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プロローグ
しおりを挟む海岸沿いを歩きながら、巷でよく聞く『死にたくなった理由』について考えていた。
たとえばそう。
好きなひとにふられたから。
家族が死んだから。
いじめに耐えかねて。
就職活動が上手くいかなくて。
お金がなくて。
……とか。
僕はどうだろう、と考える。
どれも違う。
当てはまらない。
友達はたくさんいるし、好きなひとはいないけど、家族はふつうに仲が良い。生活も苦しくないし、勉強だってそこそこできる。
傍から見た僕はきっと、死ぬ理由なんてひとつもない。
……だけど、生きる理由もなかった。
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