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第4章 一通の手紙と令嬢の定め
不穏
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「終わりだよ。魔力剣・天轟破断」
身体強化・7を発動した隆人は度重なる再生で超強化された紫の怪物をさらに圧倒する。派生「神速」まで併用した高速剣は衝撃波を生み出しながら、怪物の身体の全身至る所を削り斬りとばす。
そして三度怪物は地に崩れ落ちた。
そして、隆人は剣をゆっくりと上段に持ち上げて魔力を集中させていく。手に握られたセロは注ぎ込まれた大量の魔力によって、その輝きを一層強めていく。眩いばかりの剣はさながら光の剣である。
隆人は彗星のように尾を引く光の剣を下でモゾモゾと再生を始めている怪物に振り下ろす。
「ーーーーーーー!!?」
怪物は絶叫もろとも弾けた光の奔流によって飲み込まれていった。
「いやぁ、これでも残るなんてね……」
光が消えた後、そこには未だ怪物が存在していた。恐ろしきまでのしぶとさであるが、流石に健在とは言い難いものであった。
3メートルを超える見上げるほどでたった威容は数十センチ程度のサイズにまで縮小し、触手や手足、頭部といった数々の部位は全て消失している。
もはや肉塊と呼ぶに相応しいものだった。
「」
肉塊はモゾモゾと蠢いている。そんな状態になってもまだ再生をしようというのか。口が無くなったからか喋ることすらままならないようであるが。
よく見ると肉塊の一部から再び身体が作り出されていく。
「リュート様!トドメは私の魔法で。これは私がやらなければならない気がするのです」
「ロロノもやるのです!」
「そうですね、一緒に!」
隆人の背後から聞こえる声。気配からティナが魔力を高めさせていくのがわかる。ロロノも銀羽槍を構えたまま集中していく。
隆人がそれを理解して一歩引く。
「〈聖炎の檻、それは全てを燃やし包む。我は自然を司る数多な精霊達の代行者。法をもって敵を撃つ執行者。悪しきものを捕らえ邪なるものを滅する裁きよ、我が眼前に顕現せよ〉『聖炎葬送』!」
「魔力槍・放 なのです!」
隆人が退いたところで、極限まで高められた魔力がティナから放出する。同時にロロノも数少ない魔力をつぎ込んで銀羽槍に集め、槍の一振りと一緒に放出する。
ロロノの槍の砲撃もであるが、ティナの自然の魔力を利用したその魔法はこれまでのどんな魔法よりも強力なものであり上級魔法すら凌駕する。
そんな爆炎と魔力の弾ける光。それらが肉塊の転がる一箇所に炸裂する。
「全く、なんて事だ」
「!?」
炸裂する膨大な魔力。その中心から声が響く。その声は恐ろしいほどに冷え切ったものであった。
光が晴れたそこにその主はいた。
「ガイルと言ったか?Aランクパーティというから期待したんだが。仕事一つ完遂できぬばかりか魔族化も碌に制御できず、居合わせた冒険者風情に倒されるとは」
真っ黒な装束を纏ったその男が低い声で呟く。
その手には肉塊と化した怪物が鷲掴みにされていた。未だピクピクと痙攣している。
ティナ達の攻撃を一身に受けたはずの男の身には傷ひとつ見受けられない。
そして男はその身に凄まじい力を内包している。
「む?」
「はぁっ!」
地面が爆ぜる。隆人がひと蹴りで距離を踏み抜き男に向けてセロを振り抜いた。
男も反応し高速の一撃の寸前にその場から離れる。
「いきなり出てきて何者かな?」
「答える必要があるか?」
ゾワリ
冷えた男の声、その声とともに隆人を嫌な感覚が襲う。まるで見えない腕が自分の中に入ってくるような感覚。
隆人はすぐに内包する魔力をもって見えざる侵食に抵抗する。
「ほぅ?魔力干渉を弾くか。魔族化したこの男を倒した事も含め、貴様ただの冒険者ではないようだな」
「お褒めに預かりどうも。ついでに詳しい話を聞かせてくれるとありがたいんだけどね」
「調子にのるな。小僧」
男の周囲にいくつか炎が浮かぶ。それも赤い炎ではない。黒い、闇そのもののような炎が。
一つ一つに濃密な魔力が込められており、その威力は図るべくもない。
そんな黒炎が隆人に向け降り注いだ。速度もかなりのものである。
襲い来る黒火の玉をかわしていく。一つ二つと、隆人に当たり損ねた火の玉は地面や木々に跡形もなく燃やす。
あまりにも火力が高すぎるが故に燃え広がる前に着弾したもの全てを焼いていく。
あとひとつというところで隆人の身体がガクンとバランスを崩す。隆人を覆っていた青白いオーラが消える。身体強化のタイムオーバーである。
体勢を崩しては回避は間に合わない。隆人は咄嗟にセロに魔力を流し黒炎と相対す。
「魔力剣っ!」
黒炎が弾ける。そして隆人もまた地面に膝をついた。咄嗟の為込めた魔力も不足していたのか完全に相殺しきることはできず、身体の節々に火傷がうまれている。
「くぅっ」
「興醒めだな。どれだけの手練れかとおもったらこの程度か。……む?」
先程から一歩も動いていない男はふと視線を握りしめた肉塊へと向ける。
肉塊は未だ再生しようと蠢いているが、その動きは弱まっており、終わりが近いことがわかる。
「これももう限界か。失敗作とは言えサンプルとしての価値はありそうだ。お前たち、どうやら命拾いしたようだな」
男が隆人達を一瞥する。その視線には隆人達への興味は薄らいでいた。
「逃がしませんよ!」
飛翔する炎。今度のそれは暗いものではなく明るく暖かな光に包まれている。
一直線に飛んで行った炎は男に直撃する。
「ふむ。精霊の炎か、珍しいものを持っているようなだな。それに貴様がレティシアの血筋の娘か」
「んなっ!片手で」
聖炎はたしかに着弾したが、それは男の手のひらの中であり、燃え盛ろうとしたところで逆に手に黒い魔力を纏わせた男によって握りつぶされた。
「五年前とは違い今回は殺せなかったか、だがまぁ大きな問題ではないな」
「……五年前?」
五年前、それはティナの姉であるエリザベートが亡くなった年である。そして今回の出来事の数々。
感じていたさまざまな違和感が今一つに繋がる。
「まさか!エリザ姉様は!」
「シャリエ家が王族と結ばれると少々面倒な者がこちらに存在してな」
突然知らされる事実。目の前の男が、愛する姉の仇であった。その事実がティナに衝撃を与える。
「さて、時間だな。貴様達、我々の邪魔をするのであれば次はない」
そんな言葉を置き土産に男の体が燃え上がる。そしてその炎が消えたそこに男と肉塊はそこにはいなかった。
辺りには静寂だけが残されていた。
(今作を読んで頂いている皆さま、あけましておめでとうございます、2019年も身体強化をよろしくお願い致します。そしてお気に入り数がなんと1000を超えました!これはこれは幸先がいい!)
身体強化・7を発動した隆人は度重なる再生で超強化された紫の怪物をさらに圧倒する。派生「神速」まで併用した高速剣は衝撃波を生み出しながら、怪物の身体の全身至る所を削り斬りとばす。
そして三度怪物は地に崩れ落ちた。
そして、隆人は剣をゆっくりと上段に持ち上げて魔力を集中させていく。手に握られたセロは注ぎ込まれた大量の魔力によって、その輝きを一層強めていく。眩いばかりの剣はさながら光の剣である。
隆人は彗星のように尾を引く光の剣を下でモゾモゾと再生を始めている怪物に振り下ろす。
「ーーーーーーー!!?」
怪物は絶叫もろとも弾けた光の奔流によって飲み込まれていった。
「いやぁ、これでも残るなんてね……」
光が消えた後、そこには未だ怪物が存在していた。恐ろしきまでのしぶとさであるが、流石に健在とは言い難いものであった。
3メートルを超える見上げるほどでたった威容は数十センチ程度のサイズにまで縮小し、触手や手足、頭部といった数々の部位は全て消失している。
もはや肉塊と呼ぶに相応しいものだった。
「」
肉塊はモゾモゾと蠢いている。そんな状態になってもまだ再生をしようというのか。口が無くなったからか喋ることすらままならないようであるが。
よく見ると肉塊の一部から再び身体が作り出されていく。
「リュート様!トドメは私の魔法で。これは私がやらなければならない気がするのです」
「ロロノもやるのです!」
「そうですね、一緒に!」
隆人の背後から聞こえる声。気配からティナが魔力を高めさせていくのがわかる。ロロノも銀羽槍を構えたまま集中していく。
隆人がそれを理解して一歩引く。
「〈聖炎の檻、それは全てを燃やし包む。我は自然を司る数多な精霊達の代行者。法をもって敵を撃つ執行者。悪しきものを捕らえ邪なるものを滅する裁きよ、我が眼前に顕現せよ〉『聖炎葬送』!」
「魔力槍・放 なのです!」
隆人が退いたところで、極限まで高められた魔力がティナから放出する。同時にロロノも数少ない魔力をつぎ込んで銀羽槍に集め、槍の一振りと一緒に放出する。
ロロノの槍の砲撃もであるが、ティナの自然の魔力を利用したその魔法はこれまでのどんな魔法よりも強力なものであり上級魔法すら凌駕する。
そんな爆炎と魔力の弾ける光。それらが肉塊の転がる一箇所に炸裂する。
「全く、なんて事だ」
「!?」
炸裂する膨大な魔力。その中心から声が響く。その声は恐ろしいほどに冷え切ったものであった。
光が晴れたそこにその主はいた。
「ガイルと言ったか?Aランクパーティというから期待したんだが。仕事一つ完遂できぬばかりか魔族化も碌に制御できず、居合わせた冒険者風情に倒されるとは」
真っ黒な装束を纏ったその男が低い声で呟く。
その手には肉塊と化した怪物が鷲掴みにされていた。未だピクピクと痙攣している。
ティナ達の攻撃を一身に受けたはずの男の身には傷ひとつ見受けられない。
そして男はその身に凄まじい力を内包している。
「む?」
「はぁっ!」
地面が爆ぜる。隆人がひと蹴りで距離を踏み抜き男に向けてセロを振り抜いた。
男も反応し高速の一撃の寸前にその場から離れる。
「いきなり出てきて何者かな?」
「答える必要があるか?」
ゾワリ
冷えた男の声、その声とともに隆人を嫌な感覚が襲う。まるで見えない腕が自分の中に入ってくるような感覚。
隆人はすぐに内包する魔力をもって見えざる侵食に抵抗する。
「ほぅ?魔力干渉を弾くか。魔族化したこの男を倒した事も含め、貴様ただの冒険者ではないようだな」
「お褒めに預かりどうも。ついでに詳しい話を聞かせてくれるとありがたいんだけどね」
「調子にのるな。小僧」
男の周囲にいくつか炎が浮かぶ。それも赤い炎ではない。黒い、闇そのもののような炎が。
一つ一つに濃密な魔力が込められており、その威力は図るべくもない。
そんな黒炎が隆人に向け降り注いだ。速度もかなりのものである。
襲い来る黒火の玉をかわしていく。一つ二つと、隆人に当たり損ねた火の玉は地面や木々に跡形もなく燃やす。
あまりにも火力が高すぎるが故に燃え広がる前に着弾したもの全てを焼いていく。
あとひとつというところで隆人の身体がガクンとバランスを崩す。隆人を覆っていた青白いオーラが消える。身体強化のタイムオーバーである。
体勢を崩しては回避は間に合わない。隆人は咄嗟にセロに魔力を流し黒炎と相対す。
「魔力剣っ!」
黒炎が弾ける。そして隆人もまた地面に膝をついた。咄嗟の為込めた魔力も不足していたのか完全に相殺しきることはできず、身体の節々に火傷がうまれている。
「くぅっ」
「興醒めだな。どれだけの手練れかとおもったらこの程度か。……む?」
先程から一歩も動いていない男はふと視線を握りしめた肉塊へと向ける。
肉塊は未だ再生しようと蠢いているが、その動きは弱まっており、終わりが近いことがわかる。
「これももう限界か。失敗作とは言えサンプルとしての価値はありそうだ。お前たち、どうやら命拾いしたようだな」
男が隆人達を一瞥する。その視線には隆人達への興味は薄らいでいた。
「逃がしませんよ!」
飛翔する炎。今度のそれは暗いものではなく明るく暖かな光に包まれている。
一直線に飛んで行った炎は男に直撃する。
「ふむ。精霊の炎か、珍しいものを持っているようなだな。それに貴様がレティシアの血筋の娘か」
「んなっ!片手で」
聖炎はたしかに着弾したが、それは男の手のひらの中であり、燃え盛ろうとしたところで逆に手に黒い魔力を纏わせた男によって握りつぶされた。
「五年前とは違い今回は殺せなかったか、だがまぁ大きな問題ではないな」
「……五年前?」
五年前、それはティナの姉であるエリザベートが亡くなった年である。そして今回の出来事の数々。
感じていたさまざまな違和感が今一つに繋がる。
「まさか!エリザ姉様は!」
「シャリエ家が王族と結ばれると少々面倒な者がこちらに存在してな」
突然知らされる事実。目の前の男が、愛する姉の仇であった。その事実がティナに衝撃を与える。
「さて、時間だな。貴様達、我々の邪魔をするのであれば次はない」
そんな言葉を置き土産に男の体が燃え上がる。そしてその炎が消えたそこに男と肉塊はそこにはいなかった。
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