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第7章・さよならのあとで
第51話
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――汐風くんへ。
久しぶり。汐風くん、元気にしてる?
私は元気だよ。って言っても、たぶんこの手紙を見てる頃、私はいないのかな。とりあえず、今こうして手紙を書いている私は元気です。
実はこれ、私にとって初めての手紙なんだ。
手紙って、書くのめちゃくちゃ緊張するんだね。こうして書くまで知らなかったよ。
さて、私がなんで手紙を書いているかというと、汐風くんにどうしても伝えたいことがあるからです。
口ではうまく伝えられなさそうだから、手紙で伝えるね。
えっとね、いきなりなんだけど、私はたぶん、もうすぐ死んじゃいます。
私はクローンだから、ふつうのひとよりも寿命が短いんだって。
とはいっても、思っていたよりずっとずっと長生きしたんだよ?
お姉ちゃんが生きてたら、きっと私は汐風くんには会えてなかったはずだから。
私ね、お姉ちゃんがいなくなってからずっと考えてたんだ。
なんのために生きてるのかなって。
もともとお姉ちゃんを生かすために生まれてきたはずなのに、たったひとつの使命すら果たせなかった私に、このまま生きる価値あるのかなって。
だから、せめてもと思って、私は先生たちの言うことをちゃんと聞くようにしてた。
食べ物は与えられたものだけ。
検査もちゃんと受けて、わがままは言わない。
それは、生きているのか死んでいるのか、よく分からない毎日だった。
そんなときだよ、君に出会ったのは。
あのね、お姉ちゃんがよく言っていたんだ。
――迷ったら桜の花を探して。
――桜を見上げれば、その先に空と太陽があるから。
――桜は、希望だよ。だから、あなたは私の希望なの。
お姉ちゃんが恋しくなって、私は先生が休みの日にこっそりあの神社に行きました。
そして、君に出会いました。
汐風くんと過ごした毎日は、信じられないくらい楽しくて、本当にあっという間でした。
もしかしたらお姉ちゃんはこの感情を私に知ってほしくて、私を生かしてくれたのかも、なんてことを考えちゃうくらい。
だけど汐風くんと出会ったとき、私に残された時間は既にほとんどなかったんだ。
先生はクローンの研究をずっとしてた。
そのなかでも私は実験が成功した唯一の個体だったんだけど、それでもまだまだ未完成だったんだって。
だから私は、寿命よりも汐風くんを選びました。
汐風くんは優しいから、こんなことを言ったらきっと、じぶんに責任を感じちゃうよね。
ごめんね。
本当は、分かってたんだ。
私はふつうじゃないから、汐風くんとは一緒にいるべきじゃない。
汐風くんとの時間を求めるのは間違った選択肢なんだって分かってた。でも、選ばずにはいられなかった。
だって汐風くんが美味しいっていうものがどんなものなのか気になったし、汐風くんが好きって言うものを私も好きになりたかった。
それは、汐風くんを知ることだから。
お姉ちゃんが言っていた希望、という言葉の意味を、私は君に出会ってようやく知りました。
お姉ちゃんは、私の臓器を希望だと言っていたんじゃなかった。私の命を、希望だと言っていたんだって。
汐風くんが好きでした。だから私は、汐風くんのそばで最後まで私らしくいることを選びたかったんだ。
わがままでごめんね。
ふつうの女の子じゃなくてごめんね。
ずっと一緒にいられなくてごめんね。
叶うなら、また、桜を一緒に見たかったな。
電車とか飛行機にも乗って、もっと広い世界を見てみたかったな。
汐風くんが生まれた場所も見てみたかったし、親友の凪くんにも会ってみたかった。
やり残したことはたくさんある。でもね、後悔だけはひとつもないよ。
私ね、汐風くんに出会って初めて、幸せってなにか分かったよ。
私にとっての幸せは、お姉ちゃんや先生、それとなにより、汐風くんと出会えたこと。汐風くんとの時間すべて。
幸せを、教えてくれてありがとう。
最後にひとつ、大好きな汐風くんにお守りを贈ります。
――僕は封筒のなかを見た。
そこには、手作りの栞が入っていた。桜の花びらがラミネートされた、どこか見覚えのある栞だ。
あれ、と思って文庫本の頁をぱらぱらとめくる。途中、隙間に挟まっていた栞が顔を覗かせた。
僕のはこれだ。手紙のなかに入っていた栞は、僕のものじゃない。でも、見た目はそっくりだった。本物の桜の花びらがラミネートされている栞。
「なんで桜がこれを……」
僕は手紙へ視線を戻した。
――これはね、お姉ちゃんがくれたんだ。お姉ちゃんは、先生に作ってもらったって言ってた。
こんなことを言ったら、汐風くんはびっくりするかもしれないけど……私ね、実は生まれる前の記憶がちょっとだけあるんだ。
たぶんこれは、お姉ちゃんの記憶。
三年くらい前かな。お姉ちゃん、紫之宮神社で同い歳くらいの男の子と出会ったんだ。
ひとりぼっちですごく寂しそうにしてたから、お姉ちゃんは放っておけなくて、その子に桜の花びらをあげたんだ。
これがそのときの花びらなんだって。
汐風くんからこの本を借りたとき、栞を見てびっくりしました。
あのときの男の子が汐風くんだったなんて、すごいことじゃない?
この本を借りて、汐風くんの栞を見て、あのときの男の子が君だって気付きました。
それで思ったんだ。私たちが出会うのはやっぱり運命だったんだって。
ねぇ、君はひとりじゃないよ。
お姉ちゃんが君を見つけたし、私も君を見つけた。
これからもきっといろんなひとに出会って、いろんな経験をしてく。
いいなぁ。私も汐風くんのとなりで、同じ景色を見たかったな。
でも、大丈夫。私もすぐに生まれ変わるから。
次、私がなにになるのか分からないけれど、汐風くんならきっと見つけてくれるって信じてるよ。
だからそれまで、またね!
――桜
僕は歯を食いしばり、空を仰いだ。
そうだ。数年前、不登校になったときも僕はここへ来た。そのとき、見知らぬ女の子に慰められ、この桜の花びらをもらったのだ。
記憶の片隅にあった朧気な記憶が、鮮明に蘇る。
あのとき出会った名前も知らない少女。僕に寄り添ってくれた少女。
それは、桜のお姉さん――夢さんだったのだ。
彼女が、桜の……。
「……そっか。そうだったんだ」
思い返してみれば、面影の少女は完全に桜と瓜二つだった。
なんで今まで気付かなかったのだろう。
思えば、ほぼ初対面の蝶々さんにじぶんのことを話せたのだって、彼女との出会いがあったからだ。
見ず知らずの彼女が先に僕を受け入れてくれたから、僕は抵抗なく蝶々さんに話せたのだ。
あの頃から、桜は僕を救ってくれていたのだ。
唇の隙間から嗚咽が漏れ、僕は思わず手で口元を覆う。
ぽとりと雫が手に落ちる。一度こぼれ落ちれば、それはとめどなく両の目からあふれ出してくる。
「桜っ……!」
彼女の名前を呼ぶけれど、反応はない。
いつも、ここに来れば桜がいたのに。
黒猫に誘われてここへ来れば、桜がいつもじぶんと同じ名前の花を見上げていたのに。
桜はもう、ここにはいない。もう、死んでしまった。
無情な現実が、僕を孤独へと押しやる。
いやだ。会いたい。桜に、会いたい。
「桜……っ」
耐えきれず彼女の名前を呼んだとき、ふと声が聞こえた気がした。
『俯きそうになったら、桜の木を探してみて! 桜の花を見ようとすれば、顔を上げられるから!』
ゆっくりと顔を上げると、そこには青葉に彩られた桜の木があった。
青葉の先には、筆で刷いたような青々とした空。
花はなくとも美しいその木に、僕は涙を流した。
涙を流すことは恥ずかしいことではないのだと、僕はこの街へ来て知った。
涙はこらえるものだと思っていた。
苦しさは我慢するものだと思っていた。
でも、そうじゃない。
泣いてもいい。
苦しみから逃げてもいい。
じぶん自身の弱さと向き合って、弱さを受け入れることも大切なことなのだと、僕は桜に教えられた。
ありのままのじぶんを受け入れることは容易いことじゃないけれど、大切なひとを失った毎日は苦しく険しいけれど。
それでも僕には明日がある。
君には許されなかった明日があって、君との思い出も胸のなかにあるから。
生きろと、この心臓が訴えるから。
僕は、また歩き出す。
彼女と出会った、春を目指して。
久しぶり。汐風くん、元気にしてる?
私は元気だよ。って言っても、たぶんこの手紙を見てる頃、私はいないのかな。とりあえず、今こうして手紙を書いている私は元気です。
実はこれ、私にとって初めての手紙なんだ。
手紙って、書くのめちゃくちゃ緊張するんだね。こうして書くまで知らなかったよ。
さて、私がなんで手紙を書いているかというと、汐風くんにどうしても伝えたいことがあるからです。
口ではうまく伝えられなさそうだから、手紙で伝えるね。
えっとね、いきなりなんだけど、私はたぶん、もうすぐ死んじゃいます。
私はクローンだから、ふつうのひとよりも寿命が短いんだって。
とはいっても、思っていたよりずっとずっと長生きしたんだよ?
お姉ちゃんが生きてたら、きっと私は汐風くんには会えてなかったはずだから。
私ね、お姉ちゃんがいなくなってからずっと考えてたんだ。
なんのために生きてるのかなって。
もともとお姉ちゃんを生かすために生まれてきたはずなのに、たったひとつの使命すら果たせなかった私に、このまま生きる価値あるのかなって。
だから、せめてもと思って、私は先生たちの言うことをちゃんと聞くようにしてた。
食べ物は与えられたものだけ。
検査もちゃんと受けて、わがままは言わない。
それは、生きているのか死んでいるのか、よく分からない毎日だった。
そんなときだよ、君に出会ったのは。
あのね、お姉ちゃんがよく言っていたんだ。
――迷ったら桜の花を探して。
――桜を見上げれば、その先に空と太陽があるから。
――桜は、希望だよ。だから、あなたは私の希望なの。
お姉ちゃんが恋しくなって、私は先生が休みの日にこっそりあの神社に行きました。
そして、君に出会いました。
汐風くんと過ごした毎日は、信じられないくらい楽しくて、本当にあっという間でした。
もしかしたらお姉ちゃんはこの感情を私に知ってほしくて、私を生かしてくれたのかも、なんてことを考えちゃうくらい。
だけど汐風くんと出会ったとき、私に残された時間は既にほとんどなかったんだ。
先生はクローンの研究をずっとしてた。
そのなかでも私は実験が成功した唯一の個体だったんだけど、それでもまだまだ未完成だったんだって。
だから私は、寿命よりも汐風くんを選びました。
汐風くんは優しいから、こんなことを言ったらきっと、じぶんに責任を感じちゃうよね。
ごめんね。
本当は、分かってたんだ。
私はふつうじゃないから、汐風くんとは一緒にいるべきじゃない。
汐風くんとの時間を求めるのは間違った選択肢なんだって分かってた。でも、選ばずにはいられなかった。
だって汐風くんが美味しいっていうものがどんなものなのか気になったし、汐風くんが好きって言うものを私も好きになりたかった。
それは、汐風くんを知ることだから。
お姉ちゃんが言っていた希望、という言葉の意味を、私は君に出会ってようやく知りました。
お姉ちゃんは、私の臓器を希望だと言っていたんじゃなかった。私の命を、希望だと言っていたんだって。
汐風くんが好きでした。だから私は、汐風くんのそばで最後まで私らしくいることを選びたかったんだ。
わがままでごめんね。
ふつうの女の子じゃなくてごめんね。
ずっと一緒にいられなくてごめんね。
叶うなら、また、桜を一緒に見たかったな。
電車とか飛行機にも乗って、もっと広い世界を見てみたかったな。
汐風くんが生まれた場所も見てみたかったし、親友の凪くんにも会ってみたかった。
やり残したことはたくさんある。でもね、後悔だけはひとつもないよ。
私ね、汐風くんに出会って初めて、幸せってなにか分かったよ。
私にとっての幸せは、お姉ちゃんや先生、それとなにより、汐風くんと出会えたこと。汐風くんとの時間すべて。
幸せを、教えてくれてありがとう。
最後にひとつ、大好きな汐風くんにお守りを贈ります。
――僕は封筒のなかを見た。
そこには、手作りの栞が入っていた。桜の花びらがラミネートされた、どこか見覚えのある栞だ。
あれ、と思って文庫本の頁をぱらぱらとめくる。途中、隙間に挟まっていた栞が顔を覗かせた。
僕のはこれだ。手紙のなかに入っていた栞は、僕のものじゃない。でも、見た目はそっくりだった。本物の桜の花びらがラミネートされている栞。
「なんで桜がこれを……」
僕は手紙へ視線を戻した。
――これはね、お姉ちゃんがくれたんだ。お姉ちゃんは、先生に作ってもらったって言ってた。
こんなことを言ったら、汐風くんはびっくりするかもしれないけど……私ね、実は生まれる前の記憶がちょっとだけあるんだ。
たぶんこれは、お姉ちゃんの記憶。
三年くらい前かな。お姉ちゃん、紫之宮神社で同い歳くらいの男の子と出会ったんだ。
ひとりぼっちですごく寂しそうにしてたから、お姉ちゃんは放っておけなくて、その子に桜の花びらをあげたんだ。
これがそのときの花びらなんだって。
汐風くんからこの本を借りたとき、栞を見てびっくりしました。
あのときの男の子が汐風くんだったなんて、すごいことじゃない?
この本を借りて、汐風くんの栞を見て、あのときの男の子が君だって気付きました。
それで思ったんだ。私たちが出会うのはやっぱり運命だったんだって。
ねぇ、君はひとりじゃないよ。
お姉ちゃんが君を見つけたし、私も君を見つけた。
これからもきっといろんなひとに出会って、いろんな経験をしてく。
いいなぁ。私も汐風くんのとなりで、同じ景色を見たかったな。
でも、大丈夫。私もすぐに生まれ変わるから。
次、私がなにになるのか分からないけれど、汐風くんならきっと見つけてくれるって信じてるよ。
だからそれまで、またね!
――桜
僕は歯を食いしばり、空を仰いだ。
そうだ。数年前、不登校になったときも僕はここへ来た。そのとき、見知らぬ女の子に慰められ、この桜の花びらをもらったのだ。
記憶の片隅にあった朧気な記憶が、鮮明に蘇る。
あのとき出会った名前も知らない少女。僕に寄り添ってくれた少女。
それは、桜のお姉さん――夢さんだったのだ。
彼女が、桜の……。
「……そっか。そうだったんだ」
思い返してみれば、面影の少女は完全に桜と瓜二つだった。
なんで今まで気付かなかったのだろう。
思えば、ほぼ初対面の蝶々さんにじぶんのことを話せたのだって、彼女との出会いがあったからだ。
見ず知らずの彼女が先に僕を受け入れてくれたから、僕は抵抗なく蝶々さんに話せたのだ。
あの頃から、桜は僕を救ってくれていたのだ。
唇の隙間から嗚咽が漏れ、僕は思わず手で口元を覆う。
ぽとりと雫が手に落ちる。一度こぼれ落ちれば、それはとめどなく両の目からあふれ出してくる。
「桜っ……!」
彼女の名前を呼ぶけれど、反応はない。
いつも、ここに来れば桜がいたのに。
黒猫に誘われてここへ来れば、桜がいつもじぶんと同じ名前の花を見上げていたのに。
桜はもう、ここにはいない。もう、死んでしまった。
無情な現実が、僕を孤独へと押しやる。
いやだ。会いたい。桜に、会いたい。
「桜……っ」
耐えきれず彼女の名前を呼んだとき、ふと声が聞こえた気がした。
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苦しさは我慢するものだと思っていた。
でも、そうじゃない。
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