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最終章 〜卒業〜
16 きよみとたけるの成人式
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━━卒業してから二年後、きよみ達は成人式の日を迎えていた。卒業してからのきよみは、結局アイドルを諦める事にした。
そして今は、声優をして過ごしている。
最後の望みと思って受けたアイドル事務所で“君、もしかしたら声優の素質があるかもしれないぞ”と言われ、その場でアニメの声当てを薦められた。
そのアニメの声当てできよみは大成功し、今は有名な声優の仲間入りを果たしていた。
ちなみに、たけるはゲーミングプログラマーになるために専門学校へと通っていた。
“ゲーミングプログラマーって、結構大変なんだな……”とたけるはかなり疲れている様子だった。
高校を卒業するのと同時に、二人は同棲を始めた。住む部屋はたけるのマンションであった。
現在、きよみだけが働いているため、水道光熱費と料理は彼女が受け持つ事になっていた。
たけるはゲーミングプログラムの勉強で連日疲れているようで、きよみはそんなたけるの事を案じ、朝は食事と通学を満足してできる程の余裕を持たせつつ、それでも少し急ぐ程の時間に起こすようにしていた。
さて、今日は成人式だ。準備が沢山あるからいつもよりも早くたけるを起こそう。
きよみはその焦りを胸に、キッチンからたけるの眠っている寝室へと足を進めた。
「たける起きてー! 朝だよ!!」
「んー……おはよ」
たけるは寝ぼけた様子で返事をするのと同時にきよみを抱きしめた。きよみがたけるを起こすと、いつも寝ぼけながらきよみを抱きしめるのだ。
「たける、今日はそんなことしている暇はないよ」
「え、何で?」
「忘れたの? 今日は成人式なんだよ?」
「………あー!! そうだったな!」
「もう……しっかりしてよー」
「ごめんごめん」
驚いたことで目が覚めたのか、たけるは急いで起き上がってスーツを取り出し、着替えようとした。
そこできよみは慌ててたけるに叫んだ。
「待って! 着替える前にご飯を先に食べて」
「あ……ああ! 分かった」
そう言ってたけるは一旦スーツを直し、きよみと共に食事を取った。
そして食べ終わったきよみはエプロンを脱いで振袖へと着替え、たけるの運転で成人式へ向かった。
驚く事に高校卒業前に仮免許を取っていたそう。その話を聞いたきよみはいつの間に……と思ったそうな。
そして二人は成人式の会場へと着いた。
成人式は荘厳な式だときよみは思っていたが、意外と明るかった。
式が終わった二人は帰宅した。
まだ昼前だが、今日は成人式という事できよみは仕事が休みで、たけるも学校が休みだ。
言ってしまうと二人とも暇なのだ。そこできよみはある事を思いついた。
「ねぇ、たける」
「ん? なんだきよみ」
「これから、ちょっと出掛けない?」
「え、どこに?」
「サイターマランドだよ」
「あー。懐かしい名前だな」
「それで、どうするの? 行く?」
「そうだな……行こうかな」
「じゃあ、昼食も兼ねて行こっか!」
──そして二人はサイターマランドへと向かった。
二人は高校時代のように、はしゃいで楽しんだ訳では無い。がしかし、きよみは楽しかったと心底思っていた。
メリーゴランドやコーヒーカップなど、二人は色んなもので楽しんでいた。
そして今は、声優をして過ごしている。
最後の望みと思って受けたアイドル事務所で“君、もしかしたら声優の素質があるかもしれないぞ”と言われ、その場でアニメの声当てを薦められた。
そのアニメの声当てできよみは大成功し、今は有名な声優の仲間入りを果たしていた。
ちなみに、たけるはゲーミングプログラマーになるために専門学校へと通っていた。
“ゲーミングプログラマーって、結構大変なんだな……”とたけるはかなり疲れている様子だった。
高校を卒業するのと同時に、二人は同棲を始めた。住む部屋はたけるのマンションであった。
現在、きよみだけが働いているため、水道光熱費と料理は彼女が受け持つ事になっていた。
たけるはゲーミングプログラムの勉強で連日疲れているようで、きよみはそんなたけるの事を案じ、朝は食事と通学を満足してできる程の余裕を持たせつつ、それでも少し急ぐ程の時間に起こすようにしていた。
さて、今日は成人式だ。準備が沢山あるからいつもよりも早くたけるを起こそう。
きよみはその焦りを胸に、キッチンからたけるの眠っている寝室へと足を進めた。
「たける起きてー! 朝だよ!!」
「んー……おはよ」
たけるは寝ぼけた様子で返事をするのと同時にきよみを抱きしめた。きよみがたけるを起こすと、いつも寝ぼけながらきよみを抱きしめるのだ。
「たける、今日はそんなことしている暇はないよ」
「え、何で?」
「忘れたの? 今日は成人式なんだよ?」
「………あー!! そうだったな!」
「もう……しっかりしてよー」
「ごめんごめん」
驚いたことで目が覚めたのか、たけるは急いで起き上がってスーツを取り出し、着替えようとした。
そこできよみは慌ててたけるに叫んだ。
「待って! 着替える前にご飯を先に食べて」
「あ……ああ! 分かった」
そう言ってたけるは一旦スーツを直し、きよみと共に食事を取った。
そして食べ終わったきよみはエプロンを脱いで振袖へと着替え、たけるの運転で成人式へ向かった。
驚く事に高校卒業前に仮免許を取っていたそう。その話を聞いたきよみはいつの間に……と思ったそうな。
そして二人は成人式の会場へと着いた。
成人式は荘厳な式だときよみは思っていたが、意外と明るかった。
式が終わった二人は帰宅した。
まだ昼前だが、今日は成人式という事できよみは仕事が休みで、たけるも学校が休みだ。
言ってしまうと二人とも暇なのだ。そこできよみはある事を思いついた。
「ねぇ、たける」
「ん? なんだきよみ」
「これから、ちょっと出掛けない?」
「え、どこに?」
「サイターマランドだよ」
「あー。懐かしい名前だな」
「それで、どうするの? 行く?」
「そうだな……行こうかな」
「じゃあ、昼食も兼ねて行こっか!」
──そして二人はサイターマランドへと向かった。
二人は高校時代のように、はしゃいで楽しんだ訳では無い。がしかし、きよみは楽しかったと心底思っていた。
メリーゴランドやコーヒーカップなど、二人は色んなもので楽しんでいた。
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