青春の交差点

霜月 雄之助

文字の大きさ
上 下
2 / 30

【#1:星になれたらいいね】

しおりを挟む
親友、いや、身内的存在になっていた彼が死んだ―。

俺はまるで脱け殻のようになっていた。
お通夜が終わり、俺の知らない彼の話を親族から聞いた。

一人、外に出て
寒空の下、夜空を眺めた。
いくつか力強く輝いている星があった。

彼とは何年の付き合いだったのだろうか?
依然は付き合っていたが別れてから、もう何年も過ぎていた。

今更ながらに伝えておけば良かった事などが溢れ出した。

今だけは彼の思い出を想うばかりだった。
直接、伝えたかったこと…
伝わっているのだろうか…。
そんなことを、そんなことばかりを考えていた。
涙は枯れることは無かった。

次の日、彼は火葬された。

彼の形は空に消えていった。

後悔の分だけ涙として流れた。
伝えたかった言葉
今なら
伝わっているかな?

ただ一言

「ありがとう」と―。


おしまい~
しおりを挟む

処理中です...