俺のことだけを見てればいいのに。

とらまーる

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番外

少年のお泊りデート おまけ?

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 しばらくの間撫でられ続け、ふと隼人の手が離れたかと思うとベッドの中に入ってきた。

「ちょっ、狭いだろ!」
「えー、一緒に寝ようよ。」
「今起きたばっかだっつーの!」
「体休ませないといけないでしょ。」

 自然と俺を抱きしめている隼人に文句を言っても、平然と返されるだけで状況は変わらなかった。
 とりあえず、反対側を向こうと寝返りを打つとさらに距離が縮まり、隼人の温かさに包まれた。

「ッ~~~、近い!」
「そう? 俺にとってはちょうどいいんだけど。」

 は、恥ずかしい……! 平然と言ってのけるから聞いてるこっちが照れる。てか、なんで隼人はこの距離で平気なんだよ……!
 しばらく動くこともできずに硬直していると、唐突に部屋のドアが開いた。

「……隼人、何してるんだ?」

「ッ、離せ!」
「照れなくてもいいのに……あ、翼おはよう。」

 入ってきたのは隼人の弟の翼で、俺はハッとして暴れる。
 さっきと違い、すんなり離してくれたもののもうすでにみられている。
 頭を抱えてうなだれていると、隼人に頭を撫でられた。……なんか、悔しい。

「いや、おはようって……まあいい。
ところで、俺は邪魔だったのか?」

「うん、邪魔かな。」
「そんなことねーよ! むしろありがとう!」

 翼の問いかけに、同時に真逆のことをしゃべった俺ら。それを見て怪訝に眉を寄せる翼だったけど、しばらくしてあきらめたようにため息をついて本題に入った。

「隼人に相談があってきたんだ。」
「え、後にしてよ。」

 真剣に本題を話した翼だったものの、バッサリと隼人に切り落とされた。何もそんなにはっきり切らなくてもと思い、「俺が聞こうか?」と話しかけたけど首を横に振られた。

「いや、萊って隼人の気持ち気付かない位だから無理だと思う。」
「うぐっ……!」

 そんなはっきり断らないでもいいだろ……てか、翼何言ってるんだ?

「まあそれはどうでもいい。
なあ、どうしてもだめか?」
「今忙しいから。」

 普段無表情だから少し眉を下げてる翼が珍しい……まあ、隼人はニコニコいつも通りの顔でバッサリ切ってるけど。
 とりあえず、さっき俺は断られたので静かに聞いておく。

「腹黒兄貴に恋の手伝いしてもらいたかったんだが。」
「……相手は?」

 あ、隼人がちょっと気になりだしてる。
 そっか、翼にも好きな人が……ああ、俺みたいに期待を裏切られないといいな。俺はそこまで嫌じゃないけど……

「相談に乗ってくれるなら。」
「へえ。翼の好きな人かあ……さっき”腹黒兄貴”って言ったのは、相手の裏をかきたいから? まあ、面白くなるならいいよ。」

 隼人、面白がってるのかよ。けど、意地悪く笑ってるのが似合ってる。ちょっとカッコイイ……とかは思ってない、思ってない!

「さすが。んじゃ、また明日学校で。」
「ん。じゃあさっさと帰って?」
「ククッ、おめでと。」

 帰り際に置いて行かれた翼からの祝福の言葉。その言葉に俺はただ赤面して俯いた。
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