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第二章 〜情動〜

05 たけるが家にやってきた!

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 ──告白した日の翌日

 今は朝の七時ちょっと過ぎ
 きよみは、いつもと違う朝を迎えた。
 コンコン、と扉を叩く音がした。
 きよみは寝起きの姿のまま玄関へと直行した。

「おはよう!」
「ん……おはようございます……」

 そこにはたけるがいた。
 寝起きのきよみは寝ぼけた声でたけるの言葉に返した。

「はやいですね……?」
「あぁ……ごめん……」

 きよみは目をこすりながら、後ろにある時計を見て言った。
 それに対してたけるは少し微笑み、返した。

「それでさ……ちょっとお邪魔してもいいかな?」
「ああ、いいですよ。今お母さんいますけど、大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫。ありがと」

 たけるが少し顔を赤くしながら聞くと、きよみは笑みを浮かべ、承諾した。
 きよみ達は居間へ向かった。

「……ところで、なんでこんな時間に来たんですか?」
「きよみさ……きよみとたまには朝の時間を過ごしたいなって思って」

 きよみが不思議そうに聞くと、たけるは顔をまた赤くして答えた。

「なるほど……朝ごはんは食べたんですか?」
「うん、バナナを食べてきた」
「バナナ! それだけじゃお腹いっぱいになってないんじゃないですか?」
「まぁ……ね。でもいつもの事だから大丈夫だよ?」

 きよみはふと朝食を食べたか否かを聞くと、たけるはバナナを食べてきた、と答えた。
 きよみは目を丸くしながら問いかけると、たけるは大丈夫だとにっこりして言った。

「それじゃダメですよー……ご飯持ってきますね」
「いや、大丈夫だってば」
「ダメです!」
「大丈夫だよ!」

 善か悪かで言い争いになってしまった。

「もう……分かったよ。じゃあお願い」
「……はい!」

 しかし、すぐたけるが折れてしまった。
 きよみはすぐに台所へ向かい、目玉焼きと味噌汁を作り始めた。
 慣れた手つきで作っていく姿はまるで熟練した主婦のようであった。
 出来上がった目玉焼きを皿に盛り、その横にトマト、キャベツを盛った後にご飯を茶碗に盛り、味噌汁を容器に注ぎ、それらをお盆に乗せ、たけるの所へと持っていった。

「お待たせしました!」
「うわぁー、美味しそう。俺の為に本気で作ってくれたんだ……」
「バナナだけじゃ栄養が足りないですからねー。食物繊維があるとはいえ、これからは普通のごはんを食べて下さいね」
「分かった。ありがとう」

 きよみがごはんを持っていくと、たけるは驚きつつも喜んだ。
 たけるにこれからのしっかりとした食生活をきよみは約束させた。

 ──こうして、きよみとたけるとの恋人生活が始まった。

「それとも、毎日私の家にごはんを食べに来ますか?」
「そうしようかな……」

 きよみが聞くと、たけるは苦笑いをしながら首肯した。
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