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どこに住んでいて、なんの仕事していて、既婚なのか未婚なのか、何歳なのかすら何も知らないまま。
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その日から俺らは、会うたびにセックスをするような関係になった。
柾邑さんはその度に、おこづかい……というには大きすぎる金額を俺に渡した。
つまり、パパ活みたいなこと。
それでも俺は、彼女とも微妙に距離置いたり置かれたりしながら。
ハッキリお別れ出来ないまま、罪悪感を抱えたままずるずると続けていた。
一度、
「柾邑さんはどうして俺を抱こうと思ったんですか?」
って、そういえばナンパみたいなものだったなと思い聞いたことがあった。
すると柾邑さんは、
「ン?なんか可愛いと思って、鳴かせてみたくなった」
そんなことを言って笑い、揶揄うように俺の耳をくすぐった。
それだけの気まぐれで手を出されたのか――って思ったら、自分だけ悶々としてるみたいで釈然としなかったのも本当だけど、そんな俺を見て、
「可愛い」
って言う柾邑さんにソワソワしてしまうのも抑えきれない俺は、彼のような人からすればものすごくチョロい男なのだと思う。
「他の人ともこういうことしてるんですか?」
って訊きたくなるのを我慢しながら、本気で柾邑さんのこと好きになっちゃったんだ俺……って思いはもうずっと前から抱いている確信。
そんなことを浮かべながら、くっついていた距離からすり寄ったらまた押し倒されキスされて。
正直言うとキスには最後まで抵抗があったはずなのに、もうすっかり好きって思ってるのを思い出す。
そうしてそのまま、また頭のなか真っ白になって何も考えられなくなるまで快楽責めをされて。
俺は無自覚なまま、
「好きっ、好きっ!」
って言っちゃってるんだ。
けれど言うたびに、更に激しく責められてることにも気付いていない俺なのだけれど。
俺は彼にバイト先も知られてるし、車で送ってもらった一人暮らしのアパートも知られてるし、大学も知られてる。
けれど俺が柾邑さんについて知ってるのは、名前と乗っている車種くらいで。
どこに住んでいて、なんの仕事していて、既婚なのか未婚なのか、何歳なのかすら何も知らないまま。
■
春になって、大学卒業を機に、俺はやっと彼女に、
「お別れしよう」
って言えた。
それから後日、彼女は柾邑さんの車に乗り込む俺をたまたま見かけたようだ。
俺のこと交友関係とかなんでも知ってると思っていた彼女だったから、
「誰だろう?」
って他に居ないタイプの彼に違和感覚えもしただろう。
けれどもう別れた相手のことだし、その頃には好きとかもなかったし、新生活も始まってるし、新しく付き合い始めた彼氏もいるからすぐに忘れちゃったんだけれど。
柾邑さんはその度に、おこづかい……というには大きすぎる金額を俺に渡した。
つまり、パパ活みたいなこと。
それでも俺は、彼女とも微妙に距離置いたり置かれたりしながら。
ハッキリお別れ出来ないまま、罪悪感を抱えたままずるずると続けていた。
一度、
「柾邑さんはどうして俺を抱こうと思ったんですか?」
って、そういえばナンパみたいなものだったなと思い聞いたことがあった。
すると柾邑さんは、
「ン?なんか可愛いと思って、鳴かせてみたくなった」
そんなことを言って笑い、揶揄うように俺の耳をくすぐった。
それだけの気まぐれで手を出されたのか――って思ったら、自分だけ悶々としてるみたいで釈然としなかったのも本当だけど、そんな俺を見て、
「可愛い」
って言う柾邑さんにソワソワしてしまうのも抑えきれない俺は、彼のような人からすればものすごくチョロい男なのだと思う。
「他の人ともこういうことしてるんですか?」
って訊きたくなるのを我慢しながら、本気で柾邑さんのこと好きになっちゃったんだ俺……って思いはもうずっと前から抱いている確信。
そんなことを浮かべながら、くっついていた距離からすり寄ったらまた押し倒されキスされて。
正直言うとキスには最後まで抵抗があったはずなのに、もうすっかり好きって思ってるのを思い出す。
そうしてそのまま、また頭のなか真っ白になって何も考えられなくなるまで快楽責めをされて。
俺は無自覚なまま、
「好きっ、好きっ!」
って言っちゃってるんだ。
けれど言うたびに、更に激しく責められてることにも気付いていない俺なのだけれど。
俺は彼にバイト先も知られてるし、車で送ってもらった一人暮らしのアパートも知られてるし、大学も知られてる。
けれど俺が柾邑さんについて知ってるのは、名前と乗っている車種くらいで。
どこに住んでいて、なんの仕事していて、既婚なのか未婚なのか、何歳なのかすら何も知らないまま。
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春になって、大学卒業を機に、俺はやっと彼女に、
「お別れしよう」
って言えた。
それから後日、彼女は柾邑さんの車に乗り込む俺をたまたま見かけたようだ。
俺のこと交友関係とかなんでも知ってると思っていた彼女だったから、
「誰だろう?」
って他に居ないタイプの彼に違和感覚えもしただろう。
けれどもう別れた相手のことだし、その頃には好きとかもなかったし、新生活も始まってるし、新しく付き合い始めた彼氏もいるからすぐに忘れちゃったんだけれど。
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