55 / 111
隣国 アンリー
隣国 アンリー②
しおりを挟む
カナリヤとハーネストが向かったのは一件の家。周りには誰もいない。壁には色々な紙が貼ってある。
「これみて」
カナリヤがハーネストに言う。
壁に飾られている紙には騎士を募集していると書かれている。
「これ結構いいんじゃない?」
「けど、これ危険すぎるだろ」
「危険でもここに行けば色々と分かるかもしれない」
「それにここの騎士団長って…嘘だろ…」
ハーネストが目を大きく開き右下に小さく書かれている名前を指さす。
「サンザリカ・アルファ……」
その名を聞いた途端カナリヤは怒りが溢れ出てくる。ルリスを殺した張本人がこの騎士団のトップ。
「……私ここの騎士団に入る」
ボソッと低い声で言う。ハーネストは驚き口を開いたままだ。
状況を何とか飲み込みカナリヤの肩を揺さぶる。
「正気か?!もし見つかったら殺されるぞ!?」
「だから何?」
冷たい目、光のない目でハーネストを見る。ハーネストは背筋がゾクッとした。冷たい風を浴びたような感じがする。
「私はこいつに復讐するために生きてきたの。こいつに怨みをぶつけることができるなら私はどうなってもいいんだよ」
何も言うことが出来ない。カナリヤの覚悟は相当なものだ。
カナリヤがサンザリカに復讐を誓った時何度も止めた。そんなことをしてもルリスは喜ばない。
ルリスが最後に言い残していた言葉を思い出せと。幸せになってね、と言われたとカナリヤは言っていた。
それならお前はそんなことをしないで幸せになるために普通の暮らしをしろと。
けれどカナリヤは何を言っても聞かなかった。何度も止めたがその都度邪魔しないでと言われる。
それでもカナリヤの幸せを願って言っているんだ、と言った。するとカナリヤはこう言った。
「何が幸せを願ってるだよ。私の幸せを願っているんだったら邪魔しないで。…私は小さい頃に親が亡くなって、ルリスの親に引き取られて、本当の家族のように接してくれて楽しかった。ルリスも本当のお姉ちゃんみたいで私は最高に幸せだった。けど、ルリスがいなくなった今、私は生きる意味を失った。唯一の生きがいだったルリスが死んだら、生きている意味ない。死んでも構わないって思った。けどね、せめて今まで一緒にいてくれたルリスに恩返しがしたい。今、私にできることはこれくらいだから。ルリスに恩返しができるのは私にとって幸せなんだよ」
そんなことを言われたら何も言い返せなくなった。それ以降カナリヤとは会わなくなった。
それから何年かたった頃に国にウイルスが広がったと噂を耳にした。すぐにカナリヤの仕業だと確信した。
もうカナリヤを止められないんだと深く実感した。
だったら、今自分が出来ることをやろうと誓った。できる限り手伝おうと思ったが騎士団に入るのは少し賛成できなかった。
「……そこまでして…ルリスの無念を晴らしたいのか」
「これみて」
カナリヤがハーネストに言う。
壁に飾られている紙には騎士を募集していると書かれている。
「これ結構いいんじゃない?」
「けど、これ危険すぎるだろ」
「危険でもここに行けば色々と分かるかもしれない」
「それにここの騎士団長って…嘘だろ…」
ハーネストが目を大きく開き右下に小さく書かれている名前を指さす。
「サンザリカ・アルファ……」
その名を聞いた途端カナリヤは怒りが溢れ出てくる。ルリスを殺した張本人がこの騎士団のトップ。
「……私ここの騎士団に入る」
ボソッと低い声で言う。ハーネストは驚き口を開いたままだ。
状況を何とか飲み込みカナリヤの肩を揺さぶる。
「正気か?!もし見つかったら殺されるぞ!?」
「だから何?」
冷たい目、光のない目でハーネストを見る。ハーネストは背筋がゾクッとした。冷たい風を浴びたような感じがする。
「私はこいつに復讐するために生きてきたの。こいつに怨みをぶつけることができるなら私はどうなってもいいんだよ」
何も言うことが出来ない。カナリヤの覚悟は相当なものだ。
カナリヤがサンザリカに復讐を誓った時何度も止めた。そんなことをしてもルリスは喜ばない。
ルリスが最後に言い残していた言葉を思い出せと。幸せになってね、と言われたとカナリヤは言っていた。
それならお前はそんなことをしないで幸せになるために普通の暮らしをしろと。
けれどカナリヤは何を言っても聞かなかった。何度も止めたがその都度邪魔しないでと言われる。
それでもカナリヤの幸せを願って言っているんだ、と言った。するとカナリヤはこう言った。
「何が幸せを願ってるだよ。私の幸せを願っているんだったら邪魔しないで。…私は小さい頃に親が亡くなって、ルリスの親に引き取られて、本当の家族のように接してくれて楽しかった。ルリスも本当のお姉ちゃんみたいで私は最高に幸せだった。けど、ルリスがいなくなった今、私は生きる意味を失った。唯一の生きがいだったルリスが死んだら、生きている意味ない。死んでも構わないって思った。けどね、せめて今まで一緒にいてくれたルリスに恩返しがしたい。今、私にできることはこれくらいだから。ルリスに恩返しができるのは私にとって幸せなんだよ」
そんなことを言われたら何も言い返せなくなった。それ以降カナリヤとは会わなくなった。
それから何年かたった頃に国にウイルスが広がったと噂を耳にした。すぐにカナリヤの仕業だと確信した。
もうカナリヤを止められないんだと深く実感した。
だったら、今自分が出来ることをやろうと誓った。できる限り手伝おうと思ったが騎士団に入るのは少し賛成できなかった。
「……そこまでして…ルリスの無念を晴らしたいのか」
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に仕立て上げたいなら、ご注意を。
潮海璃月
ファンタジー
幼くして辺境伯の地位を継いだレナータは、女性であるがゆえに舐められがちであった。そんな折、社交場で伯爵令嬢にいわれのない罪を着せられてしまう。そんな彼女に隣国皇子カールハインツが手を差し伸べた──かと思いきや、ほとんど初対面で婚姻を申し込み、暇さえあれば口説き、しかもやたらレナータのことを知っている。怪しいほど親切なカールハインツと共に、レナータは事態の収拾方法を模索し、やがて伯爵一家への復讐を決意する。
【完結】王都に咲く黒薔薇、断罪は静かに舞う
なみゆき
ファンタジー
名門薬草家の伯爵令嬢エリスは、姉の陰謀により冤罪で断罪され、地獄の収容所へ送られる。 火灼の刑に耐えながらも薬草の知識で生き延び、誇りを失わず再誕を果たす。
3年後、整形と記録抹消を経て“外交商人ロゼ”として王都に舞い戻り、裏では「黒薔薇商会」を設立。
かつて自分を陥れた者たち
――元婚約者、姉、王族、貴族――に、静かに、美しく、冷酷な裁きを下していく。
これは、冤罪や迫害により追い詰められた弱者を守り、誇り高く王都を裂く断罪の物語。
【本編は完結していますが、番外編を投稿していきます(>ω<)】
*お読みくださりありがとうございます。
ブクマや評価くださった方、大変励みになります。ありがとうございますm(_ _)m
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
『魔力ゼロの欠陥品』と蔑まれた伯爵令嬢、卒業パーティーで婚約破棄された瞬間に古代魔法が覚醒する ~虐げられ続けた三年間、倍返しでは足りない~
スカッと文庫
恋愛
「貴様のような無能、我が国の王妃には相応しくない。婚約を破棄し、学園から追放する!」
王立魔道学園の卒業パーティー。きらびやかなシャンデリアの下、王太子エドワードの声が冷酷に響いた。彼の隣には、愛くるしい表情で私を嵌めた男爵令嬢、ミナが勝ち誇ったように寄り添っている。
伯爵令嬢のリリアーヌは、入学以来三年間、「魔力ゼロの欠陥品」として学園中の嘲笑を浴び続けてきた。
婚約者であるエドワードからは一度も顧みられず、同級生からはゴミのように扱われ、ミナの自作自演による「いじめ」の濡れ衣まで着せられ……。
それでも、父との「力を隠せ」という約束を守るため、泥を啜るような屈辱に耐え抜いてきた。
――だが、国からも学園からも捨てられた今、もうその約束を守る必要はない。
「さようなら、皆様。……私が消えた後、この国がどうなろうと知ったことではありませんわ」
リリアーヌが身につけていた「魔力封印の首飾り」を自ら引き千切った瞬間、会場は漆黒の魔力に包まれた。
彼女は無能などではない。失われた「古代魔法」をその身に宿す、真の魔道の主だったのだ。
絶望する王太子たちを余目に、隣国の伝説の魔術師アルベルトに拾われたリリアーヌ。
彼女の、残酷で、甘美な復讐劇が今、幕を開ける――。
「証拠なら全て記録してあります」——記録魔法しか取り柄がないと捨てられた令嬢、婚約破棄の場で三年分の不正を読み上げる
歩人
ファンタジー
伯爵令嬢アネットの唯一の魔法は『記録《レコード》』——見たもの聞いたものを
一字一句記憶する地味な能力。婚約者の侯爵子息ヴィクトルは「戦えない魔法など
無価値だ」と婚約破棄を宣言する。だがアネットは微笑んだ。「承知いたしました。
では最後に一つだけ——」。彼女が読み上げ始めたのは、ヴィクトルが三年間で横領した
軍事費の明細。日付、金額、共犯者の名前、密会の会話。全て『記録』済み。
満座の貴族が凍りつく中、王宮監察官が静かに立ち上がった。
「……続けてください、アネット嬢」。
婚約破棄の舞台は、そのまま公開裁判になった。
無能令嬢、『雑役係』として辺境送りされたけど、世界樹の加護を受けて規格外に成長する
タマ マコト
ファンタジー
名門エルフォルト家の長女クレアは、生まれつきの“虚弱体質”と誤解され、家族から無能扱いされ続けてきた。
社交界デビュー目前、突然「役立たず」と決めつけられ、王都で雑役係として働く名目で辺境へ追放される。
孤独と諦めを抱えたまま向かった辺境の村フィルナで、クレアは自分の体調がなぜか安定し、壊れた道具や荒れた土地が彼女の手に触れるだけで少しずつ息を吹き返す“奇妙な変化”に気づく。
そしてある夜、瘴気に満ちた森の奥から呼び寄せられるように、一人で足を踏み入れた彼女は、朽ちた“世界樹の分枝”と出会い、自分が世界樹の血を引く“末裔”であることを知る——。
追放されたはずの少女が、世界を動かす存在へ覚醒する始まりの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる