92 / 169
黄金の国
魔法の暴走
なんだか肌寒い。
そうして目を開けると、石壁に霜が降りている。
なにこれ。
呼吸をすると白い息が漏れて、体が震える。
本当に寒い。
身を縮こまらせて周りを見わたすと、窓の外の水が凍っている。
急にどういうことなの。
立ち上がろうと床に触れるとまるで氷のように冷たい。
何が起きているのか分からないが、床の冷たさに耐えかねて私は埃をかぶっている布の方へ移動する。
布を一枚隔てただけでも冷たさは多少マシになる。
私は肩をさすりながら、窓の外を見る。
凍っている水がどの程度固まっているのだろうか。
窓ガラスを割り、氷を砕きながら地上に出ることは出来るだろうか。
そこまで考えて首を振る。
水の全てが凍っているとは限らない。
途中までしか凍っていない場合、水が流れ込んでくる可能性もある。
わざと水をこの牢屋に流し込んで、その水位があがることによって天井に届かせることも考えはした。
だが、あの床が開くかどうか分からないし、最悪溺死するような気もする。
命を天秤にかけることだけはするな。
ヒサメに言われたことがよぎって、水を入れるのは最終手段にするしかない。
私だって、できるだけ脱出は安全にしたい。
そうなると、窓からの脱出は最後だ。
他に出られる可能性のある場所を探さないと。
ローザは遺体を運び出す通路があるはずだと言っていた。
だが、この狭い部屋にわざわざ入って、遺体を処理するようなシステムなのだろうか。
私は王の間の床に落とし穴があったことから、この部屋にも同様に落とし穴があるのではないかと考えた。
何かのスイッチで床が開く。
そうしてこの部屋にもそれがあり、遺体は下の水に落ちる。
水の流れで遺体は一か所に集まり、その遺体は集団墓地などに埋められるのでは。
そこまで考えてから、私は床を確認し始めた。
石が並べられたようなその床はどこが切れ目か分からない。
どこかしらが開くようになっていれば、こじ開けられないだろうか。
冷たい床に手をついて、自分の白い息を避けながら切れ目を探す。
これかな、と思うところに短剣を刺して縦横に動かしてみる。
それを繰り返して、なんとなく開きそうな切れ目を見つけた。
短剣を今までで一番深く差し込んで、てこの原理で開こうとするが固くて開きそうもない。
私の力じゃ足りないのかもしれない。
それとも、魔力の減少で力もすり減っているのか?
渾身の力で両手で短剣を押し込んでも、1センチほどしか動かなかった。
だめだ、開かない。
力を入れたことによって、手の傷が開いて血が滲む。
頭の痛みもじんじんと強くなって、くらくらと眩暈がする。
やばい、意識が途切れる。
私はその冷たい床に倒れて、意識を手放す寸前。
「リビ様!!生きてますか!?」
息切れとともに、ローザの声が聞こえた。
小さな穴に毛布を押し込んでくれて、震える手で毛布を受け取る。
「ソラ様の部屋が開かないんです。扉が氷漬けになっていて、今騎士たちが扉を燃やそうとしています。これは、ソラ様の魔法ですか?」
ローザの言葉に、私は首を傾げながら毛布を体に巻く。
「ソラの魔法は確かに、氷ですが。でも、こんな大規模な魔法は見たことないです。」
でも、ソラは魔法がどんどん強くなっていると言っていた。
私と離れているうちに、ソラだって成長している。
だとしても、この城全体を凍えさせるほどの魔法をソラが?
「城が凍っているんですか?」
「城だけじゃない、この黄金の国が凍っているんです!地面や建物が氷漬けになっています。それが次第に国の外にまで広がっている。これって、あの絵本の話と一緒ですよね?」
ブルームーンドラゴンの伝説の話。
戦争を終わらせた世界を凍らせた魔法。
それが、ソラにもできるってこと?
いや、もう一つある。
「魔力の暴走、かもしれません。」
「やはり、そうですか。なんとかソラ様と接触して、止めないと。」
「この国の光の加護でソラは魔法が強化されている。その上、こんなことになってソラの負の感情がコントロールできなくなっているということです。」
ソラはただでさえ私と離れている時間が長かった。
ソラは泉の谷、私は白銀の国で過ごしていたから。
今回黄金の国に来るときもずっと私の傍を離れなかった。
人見知りしないソラが、騎士の誰にも懐こうとしなかった。
それは、ソラが私と離れていたことで既に心が不安定になっていたからだ。
そうして、今強制的に離されたことによってソラの魔法が暴走している。
暴走した場合、隔離したり気絶させたりすればいいみたいな話だったはずだが、こんな広範囲に魔法を及ぼす場合気絶一択だろう。
「なんとかソラのいる部屋に入るしかなさそうですね。この地下牢の床に開きそうな場所を見つけたんですが、私の力じゃ足りないんです。開くためのスイッチとか、もしくは長い金属の棒とかありませんか?」
出られるとしたらやはりこの床しかない。
「分かりました、持ってきます。この城の構造を把握するために文献を漁るより、棒を探す方が早いです。」
何かしらの棒を探しに行ったローザを待つ間、どんどん気温が下がっていく。
ソラの魔法が強くなっているせいだ。
暴走とはいえ、まだ子供だと思っていたソラがここまでの魔法を使えるとは思ってもみなかった。
それだけ暴走というものは負の感情によって魔力を強化させるのだ。
さらに光の加護のアシストで最悪の事態に陥っている。
毛布で体を覆ってはいるものの手や足が悴んできた。
これは本当に急がなければさらに体力を失っていく。
そうなれば、脱出するための体力さえ無くなってしまう。
寒さで震え、歯がカチカチと音を鳴らす。
身を縮こまらせ、毛布に顔を埋めて、それから考える。
もし、この床が開いたとして下は水だったはず。
だがその水は今凍ってしまっている。
降りるスペースが存在するのか、それとも割らなければ進めないのか。
私の残り少ない体力で果たして陸まで保つのか。
ぐるぐると考えを巡らせて、白い息を吐く。
いや、ソラを助けに行かないといけないんだから。
ここを出て、ソラのところへ行くんだ。
そう思うだけで自然と前向きになれる自分がいた。
そうして目を開けると、石壁に霜が降りている。
なにこれ。
呼吸をすると白い息が漏れて、体が震える。
本当に寒い。
身を縮こまらせて周りを見わたすと、窓の外の水が凍っている。
急にどういうことなの。
立ち上がろうと床に触れるとまるで氷のように冷たい。
何が起きているのか分からないが、床の冷たさに耐えかねて私は埃をかぶっている布の方へ移動する。
布を一枚隔てただけでも冷たさは多少マシになる。
私は肩をさすりながら、窓の外を見る。
凍っている水がどの程度固まっているのだろうか。
窓ガラスを割り、氷を砕きながら地上に出ることは出来るだろうか。
そこまで考えて首を振る。
水の全てが凍っているとは限らない。
途中までしか凍っていない場合、水が流れ込んでくる可能性もある。
わざと水をこの牢屋に流し込んで、その水位があがることによって天井に届かせることも考えはした。
だが、あの床が開くかどうか分からないし、最悪溺死するような気もする。
命を天秤にかけることだけはするな。
ヒサメに言われたことがよぎって、水を入れるのは最終手段にするしかない。
私だって、できるだけ脱出は安全にしたい。
そうなると、窓からの脱出は最後だ。
他に出られる可能性のある場所を探さないと。
ローザは遺体を運び出す通路があるはずだと言っていた。
だが、この狭い部屋にわざわざ入って、遺体を処理するようなシステムなのだろうか。
私は王の間の床に落とし穴があったことから、この部屋にも同様に落とし穴があるのではないかと考えた。
何かのスイッチで床が開く。
そうしてこの部屋にもそれがあり、遺体は下の水に落ちる。
水の流れで遺体は一か所に集まり、その遺体は集団墓地などに埋められるのでは。
そこまで考えてから、私は床を確認し始めた。
石が並べられたようなその床はどこが切れ目か分からない。
どこかしらが開くようになっていれば、こじ開けられないだろうか。
冷たい床に手をついて、自分の白い息を避けながら切れ目を探す。
これかな、と思うところに短剣を刺して縦横に動かしてみる。
それを繰り返して、なんとなく開きそうな切れ目を見つけた。
短剣を今までで一番深く差し込んで、てこの原理で開こうとするが固くて開きそうもない。
私の力じゃ足りないのかもしれない。
それとも、魔力の減少で力もすり減っているのか?
渾身の力で両手で短剣を押し込んでも、1センチほどしか動かなかった。
だめだ、開かない。
力を入れたことによって、手の傷が開いて血が滲む。
頭の痛みもじんじんと強くなって、くらくらと眩暈がする。
やばい、意識が途切れる。
私はその冷たい床に倒れて、意識を手放す寸前。
「リビ様!!生きてますか!?」
息切れとともに、ローザの声が聞こえた。
小さな穴に毛布を押し込んでくれて、震える手で毛布を受け取る。
「ソラ様の部屋が開かないんです。扉が氷漬けになっていて、今騎士たちが扉を燃やそうとしています。これは、ソラ様の魔法ですか?」
ローザの言葉に、私は首を傾げながら毛布を体に巻く。
「ソラの魔法は確かに、氷ですが。でも、こんな大規模な魔法は見たことないです。」
でも、ソラは魔法がどんどん強くなっていると言っていた。
私と離れているうちに、ソラだって成長している。
だとしても、この城全体を凍えさせるほどの魔法をソラが?
「城が凍っているんですか?」
「城だけじゃない、この黄金の国が凍っているんです!地面や建物が氷漬けになっています。それが次第に国の外にまで広がっている。これって、あの絵本の話と一緒ですよね?」
ブルームーンドラゴンの伝説の話。
戦争を終わらせた世界を凍らせた魔法。
それが、ソラにもできるってこと?
いや、もう一つある。
「魔力の暴走、かもしれません。」
「やはり、そうですか。なんとかソラ様と接触して、止めないと。」
「この国の光の加護でソラは魔法が強化されている。その上、こんなことになってソラの負の感情がコントロールできなくなっているということです。」
ソラはただでさえ私と離れている時間が長かった。
ソラは泉の谷、私は白銀の国で過ごしていたから。
今回黄金の国に来るときもずっと私の傍を離れなかった。
人見知りしないソラが、騎士の誰にも懐こうとしなかった。
それは、ソラが私と離れていたことで既に心が不安定になっていたからだ。
そうして、今強制的に離されたことによってソラの魔法が暴走している。
暴走した場合、隔離したり気絶させたりすればいいみたいな話だったはずだが、こんな広範囲に魔法を及ぼす場合気絶一択だろう。
「なんとかソラのいる部屋に入るしかなさそうですね。この地下牢の床に開きそうな場所を見つけたんですが、私の力じゃ足りないんです。開くためのスイッチとか、もしくは長い金属の棒とかありませんか?」
出られるとしたらやはりこの床しかない。
「分かりました、持ってきます。この城の構造を把握するために文献を漁るより、棒を探す方が早いです。」
何かしらの棒を探しに行ったローザを待つ間、どんどん気温が下がっていく。
ソラの魔法が強くなっているせいだ。
暴走とはいえ、まだ子供だと思っていたソラがここまでの魔法を使えるとは思ってもみなかった。
それだけ暴走というものは負の感情によって魔力を強化させるのだ。
さらに光の加護のアシストで最悪の事態に陥っている。
毛布で体を覆ってはいるものの手や足が悴んできた。
これは本当に急がなければさらに体力を失っていく。
そうなれば、脱出するための体力さえ無くなってしまう。
寒さで震え、歯がカチカチと音を鳴らす。
身を縮こまらせ、毛布に顔を埋めて、それから考える。
もし、この床が開いたとして下は水だったはず。
だがその水は今凍ってしまっている。
降りるスペースが存在するのか、それとも割らなければ進めないのか。
私の残り少ない体力で果たして陸まで保つのか。
ぐるぐると考えを巡らせて、白い息を吐く。
いや、ソラを助けに行かないといけないんだから。
ここを出て、ソラのところへ行くんだ。
そう思うだけで自然と前向きになれる自分がいた。
あなたにおすすめの小説
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜
月城 蓮桜音
ファンタジー
仕事に日々全力を注ぎ、モフモフのぬいぐるみ達に癒されつつ、趣味の読書を生き甲斐にしていたハードワーカーの神木莉央は、過労死寸前に女神に頼まれて異世界へ。魔法のある世界に召喚された莉央は、魔力量の少なさから無能扱いされるが、持ち前のマイペースさと素直さで、王子と王子の幼馴染達に愛され無双して行く物語です。
※この作品は、カクヨムでも掲載しています。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
アラフォー幼女は異世界で大魔女を目指します
梅丸みかん
ファンタジー
第一章:長期休暇をとったアラフォー独身のミカは、登山へ行くと別の世界へ紛れ込んでしまう。その場所は、森の中にそびえる不思議な塔の一室だった。元の世界には戻れないし、手にしたゼリーを口にすれば、身体はなんと6歳の子どもに――。
ミカが封印の箱を開けると、そこから出てきたのは呪いによって人形にされた大魔女だった。その人形に「大魔女の素質がある」と告げられたミカは、どうせ元の世界に戻れないなら、大魔女を目指すことを決心する。
だが、人形師匠はとんでもなく自由すぎる。ミカは師匠に翻弄されまくるのだった。
第二章:巷で流れる大魔女の遺産の噂。その裏にある帝國の侵略の懸念。ミカは次第にその渦に巻き込まれていく。
第三章:異世界で唯一の友人ルカが消えた。その裏には保護部屋の存在が関わっていることが示唆され、ミカは潜入捜査に挑むことになるのだった。
ダンジョン・イーツ! ~戦闘力ゼロの俺、スキル【絶対配送】でS級冒険者に「揚げたてコロッケ」を届けたら、世界中の英雄から崇拝されはじめた件~
たくみさん
ファンタジー
「攻撃力ゼロのポーターなんて、配信の邪魔なんだよ!」
3年尽くしたパーティから、手切れ金の1万円と共に追放された探索者・天野蓮(アマノ・レン)。
絶望する彼が目にしたのは、ダンジョン深層で孤立し、「お腹すいた……」と涙を流すS級美少女『氷姫』カグヤの緊急生放送だった。
その瞬間、レンの死にスキルが真の姿を見せる。
目的地と受取人さえあれば、壁も魔物も最短距離でブチ抜く神速の移動スキル――【絶対配送(デリバリー・ロード)】。
「お待たせしました! ご注文の揚げたてコロッケ(22,500円)お届けです!」
地獄の戦場にママチャリで乱入し、絶品グルメを届けるレンの姿は、50万人の視聴者に衝撃を与え、瞬く間に世界ランク1位へバズり散らかしていく!
一方、彼を捨てた元パーティは補給不足でボロボロ。
「戻ってきてくれ!」と泣きつかれても、もう知らん。俺は、高ランク冒険者の依頼で忙しいんだ!
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。