結婚相手は、初恋相手~一途な恋の手ほどき~

馬村 はくあ

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第三章~真実~

学くんのいる毎日

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「ちとせちゃん、帰ろう」



金曜日。
学くんとこうして一緒にいるようになったのは、月曜日のこと。

あれから、学くんとはことある事に一緒にいるようになった。



『お前、あいつに騙されてんじゃねーの?』



なんて、燿くんは不吉なことを言ってくれるけど。
でも、いま隣にいる学くんはいつも優しい。



「月曜で終わるな」


「うん……」



このなんとも言えない関係が始まる時。
〝終わったら言う〟そう言われていた。

だから、月曜。
教育実習が終わったら、あたしたちの関係に名前がつく。



「気は変わってない?」


「学くんこそ……」



学くんは、あたしのことを可愛いとか、好きだとか。
たくさんの甘い言葉を言ってくれるけど。

でも、学校中に学くんのファンがいるし。
その中にはあたしよりも可愛い子なんてたくさんいる。

だから、いつも他の子に気が向いてしまうんじゃないかと不安だらけだ。



「なんか、不安気な顔してるけどどうかした?」



あたしの表情の変化に気づいてか、立ち止まって顔を覗きこむ。



「いや……」


「ん?どうした?」



そう聞く学くんの表情はとても優しくて。
気づけば、素直に自分の気持ちを口にしてた。



「学くん、すごい人気だし……」


「うん」


「実習が終わって……大学、戻ったらやっぱり……そこでも人気だろうし」


「うん」



あたしの言葉をひとつひとつ汲み取るように相槌を打ってくれる。



「あたしのことなんて、すぐに……「それはないよ」



あたしの言葉が言い終わらないうちに、学くんの言葉が降ってくる。



「え?」



学くんの顔を見上げれば、少し怒ったような顔をしてる。



「俺は、ちとせちゃんが好きだって言ってるでしょ?」



ぎゅっと、両頬をはさまれる。



「うう、学、くん……」


「霧島になに吹き込まれたかしんないけど」


「え?燿くん?」



突然、燿くんの名前が出てきて首をかしげる。



「どうせ、騙されてるとか言われてんだろ」


「……っ、それ、は……」



燿くんにはいつも学くんのことを相談してて。
嬉しいときも、不安になったときも話を聞いてくれるのは燿くんだった。



「霧島にばっか頼ってたら、俺嫉妬しちゃうよ?」



クイッと顔を上げられて、チュッとおでこに軽いキス。



「……っ」



唇にキスをされたわけでもないのに。
学くんは、少しおでこに触れるだけであたしを悩殺しようとする危険人物だ。

だって、たったそれだけのことであたしの心臓はうるさくなる。

あぁ、この人のことが好きなんだなって実感する。



「ぷっ、ほんとすぐ顔真っ赤になるな」



今度はあたしの頬を優しく包みこむ。



「誰になんと言われても不安になんかなる必要ないよ。俺が好きなのはちとせちゃんなんだから」


「うん……」



好きな人の言葉は偉大だ。
その人に言われたらなんでも信じられる。
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