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後輩の白井くん
「うわ!マジかよ!?メシ行くって言ってンぞ!?」
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とりあえず、また誘い出して食事とかしたいんだろうと、それっぽくメッセを打って送信する。
すぐに既読がついて、
『俺で良ければぜひ』
なんて、社交辞令だろうレスポンスが返ってきた。
「返信来ましたよ?」
「ハ? ――テメ、なに送ったんだよ!? 俺に言ってから送れよ!! つか、俺より先に明原チャンからのメッセ見ンな!!」
名須さんはガタリと立ち上がって言うけれど、トーク画面を開いたままなのだから見えてしまうのは仕方ないだろう。
「うわ! マジかよ!? メシ行くって言ってンぞ!?」
名須さんは俺の肩をバシバシ叩いて言う、かなり痛いが嬉しそうだ。
「社交辞令だと思われてますよ、コレ」
だからズバリと答えたら俺を叩く手が止まり、
「ハァ?」
とガチめのメンチ切られた。
うわぁ、チンピラかよ。
件の明原應が見たら、即行逃げられそうな凶悪な顔。
「しゃこーじれーッてのは、ハゲとかにやるやつだろ? なンで俺が明原チャンに社交辞令言わなきゃなンねーんだよ!?」
ダン! と足を踏み鳴らすけど、ここ二階だし、下の住人の迷惑になるからやめてください。
「もう付き合ってくれとか言ってるんですか? 相手に」
だからそもそもの問いを投げると、
「言ってねーけど、まだ」
勢いの削げたチンピラがまたちょっと照れ臭そうな顔をしたから、俺は何とも尻の悪い思いをした。
「ひとめ惚れでもなんでも、惚れたなら言っちまえばいいでしょうが? 手っ取り早いんだから」
そして歯痒いような気持ちになるのも、これ以上面倒をかけられるのが嫌だからだろうか?
「結局、名須さんは明原チャンとどうなりたいんですか? 俺、ああいう純朴そうな子に遊びで手を出して捨てるとか、そういうのに協力するの気が進まないんですけど」
しかしこの罪悪感は、早めに雪いでおかなければならないタイプのやつだろう。
「ア? 遊びな訳ねーだろ?」
名須さんは俺の言葉に眉を吊り上げると、
「結婚だよ、俺は明原チャンと結婚するんだよ!」
「結婚……」
「そーだよ、あと、テメーまで明原チャンって言うなバカ!」
まさか名須さんの口から、
「結婚」
という言葉が出てくることなんて想像もできないでいた俺は、呆然とした。
すぐに既読がついて、
『俺で良ければぜひ』
なんて、社交辞令だろうレスポンスが返ってきた。
「返信来ましたよ?」
「ハ? ――テメ、なに送ったんだよ!? 俺に言ってから送れよ!! つか、俺より先に明原チャンからのメッセ見ンな!!」
名須さんはガタリと立ち上がって言うけれど、トーク画面を開いたままなのだから見えてしまうのは仕方ないだろう。
「うわ! マジかよ!? メシ行くって言ってンぞ!?」
名須さんは俺の肩をバシバシ叩いて言う、かなり痛いが嬉しそうだ。
「社交辞令だと思われてますよ、コレ」
だからズバリと答えたら俺を叩く手が止まり、
「ハァ?」
とガチめのメンチ切られた。
うわぁ、チンピラかよ。
件の明原應が見たら、即行逃げられそうな凶悪な顔。
「しゃこーじれーッてのは、ハゲとかにやるやつだろ? なンで俺が明原チャンに社交辞令言わなきゃなンねーんだよ!?」
ダン! と足を踏み鳴らすけど、ここ二階だし、下の住人の迷惑になるからやめてください。
「もう付き合ってくれとか言ってるんですか? 相手に」
だからそもそもの問いを投げると、
「言ってねーけど、まだ」
勢いの削げたチンピラがまたちょっと照れ臭そうな顔をしたから、俺は何とも尻の悪い思いをした。
「ひとめ惚れでもなんでも、惚れたなら言っちまえばいいでしょうが? 手っ取り早いんだから」
そして歯痒いような気持ちになるのも、これ以上面倒をかけられるのが嫌だからだろうか?
「結局、名須さんは明原チャンとどうなりたいんですか? 俺、ああいう純朴そうな子に遊びで手を出して捨てるとか、そういうのに協力するの気が進まないんですけど」
しかしこの罪悪感は、早めに雪いでおかなければならないタイプのやつだろう。
「ア? 遊びな訳ねーだろ?」
名須さんは俺の言葉に眉を吊り上げると、
「結婚だよ、俺は明原チャンと結婚するんだよ!」
「結婚……」
「そーだよ、あと、テメーまで明原チャンって言うなバカ!」
まさか名須さんの口から、
「結婚」
という言葉が出てくることなんて想像もできないでいた俺は、呆然とした。
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