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第十一話 ~なにごと~
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~お詫び~
前話同様、原作では第十話~第十三話を構成している物語を一つにまとめました。また、原作の番外編は本作で扱わない事になりましたので、ご了承くださいますよう、よろしくお願いします。
☆☆☆ ★★★ ☆☆☆
互いの自宅の目の前で分かれた二人。きよみはアパートの自室に帰る。
玄関でカギを開けようと鍵穴にカギを入れて回すが、鍵は既に開いていた。
不思議に思ったきよみは扉を開く。中は電気がついておらず、真っ暗な空間が広がっていた。
電気を付け、足を進める。普段、母親が過ごしている居室に入ると、そこには倒れたきよみの母親の姿があった。
「お母さん!?」
母の姿をみとめたきよみはすぐさまそばに駆け寄り、声を掛ける。
しかし、彼女の反応はない。
その時、状況を察したきよみは急いで携帯を取り出し、緊急通報をする。
『はい、119番、埼玉です。火事ですか? 救急ですか?』
「救急です! は、母が倒れていて……!」
『落ち着いてください。まずは、今あなたがいる場所を教えてください』
「は、はい……今いるのは──」
きよみは答えられる範囲で対応したオペレーターからの質問に答えていく。
『では、ご自宅から一番近い消防署より救急隊が向かいますので、救急車の誘導をお願いします』
「は、はい。分かりました!」
オペレーターからの言葉に従い、きよみは自室を出て救急隊の到着を待つ。
待ち始めてから体感でおよそ二分ほど経ったと感じるころ、緊急車両のサイレンが街に鳴り響く。きよみの目的の車である。
一分一秒でも早く合流したいきよみはサイレンの方へ足を進める。しばらく進むと、目的の車と合流する。
合流したきよみは、自宅アパートまで誘導をする。
そこへ何人か野次馬が集まってきた。
その中に見覚えのある顔がいた。たけるである。彼はきよみの姿をみとめると、きよみの元へ近付いて来る。
「どうしたの?」
「実はね──」
きよみはたけるに帰宅後何があったかを説明した。
たけると自宅前で分かれ、その後帰宅したら部屋で母が倒れていたこと。
「なるほどね……。搬送、一緒について行った方が良いかな?」
「うーん……お願いしても……良い?」
「分かった。俺は準備してくるから、きよみさんは隊員さんとお母さんの所に行って来て。ほら、待っているみたいだから」
たけるが見つめる先には先ほどの救急隊員がきよみの事をここからどうすればいい? という表情で見ていた。
そこでようやく自分がしなければならない事に気が付いたきよみ。それは突然の事で気が動転して正常な思考が出来なくなっていることを物語っていた。
「──うん!」
きよみは、たけるに向かって返事と共に首肯すると、隊員の方へ走り出す。そして、部屋までの案内を始める。
その後ろ姿を見送ると、たけるは出発の準備を始めに自宅へと足を運ぶ。
☆☆☆ ★★★ ☆☆☆
二人はそれぞれのやるべきことを進めていく。たけるは身支度を、きよみは隊員への対応を、それぞれやっていく。
そんな中で身支度を終えたたけるは持ち物検査をしていく。
おそらく応急処置を病院で受けるだろうから、その間気を紛らわせられるように同じ携帯ゲーム機を二台。そして、現地で飲み物を調達できるように多少のお金を持っていく。
対して、きよみは救急隊員と自室へ向かい、母親の搬送をお願いすると、母親の保険証や母の財布などを持ち、救急隊と外へ出る。
そして、きよみとたけるが合流すると、救急車に乗り込み、救急隊の要請した救急受け入れが出来る病院へと向かう──。
前話同様、原作では第十話~第十三話を構成している物語を一つにまとめました。また、原作の番外編は本作で扱わない事になりましたので、ご了承くださいますよう、よろしくお願いします。
☆☆☆ ★★★ ☆☆☆
互いの自宅の目の前で分かれた二人。きよみはアパートの自室に帰る。
玄関でカギを開けようと鍵穴にカギを入れて回すが、鍵は既に開いていた。
不思議に思ったきよみは扉を開く。中は電気がついておらず、真っ暗な空間が広がっていた。
電気を付け、足を進める。普段、母親が過ごしている居室に入ると、そこには倒れたきよみの母親の姿があった。
「お母さん!?」
母の姿をみとめたきよみはすぐさまそばに駆け寄り、声を掛ける。
しかし、彼女の反応はない。
その時、状況を察したきよみは急いで携帯を取り出し、緊急通報をする。
『はい、119番、埼玉です。火事ですか? 救急ですか?』
「救急です! は、母が倒れていて……!」
『落ち着いてください。まずは、今あなたがいる場所を教えてください』
「は、はい……今いるのは──」
きよみは答えられる範囲で対応したオペレーターからの質問に答えていく。
『では、ご自宅から一番近い消防署より救急隊が向かいますので、救急車の誘導をお願いします』
「は、はい。分かりました!」
オペレーターからの言葉に従い、きよみは自室を出て救急隊の到着を待つ。
待ち始めてから体感でおよそ二分ほど経ったと感じるころ、緊急車両のサイレンが街に鳴り響く。きよみの目的の車である。
一分一秒でも早く合流したいきよみはサイレンの方へ足を進める。しばらく進むと、目的の車と合流する。
合流したきよみは、自宅アパートまで誘導をする。
そこへ何人か野次馬が集まってきた。
その中に見覚えのある顔がいた。たけるである。彼はきよみの姿をみとめると、きよみの元へ近付いて来る。
「どうしたの?」
「実はね──」
きよみはたけるに帰宅後何があったかを説明した。
たけると自宅前で分かれ、その後帰宅したら部屋で母が倒れていたこと。
「なるほどね……。搬送、一緒について行った方が良いかな?」
「うーん……お願いしても……良い?」
「分かった。俺は準備してくるから、きよみさんは隊員さんとお母さんの所に行って来て。ほら、待っているみたいだから」
たけるが見つめる先には先ほどの救急隊員がきよみの事をここからどうすればいい? という表情で見ていた。
そこでようやく自分がしなければならない事に気が付いたきよみ。それは突然の事で気が動転して正常な思考が出来なくなっていることを物語っていた。
「──うん!」
きよみは、たけるに向かって返事と共に首肯すると、隊員の方へ走り出す。そして、部屋までの案内を始める。
その後ろ姿を見送ると、たけるは出発の準備を始めに自宅へと足を運ぶ。
☆☆☆ ★★★ ☆☆☆
二人はそれぞれのやるべきことを進めていく。たけるは身支度を、きよみは隊員への対応を、それぞれやっていく。
そんな中で身支度を終えたたけるは持ち物検査をしていく。
おそらく応急処置を病院で受けるだろうから、その間気を紛らわせられるように同じ携帯ゲーム機を二台。そして、現地で飲み物を調達できるように多少のお金を持っていく。
対して、きよみは救急隊員と自室へ向かい、母親の搬送をお願いすると、母親の保険証や母の財布などを持ち、救急隊と外へ出る。
そして、きよみとたけるが合流すると、救急車に乗り込み、救急隊の要請した救急受け入れが出来る病院へと向かう──。
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