神を従えし者たち

真崎 遥也

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第1章 邪龍王の生贄

第11話 新たな友と神従試験最終日

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試験が終わった後、食事をしているとある人物が話し掛けてきた。

「やぁ、こんにちは。いやこんばんはかな?僕は阪本 龍夜って言うんだ。宜しくね。」

四騎士 阪本 龍徳の息子、阪本 龍夜だった。容姿は白髪に蒼眼で身長が低く、165cmくらいだろう。かなり顔が整っており、中性的な顔だ。言うならば美少年だろう。

お互いに自己紹介を済ませた。

「うん。和葉にエリシアさん、沙月さんだね。」

彼は牛田家と違い、傲慢自尊な性格ではないようで安心した。

そんな事があった次の日。いよいよ神従試験最終日である。

「えー、今日は実際に魔物と戦ってもらう。この2日間の結果を元にしそれぞれの推定ランクを出した。そのランクに基づき魔物のランクも決める。」

魔物と言っても過去の魔物の資料を元にしそれを復元するというものだ。

今試験が始まり半分くらいが終わった。今の所A~Cランクの魔物が出ており殆どのものが勝っている。

しかし、同じランクで勝てるのもAランクまでだ。SランクはAAランクの単独討伐、SSランクはSランク単独討伐、SSSランクはSSランク単独討伐、XランクはSSSランク単独討伐である。未だにXランクは現れた事は無い。

「次は牛田の奴か。あいつは実力だけはあるからな。」

召喚された魔物はSランク魔物であった。
ナルーシャレウスと呼ばれるワニのような魔物である。

「来い。『アカシア』憑依。」

異世界という存在は、今まで否定されてきた。しかし、神と契約できるこの時代、神話には存在しない神が現れた。それが異世界神だ。あのアカシアという神は異世界語『レシーア語』で牡牛座を司る神らしい。

憑依した牛田は、炎のベールに包まれている。そして炎の鎧を着ており、片手には炎で斧の形を象っている。

「炎の神よ。異界の地から舞い降りしその姿を今ここに現さん!「百花炎舞ダルダ・ルージュ」!!!」

そこには炎の神が辺りを蹂躙した様が見える。まるで世界の終焉を迎えたような絵図だ。

「そこまで!牛田 翔SSランク!」

この年1人目のSSランクの誕生である。後にこの年は高ランカーが続出の『黄金世代ゴールデンエイジ』と呼ばれる。

「次は僕だね。行ってくるよ。」

次は龍夜の出番だ。

Sランク魔物火竜が相手のようだ。

「僕も1発で決めようかな。」

そう宣言すると、龍夜を中心として魔法陣が現れる。うん?これはただの魔法陣じゃないな。科学魔法か。

重力異空間ブラックホール

1つのホクロくらい小さい粒が火竜の前に現れた。その瞬間、火竜は一瞬で吸い込まれた。

「解除」

そう呟いた瞬間、ブラックホールは消えた。

ブラックホールには重力の特異点と呼ばれる密度と重力が無限大の場所がある。しかし、この科学魔法「重力異空間ブラックホール」は存在そのものが特異点であり異質な物である。その存在は星級魔法と同じ威力を持つが、使えるものがいない── 操作が難しく自分まで飲み込まれてしまう──ため今まで存在が露見することはなかった。それを扱えるという事は流石四騎士の息子だな。解除の一言で消したが、そこには緻密な魔力操作が必要である。

「そこまで!阪本 龍夜SSランク!」

「やったよ!和葉!」

「凄かったよ。」

いよいよ俺と沙月とエリーだけである。

「行ってきますね。」

「頑張って来いよ。」

現れたのはSランク魔物ペガサスである。

「憑依!」

あれから鍛えたようで、召喚せずに憑依ができるようになったようだ。

「行きますよ。「アガーサ・ファエリオン」!!」

上に眩く光る星が現れ、そこから数多の光線が発射される。1発でもかなり高威力な光線を複数回浴びペガサスは死に至った。多分今までで1番優しい倒し方だろう。

「そこまで!エリシア・フォマーソンSSランク!」

「お疲れさま。」

「ありがとうございます!」

「次は沙月だな。頑張れよ。」

「余裕よ。」

普通はこの歳では勝てるものがほぼいないであろう相手なのに余裕というのはすごい事だろう。

現れたのはSランク魔物ヒュドラである。これはSランクでも上位であるためかなり大変だろう。

「来なさい。『木花咲耶姫命』憑依。」

これは、まさかアイツと契約してたとはな・・・

憑依した姿はまさに和服美人という感じである。

「花よ舞え。そしてその花弁で切り裂け。「桜吹雪の舞」」

桜の木が現れた。桜吹雪がヒュドラを切り裂く。一つ一つが鋭利の尖った剣と同じ威力を持つのでしばらく経つとヒュドラは死んだ。何度もブレスを撃ったが桜により塞がれてしまう。

「そこまで!鏡屋 沙月SSランク!」

「お疲れ、沙月サクヤと契約してたんだな。」

「そうだけど、もしかして知ってるの?」

「一方的にな。この話はまた後で。最後は俺のようだからな。」

フィールドに降りると現れたのはSSランク魔物、神狼フェンリルだった。

「・・・は?」

Sランク魔物と思ったし、あれは厄災とも呼ばれる魔物だ。神狼と呼ばれているが、神話でそう呼ばれていたからである。

「ちっ、遥ねえだな。仕方ない。あの魔法使うか。」

「顕現せよアル・マハト。このフィールドに強力な結界を貼っておいて。」

「分かりました、主。」

「ふぅ。全ての崩壊は、詞により紡がれる。今からするは虚無。塵も残さず滅す。終焉を迎えし世界よ。ここに大いなる無の理を示さん。嗚呼、愛しき人よ。全ては無に帰るのだ。『虚無之世界ヴァニタスムンドゥス』!!」

動きながらの詠唱は疲れるな。オーバーキルかも知れないが腹いせに星・級・魔法を撃ってやった。

結界内にいるのは俺だけになった。

「そ、そこまで!神前 和葉SSSランク!」

そこには唖然とした空気が残った。

「和葉。なんで君は星級魔法を使えるんだい?」

龍夜が聞いてくる。

「何故って俺は『ラッパ吹き』だからな。」

みんなシーンとしている。

「それって言っていいことなんですか?」

「お前達を信用してるからな。」

「嬉しいような、知っちゃいけなかったような。」

「まあいいじゃないか。」

「では今から最初に来た階へ来てくれ。」

そう言われてみんな移動し始めた時、沙月に話があると呼ばれた。

「貴方は何故サクヤを知ってるの?」

「サクヤを召喚してみろ。」

「分かったわ来なさい、サクヤ。」

「こんにちはです!なんですか?沙月。」

現れたのは黒髪黒眼ショートカットのかわいい系の少女である。

「はじめまして、サクヤ。」

「はじめまして・・貴方は誰です?」

「こいつなら知ってるはずさ。おいで、カグヤ。」

「なんなのじゃ?」

「ねえ、さま?ねえさまー!」

「サクヤ!久しぶりじゃの!」

「何故2人は仲いいの?」

「サクヤがなんの神かは知ってるだろう?」

「えぇ、富士の神でしょ?」

「あぁ、そしてカグヤ、神名『赫夜姫』はその前の富士の神だ。所謂姉妹だな。」

「え!?そうなの?」

「まぁ今となっては忘れられた神の1人だがな。」

「そうなのね・・・」

「そろそろ行くか!」

「分かったわ。戻りなさいサクヤ。」

「ちょっと先に行っててくれ。」

「カグヤ、あいつの居場所は見つかったか?」

「まだなのじゃ・・・」

「まあ仕方ないか。だがあいつには借りがあるからな。」




「えー、今年の試験は過去最高だろう。不合格者なし、全員Cランク以上、Sランク10人、SSランク4人、SSSランク1人だ。これは快挙だろうな。ではこれにて解散!」

こうして、神従試験は無事に終わった。と思ったが・・・

「た、大変です!女帝と八百万学園の方々はいますか?」

「何のようだ?」

「学園に、推定ランクSSSランクの龍王が堕天した邪龍王が現れました!」

「何!?」

俺は何か胸騒ぎがした。何かやばい事が起こる予感と共に・・・

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・用語解説

古の遺物アーティファクト
過去の超文明により作られたと言われる道具。この時代ではありえない現象を起こす物もあると言われている。主人公 神前 和葉の持つ『朧月夜』はアーティファクトの中でも最高位に位置する物である。次元を切り裂き、異空間を移動することも可能である。
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