!」
「(カップ。ここは俺に任せろ。俺が相手の隙を作る。カップはそこを突く準備をしていてくれ)エレッキュ、エレッキュ」
「(うん、わかった!)イモモ!」
頼りになる仲間だ。ならここは、俺が勝利への道を切り開く!
「(どうしたお前ら。もう打つ手なしか?)フユーバー?」
「(フユーバ。俺が奥の手を見せてやる。耐えられるものなら、耐えてみろ!)エレッキュー!」
俺はそう言って、フユーバに突っ込んだ。
「(うおー!)レキュー!」
「(ふんっ。真正面から来るだけなら、楽に返り討ちにできるぜ)フユーバ」
フユーバは俺に刃の先を向ける。確かに、前が刃になっているフユーバに正面からの攻撃は危険だ。だから、ここは敵の近くを通り過ぎる!
「(うおおー!)エレキュー!」
「(なんだ、結局何もしねえのか?)フユーバ?」
よし、ここだ!
「(くらえ、エレキ射出ー!)エーレー、キュー!」
全力でエレキ射出を、相手にぶつける!
「(ふん。こんなの全然効かないぜ)フユーバ」
フユーバは余裕そうだ。それはそうだろう。フユーバには電気攻撃が効かないって、リシェスから説明を受けたばかりだからな。
だから、俺の目的は、一瞬でも長く俺に注意を向けさせることだ!
「(うおーっ、たいあたりー!)エレキュー!」
「(ふん。だからそんなの、簡単に返り討ちに)フユーバ」
「(後ろアタックー!)イモー!」
この隙に、カップが高速で相手との距離を詰め、攻撃を当ててくれる!
「(な、何ー!)フユバー!」
作戦通り、フユーバはカップにやられてふきとんだ。
「(し、しまった。黄色いのに意識をとられていて、その隙に白いのを見逃し)フユーバ」
「(連続、後ろアタックー!)イモー!」
「(うわー!)バー!」
決まった、カップの連続攻撃だ!
けど、カップは連続攻撃をした後、自分に隙ができると言っていた。ならここは、俺が更に追撃してフユーバにダメージを与えるべきだ。
というか、これで倒れてくれ、フユーバ。頼む!
「(たいあたりー!)エレキュー!」
全力ダッシュで、フユーバに迫る。次の瞬間。
「(ここまで、か)フユー、バ」
フユーバは、目を閉じて、眠るように動かなくなった。
「!」
俺は慌ててジャンプ。フユーバの上をとびこえる。
「(ポット、今がチャンスだよ。倒さないと!)イモ、イモモモ!」
カップがそう言うが、俺にはその気が起きなかった。
いや、正確には、フユーバの動きを見て戸惑ったというべきか。
「(なぜ、とどめをささない?)フユーバ?」
フユーバが目を開けて、俺に訊いた。
だから俺は、答えた。
「(それは、お前が戦いをやめたからだ)エレッキュエレーキュー」
「(何言ってんだ? 戦いは、どちらかが勝って、どちらかが負けたやつにとどめをさす。そういうものだ。なぜ決着をつけない必要がある? 早く俺を殺すといい)フユーバ、フユーバッバ」
「(だったら、どうしてお前は今目をつぶったんだ。自分が負けるってわかったからか? ふざけんな。俺は絶対あきらめたりしないぞ。今まで戦ったやつらだってそうだった。最後まであがいて、限界まで力を振り絞って、最後まで敵に牙をむく。俺が経験してきた戦いっていうのは、全部そういうものだった)エレッキュ、エレエーキュ、エレッキュッキュ」
だから。ふと俺は、思ってしまったんだ。戦いの途中で戦いをやめたこいつは。ひょっとしたら戦いなんて求めてなかったんじゃないのかって、そんなことを。
それは俺の気の迷いかもしれないけど、それを確かめるため、言葉をかける。
「(お前も、生きて、戦って、今まで生き続けてきたのなら、ここで止まるなよ。諦めるなよ。生きるか死ぬかの土壇場で立ち止まるようなやつを、俺は倒せない!)エレキュ、エレッキュ、エレキュー!」
「(生きるって、なんだ?)フユーバ?」
フユーバのその問いに、俺は真剣に、叫ぶように答える。
「(生きるっていうのはっ、喜んだり、悲しんだり、幸せになったり、つまづいたりしながら、それでも進み続け、自分が生まれた意味を、感じ続けることだ!)エレッキュ、エレエレエレッキュ、キュー!」
しかしフユーバは、体を横に振る。
「(そんなの、俺は知らない。俺はただ、戦い続けるだけだ。戦って、敵を倒して、そのくり返し。それができなくなった時が、俺の終わりだ。つまり俺は、敵にやられて、お前達にやられて、終わるんだ)フユーバ、フユフユ、フユーバ」
「(それは違う。誰もがそうやって死ぬ必要はない。俺達は違う道を知っている。お前はまだそれを、知らないだけだ!)エレッキュー!」
俺とフユーバの目が合う。
今なら、彼とも心を通わせられるかもしれない。そう思った。
「(フユーバ、一緒にこないか? 俺達と共に、喜んだり、悲しんだり、頑張ったり、そんな、戦い以外のことをしてみないか?)エレッキュ、エレキュー?」
「(俺は、俺は)フユ、フユーバ」
フユーバは一度目を瞑った後、もう一度俺を見て、言った。
「(俺は、戦うことしか知らない。けどお前達は、それ以外のことを知っているのか?)フユーバ?」
「(ああ。そうだとも。そしてそれは、戦いなんかよりもずっと素晴らしいものだ。一人じゃないから、得られるものだ。フユーバ。これから俺達と一緒にきて、一緒に生きないか。仲間として)エレッキュー」
そう訊ねると、フユーバは黙った。
そこで、カップが言った。
「(ボクは、ポットもリシェスも、大切だ。大切な仲間だ。フユーバ、お前はポットも、リシェスも、そしてボクも、大切にできるか!)イモーイモ、イモモ!」
カップ。
お前も、フユーバを受け入れようとしてくれるのか?
ありがとう。お前が仲間で良かった。
「(俺は、俺は)フユーバ」
フユーバが動き出し、俺を見る。
「(俺に勝ったのはお前達だ。そんなお前達が言うんだから、お前達の言っていることは正しいんだろう)フユーバ、フユーバ」
「(フユーバ)エレキュー」
「(俺は、勝ったやつに従う。好きなようにしてくれ)フユーバ」
「(ああ、わかった。それじゃあこれから、フユーバは俺達の仲間だ。これから、一緒についてきてくれ)エレッキュ」
「(ああ、わかった)フユーバ」
フユーバがうなずく。こうして、フユーバが仲間になった。
「フユーバ。あなた、ポットやカップと、打ち解けたの?」
リシェスがおそるおそるといった感じで、こちらに近づいて来た。
「(そういうお前は、誰だ?)フユーバ?」
「(フユーバ。彼女はリシェス。人間で、俺達の仲間、モンスターテイマーだ)エレキュー」
「(モンスター、テイマー)フユーバ」
フユーバがリシェスを見る。リシェスもフユーバを見た。
「(リシェス。今からフユーバは、俺達の仲間だ!)エレッキュ!」
「(仲間、増えた。強いし、頼もしい!)イモモ!」
「ポット、カップ。そう、このフユーバも、悪い子じゃないのね。わかったわ。あなた達が認めたのなら、私も認める。フユーバ。一緒に来て。今日から私達は、仲間よ」
良かった。リシェスもフユーバを認めてくれた。
「(お前達が、仲間)フユーバ」
「さあ、フユーバ。まずはそのケガを治してあげる。小回復」
リシェスが何度か魔法をかけると、フユーバのケガはきれいさっぱり無くなった。
「(もう、体が痛くない。これが、リシェスの力)フユーバ」
フユーバもリシェスの力に驚いているようだ。
「(フユーバ。俺達はこれから、一緒に生きるんだ)エレキュー」
「(一緒にがんばろうね、フユーバ!)イモモー!」
「(一緒に、生きる。頑張る。俺は、それをやる!)フユー、バババババー!」
フユーバが空中でクルリと回った。凄く頼もしいぞ、フユーバ!
「ポットも、カップも。小回復、小回復」
ここで俺達のダメージも、完全回復する。ありがとう、リシェス。やっぱり傷が治せる仲間がいると心強いな。
「(リシェス、凄いな)フユーバ」
「(うん。リシェスは凄い!)イモー!」
「これでよし。けど、困ったなあ。私まだ、テイムモンスターを二人までしか従えられないんだけど。三人目は、ギルドでダメって言われるかも」
「(えっ)エレッ」
ん、あ、そうだ。なんかギルドの教官から、そんなことを言われてた気がする。
「(そういえば、テイムモンスターを三人にするには、ランク2モンスターテイマー試験を受ける必要があるんだったか)エレ、エレッキュー」
「(な、なんだってー!)イモー!」
「(ん。俺達四人だろ。三人じゃないぜ)フユーバッバ」
フユーバは今まで野良モンスターだったもんな。人間との違いがあまりわからなくても仕方ない。
「(フユーバ。リシェスは人間なんだ。そして俺達モンスターを従える、つまりテイムモンスターを仲間にするから、モンスターテイマーと呼ばれている。でも、テイムモンスターを三人にする試験を、リシェスはまだ突破してないんだ。だから、少なくとも今は、フユーバをリシェスの仲間にはできないってわけだ)エレッキュッキュ」
「(な、なんだってーっ、ガガーン!)フユーバー!」
フユーバはショックを受けてしまった。
「(それじゃあ俺は、仲間じゃないのか)フユーバ」
「き、気にしないで、フユーバ。大丈夫。私、すぐにランクアップ試験を受けるから!」
ショックを受けているフユーバに、リシェスが力強く言った。
「それまで、えーと。スフィンにお世話になってて。私が2ランクになったら、すぐ仲間として迎えに来るから。だから、お願い!」
リシェスはフユーバに拝んだ。
そうか。リシェスがテイムモンスターを増やせないなら、スフィンに頼めばいいのか。考えたな。
「(スフィンって誰だ?)フユーバ?」
「(リシェスの仲間だ。元仲間だけど、今も仲間だ)エレッキュー」
「(その仲間と一緒だったら、俺はお前達とは一緒にいられないんじゃないのか?)フユーバ?」
「(そ、そうかも!)イモ!」
「(でも今の場合だと、どうしてもスフィンにお世話にならないといけないんだ。だから、どうだフユーバ。しばらくの間、スフィンのテイムモンスターになってくれるか?)エレッキュ、エレキュー?」
「(わかった。それが必要なら、俺はそうする)フユーバ」
フユーバがうなずいてくれた。
「(だってよ、リシェス。ひとまず、スフィンを頼ろう!)エレッキュー!」
「(頼ろう!)イモ!」
俺達の反応を見て、リシェスは笑顔になった。
「フユーバ、納得してくれるの、ありがとう。そうだ。後は、フユーバの名前を決めないと」
リシェスとフユーバが、見つめ合う。
「あなたの名前は、トルクヤ。今日からよろしくね、トルクヤ」
「(ん?)ユ?」
トルクヤかあ。食器、じゃないな。
リシェスのネーミングセンスは、はっきり言って不明だ。でも、そう悪い名前じゃない気がする。トルクヤ。
こうしてトルクヤは、俺達の仲間になった。
ファイト花の採取も無事に終え、俺達は村に戻る。
そして村の入り口で、見張りの人に驚かれた。
「うおっ。フユーバか。とても危険なモンスターだが、大人しい?」
「はい。この子はトルクヤです。私の、三人目の仲間なんです!」
「(こいつは、仲間なのか?)フユーバ?」
「(トルクヤ。彼はこの村の見張りだ。ここで敵が来ないか見張ってくれているんだ。敵じゃないから、安心していいぞ)エレキュー」
「(見張り。ここから先は、こいつの縄張りなのか)フユーバ」
「(ちょっと違うな。人間達皆の縄張りだ。ここから先には、人間がいっぱいいるぞ。くれぐれも、敵と勘違いしないようにな)エレッキュー」
「(ごはんをくれる人もいるから、絶対攻撃しないでね!)イモ!」
「(ああ、わかった。ごはん。くれる人なんているのか)フユーバ」
「(フユーバは、今までごはんはどうしていたんだ?)エレッキュー?」
「(倒したやつを食べていた)フユーバ」
俺達はにぎやかに話しながら、トルクヤに村を案内した。
そして、ファイト花を納品し終えたリシェスは、次に今まで行かなかった方向へと歩いて行く。
やがてたどり着いた一軒の建物は、ギルドよりは小さいが、民家よりは大きいところだった。
「スフィン。力になってくれたらいいんだけど。外にいるかな?」
リシェスはそう言って、建物の裏へ行く。
するとその先には柵があり、かなりの大きさの広場と、いくつかの大きな岩。そして岩の近くで精神を集中しているスフィンの姿があった。
「はあああっ、ファイアボール!」
スフィンは呪文を唱えるが、上手くいっていない。どうやら魔法の練習中だったようだ。
「スフィーン、ちょっといいー?」
リシェスが柵の外から声をかける。するとスフィンはこちらに気づいて、近づいて来た。
「もう、恥ずかしいところを見せちゃったわね。ようこそ、魔法ギルドへ。どうしたの、リシェス?」
そうか、ここは魔法ギルドだったのか。道理で建物がなかなか大きいわけだ。
「うん。それなんだけど、でもその前に、どうしたの、スフィン。ファイアボールはもう覚えている魔法じゃなかったっけ?」
「今、空気中にある魔力を使って、魔法を行使しようと訓練していたのよ。私は魔力切れ状態の戦闘力の低下がトラウマだから、自身の魔力に頼らない戦い方を身につけようとしていたの」
「凄いスフィン。そんなことができたら一流じゃない!」
「できたらね。今のところ、成功したことは一度もない。これじゃあ冒険に出るのは当分先ね」
「あ、そのことなんだけどさ、スフィン。実はお願いしたいことがあるの。まずは話を聞いてほしいな?」
「その話っていうのは、ひょっとしてその新しいテイムモンスター絡み?」
スフィンがトルクヤを見る。
「(こいつも仲間、なのか?)フユーバ?」
「(ああ。彼女がスフィン。リシェスのかつての仲間だ。今も仲間みたいなものだ)エレキュウ」
「えへへ、あたり。スフィン、よくわかったね」
「まさか、あたっちゃうとはね。見たところフユーバみたいだけど、この存在自体が凶器のモンスターを手なずけるとは。リシェスったら、いつの間にか凄くなったわね」
「ううん、凄いのは私じゃなくてポット達だよ。このトルクヤが仲間になる時だって、私はただ、見てるだけだったんだから。それでさ、スフィン。実は、なりたてのモンスターテイマーはテイムモンスターを二人までしか所有できないの。だから、トルクヤは今私のテイムモンスターにできないんだけど。かわりに、スフィンがトルクヤのモンスターテイマーになってくれないかな?」
「私が、フユーバのモンスターテイマーに?」
「(それで、いいのか?)フユーバ?」
ここで、リシェスがスフィンに手を合わせて拝んだ。
「お願い、私が2ランクに上がるまででいいから。できるだけすぐに、ランクアップ試験を受けるために、大きな町まで行くから。だからそれまで、私のかわりにトルクヤの面倒を見てほしいの!」
「(俺からも頼む、スフィン!)エレッキュー!」
「(ポットも頼むなら、ボクもー!)イモー!」
俺とカップも、リシェスと一緒に真剣に頼む。スフィンはどこか困惑げな表情だけど、どうだ?
「ね、お願い。スフィン。私達を助けると思って、同意して?」
このリシェスの言葉に、スフィンは。
「そうねえ」
悩んだ。
ちょっとドキドキする。ここで断られたら、トルクヤをどうするべきかわからない。まだテイムモンスターではないトルクヤは、きっとただのモンスター扱いになってしまうだろうから。それはいずれ、問題になりかねない。
「(俺は、こいつといなきゃならないのか?)フユーバ?」
「(そう。それで、いいんだよね?)イモ?」
「(何、今のところだけだ。ちゃんとトルクヤを迎える準備ができたら、すぐに正式な俺達のパーティに加えられる。それまでの間、スフィンに身元保証人になってもらおうってだけだ。もう俺達は、仲間だからな)エレキュー、エッレキューエレキュー」
「(ふうん、難しいな)フユーバ」
よし、フユーバは大丈夫そうだ。
後はスフィンの方だけど。
「お、お願いスフィン。報酬が欲しかったら、少しは出せるから」
「報酬か。いいわね」
お、スフィンがお金で動いた!
「そういうことなら、引き受けてあげるわ。ただし、その報酬はただの金銭じゃない。私も一緒に町まで、つれていってほしいの」
「え?」
今度はリシェスが驚いた。
「もしかしてスフィン、この村を出るの?」
「さあ、引っ越すかどうかはまだ決めてないわ。でも、折角大きな町まで行ける機会、見逃したくないの。この村では魔法の修行に限界もある。ここから遠い場所にある、新しい知識と刺激が、私の力を伸ばしてくれるようなこともあるかもしれない。今は冒険者として動けないけど、それでも魔法使いはやめられないの。お願い、リシェス。あなたが私を頼るというのなら、私もあなたを頼らせて。もちろん、旅費はあなた持ちで。あまりにも多くかかりすぎたら、後で出世払いで払うから」
「スフィン」
リシェスはまっすぐな目をしているスフィンに、うなずいた。
「ありがとう、スフィン。また一緒に、旅をしよう」
「交渉成立ね」
良かった。テイムモンスター枠の問題は、これでどうにかなった。
それにしても、この村を出るのか。なら旅の護衛は、当然俺達だな。
今まで以上に、気を引き締めるとしよう。
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途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
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